JPH0369537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、病院等医療設備におけるアンプル、
輸液ボルト、生理食塩水・ブドウ糖・蒸留水等の
注射剤の保管・搬出を自動化する装置に関するも
ので、特に患者一人に対しての一処方毎の注射剤
の自動払出しを可能とした装置である。

（従来の技術） 従来、注射剤の払出しは、医師が作成した処方
箋に基づいて薬剤師が格納棚から必要個数取り集
めて監査を行ない病棟に払い出していた。又、一
般に物品を格納した倉庫からコンベヤで搬送され
るトレーに物品をピツキングして移載していく出
庫システムは特開昭63−160906号公報等で知られ
ている。

（発明が解決しようとする課題） 従来の作業方法では、処方箋毎に薬剤師が格納
棚に入つて取り集めねばならないため、多数の処
方箋の注射剤払出作業はきわめて手間・時間がか
かるものとなつていた。又、特開昭63−160906号
公報の如き一般の出庫システムでもつて、注射剤
をその格納庫からピツキングしてトレーに移載す
る場合、容積・重量が大きい輸液ボルトと破損し
易く小型のアンプルとは同時にピツキングされ同
一トレーに移載されることが多く、同一トレーに
輸液ボルトとアンプルが混在して移載されるとア
ンプルが転がつて移動し、その上に重量物の輸液
ボルトが投入されることが発生し、アンプルが破
損するという恐れがあつた。又アンプルが破損す
るとその液が他の注射剤を汚すという問題点があ
る。又箱詰アンプルから小さなアンプルを１個毎
取り出すのはアンプルの棚空間が狭いだけに難し
いもので、ピツキング速度も遅いという問題点が
あつた。

本発明が解決しようとする課題は、従来の注射
剤の払出作業の欠点を解消し、払出し作業の迅速
化と自動無人化、省力化を行うことにある。

（課題を解決するための手段） かかる課題を解決した本発明の要旨は、 １ 空トレーの保管と必要な注射剤を所要個数収
納した払出トレーの一時保管とを行うトレー自
動保管庫と、同トレー自動保管庫からの空トレ
ーの出庫口から払出トレーの入出庫口まで繋が
るトレー搬送路と、同トレー搬送路途中に空ト
レー出庫口から順に輸液ボルト格納庫、輸液ボ
ルトとアンプル以外の生理食塩水・ブドウ糖・
蒸留水等単品を格納する単品格納庫及びアンプ
ル格納庫を配設した格納庫群と、各格納庫から
その格納物を取り出してトレー搬送路上のトレ
ーに移載する各格納庫に設けたピツカー装置
と、トレー搬送路に設けた払出トレーの搬出場
所とを有し、これらの注射剤のピツキング及び
トレーの搬送の装置の制御及び管理をコンピユ
ータによつて行ない、 しかも、アンプル格納庫の立体棚にアンプル
を横置状態で奥行方向に多数配列し、その棚間
口にアンプルを１個毎払い出す個別払出し機構
を設け、又立体棚に棚間口に沿つて移動する走
行車の昇降台上に個別払出し機構を作動させる
駆動装置をアンプル回収容器を設け、走行車に
設けた前記アンプル回収容器から吐出されるア
ンプルを袋詰してトレー搬送路のトレーに移載
する自動袋詰機を備えた構造のアンプル格納庫
とそのピツカー装置とした注射剤自動払出し装
置にある。

（作用） この発明ではトレー自動保管庫の出庫口から空
トレーがトレー搬送路に送られ、そのトレー搬出
路途中にある輸液ボルト格納庫から輸液が、又単
品格納庫から生理食塩水・ブドウ糖・蒸留水の単
品が、アンプル格納庫からアンプルが、各ピツカ
ー装置から必要品種のものが所要個数だけトレー
搬出路上のトレーに上記順番で移載される。大型
で重量物の輸液ボルトが最初に、そして小型で破
損し易いアンプルを最後にトレーに移載するもの
であるので、アンプルが破損することが少なくで
きる。しかもアンプルは自動袋詰機によつて袋詰
されてトレーに移載されるので、アンプルが破損
しても液で汚すことが少なくできる。払い出され
た注射剤を収容した払出トレーはトレー搬送路に
沿つて送られ、搬出場所から自動的又は手作業で
もつて所要の場所に運ばれ薬剤師による監査を受
ける。又必要に応じて払出トレーはトレー自動保
管庫の入出庫口から入庫し、一時払出トレーのま
ま一時保管され、必要時出庫され、搬出場所へ移
されるものである。

このトレー自動保管庫は固定式の立体棚でもよ
いし、又搬送台車を列設し、搬送台車単位とトレ
ー単位いずれでも搬出入できるようにすることも
できる。

アンプルは、アンプル格納庫の棚に横置状態に
配置され、走行車の昇降台の駆動装置を作動させ
ることによつて棚間口に設けたアンプルの個別払
出し機構を作動させてアンプルを１個毎取り出す
ことができる。又取り出されたアンプルは走行車
の回収容器に一時貯えられて自動袋詰機に送られ
必要個数袋詰めされた後、トレー搬送路のトレー
に移載される。

