JPH0450282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、巻芯セツトの脱落の有無を監視する
ための巻芯セツト長さの監視機構を設けたワイン
ダー装置に関するものである。

（従来の技術） 紙パルプ工場では、抄紙されたシート巻取を、
またはこれをさらに塗工機で各種の塗被紙に加工
した後、所定の幅と長さのシートにスリツト加工
して巻き替えるべくワインダー装置が通常用いら
れている。

このようなワインダー装置は、第２図に示すよ
うに、アンワインダー１２に架担したシート巻取
１３から繰り出されるシート１４を図示されない
スリツターで所定の幅にスリツト加工した後に、
ワインダードラム１５上に置かれている巻芯セツ
ト１に巻き取つていくという一連の工程から構成
されている。

ワインダー装置に使用するための巻芯セツト
は、第２図に示すように、全幅の巻芯を例えば
NC切断機１６を使用して所定幅の組み合せに切
断加工することにより製造され、搬送手段２であ
るベルトコンベアーでワインダー装置３内に送り
込まれて所定位置に停止する。

次に、巻芯セツトへのコアーシヤフトの挿入
は、第３図と第４図の如く、巻芯セツト上に設け
られたシリンダー装置４を作動させて巻芯押え５
で巻芯セツトを押え付けた後、コアーシヤフト６
が挿入される。コアーシヤフトが挿入された巻芯
セツトは、一対のワインダードラム上に送られて
巻芯セツトにシートが巻き取られていくものであ
る。

ところが、従来装置では上述の如く巻芯セツト
にコアーシヤフトを挿入する際に、予め巻芯セツ
トを巻芯押えで押し付けた後で行つているため、
以下のような問題が発生する。

（考案が解決しようとする問題点） 即ち、巻芯セツトがワインダー装置に搬送され
て行く途中でその一部がなんらかの拍子で脱落す
ることが時々発生するが、従来装置（第３図及び
第４図）では、巻芯セツトに脱落が発生している
かまたはしていないかに関係なく、上記のシリン
ダー装置が作動して巻芯押えで巻芯セツトを押え
付ける構造となつているため、一部の巻芯が脱落
した個所においては巻芯押えを側面からコアーシ
ヤフトで直接突くことになり、巻芯押えやシリン
ダー装置のロツドの破損を招いてしまうことにな
る。

破損した巻芯押えやシリンダー装置の補修或い
は交換作業は、作業員に多大な負担をかけるもの
であり、しかも補修或いは交換作業中はワインダ
ー装置の運転も停止させることになり、その間の
装置の稼動率を著しく減少させているのが現状の
問題である。そのため、巻芯セツトに脱落が発生
した場合には、直ちにこれを検出する装置が待望
されているのが現状である。

本考案は、ワインダー装置に送り込まれる巻芯
セツトの脱落の有無を監視し、脱落がある場合に
は直ちに巻芯押えやコアーシヤフトの挿入作動を
停止させる装置を提供するものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は、所定幅の組み合せからなる巻芯セツ
ト１を搬送手段２でワインダー装置内３の所定位
置に送り込みシリンダー機構４を作動させて巻芯
押え５で上記巻芯セツトを押え付けた後、巻芯セ
ツト内にコアーシヤフト６を挿入する一連の工程
からなるワインダー装置において、ワインダー装
置内で使用する巻芯セツトの脱落の有無を監視す
るための巻芯セツト長さの監視機構７として巻芯
セツトの長さと搬送手段の送り速度値を制御部８
に予め設定するための入力部９と、搬送されてい
る巻芯セツトの前端部が通過した瞬間と後端部が
通過した瞬間の信号を制御部に送るための通過検
出手段１０と、通過検出手段から送られてくる信
号によつて演算して得られた巻芯セツト毎の長さ
と入力部からの設定値とを比較して両者が相違す
る場合には巻芯セツトに脱落があると判定して停
止手段１１を作動させる制御部とを設けたことを
特徴とするワインダー装置である。

（作用） 本考案の巻芯セツト長さの監視機構を、ツード
ラム・サーフエス式ワインダー装置に巻芯セツト
を送るための搬送手段上に設けた場合を示す第１
図に基づき、さらに詳細に説明する。

