JPH037672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は既設管継手部の補修装置に関する。

従来の技術とその問題点 従来既設管継手部の補修装置として、管内施工
機の搭載の吹付け器よりシーリングを管継手部の
割目内に吹付け充填するような構成のものが提案
されているが、この従来の吹付け方式では、吹付
け時にシーリング材が拡散するため、どうしても
管継手部割目内へのシーリングの充填が不足気味
となり、管継手部内周面に沿つて回転されるコテ
による後処理に拘わらず、上記割目内に充填不良
個所を発生し易く、補修を充分確実に行い得ない
欠点があつた。

本考案はこのような従来の問題点を一掃するこ
とを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、既設管内に回止め下に設置されて管
長さ方向に遠隔操作下に移動される施工機に、上
記管の中心軸線を回転中心として回転される前方
突出の回転軸と、該回転軸の駆動装置を備え、更
に上記回転軸上に、管半径方向に管半径を僅かに
越えるような長さに張出された３本の可撓性支持
アームを、管円周方向に適宜の間隔を存して備
え、上記支持アームのうちの一本の先端に、管継
手部検知用の検知器を、他の一本の先端に、検知
された管継手部にシーリング材を注入するための
注入具を、更に残る１本の先端に、管継手部に注
入されたシーリング材をならすためのコテを、そ
れぞれ備えたことを特徴とする既設管継手部の補
修装置に係る。

実施例 以下に本考案の一実施例を添付図面にもとづき
説明すると次の通りである。

図に於て、１は既設管ａ内に設置されて管長さ
方向に遠隔操作下、例えばロープ２（第３図参
照）の牽引操作により管内移動される施工機で、
該施工機１の本体部１１は、該本体部１１の外周
部の複数個所に等間隔に備えられた、管半径方向
に伸縮自在な接地部１２により上記管ａの中心部
に保持されている。

上記接地部１２は、斜め十字をなすように中間
部に於てピン１２１結合された前後一対の傾斜ロ
ツド１２２，１２３と、該ロツド１２２，１２３
の先端に備えられた、管軸方向に転動自在なキヤ
スタ１２４を構成要素として含み、後方傾斜ロツ
ド１２２の基端部は上記本体部１１の前部に、ま
た前方傾斜ロツド１２３の基端部は、上記本体部
１１の後部の中心軸部１１１上に前後動自在に備
えられた可動部材１２５に、それぞれ枢着され、
接地部１２の伸長時には可動部材１２５が中心軸
部１１１の前部に復元バネ１２６により保持さ
れ、縮小時には可動部材１２５が復元バネ１２６
に抗して後動するような構成になつている。

上記施工機１の本体部１１に、上記管ａの中心
軸線上で回転される、前方突出の回転軸３と、該
軸３の駆動装置３１が備えられる。

上記回転軸３から等間隔配置の３本の支持アー
ム４１，４２及び４３が、管半径方向に且つ管半
径を若干越えるような長さに、張出される。上記
支持アームは例えばコイルスプリングから構成さ
れ、中空で且つ可撓性を持つている。

上記支持アームのうちの一本の支持アーム４１
の側端に、管継手部ｂ検知用の検知器５が備えら
れる。該検知器５としては、例えば高周波発振型
近接スイツチが用いられる。第４図の詳細図に示
されるように、検知器５が管ａ内面に直接接触す
ることのないよう、該検知器５の前後両側部にロ
ーラ５１，５１が備えられている。

回転軸３の回転方向を基準にして、上記支持ア
ーム４１に後続する支持アーム４２の先端に、シ
ーリング材の注入具６が備えられる。第５図の詳
細図に示されるように、注入具６の注入口６１が
管ａ内面に直接接触することのないよう、該注入
具６の前後両側部にローラ６２，６２が備えられ
ている。

上記支持アーム４２に後続する支持アーム４３
の先端に、ならしゴテ７が備えられる。ならしゴ
テ７は第２図に示されるように、逆回転方向に向
けて彎曲されている。

その他図中、８は施工機１の後端に備えられた
シーリング材圧送ホースで、該ホース８は適宜シ
ーリング材を地上より施工機１及び回転軸３内形
式の通路（図示せず）から、支持アーム４２内挿
入のフレキシブルチユーブ４２１を順次経て、注
入具６に供給する。９は同施工機１の後端に備え
られたケーブルで、該ケーブル９は駆動器３１及
び検知器５を地上設置の電気機器類に接続してい
る。

