JPH0376089B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、ケーブルの絶縁接続部に関するもの
である。本発明は、各種のケーブルの接続のため
利用される。

［従来の技術］ 従来、ケーブルの絶縁接続部としては、接続す
る両ケーブルの端部を各々段剥ぎし、各導体の先
端を互に向い合わせた状態にして導体接続部材に
より接続した接続部分と、該接続部分を覆うシー
ルド層と、両被接続ケーブルの各遮蔽層に連なつ
てその間の部分を覆う内部電界緩和層と、該内部
電界緩和層の外周を覆う絶縁層と、上記接続部分
の両側において被接続ケーブル遮蔽層に密着し、
互に近づくように延びて上記の諸層を覆いながら
も互に連通しないように縁切りされた状態の外部
半導電層と、該外部半導電層を覆う遮蔽層とより
構成されたものが知られている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、このような構成のケーブル絶縁
接続部では、外部半導電層が電界の影響下で分離
しているため、その分離先端部分での電界が高ま
つて、その結果ケーブルの絶縁性能の低下を招
き、また、この縁切り絶縁部分は構造が局部的な
ために加工作業性が悪く、それによつて電気的欠
陥が生じ易く、また、接続部の外径も大きくなつ
てしまうという問題があつた。

［問題点を解決するための手段及び作用］ 本発明は、上述した従来のケーブル絶縁接続部
の問題点を解決するものであつて、ケーブルの接
続部の絶縁性能を高め、しかもケーブル接続部の
形成のために複雑で高度な技能による作業を必要
としない新規なケーブルの絶縁接続部を提供する
ことを目的とするものである。

本発明は、接続する両ケーブルの端部を各々段
剥ぎし、各導体の先端を互に突き合わせた状態と
して導体接続部材により接続し、さらにその接続
部分に加熱収縮性チユーブ或いはテープからなる
シールド層、電解緩和層、絶縁層及び外部半導電
層が順次形成されてなるケーブル接続部におい
て、上記外部半導電層は上記絶縁層を覆い、且つ
ケーブルの外部導電層の先端より遮蔽層側に寄つ
た位置で縁切りされた構造となつていることを特
徴とするケーブルの絶縁接続部である。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。

第１図は、本発明の一実施態様のケーブル絶縁
接続部の対称上半分を示す縦断面図であつて、接
続すべきケーブル１−１，１−２は、それぞれ段
剥ぎされ、最外層の遮蔽層１１１，１１２が剥が
されて外部導電層１２１，１２２が露出し、層１
２１，１２２が剥がされて絶縁層１３１，１３２
が露出し、最後に層１３１，１３２が剥がされて
導体１４１，１４２が露出している。導体１４
１，１４２の先端を付き合わせた状態とし、その
外周には導体接続部材２、通常は導体接続管が被
着され、それをもつて両導体１４１，１４２が接
続されている。他の態様として、突き合わされた
先端同士は半田づけによつて接続されてもよい。
導体１４１と１４２の接続部分、つまり導体接続
管２の外周とそれに連なる絶縁層１３１及び１３
２の外周にわたつて加熱収縮性チユーブあるいは
テープからなるシールド層３が設けられている。
上記シールド層３を覆い、さらにケーブル絶縁層
１３１，１３２、外部導電層１２１，１２２、遮
蔽層１１１，１１２にわたつて被覆する内部電界
緩和層４が設けられている。層４の素材として
は、加熱収縮性の高抵抗チユーブが用いられる。
層４の周上には、絶縁層５が設けられている。絶
縁層５としては、必要な絶縁厚さ応じて加熱収縮
性チユーブ或いはテープを数層重ねて構成させる
ことができる。絶縁層５の外周には、内側が絶縁
層、外側が半導電層からなる熱収縮性チユーブ或
いはテープの複合層６が重ねられている。更に詳
細には、当該複合層６は、その一端がケーブル１
−２の遮蔽層１１２の周上にわたつて被せられ、
他端がケーブル１−１の外部導電層１２１の先端
より遮蔽層１１１側に寄つた絶縁層５の端部同士
で折り返されている。従つて、上記折り返し部で
層５の外表面にある半導電層の先端は、内側の絶
縁層によつて被覆され、而して、当該箇所に半導
電層の縁切り部が形成されている。複合層６の外
周には、遮蔽層７が設けられている。遮蔽層７
は、複合層６と同様にケーブル１−２の遮蔽層を
覆うように延び、複合層６の折り返し部分の手前
で終つている。

各種を構成する加熱収縮性チユーブまたはテー
プは、これを導体接続部分の周上に順次重ね、更
にこれを110〜170℃程度に加熱することにより収
縮させて、緊密な組織の層を形作つている。この
加熱処理後、遮蔽層７として、たとえば金属線編
組、金属テープなどにより層６上に積層し、所望
により金属線８により止着している。

第２図には、他の実施態様が第１図の場合と同
様に示されており、この態様において絶縁層５の
一部が電界緩和層４の露呈部分を完全に被覆した
構成ものである。

本実施態様における複合層は、それがテープ状
の場合は、絶縁性組成物と半導電性組成物を２層
同時押出成形により、或いは絶縁テープと半導電
テープを重ねて加熱し、両テープを融着させたの
ち、これを伸長させて製造することができ、ま
た、それがチユーブ状の場合は、絶縁チユーブと
半導電チユーブとを重ね合わせて同様に加熱し、
両チユーブを融着させたのち、この径を拡大して
製造することができる。また、複合層の折り返し
加工は、複合層を加熱加工するときに軟化した部
分を折り返すことで容易にできる。

［発明の効果］ 本発明のケーブル絶縁接続部は、最外層の外部
半導電層の縁切り部が電界の影響の及ばないケー
ブルの外部導電層の先端より遮蔽層側に寄つた位
置で形成されているので、縁切り部における電気
的欠陥の発生が緩和され、安定した性能を有す
る。また、接続部の形成に特別高度な技術或いは
熟練を必要とせず、通常の作業方法で接続部を形
成することができる。更にまた、接続部自体の外
径も小さくすることができる。このような、種々
の有効な効果を奏する本発明はきわめて優れた発
明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のケーブル絶縁接続部の対称上
半分の縦断面図、第２図は同じく他の態様のもの
の対象上半分の縦断面図である。 １−１，１−２：ケーブル、１１１，１１２：
遮蔽層、１２１，１２２：外部導電層、１３１，
１３２：絶縁層、１４１，１４２：導体、２：導
体接続部材、３：シールド層、４：内部電界緩和
層、５：絶縁層、６：複合層、７：遮蔽層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 接続する両ケーブルの端部を各々段剥ぎし、
   各導体の先端を互に突き合わせた状態として導体
   接続部材により接続し、さらにその接続部分に加
   熱収縮性チユーブ或いはテープからなるシールド
   層、電界緩和層、絶縁層及び外部半導電層が順次
   形成されてなるケーブル接続部において、上記外
   部半導電層は上記絶縁層を覆い、且つケーブルの
   外部導電層の先端より遮蔽層側に寄つた位置で縁
   切りされた構造となつていることを特徴とするケ
   ーブルの絶縁接続部。