第１図に示すように、巻芯セツト長さの監視機
構７は通過検出手段１０、入力部９、制御部８と
停止手段１１から主に構成される。通過検出手段
１０は、搬送手段２であるベルトコンベアー上を
一定速度で矢印方向に送られている巻芯セツト１
がベルトコンベアー上のある基準点を通過し始め
る瞬間と通過し終えた瞬間とを検出するためのも
のであるが、通過検出手段が例えば透過光型セン
サーである場合には、光源１７と受光センサー１
８とはベルトコンベアーを挟み、相向かうように
設けられる。

本考案の主要部をなす制御部８は、作業員が入
力部９を使つて入力する巻芯セツトの長さを記憶
するとともに、上記の受光センサーから送られて
くる信号によつて巻芯セツトの先端部が光源の照
射光を遮断し始めてから後端部が通過し終えて再
び受光センサーに光が入るまでの所要時間を計測
する。かかる所要時間とベルトコンベアーの送り
速度から巻芯セツトの長さを演算し、得られた値
と設定値とを比較し、これが同一の場合には巻芯
セツトに脱落がないと判定してそのままワインダ
ー装置に送り込むが、一方相違している場合には
巻芯セツトに脱落があると判定し、直ちに停止手
段１１によつてシリンダー装置４やコアーシヤフ
ト６の作動を停止させるとともに、警報１９を奏
鳴して作業員に知らしめるものである。

なお、通過検出手段としては、上記の如き透過
光型センサーに限定されるものではなく、他に反
射光型センサー、CCDラインセンサー、超音波
センサー、リミツトスイツチ、エアリミツトスイ
ツチ、背圧式センサーなどもその目的に応じて適
宜に採用できる。

（効果） 本考案の巻芯セツト長さの監視機構を備えたワ
インダー装置によれば、簡便な機構で装置に用い
る巻芯セツトの脱落の有無を昼夜を問わずに自動
的に監視できる。

従つて、巻芯押えやシリンダー装置のロツドの
破損事故が皆無となるので、事故の際の交換作業
が全くなくなつて作業員の負担が大巾に軽減され
るとともに、交換作業中の装置の停止がなくなる
ことにより装置の稼動率が非常に増加するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、ツードラム・サーフエス式ワインダ
ー装置に本願考案に係る巻芯セツト長さの監視機
構を適用する場合の概略平面図である。第２図〜
第４図は、従来のワインダー装置の説明図であ
る。 １……巻芯セツト、２……搬送手段（ベルトコ
ンベアー）、３……ワインダー装置、４……シリ
ンダー機構、５……巻芯押え、６……コアーシヤ
フト、７……巻芯セツト長さの監視機構、８……
制御部、９……入力部、１０……通過検出手段
（透過光型センサー）、１１……停止手段、１２…
…アンワインダー、１３……シート巻取、１４…
…シート、１５……ワインダードラム、１６……
NC切断機、１７……光源、１８……受光センサ
ー、１９……警報。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定幅の組み合せからなる巻芯セツト１を搬送
   手段２でワインダー装置内３の所定位置に送り込
   み、シリンダー機構４を作動させて巻芯押え５で
   上記巻芯セツトを押え付けた後、巻芯セツト内に
   コアーシヤフト６を挿入する一連の工程からなる
   ワインダー装置において、ワインダー装置内で使
   用する巻芯セツトの脱落の有無を監視するための
   巻芯セツト長さの監視機構７として巻芯セツトの
   長さと搬送手段の送り速度値を制御部８に予め設
   定するための入力部９と、搬送されている巻芯セ
   ツトの前端部が通過した瞬間と後端部が通過した
   瞬間の信号を制御部に送るための通過検出手段１
   ０と、通過検出手段から送られてくる信号によつ
   て演算して得られた巻芯セツト毎の長さと入力部
   からの設定値とを比較して両者が相違する場合に
   は巻芯セツトに脱落があると判定して停止手段１
   １を作動させる制御部とを設けたことを特徴とす
   るワインダー装置。