本考案装置により管継手部の補修を行なうに際
しては、施工機１が、ロープ２の牽引操作をして
管内移動できるように、管ａ内に設置される。こ
の管内設置状態に於ては、第１図に示されるよう
に、施工機１の接地部１２は、復元バネ１２６に
抗し縮小されており、接地部１２の各キヤスタ１
２４は、上記バネ１２６の働きで、管ａ内面に圧
接されている。施工機１は上記キヤスタ１２４の
管内面圧接により管ａ内に回止めされるが、管軸
方向への移動性は、キヤスタ１２４の管軸方向へ
の転動性により保障される。更に支持アーム４１
〜４３は、第２図に示されるように円弧状に屈曲
変形されており、その先端の検知器５、注入具６
及びならしゴテ７の部分は、管内面と接触してい
る。

第１図及び第２図に示す状態で、駆動器３１の
作動をして施工機１の回転軸３が回転され。この
回転により生ずる遠心力により、支持アーム４１
〜４３の先端の各部材は、管内面と接触しつつ同
一円周上を回転移動される。尚施工機１は上記回
転軸３及びこれに付属する各部材の回転反力を支
え得るように、管ａ内に回止めされていることが
必要であり、このような回止めは、キヤスタ１２
４を管内面に圧接するための復元バネ１２６の強
さを適宜選択することにより得られる。復元バネ
１２６に替え、流体制御手段の適用により、キヤ
スタ１２４を管内面に圧接するような構成にして
もよい。

管内に設置された施工機１は、回転軸３の回転
を継続しつつ、スイベルジヨイント２１付のロー
プ２の牽引操作をして管内を管軸方向に移動さ
れ、この管内移動中、検知器５の作動をして管継
手部ｂが検知されると、施工機１は第３図に示さ
れるように、直ちにその位置に停止される。

この施工機１の管内停止により、第４〜６図に
示されるように、検知器５と同時に、該器５と同
一円周上で回転移動される、注入具６及びならし
ゴテ７もまた、自動的に管継手部ｂに位置合せさ
れる。而してこの状態で、回転軸３の回転を継続
しつつ、第５図に示されるように注入具６の注入
口６１より管継手部ｂの割目部b₁内にシーリング
材ｃを充填させて行くと、割目部b₁内に充填され
たシーリング材ｃは、注入具６に後続して回転移
動されるならしゴテ７によりならされて行くの
で、このシーリング材ｃの充填とならしを、例え
ば360゜を一回転として、数回転乃至十数回転繰返
すことにより、割目部b₁内にシーリング材ｃを充
分確実に緻密充填できる。

シーリング材の充填を終えた後は、シーリング
材の供給を止め、再び施工機１を管内移動するこ
とにより、次の管継手部の補修に供し得る。

効 果 本考案による補修装置は、検知器５、注入具６
及びならしゴテ７が同一円周上で回転移動される
ような構成になつているので、検知器５により管
継手部ｂの検知と同時に、管継手部ｂに対する注
入具６及びならしゴテ７の位置合せを行なうこと
ができ、位置合わせ操作が簡便となると共に、注
入具６とならしゴテ７が同一円周上を回転移動さ
れるような構成になつているので、シーリング材
の充填とならしを、繰返し継続でき、シーリング
材の緻密充填の目的を達成できる。よつて本考案
によれば施工性の改善と、補修の信頼性の向上を
同時に計り得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例及びその管内設置状
況を示す側面図、第２図は施工機本体部を省略し
て示す正面図、第３図は、施工機と管継手部との
位置合せ状況の全体を概略的に示す全体図、第４
図は検知器、第５図は注入具、また第６図はなら
しゴテ、のそれぞれ位置合せ状況を示す説明図で
ある。 図に於て、１は施工機、２はロープ、３は回転
軸、４１〜４３は支持アーム、５は検知器、６は
注入具、７はならしゴテである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設管内に回止め下に設置されて管長さ方向に
   遠隔操作下に移動される施工機に、上記管の中心
   軸線を回転中心として回転される前方突出の回転
   軸と、該回転軸の駆動装置を備え、更に上記回転
   軸上に、管半径方向に管半径を僅かに越えるよう
   な長さに張出された３本の可撓性支持アームを、
   管円周方向に適宜の間隔を存して備え、上記支持
   アームのうちの一本の先端に、管継手部検知用の
   検知器を、他の一本の先端に、検知された管継手
   部にシーリング材を注入するための注入具を、更
   に残る１本の先端に、管継手部に注入されたシー
   リング材をならすためのコテを、それぞれ備えた
   ことを特徴とする既設管継手部の補修装置。