トレーにバーコードを施し、そのトレー搬送路
途中所要場所にバーコードリーダーを配置すれば
トレーの確認が確実に行え、トレー間違いによる
誤つた払出しが大巾に低減できる。

（実施例） 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本実施例の装置配置を示す平面図、第
２図はトレー自動保管庫を示す斜視図、第３図は
輸液ボルト格納庫とそのピツカー装置を示す斜視
図、第４図は単品格納庫とそのピツカー装置を示
す斜視図、第５図はアンプル格納庫とそのピツカ
ー装置を示す正面図、第６図はアンプル袋詰装置
を示す斜視図、第７図はアンプル格納庫とアンプ
ルピツカー装置を示す正面図、第８図は同平面
図、第９図はトレーを示す斜視図、第１０図は手
押し搬送台車とトレー搬送車からなる他のトレー
自動保管庫を示す斜視図である。

図中１はスタツカークレーンを使つたラツク固
定型立体自動倉庫であるトレー自動保管庫、２は
輸液ボルト格納庫、３は輸液ボルトｂを段ボール
に詰め、その段ボールを一列に送れるようにした
単品格納庫、４はアンプル格納庫、５はローラー
コンベヤによるトレー搬送路、６はアンプルの自
動袋詰機、７は特殊アンプル用パーツフイーダ
ー、８はバーコードリーダー、９はトレー自動保
管庫の空トレーの出庫口、１０はトレー自動保管
庫の払出しトレーの入出庫口、１１は輸液ボルト
ピツカー装置、１２は単品ピツカー装置、１３は
アンプルピツカー装置、１４はトレー、１５は同
トレーのバーコード、１６は払出トレーの搬出場
所である。２０〜２５は輸液ボルトピツカー装置
１１に関する部分符号で、２０は走行台、２１は
同走行台を駆動する無端ベルト、２２は同走行台
のマスト、２３は同マストを上下動する昇降台、
２４は同昇降台に取付けた伸縮アーム、２５は同
伸縮アームの先端に取付けた輸液ボルト把持のハ
ンドである。

３０〜３６は単品格納庫３及び単品ピツカー装
置１２に関する部品符号であり、３０は段ボール
一列送り棚、３１は段ボール、３２はボルト投入
ガイド、３３はトレー搬送路５の上方の横架部
材、３４は同横架部材をスライドする水平摺動
台、３５は同摺動台を上下動する垂直摺動台、３
６は同垂直摺動台から水平に突設され、段ボール
３１内のプラボトルｃを５個同時に把持するメカ
ニカルフインガーである。４０〜５３はアンプル
格納庫とアンプルピツカー装置に関する部品符号
で、４０は走行体、４１は同走行体のマスト、４
２は同マストを昇降する昇降台、４３は同昇降台
に取付けた収容器、４４は同収容器の開閉自在な
底面、４５はアンプル格納庫４の傾斜棚、４６は
同傾斜棚の先端に設けたストツパ付シユート板、
４７は同シユート板のストツパ、４８は昇降杆、
４９は同昇降杆を上下動させるカム板、５０は昇
降杆４８を下方にするためのスプリング、５１は
昇降杆４８を上昇させるためのカム板回転リン
ク、５２はアンプルa1個毎仕切つて格納するた
めの仕切壁５３があるタイミングベルトであつ
て、これが格納棚を形成する。５４は同タイミン
グベルトをワンウエイクラツチを介して駆動させ
る駆動軸、５５は同駆動軸の回転リンク、５６は
戻しスプリング、５７は昇降台４２上に設けられ
た進退杆で、カム板回転リンク５１及び回転リン
ク５５を押圧してアンプルａを払い出すものであ
る。５８は同進退杆を動かすリニアヘツド、５９
は進退杆５７の先端の押圧板、６０はガイド板で
ある。ａはアンプル、ｂは輸液ボルト、ｃは生理
食塩水を入れたプラボルト、ｄは袋詰されたアン
プル・バイアルである。

この実施例では、トレー自動保管庫１から空の
トレー１４がトレー搬送路５へ出される。この時
このトレー１４のバーコード１５の識別番号がバ
ーコードリーダー８によつて読み取られる。

次に輸液ボルト格納庫２まで送られると停止
し、コンピユータ指令により輸液ボルトピツカー
装置１１が作動する。走行台２０の無端ベルト２
１による駆動によつて輸液ボルト格納庫２の棚間
口に沿つて走行し所要の棚位置で停止する。その
後、昇降台２３の上下動と伸縮アーム２４の進退
によつてハンド２５の位置を調整し、ハンド２５
によつて輸液ボルト格納庫２から輸液ボルトｂを
把んで走行台２０の走行と、昇降台２３の下降、
伸縮アーム２４の伸縮、ハンド２５の開放によつ
て輸液ボルトｂをトレー搬送路５上のトレー１４
内に収納する。

