JPH0373480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、熱転写式多色印刷装置における熱転
写ヘツドの上下駆動およびインクシート巻取駆動
機構に関するものである。

熱転写式多色印刷装置は、主な駆動構成として
一般的に、記録紙送り機構、熱転写ヘツドの上下
駆動機構、インクシート巻取駆動機構などがあ
る。従来の装置駆動方式は既に種々の構成のもの
が提案され実用化されているが、前記熱転写ヘツ
ド上下駆動およびインクシート巻取駆動機構は、
それぞれの駆動機構についてアクチユエータが
個々に設置され駆動していた。例えば、熱転写ヘ
ツドの上下駆動機構における熱転写ヘツドの加圧
動作にはソレノイド、また熱転写ヘツドの、プラ
テンから離れる動作にはモータのギヤ伝達を用
い、一方インクシート巻取駆動機構における熱転
写時のインクシート巻取動作と、熱転写ヘツドを
プラテンから離し次色インクシートを引き出す、
インクシート巻取動作にはモータを用いていた。

したがつて、前述動作を順次作動させるには、
各作動用の検出器を設け、作動シーケンスコント
ロール、インターロツク、さらに前記検出器とア
クチユエータに実装配線し、その結果、機器、結
線の増加からMTBFを高める妨げとなつている。
また、ソレノイドとモータのギヤ伝達方法は騒音
が発生しやすく、これを低くする工夫を必要とし
ている。さらに、熱転写式印刷装置においては、
熱転写品質を安定に保つためにインクシートの熱
転写条件として、装置内温度を所定以下に押える
必要があり、アクチユエータの数が多くなること
は発熱を増すことになり、熱転写品質安定の妨げ
となつている。

本発明は、前記欠点を解消するために、熱転写
ヘツドの加圧動作、熱転写時のインクシート巻取
動作、熱転写ヘツドのプラテンから離れる動作、
プラテンから熱転写ヘツドを離した時の次色イン
クシート引き出し動作を、１つのアクチユエータ
で駆動させることを目的とするものである。以下
実施例について詳細に説明する。

第１図において、１はDCモータ、１ａは前記
モータの出力軸に一体的に取付けたプーリ、２は
ヘツド上下駆動軸、２ａは反時計方向回転で回転
運動を被回転軸に伝達し時計方向回転で空転する
ように配置した一般に知られるワンウエイクラツ
チ、２ｂは前記ワンウエイクラツチ２ａを一体的
に取付けた第１プーリ、２ｃは偏心軸で、ヘツド
上下駆動軸２の一部であり、ヘツド上下駆動軸２
の中心と偏心になつている。３はプーリ１ａの回
転を第１プーリ２ｂに伝達するベルトである。４
はインクシート駆動軸、４ａは時計方向回転で回
転運動を被回転軸に伝達し反時計方向回転で空転
するように配置した他方のワンウエイクラツチ、
４ｂはワンウエイクラツチ４ａに一体的に取付け
た第２プーリ、４ｃはインクシート駆動軸４に一
体的に取付け、インクシート駆動軸の回転を他に
伝えるプーリ、５は第１プーリ２ｂの回転を第２
プーリ４ｂに伝達するベルトである。６は支点
軸、６ａは支点軸６を支点とする揺動レバー、６
ｂは熱転写ヘツドで、揺動レバー６ａの一部に一
体的に取付けている。６ｃは一方を偏心軸２ｃに
嵌合し、他方を熱転写ヘツド６ｂと連結する連結
ロツドである。７はインクシートロール、８は記
録紙ロール、９はプラテン、１０はインクシート
巻取フランジ、１１はインクシートガイド軸であ
る。

第２図は実施例の動作説明図であり、DCモー
タ１によるプーリ１ａの反時計方向回転運動は、
ベルト３を通じて第１プーリ２ｂに伝達し、反時
計方向回転で回転運動を被回転軸に伝えるように
第１プーリ２ｂへ一体的に取付けた一般的に知ら
れるワンウエイクラツチ２ａによつてヘツド上下
駆動軸２を回転する。そして、ヘツド上下駆動軸
２の偏心軸２ｃに嵌合した連結ロツド６ｃは、ヘ
ツド上下駆動軸２の回転によつて、第２図の下方
へ移動する。連結ロツド６ｃの他方端と互いに揺
動できるように連結した熱転写ヘツド６ｂは、揺
動レバー６ａの支点軸６を支点に、連結ロツド６
ｃの下方運動と共に移動し、プラテン９に押し付
けられる。この時の押し付け力は、プラテン９と
熱転写ヘツド６ｂ間の熱転写押し付け力となる。
このDCモータ１の反時計方向回転運動は、前述
した熱転写ヘツド６ｂの下方移動ストローク端の
一部動作を利用して、図示しないリミツトスイツ
チをはたらかせて停止する。

