JPH037899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シール剤の注入が容易でシールが確
実に行えるコネクタ用ハウジングに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来より、シール剤を注入するタイプのコネク
タ用ハウジングとして例えば第５図、第６図に示
すものが知られている。このコネクタ用ハウジン
グによれば、ハウジング１の嵌合相手ハウジング
との嵌合口２には該嵌合口２を２室に区画する隔
壁３が設けられ、各室にはそれぞれ電気接続子
（ターミナル）４が配置されており、そしてター
ミナル４の基端部（嵌合口２の底面側）にはエポ
キシ樹脂等からなるシール剤５が注入されてター
ミナル４の基端部とハウジング１との間のシール
がなされている。なお、隔壁３は嵌合口２を２室
に完全に隔離するものでなく、両室は互いに連通
している。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上記コネクタ用ハウジングによ
れば、嵌合口２の上部からシール剤５を注入する
ために、シール剤５がターミナル４の基端部を除
いた部分Ｌ（第６図参照）に付着しないように注
意深く注入しなければならず、少しでもシール剤
５が部分Ｌに付着すると相手方のターミナルとの
嵌合や電気的接触に悪影響を及ぼす問題があつ
た。

また、シール剤５の注入作業が困難であること
から、流動性の低いシール剤５だと均一に注入し
てシール性能を得ることができず、シール剤５に
は流動性の高いものに限定される問題があつた。

さらに、流動性の高いシール剤５を利用するこ
とから、ハウジングのターミナル孔からハウジン
グ内部にシール剤５が漏れるおそれがあり、この
ためターミナル孔の開口面積がターミナル４の断
面積よりも若干小さくなつて圧入方式になつてい
るが、シール剤が漏れないでかつ圧入があまりき
つくならないようにするためにターミナル孔の寸
法精度が厳しく要求される問題があり、また１枚
の板片を折り合わせて要求される厚さのターミナ
ル４を形成する場合には、折り合わせにより生じ
る隙間にシール剤５がしみ込む問題があつた。

本考案の目的は、シール剤の注入作業が容易に
行え、流動性の低いシール剤でも均一に注入して
シール性能をうることができるコネクタ用ハウジ
ングを提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するため、嵌合口内に
電気接続子を収容したハウジングの側壁に該嵌合
口の底面側に連通する孔を形成すると共に該側壁
より外方へ突出して該孔に連通するシール剤注入
部を設け、該孔より該電気接続子の基端部に直接
シール剤を注入することを特徴とする。

〔作用〕

シール剤をシール剤注入部から注入すると、シ
ール剤が電気接続子の部分Ｌ（第１図参照）に付
着するおそれなく嵌合口の底面側の電気接続子の
基端部に流入して充填され、ハウジングと電気接
続子の基端部との間を確実にシールする。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図〜第４図は本考案のコネクタ用ハウジン
グの一例を示している。なお、図中第５図、第６
図に示す部分と同一部分には同一符号を付してそ
の説明を省略する。

本実施例では、ターミナル４の基端部と対応す
るハウジング１の側壁位置に孔１ａが形成され、
該孔１ａに連通するシール剤注入部６が側壁から
突出して設けられて、該シール剤注入部６，孔１
ａから直接シール剤５がターミナル４の基端部に
注入される。

シール剤注入部６には、シール剤５の流入が容
易となる傾斜面７が形成されている。この傾斜面
７は、孔１ａへの流入を容易にする傾斜が急な斜
面７ａと、嵌合口２の底面に形成した凹状のシー
ル剤溜部８（シール剤５とターミナル４との基端
部との接触が確実に行われるようにするためのも
の）への流入を容易にする傾斜が緩やかな斜面７
ｂとから形成されている。

ハウジング１の成型に際しては、第４図に示す
ような斜めスライド９を使用する。

本実施例のコネクタ用ハウジングによれば、シ
ール剤注入部６からシール剤５を注入すると、シ
ール剤５は斜面７ａから孔１ａを通り斜面７ｂに
沿つて流れてまずシール剤溜部８に流入し、該シ
ール溜部８が満たされると、次いで嵌合口２の底
面側にシール剤５が満たされて、シール剤５の液
面が上昇してシール剤注入部６の注入面６ａ近傍
までシール剤５が注入される。

〔考案の効果〕

本考案は上記した如くに、嵌合口内に電気接続
子を収容したハウジングの側壁に該嵌合口の底面
側に連通する孔を形成すると共に該側壁より外方
へ突出して該孔に連通するシール剤注入部を設
け、該孔より該電気接続子の基端部に直接シール
剤を注入するものであるから、シール剤の注入作
業が容易となる上に、シール剤と電気接続子の基
端部との間のシールが確実に行え、た電気接続子
の基端部を除く部分（第１図に示すＬ部分）にシ
ール剤が付着するおそれがなく、相手ターミナル
との嵌合や電気的接触に対して悪影響を与えるこ
とがない。

また、流動性の低いシール剤を使用しても電気
接続子の基端部に確実に流入してシールすること
ができ、このためハウジングのターミナル孔から
ハウジング内部にシール剤が漏れるのを回避する
ためにターミナル孔の開口面積をターミナル４の
断面積よりも若干小さくして圧入方式にするよう
なことをしなくてもすみ、またターミナル孔の寸
法精度が厳しく要求されることもない。また、流
動性の低いシール剤を使用できることから、１枚
の板片を折り合わせて要求される厚さのターミナ
ル４を形成することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図は断面図、第２図は平面図、第３図は
斜視図、第４図は成形時の説明図、第５図は従来
のコネクタ用ハウジングの斜視図、第６図は断面
図である。 １………ハウジング、２……嵌合口、４……電
気接続子（ターミナル）、５……シール剤、１ａ
……孔、６……シール剤注入部、７……傾斜面、
８……シール剤溜部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 嵌合口内に電気接続子を収容したハウジングの
   側壁に該嵌合口の底面側に連通する孔を形成する
   と共に該側壁より外方へ突出して該孔に連通する
   シール剤注入部を設け、該孔より該電気接続子の
   基端部に直接シール剤を注入することを特徴とす
   るコネクタ用ハウジング。