JPH037284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は所定枚数の累積硬貨の周面に包装紙を
巻回し、その上下両端縁を加締爪にて内方に折曲
して包装する硬貨包装機に関するものである。

（従来の技術） 従来カツターを垂直或は水平方向に移動するこ
とは提案されていたが、金種設定部材即ち設定さ
れた金種に応じて硬貨通路の幅や厚みを、その硬
貨の直径、厚さに連動調節されるものではなくカ
ツターを垂直或は水平方向に金種に応じた位置に
調節する独自の摘みを設けて行なつていた。この
ためにこれらの摘みは調節忘れを起し易い且つ手
間のかかる操作であつた。更に又硬貨径に応じて
包装紙の長さを調整されるようにしたものや、硬
貨の径に応じた包装ローラの初期位置を決定する
ことも公知に属するものであるが、これらを総合
するとしてもその具体的構造は全く開発されてい
なかつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の如く個々に調整する手段としては公知に
属するものとしても、硬貨は金種によりその直径
が相違している。しかるにこの累積硬貨を包装す
る紙は、小径硬貨には短かく、大径硬貨には長く
して巻付量を適切に変化しなくては、巻きが不足
して破れ易くなつたり、多過すぎて硬貨の取出し
に困難であつたりし又これらの調整を個々に行な
うのでは誤りが多くなる欠点が生ずる。更に又硬
貨包装機のカツターはその切断面を直線的でなく
山形の凸Ｖ字状をなししているために、切断され
た包装紙の末端は凹Ｖ字形のものとなり、従つて
包装されたときこの凹Ｖ字形部分が外周に現われ
る、しかるにもし大きい幅の包装紙も小さい幅の
包装紙も同じ位置で切断すると凹Ｖ字形の内端位
置に包装体の中心位をずれることになつて見苦し
いものとなつたり又巻きつけられた包装紙の両端
の加締めにも不都合が生ずる。

以上の如く、累積硬貨の直径や、累積長さに応
じた各種の調整が一操作で設定できるものには見
当らない。

（問題点を解決するための手段） 本考案は各包装機の下辺が常に一定位置に装着
される台板と、金種設定操作に応じて所位置に回
動設定される設定軸と、包装１サイクルを行なう
１回転のカム軸とを有する硬貨包装機において、
上記設定軸にカツター垂直設定部材と、カツター
水平設定部材とを固定する。また前記カム軸には
面カムを固定する。しかしてカツター垂直設定部
材のカム面に一端を接し他端を、カツターを保持
するボス部分に形成した溝内に、カツターの回動
には関係なく上下動のみに連動する作動レバーを
中間部で軸支して設け、且つ前記カツター水平設
定部材には、これのカム面に一端を、他端を軸に
連結し中間部で軸支する設定レバーが設けられ、
上記の他端の端は、一端を前記したカム軸に固定
した面カムの面カムに接し、他端を、各包装ロー
ラを支持して大径、小径硬貨に適応する如く開閉
レバーを支持するとともに、前記カツターを保持
するボスが挿通するカツター軸に固定したアーム
と接続して包装紙のカツト位置を変化する連杆を
設けて成る硬貨包装機としたものである。

（作用） 本考案は金種によりその累積高さ並びに直径が
異なるため、用いる包装紙の幅寸法も異なるとと
もに切断長さも変化させねばならないので、包装
紙の幅寸法に応じて包装紙の幅方向の中心位置
に、カツターの中心位置即ち山形の凸Ｖ字状先端
位置を自動的に略一致させ且つカツターと包装位
置との間隔とを同時に自動的に変化して包装紙の
長さを変化して切断するとともに同時に設定硬貨
の直径に応じた包装ローラの初期位置をも設定す
るものである。