この下方移動時、第１プーリ２ｂはベルト５に
よつて第２プーリ４ｂと連結しているので、同時
に第２プーリを回転させるが、ワンウエイクラツ
チ４ａは空転し、インクシート駆動軸４には回転
運動を伝達せず、ヘツド上下駆動軸２にのみ回転
を伝え、かくして、DCモータ１の反時計方向回
転運動で、熱転写ヘツド６ｂが下方移動し、熱転
写ヘツド６ｂとプラテン９間の熱転写に必要な押
し付け力が加わることになる。

第３図において、DCモータ１によるプーリ１
ａの時計方向回転運動は、ベルト３を通じて第１
プーリ２ｂに伝達し、第１プーリ２ｂと第２プー
リ４ｂに掛かつているベルト５を通じて同時に第
２プーリ４ｂに回転を伝達する。そして、第２プ
ーリ４ｂへ一体的に取付けたワンウエイクラツチ
４ａは、第２プーリ４ｂの回転をインクシート駆
動軸４に伝えて、インクシート駆動軸４の他方端
に一体的に取付けたプーリ４ｃが回転し、第２プ
ーリ４ｂは摩擦などでインクシート巻取フランジ
１０に接して回転を伝達する。

一方、記録紙８ａはプラテン９に巻き付き、図
示しない紙送り機構によつて記録紙ロール８から
プラテン９を経て下方へ引き出される。またイン
クシート１０ａは、インクシートロール７からイ
ンクシートガイド軸１１に接し、かつ、プラテン
９に巻き付いた記録紙８ａに接してインクシート
巻取フランジ１０に巻取られる配置となつてい
る。そして、インクシート巻取時の時計方向回転
運動は、ワンウエイクラツチ２ａが空転し、熱転
写ヘツド６ｂに上下運動を伝達せず、インクシー
ト巻取フランジ１０にのみ回転を伝える。したが
つてDCモータ１の時計方向回転運動によつてイ
ンクシート巻取フランジ１０が回転し、熱転写ヘ
ツド６ｂとプラテン９にはさまれたインクシート
１０ａがインクシート巻取フランジ１０に巻取ら
れることになる。

このようにして、プラテン９、記録紙８ａ、イ
ンクシート１０ａ、熱転写ヘツド６ｂの順に、互
いに接した時、熱転写ヘツド６ｂ下面で図示しな
い発熱体へ通電し、前記発熱体から熱がインクシ
ート１０ａへ伝わり、同時に、図示しない紙送り
機構による記録紙の移送と、インクシート巻取フ
ランジ１０の回転によるインクシートの移送を行
なつて、一般に知られているように記録紙にイン
クが熱転写され、熱転写後のインクシート１０ａ
が巻取られる。

第４図において、DCモータ１によるプーリ１
ａの反時計方向回転運動は、ベルト３を通じて第
１プーリ２ｂに伝達すると、反時計方向回転運動
で被回転軸に動力を伝えるように第１プーリ２ｂ
に一体的に取付けたワンウエイクラツチ２ａによ
つて、ヘツド上下駆動軸２が回転する。そして、
ヘツド上下駆動軸２の偏心部２ｃに嵌合した連結
ロツド６ｃは、ヘツド上下駆動軸２の回転によつ
て第４図の上方へ移動する。連結ロツド６ｃの他
方端と互いに揺動できるように連結した熱転写ヘ
ツド６ｂは、揺動レバー６ａの支点軸６を支点
に、連結ロツド６ｃの上方運動と共に移動し、プ
ラテン９から離れる。DCモータ１の反時計方向
回転運動は、前述した熱転写ヘツド６ｂの上方移
動ストローク端の一部動作を利用して、図示しな
いリミツトスイツチをはたらかせて停止する。

このときも、第１プーリ２ｂはベルト５によつ
て第２プーリ４ｂと連結され回転はするが、ワン
ウエイクラツチ４ａは空転し、インクシート駆動
軸４には回転運動を伝達せず、ヘツド上下駆動軸
２にのみ回転を伝える。このようにして、DCモ
ータ１の反時計方向回転運動で、熱転写ヘツド６
ｂのプラテン９から離れる動作が行なわれること
になる。

