JPH0374904B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 本発明は断面多角形の釣竿の製造法に関するも
ので、同一の外型により竿径肉厚等の異なる種類
の多角釣竿を簡易かつ経済的に製造することを目
的とするものである。

従来の技術 一部釣マニアが好んで使用している合せ竹で形
成されている六角竿は、屈撓時の方向安定性が良
好なのでフライロツドとして適している。

このような六角竿を現在の繊維強化樹脂材で製
造するには、芯金に捲着したプリプレグを断面六
角形の外型に入れてプリプレグを断面六角形に成
型した後その状態に保持したままで加熱硬化処理
することが考えられるが、竿径、竿の肉厚テーパ
ー等が異なる度毎にこれに対応した外型を必要と
し、芯金以上に多くの種類の外型を多数用意しな
ければならず、製作費用が莫大になるため実用化
されていないのが現状である。

発明の構成 本発明はこれらの欠陥を改善して同一の外型に
より竿径、竿の肉厚、テーパー等の異なる六角竿
を効率良く製造するようにしたもので、、芯金に
捲着したプリプレグの外周面に、テープを捲着す
るに際して該テープの捲着する厚さを、前記プリ
プレグを断面多角形の外型で加圧成型したときに
外型の空洞部の空隙を填充する厚さに捲着し、次
いでこれを前記断面多角形の外型に入れて加圧し
てテープとプリプレグをもつて外型断面に合致す
る多角形断面に成型した後、そのままの状態で加
圧加熱して熱硬化処理し、次いで前記テープ及び
芯金を除去することを要旨とするものである。

本発明の詳細を実施例の図面について説明する
と、芯金１に常法の如くプリプレグ２を捲着した
後、その外周面にポリエチレン、ポリプロピレ
ン、セロテープ等のテープ３を断面六角形の外型
４，４の空洞部の空隙を填充する厚さに螺旋状に
捲着し、これを外型４，４に入れて加圧してプリ
プレグ２とテープ３をもつて外型４，４の断面に
合致する断面六角形に成型した後、その状態のま
ま加圧加熱して熱硬化処理し、次いでこれを外型
４，４から取出して芯金１を抜き取りテープ３を
除去して六角竿を製造するものである。

しかして前記外型４，４の空洞部の空隙を充填
する厚さにテープ３を捲着するとは、プリプレグ
２だけを芯金１に捲着して外型４，４に入れて加
圧成型しても外型４，４の断面に合致する断面に
成型できずプリプレグ２と外型４，４との間に間
隙が生ずるときにこの間隙が生じないようにテー
プ３を捲着することを意味するものであり、テー
プの捲着厚さの調節はテープ３の巾及び厚さ及び
捲着ピツチによつて行うものである。

第１図及び第２図は、芯金１にプリプレグ２を
例えば３プライすると共にテープ３をプリプレグ
２の肉厚に捲着してこれを断面六角型の外型４，
４に入れて加圧成型して六角竿を製造する場合を
示している。

次にこの芯金１及び外型４，４を使用してプリ
プレグ２を２プライした六角竿を製造する場合に
は、第３図及び第４図の如くテープ３を第１図及
び第２図より肉厚に捲着することにより肉厚の異
なる六角竿でも同一の芯金１と外型４，４で製造
することができる。

また第５図に示すようにプリプレグ２の肉厚が
軸方向に変化した六角竿を製造する場合には、第
６図のように芯金１の細径部程テープ３の捲着ピ
ツチを密にしてテープ３の肉厚を厚く、太径部に
至るに従い第７図のようにテープ３の捲着ピツチ
を粗にしてテープ３を肉薄に捲着することにより
前記同様に同一の芯金１と外型４，４で六角竿管
を製造することができる。

更に第８図乃至第１１図は同じ外型４，４を使
用して前記六角竿により内径が細い六角竿を製造
する場合であつて、細径の芯金１の両端にスリー
ブ５を嵌着して外型４，４の中心に配置するよう
にしたものであり、何れもプリプレグ２の肉厚の
厚薄によつてテープ３の捲着する肉厚を調節して
同一の外型４，４によつて六角竿を成型できるも
のである。

なお本発明におけるプリプレグ２は従来の釣竿
に使用されているものと同様にガラス繊維、カー
ボン繊維等の高強度補強繊維の引揃シート又は織
布にエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化
樹脂を半乾燥状態に含浸したものであり、また熱
硬化処理も従来の釣竿と同様で良いが、捲着する
テープの肉厚が厚くなる程若干加熱時間を長くす
るのが好ましい。

発明の効果 本発明は繊維強化樹脂材料で断面多角形の釣竿
を同一の外型で製造する場合において、断面多角
形の外型の空洞部に生ずる空隙を填充する厚さに
テープを捲着して前記断面多角形の外型によりプ
リプレグとテープとで外型断面に合致する多角形
断面に成型した後加圧加熱して熱硬化処理するの
で、外型の断面の範囲内において外型を変更する
ことなくテープの捲着量を調節することだけで肉
厚、径、テーパー等の異なる異種類の多角釣竿を
多数の外型を用意することなく同一の外型で製造
でき、外型の製造費用を節減でき製品コストを低
減できる優れた特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法を示す縦断正面図、
第２図は同縦断側面図、第３図は別実施例の縦断
正面図、第４図は同縦断側面図、第５図は他の別
実施例の縦断正面図、第６図及び第７図は夫々要
部の拡大縦断正面図、第８図は他の実施例の縦断
正面図、第９図は同縦断面側面図、第１０図は更
に他の実施例の縦断正面図、第１１図は同縦断側
面図である。 １…芯金、２…プリプレグ、３…テープ、４，
４…外型、５…スリーブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 芯金に捲着したプリプレグの外周面に、テー
   プを捲着するに際して該テープの捲着する厚さ
   を、前記プリプレグを断面多角形の外型で加圧成
   型したときに外型の空洞部の空隙を填充する厚さ
   に捲着し、次いでこれを前記断面多角形の外型に
   入れて加圧してテープとプリプレグをもつて外型
   断面に合致する多角形断面に成型した後、そのま
   まの状態で加圧加熱して熱硬化処理し、次いで前
   記テープ及び芯金を除去することを特徴とする多
   角釣竿の製造法。