JPH037296Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

本考案は、食品や化粧品等を収納・展示するた
めの、二列の断続するカツト線によつて形成され
たジツパーを設けた紙箱に関する。 紙箱の上板や側板にジツパーを設け、これをは
ぎ取ることによつて紙箱を解梱することは既に知
られている。 しかし、第１図に示すような従来のジツパーに
於ては、これをはぎ取るに際して、予め形成され
たカツト線以外の部分に破れが発生し、ジツパー
がいわゆる先細れをしたり、紙箱本体を破損して
しまうことが多く発生し、この現象は、ジツパー
が紙箱の側板で傾斜する場合に、特に顕著にみら
れた。 また、上記のような欠点を改善したジツパーと
して、例えば、ジツパーを形成するカツト線をＹ
字状又は略Ｙ字状に形成したジツパー＜実開昭55
−145425号＞が知られている。しかし、上記のジ
ツパーでは、ジツパーの破れ等を防止するために
は、ジツパーを形成するカツト線間の距離を短く
する必要があり、この場合には、紙箱が圧縮され
たり、振動したりすると、紙箱がこの部分で破損
したり、カツト線間にしわがよつて、紙箱の美観
が損われたりした。一方、カツト線間の距離を長
くした場合には、ジツパーのはぎ取りが不安定に
なり、破れ等が多く発生すると同時に、ジツパー
をはぎ取つた後の紙箱の切れ目が不揃いで外観的
によくないものであつた。 本考案は、上記のような公知のジツパーの有す
る欠点のない、ジツパーが傾斜すると否とにかか
わらず、破れ等を生じることなく、美麗に、しか
も迅速にはぎ取ることができて、紙箱は良好に解
梱され、紙箱自体の強度も損うことのないよう
な、ジツパーを設けた紙箱を提供することを目的
とする。 本考案の要旨は、二列の断続するカツト線によ
つて形成されたジツパーを設けた紙箱に於て、カ
ツト線を、Ｔ字状に形成するか、或いはジツパー
が紙箱の底面に対して傾斜して設けられる場合
は、該Ｔ字状カツト線の上部直線に相当する始端
部を紙箱の底面に対して垂直に設けて形成し、か
つジツパーが紙の繊維の配列方向に沿つて設けら
れる場合は、上記カツト線間の距離をカツト線の
始端部の長さの0.2〜1.5倍の長さとし、ジツパー
が紙の繊維の配列方向に沿わずに設けられる場合
は、カツト線間の距離を該始端部の長さの0.06〜
0.6倍の長さとして、ジツパーを、上記Ｔ字状カ
ツト線の上部から下部に向けて切離すると共に、
紙箱自体の強度を損なわないようにして形成して
なる紙箱である。 以下、図面に基づいて、本考案紙箱の構造につ
いて説明する。 先ず、第２〜６図に示す、本考案紙箱に設けら
れるジツパー２は、二列の断続するカツト線３に
よつて形成され、第６図のように、カツト線３は
手前のカツト線３′から伝わつてくる破れを受け
止める始端部４及び破れを次のカツト線３″に伝
える直線部５からなる。 本考案では、ジツパー２を形成する二列のカツ
ト線３をＴ字状又は略Ｔ字状に形成し、カツト線
３の直線部５と次のカツト線３の始端部４の間に
は、適当な間隔が設けられる。この場合に、ジツ
パー２が紙の繊維の配列方向に沿つて設けられて
いる場合には、カツト線３間の距離をカツト線３
の始端部４の長さの0.2〜1.5倍の長さとし、ジツ
パー２が紙の繊維の配列方向に沿わずに設けられ
ている場合には、カツト線３間の距離をカツト線
３の始端部４の長さの0.06〜0.6倍の長さとする。 また、本考案では、ジツパー２が紙箱の底面に
対して傾斜して設けられている場合には、第２〜
５図のようにカツト線３の始端部４を、紙箱の底
面に対して垂直に設けることが好ましい。これ

