JPH0377030B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶接用ワイヤのリールから溶接用ワ
イヤを取出して使用するに際して溶接用ワイヤを
使い切る前に前もつて取出し終了時期を検知する
方法に関する。

一般に溶接用ワイヤの巻状物として巻胴部とフ
ランジ部からなるリール巻きワイヤが使用され
る。この場合、溶接用ワイヤはフランジ部によつ
て遮ぎられてワイヤ残存量を目視確認することが
難かしい。又細径ワイヤを用いる小型溶接機は溶
接現場に多数配置されて一人の作業者で数台の溶
接機の監視を行なう場合が多く、たとえフランジ
部材７を透明な材料で製作したとしてもリールに
巻かれた溶接用ワイヤＷの残量を確認し、次の新
しいリールに交換する時期を推定するのはきわめ
て困難で、溶接用ワイヤが無くなつてアークが停
止して始めてリールが空になつたことに気付き、
交換することになる、ということになりやすい。

このように溶接用ワイヤが無くなつて溶接作業
が中断ということでは、リールを交換し、溶接ワ
イヤをコンジツトチユーブ及びトーチなどに通
し、アークを再スタートさせるのに手間がかゝ
り、作業能率を落として好ましくない。また溶接
を途中で中断、再開することは良好な溶接部を得
る上でも好ましくない。これを防ぐには溶接用ワ
イヤを使い切る時期を前もつて検知する方法の開
発が望まれる。

本発明者等は巻状物にするために溶接用ワイヤ
を巻き取るさいに巻取り開始端（溶接時には最終
端になる）から所定の距離に１カ所以上のマーク
（例えば色をつける等）をつけ、このマークをワ
イヤ取出径路に設けた検知器で検知し（２ケ所以
上にマークをつける場合は、段階的に検知し）、
マーク検知信号を発生することにより、適確な溶
接用ワイヤ終端時期検知ができることを見出し
た。

以下図面に基いて実施例を説明するがもとより
下記の実施例は本発明を限定するものではなく、
適宜本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の実施
例が考えられる。

第１図ａは本発明の方法に関わる装置の全体図
で、リール巻き溶接用ワイヤを使用して溶接する
場合の例であり、同図ｂはワイヤ終端検知器部分
を示す第１図ａの要部拡大図である。図示の如く
溶接用ワイヤＷはワイヤ送給装置１に装着された
リール２から溶接の進行に伴つて送給ローラ３に
より取出されたコンジツトチユーブ４、溶接トー
チ５を経て溶接に供される。６は溶接用ワイヤの
終端より例えば１〜20ｍ手前の所に付けられたマ
ークを検出する検知器で、送給ローラ３の近傍に
取り付けられる。溶接用ワイヤＷはリール２より
引き出され、ワイヤがブレて検知器６の応動範囲
から逸脱することを防ぐために検知器６の前部に
取り付けられた溶接用ワイヤの位置を決定するた
めのガイドローラ７ではさまれて通過し、送給ロ
ーラ３を経てコンジツトチユーブ４の取付金具を
兼ねたガイドチツプ８を通つて溶接トーチ５へ送
られる。９は拡大されたコンジツトチユーブ４の
端部４ａを包囲し、ガイドチツプ８の周囲に刻ま
れたねじ溝に螺合して該端部４ａをガイドチツプ
８に密着状態に保持するカツプ状ナツト部材であ
る。１０は検知器６を支持している金具で、これ
らは全てワイヤ送給装置１のフレームに取りつけ
られている。また検知器部分は外乱をさけるため
に取りはずし自在のカバーでおおわれている。な
お図面で１０は溶接部材、１１はリールカバーで
ある。

次に検知器の動作を第２図に示す検知器の電気
回路のブロツク図により説明する。今リールに巻
かれた溶接用ワイヤが消費され、溶接用ワイヤに
印されたマークＭが検知器６の応動範囲を通過す
ると該検知器はマークを検出して出力を生じ、こ
れは検知器用増幅器１２で増幅されたのち制御部
１３へ送られ、制御部１３に内蔵されたリレー接
点等が動作し、制御部外部へ信号が発せられる。
この信号により例えば警告灯を点灯する、ブザー
を鳴らす、さらには溶接機またはロボツト制御部
等の外部機器１４へ信号を送つて所定長の溶接が
終了した時点であるいは直ちに、溶接動作停止な
ど希望する動作を行なわせることができる。以下
第１図、第２図に示す検知器を使用して実際に終
端検出を行なつた例について説明する。