即ち、処理する硬貨の金種を、金種設定部材に
より指定すると、金種設定機構に設けられた複数
の調整各部材が、それぞれ選択位置決めされる。
この選択位置決め作動と同時に、他の部材と係合
する調整部材によりカツターが上下の垂直方向に
移動せしめられて、包装紙の幅寸法に応じて、包
装紙の中心位置に、カツターの中心位置が自動的
に一致せしめられるとともにカツター位置が水平
方向にも変化して包装紙の長さが金種の直径に応
じてこれらが一操作で自動的に変化するものであ
る。

（実施例） 次に図面に示した本考案の実施例について詳細
に説明する。

第１図において、Ａは金種設定機構であり、そ
の金種設定部材１により、設定された金種に応じ
て硬貨通路２の厚みや間隔の調整が行なわれる、
一方選択スイツチ群３によつて設定軸４は所定の
回転角度で停止する。

この設定軸４には多数の設定部材が設けられて
いるがその内のカツター垂直設定部材５例えば図
示の如きカムが所定のカム面位置に設定される。
このカム面に接して作動レバー６が設けられ、そ
の他端にはコロ７を有している。コロ７は山形の
凸Ｖ字状に形成されたカツター８のボス９に形成
した溝１０内に位置しており且つボス９はカツタ
ー軸１１に軸方向には摺動自在に設けられてい
る。

包装紙１２は台板１３上に回転自在に載置され
てその先端は包装機構Ｃの位置近くに供給ローラ
１４，１５により繰出されている。

前記設定軸４の回転角度に応じてカツター水平
設定部材１６によつて設定レバー１７の他端の軸
１８の位置を変えて開閉レバー１８′及び連動レ
バー１８″を介し包装機構Ｃに包装ローラ１９，
１９′及び１９″の３本の解放位置即ち小径硬貨の
場合には互いに近接し、大径硬貨の場合は比較的
離れた位置に設定され累積硬貨の挟持運動具を少
なくする。

上記した設定レバー１７の軸１８に一端を枢着
して連杆２０を設け、該連杆２０は、カツター８
を回転可能に支持したカツター軸１１のアーム２
１に連結される。なお上記カツター軸１１に取付
けられて、マグネツト２２を有するマグネツト取
付板２３を有し、マグネツト２２は近接スイツチ
群２４に対応している。又包装紙１２はカツター
８の付近を通り包装機構Ｃの位置に供給ローラ１
４，１５により送られている。

このように金種設定部材１の金種指定に連動し
てカツター垂直設定部材５を介してカツター８
は、指定金種の累積高さが低いときはカツター８
は下降して、操作１３上に包装紙１２の下辺が常
に一定に装着される小幅の包装紙に対しその幅方
向の略中心にカツターの中心が位置し、累積高さ
が高いときはカツター垂直設定部材によりカツタ
ー８が上昇して、大幅の包装紙の略中心にカツタ
ー中心が位置し得る。従つて包装された硬貨の包
装外観はその中心に凹Ｖ字形の内端が位置し、且
つ加締代も均一なので美しい包装姿勢が得られも
のである。

更に前記設定軸４の回転角によりカツター水平
設定部材１６は設定レバー１７を作動して開閉レ
バー１８′の作動中心即ち軸１８の位置を変化し
連動レバー１８″を連動して、各包装ローラ１９
〜１９″の関係位置を金種の径に応じて決定する
ことは前記した通りであり又、カム軸２５の面カ
ム２６による作動は、開閉レバー１８′、連動レ
バー１８″を介して包装ローラ１８〜１８″をして
累積硬貨の周面に圧接する。しかして、前記カツ
ター８の移動によつての包装機構Ｃとの間隔を大
径硬貨の場合は大きく、小径硬貨の場合は小さく
位置して固定される。

なおこの間隔が設定金種に対して正確か否かは
カツター軸１１と共に回動するマグネツト取付板
２３のマグネツト２２の位置と、これと対応する
近接スイツチ群２４の何れかとの近接で図示され
ていない判別回路で判断され、表示或は機械の始
動或は不始動がなされる。