【表】

【表】 第１表で示された引張り強度は、ジツパー部分
の圧縮や振動に対する強度を示す指標であつて、
また切れ残り部分の面積は、ジツパーをはぎ取つ
た後の切れ残り部分１０の面積を試験した全サン
プルの平均値を取つて示したものである。また、
第７図−ａは、Ｔ字状のカツト線によつて形成さ
れたジツパーをはぎ取つた後の切れ目の状態を、
また、第７図−ｂは、Ｙ字状のカツト線によつて
形成されたジツパーをはぎ取つた後の切れ目の状
態を示したものである。 これによると、ジツパーを形成するカツト線間
の距離が等間隔である場合に、Ｔ字状及びＹ字状
のカツト線によつて形成されたジツパーの両者
は、ほぼ同等の引張り強度を有し、したがつて、
これらが紙箱に設けられた場合に、紙箱はほぼ同
等の強度を有するものであるが、一方、ジツパー
をはぎ取つた後の切れ目の状態に於ては、Ｙ字状
のカツト線によつて形成されたジツパーでは、切
れ残り部分が多く発生して、切れ目が全く不揃い
であるのに対して、本考案のＴ字状のカツト線に
よつて形成されたジツパーでは、切れ残り部分が
少なく（Ｙ字状のものと比較して約1/2となる）、
切れ目はほぼ直線で非常に美麗なものであつた。 以上のように、本考案紙箱の構造によれば、ジ
ツパーが紙箱の側面で傾斜すると否とにかかわら
ず、ジツパーをはぎ取るに際して、非常にはぎ取
り易く、また予め形成されたカツト線以外の部分
に破れ等が発生せず、ジツパーが先細れしたり、
紙箱本体を破損したりすることがなく、紙箱を良
好に解梱することができる。 また、上記効果は、第１図に示した従来のジツ
パー等と比較して、ジツパーを形成するカツト線
間の距離を長くとつた場合にも奏し得るもので、
ジツパーを設けることによつて、紙箱の圧縮や振
動に対する強度を損うことがない。 しかも、本考案では、ジツパーをはぎ取るに際
して、カツト線が一直線に破れる傾向が強く、し
たがつて、ジツパーをはぎ取つた後の紙箱の切れ
目が、従来のジツパーをはぎ取つた場合のように
不揃いにならず、非常に美麗である。 本考案に於て、解梱後の紙箱は、収納された物
品を陳列するためのものとして使用できる。 以上の如く、本考案紙箱は、通常は収納された
物品の保護箱、輸送箱として使用され、必要な場
合に、迅速かつきれいに解梱されて、収納された
物品の陳列箱等として使用できる。

【図面の簡単な説明】

図は、本件考案に係るジツパー付き紙箱の実施
例及び従来法を示すものであり、第１図は従来の
ジツパー、第２図、第３図は本考案紙箱の斜視
図、第４図、第５図はその展開平面図、第６図は
本考案紙箱に使用するジツパーの拡大図、第７図
−ａ，ｂは試験後のジツパーの切れ目の状態を示
した図である。 １……側板、２……ジツパー、３，３′，３″…
…カツト線、４……始端部、５……直線部、６…
…開始部、７……貼着片、８……はぎ取方向、９
……折罫、１０……切れ残り部分、１１……引張
り方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 二列の断続するカツト線によつて形成されたジ
   ツパーを設けた紙箱に於て、 カツト線を、Ｔ字状に形成するか、或いはジツ
   パーが紙箱の底面に対して傾斜して設けられる場
   合は、該Ｔ字状カツト線の上部直線に相当する始
   端部を紙箱の底面に対して垂直に設けて形成し、 かつジツパーが紙の繊維の配列方向に沿つて設
   けられる場合は、上記カツト線間の距離をカツト
   線の始端部の長さの0.2〜1.5倍の長さとし、ジツ
   パーが紙の繊維の配列方向に沿わずに設けられる
   場合は、カツト線間の距離を該始端部の長さの
   0.06〜0.6倍の長さとして、 ジツパーを、上記Ｔ字状カツト線の上部から下
   部に向けて切離すると共に、紙箱自体の強度を損
   なわないようにして形成してなる紙箱。