実施例 １ 溶接用ワイヤとして1.2mmφのソリツドワイヤ
を使用して溶接用ワイヤの最終端から20ｍの所Ａ
として１ｍの所Ｂ（ワイヤ送給停止用）を約30mm
の長さに亘つて電流を通して黒く酸化させた。検
知器６として拡散反射型の光電管を使用した。こ
の方法で溶接を実施したところ、検知器は確実に
酸化部分Ａを検知した。このマーク検出で警告灯
が点灯し、さらに溶接を継続して所定長の溶接が
終了した時点で部分Ｂが検出され、ワイヤ送給を
停止した。このときワイヤ終端はコンジツトチユ
ーブより約１ｍ突出して残つていた。

実施例 ２ 溶接用ワイヤとして1.6mmφのフラツクス入り
ワイヤを使用し、最終端から15ｍの所Ａと１ｍの
所Ｂ（ワイヤ送給停止用）を約30mmに亘つて磁化
した。検知器として磁気検出ヘツドを使用した。
この方法で溶接を実施したところ検知器は確実に
磁化部分Ａ，Ｂを検知し、これによりブザーが鳴
り、さらに溶接を継続して所定長の溶接が終了し
た時点でワイヤ送給を停止した。このときワイヤ
終端はコンジツトチユーブより１ｍ突出してリー
ルに巻かれて残つていた。

実施例 ３ 溶接用ワイヤとして1.2mmφのシームレスワイ
ヤを使用して最終端から14ｍの所Ａと１ｍの所Ｂ
（ワイヤ送給停止用）を螢光塗料で約30mmの長さ
に亘つて塗布した。検知器として拡散反射型の光
電管を使用した。この方法で溶接を実施したとこ
ろ検知器は確実に塗布部分Ａを検知した。これに
よりブザーが鳴り、さらに溶接を継続して検知装
置が塗布部分Ｂを検知した所でワイヤ送給が停止
された。このときワイヤ最終端は蓋より１ｍ突出
して残つていた。

これらいずれの実施例においても確実にマーク
を検出し、リールに溶接用ワイヤが適当長残つて
いる時点でワイヤ終端検出をすることができた。
リールに巻かれた溶接ワイヤを使用し尽すと新し
いリールに替えるが、この場合本発明では単に残
存ワイヤを使用済みリールから取外し、新しいリ
ールからワイヤ先端を取出し、コンジツトチユー
ブから突出しているワイヤ先端を新リールのワイ
ヤ先端に溶接して継ぎ合せるだけで溶接を再開す
ることができる。なお残存ワイヤが長過ぎるとき
は適当量に切断すればよい。この点従来方式で
は、最悪事態ではワイヤが送給ローラ３を通過し
て送給不能となつて溶接停止し、ワイヤ切れ判明
となるので、新しいリールを取寄せ、ワイヤ送給
装置１に装置してからワイヤを引出してコンジツ
トチユーブ４、溶接トーチ５などに通し、自動溶
接装置であれば再セツトして溶接開始となり、甚
だ厄介である。

以上説明したように本発明によればワイヤ終端
検出をしてそれを発報させるのでワイヤ切れが溶
接作業に与える支障を大幅に減少させる事が可能
となり、その有用性は極めて大きい。なおマーク
については１カ所と限ることはなく適当な間隔で
数カ所につけ、たとえば溶接用ワイヤの使用量の
把握を同じ検出装置で可能にすることができる。

また本発明ではリールとコンジツトチユーブの
間に配置したガイドローラと送給ローラの間のワ
イヤ取出経路にマーク検知器を設けて溶接用ワイ
ヤのマーク検出を行なうのでワイヤがブレてマー
ク検知器の応動範囲を逸脱することはない。リー
ルから引き出されるワイヤはリールの両フランジ
間で揺動しながら送給ローラにより引き出され
る。しかしこの発明の検出器取付構造によると、
この揺動によりワイヤがマークの検出位置でブレ
ることはなくなり、確実にマークを検出すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはリール巻き溶接用ワイヤを使用して
溶接する場合の説明図、同図ｂはワイヤ終端検知
器部分の説明図、第２図は検知器の電気回路部の
ブロツク図である。 図面でＷは溶接用ワイヤ、Ｍは検知用マーク、
６はマーク検知器である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶接用ワイヤのリールからワイヤを引き出し
   てコンジツトチユーブを通しておこなうワイヤの
   取出し方法であつて、溶接用ワイヤにはその最終
   端から所定の距離に検知用マークをマーキングし
   たものを用い、前記リールとコンジツトチユーブ
   の間に配置したガイドローラと送給ローラの間の
   ワイヤ取出経路に設けたマーク検知器により、該
   溶接用ワイヤの取出し中に前記マークを検知する
   ことによつて溶接用ワイヤの取出し終了時期を検
   知することを特徴とする溶接用ワイヤの取出し方
   法。 ２ 検知用マークは、適当な間隔をあけて２ケ所
   以上に設けることを特徴とする、特許請求の範囲
   第１項記載の溶接用ワイヤの取出し方法。