（考案の効果） 本考案はこのように金種の設定に連動して自動
的に設定軸の、カツター垂直設定部材、作動レバ
ー、カツター軸に摺動自在のボス並びに溝とコ
ロ、又カツター水平設定部材で、設定レバー、偏
位する軸、開閉レバー、上記軸と前記カツター軸
とを連杆で連結したので金種の設定操作と、これ
に連結して包装紙の幅方向の変化操作並びに硬貨
の直径変化に伴なうカツター位置の調整操作の各
操作のこれらが同時に作動し、操作誤りや忘れを
なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案装置の実施例を示したもので、第１
図は硬貨包装機の全体構成を示す分解斜視図、第
２図は包装並びに包装紙供給機構部分の平面図、
第３図は要部の切欠側面図である。 符号、Ａは金種設定機構、Ｃは包装機構であ
り、１は金種設定部材、４は設定軸、５はカツタ
ー垂直設定部材、６は作動レバー、８はカツタ
ー、９はボス、１０は溝、１１はカツター軸、１
２は包装紙、１３は台板、１６はカツター水平設
定部材、１７は設定レバー、１８′は開閉レバー、
２０は連杆、２１はアーム、２２はマグネツト、
２４は近接スイツチ群、２５はカム軸、２６は面
カムである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 包装紙の下辺が常に一定位置に装着される台板
   と、金種設定操作に応じて所定位置に回動設定さ
   れる設定軸と、包装１サイクルを行う１回転のカ
   ム軸とを有する硬貨包装機において、 前記設定軸４およびカム軸２５とをその軸線が
   水平となるように設け、 前記設定軸４には、 その先端が凸Ｖ字状に形成されるカツター８の
   凸Ｖ字先端と包装紙１２の巾中心とを一致せしめ
   る垂直方向にカム面が形成されたカツター垂直設
   定部材５と、 包装紙１２の水平方向の位置を変化せしめて包
   装しようとする硬貨径に応じた長さの包装紙１２
   を供給せしめるとともに包装紙１２を累積硬貨に
   巻き付ける複数本の包装ローラ１９…の間隔を同
   じく硬貨径に応じた間隔に設定せしめる水平方向
   にカム面が形成されたカツター水平設定部材１６
   とを固定し、 前記カツター８は、その軸線が垂直となるカツ
   ター軸１１にボス９により水平方向の回動は固定
   され、且つ垂直方向には摺動自在に支持され、 前記カツター垂直設定部材５とカツター８との
   間には、 一端が前記カツター垂直設定部材５のカム面
   に、他端が前記カツター８のボス９に形成された
   水平方向の溝１０に係合される作動レバー６を、
   その中間部が水平な軸線により垂直方向に回動自
   在に支持されるように設け、 一方、前記カツター水平設定部材１６とカツタ
   ー８との間には、 一端が前記カツター水平設定部材１６のカム面
   に接続され、他端に連結用の軸１８を有する設定
   レバー１７を、その中間部が垂直な軸１７により
   水平方向に回動自在に支持されるように設けると
   ともに、前記連結用の軸１８には水平方向に延び
   る連杆２０の一端が連結され、且つこの連杆２０
   の他端には前記カツター軸１１に固定されたアー
   ム２１の先端が連結されるものであり、 他方、前記複数本の包装ローラ１９…は、複数
   の連動レバー１８″…により水平方向に回動自在
   に支持されて、各包装ローラ１９…間の間隔を開
   閉可能に支持され、 これら複数本の包装ローラ１９…と前記カツタ
   ー水平設定部材１６との間には、 一端が前記１回転のカム軸２５に設けられた水
   平方向にカム面が形成された面カム２６に、他端
   が前記複数の連動レバー１８″…の一つに接続さ
   れる開閉レバー１８′を、その中間部が前記設定
   レバー１７の一端に設けられた連結用の軸１８に
   より水平方向に回動自在に支持されて成ることを
   特徴とする硬貨包装機。