次に、第５図において、DCモータ１によるプ
ーリ１ａの時計方向回転運動は、ベルト３を通じ
て第１プーリ２ｂに伝達し、第１プーリ２ｂと第
２プーリ４ｂに掛かつているベルト５を通じて同
時に第２プーリ４ｂにも回転を伝達する。そし
て、第２プーリ４ｂに一体的に取付けたワンウエ
イクラツチ４ａは、第２プーリ４ｂの回転運動を
インクシート駆動軸４に伝えて、インクシート駆
動軸４の他方端に一体的に取付けたプーリ４ｃが
回転し、第２プーリ４ｂは摩擦などでインクシー
ト巻取フランジ１０に接して回転を伝達する。こ
のインクシート巻取時の時計方向回転運動は、ワ
ンウエイクラツチ２ａが空転し、熱転写ヘツド６
ｂに上下運動を伝達せず、インクシート巻取フラ
ンジ１０にのみ回転を伝える。したがつて、熱転
写ヘツド６ｂがプラテン９から第５図の上方へ離
れた位置で、DCモータ１によるインクシート巻
取動作が行なわれることになり、この動作は、熱
転写式多色印刷方法における、よく知られている
次色インクシートを引き出すために行なわれる。

前述のDCモータ１の反時計および時計方向回
転運動は、ワンウエイクラツチ２ａおよび４ａの
伝達方向をそれぞれ反転し、逆の方向回転運動に
しても同様の作動がはかれる。

以上説明したように、本発明は、モータ１の一
方向回転運動によつて、熱転写ヘツド６ｂの下方
移動と、プラテン９と熱転写ヘツド間の熱転写に
必要な押付力を加えることができ、また、プラテ
ン９から熱転写ヘツド６ｂの離れる動作が行なえ
る。そして、モータ１の他方向回転運動によつ
て、インクシート巻取フランジ１０に熱転写後の
インクシート１０ｂを巻取り、また、次色インク
シート引出し時のインクシート巻取りが行なえ
る。このように、モータ１つによるアクチユエー
タで前述の４動作を行なうように構成しているの
で、次の効果を奏する。

(イ) 熱転写ヘツド６ｂの上下動作と、インクシー
トフランジ１０の巻取り動作は同時に行なわれ
ることはなく、作動させる動作順の配慮が簡単
に済み、また機器とその結線を低減することが
でき、MTBFを高め装置全体の信頼性が高ま
る。

(ロ) インクシート１０ａの巻取り動作と熱転写ヘ
ツド６ｂの上下動作が、モータ１の１つの回転
動作により動作がなめらかで騒音が少なくでき
る。

(ハ) 熱転写式印刷装置に特有の、熱転写ヘツド、
各機構を駆動するアクチユエータ、前記アクチ
ユエータをコントロールする電送部などから発
生する熱を装置外へ排除する工夫が一般になさ
れているが、アクチユエータを少なくできるこ
とは装置内発熱を押え、熱転写品質を安定に保
つことができる。

(ニ) 前述の４動作のアクチユエータとして、モー
タ１つのみのスペース準備で済むことによつて
装置の小型化と軽量化がはかれる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
熱転写式多色印刷装置の基本構成を示す斜視図、
第２図は熱転写ヘツドの加圧動作を示す側面図、
第３図は熱転写時のインクシート巻取動作を示す
側面図、第４図は熱転写ヘツドのプラテンから離
れる動作を示す側面図、第５図は熱転写ヘツドの
プラテンから離れた時の次色インクシート引き出
し動作を示す側面図である。 １はDCモータ、２はヘツド上下駆動軸、２ａ
はワンウエイクラツチ、２ｂは第１プーリ、３は
ベルト、４はインクシート駆動軸、４ａはワンウ
エイクラツチ、４ｂは第２プーリ、５はベルト、
６ｂは熱転写ヘツド、１０はインクシート巻取フ
ランジである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サーマルヘツド、紙等の被印刷物、及び熱溶
   融性インクを塗布したインクシートを有する熱転
   写式多色印刷装置において、サーマルヘツド上下
   作動機構及びインクシート巻取機構のそれぞれに
   少くとも１個のワンウエイクラツチを設け、それ
   ぞれのワンウエイクラツチを１個のモータの左回
   転と右回転とによりそれぞれ独立に動作させるこ
   とを特徴とする熱転写式多色印刷装置の駆動機
   構。