次に、このトレー１４をトレー搬送路５に沿つ
て次の単品格納庫３まで送り停止させる。単品ピ
ツカー装置１２を作動させる。メカニカルフイン
ガー３６を水平摺動台３４、垂直摺動台３５の移
動によつて段ボール３１の最前列のプラボルトｃ
の位置まで動かし、フインガーの開閉によつてプ
ラボルトｃを把持し、再び水平摺動台３４、垂直
摺動台３５を動かして、トレー１４上方のボルト
投入ガイド３２に移動させ、把持したプラボルト
ｃを降下してボルト投入ガイド３２の内部に挿入
した後フインガーを開放してプラボルトｃを下の
トレー１４へ落下させるものである。この単品格
納庫３と単品ピツカー装置１２の設備は100ml生
理食塩水のプラボルトｃと、20mlの生理食塩水・
ブドウ糖・蒸留水の20mlプラボルトｃの品種のた
め三台設けられている。

このように単品ピツカー装置１２によつて所要
品種の単品が単品格納庫３から所要個数ピツクさ
れてトレー１４に納められトレー搬送路５によつ
て、次のアンプル格納庫４まで送られ停止する。
アンプル格納庫４のアンプルピツカー装置１３が
働いて、必要なアンプルａを所要個数取り出して
自動袋詰機６に投入され、袋詰されたアンプル・
バイアルｄの形でトレー１４に収納される。その
後トレー搬送路５によつてトレー保管庫１の入出
庫口９からトレー保管庫１に一時保管され、必要
時点、入出庫口９から搬出され搬送されるもので
ある。

ここで、アンプル格納庫４とアンプルピツカー
装置１３の動作を詳しく説明する。アンプルａは
アンプル格納庫４の多段多列に設けた傾斜棚４５
とタイミングベルト５２に多数載置される。走行
体４０の走行と、走行体４０のマスト４２に取付
けられた昇降台４２の昇降とによつて昇降台４２
上の収容器４３及び進退杆５７、リニアヘツド５
８とを所要の列段の棚間口に位置せしめ、リニア
ヘツド５８を作動させて、進退杆５７を棚方向に
伸長させる。進退杆５７が伸長して、その先端の
押圧板５９が回転リンク５１を押圧するとスプリ
ング５０に抗してカム板４９を回転させ、これと
当接している昇降杆４８を上昇させ、ストツプ４
７で止められているアンプルａを持ち上げ、シュ
ート板４６へ移動させる。アンプルａはシュート
板４６を転げて収容器４３へ落下して収まるもの
である。タイミングベルト５２の場合は、押圧板
５９が回転リンク５５を押して駆動軸５４所要角
度回転させてタイミングベルト５２を進めて、ア
ンプルａを落下させてガイド板６０を介して収容
器４３に収容するものである。この様に、所要の
アンプルａを所要個数収容器４３に納めた後走行
体４０を走行させ、アンプルの自動袋詰機６の位
置まで移動させ、自動袋詰機６に投入し、袋詰し
たアンプル・バイアルの形態でトレー１４に収納
されるものである。これらのトレー１４の固定、
確認は途中に設けたバーコードリーダー８によつ
てなされる。又これらの装置の動作指令はコンピ
ユータ管理の下でなされる。

第１０図に示すトレー保管庫１の例は多数の手
押し搬送台車７０の上にトレー１４を積載し、こ
のトレー１４単位で又は手押し搬送台車７０全体
を自動搬出入できるフオーク７１を備えたフオー
ク搬出装置７２を走行させて構成させた例であ
る。

（発明の効果） 以上の様に本発明によれば、注射剤の払出作業
を無人化し、迅速に行えるようにできるという効
果がある。又、輸液ボルトを最初に、そしてアン
プルを最後にトレーに移載するのでアンプルの破
損が少なくできる。しかもアンプルを袋詰めする
のでアンプルが破損しても他の注射剤の汚れを少
なくできる。更にアンプルは横置式に棚に並べ、
駆動装置を走行車側に設けたので、棚間口毎に駆
動装置が不要となつて棚からのピツキングの構造
が簡単で棚の格納空間を有効にならしめている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例を示す平面図、第２図はトレ
ー自動保管庫を示す斜視図、第３図は輸液ボルト
格納庫と輸液ボルトピツカー装置とを示す斜視
図、第４図は単品格納庫と単品ピツカー装置を示
す斜視図、第５図はアンプル格納庫を示す説明
図、第６図は自動袋詰機を示す斜視図、第７図は
単品格納庫と単品ピツカー装置の要部を示す正面
図、第８図は同平面図、第９図はトレーと注射剤
を示す説明図、第１０図は他のトレー自動保管庫
を示す斜視図である。 １：トレー自動保管庫、２：輸液ボルト格納
庫、３：単品格納庫、４：アンプル格納庫、５：
トレー搬送路、６：自動袋詰機、８：バーコード
リーダー、９：出庫口、１０：入出庫口、１１：
輸液ボルトピツカー装置、１２：単品ピツカー装
置、１３：アンプルピツカー装置、１４：トレ
ー、４３：収容器、４５：傾斜棚、５２：タイミ
ングベルト、ａ：アンプル、ｂ：輸液ボルト、
ｃ：プラボトル、ｄ：アンプル・バイアル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空トレーの保管と必要な注射剤を所要個数収
   納した払出トレーの一時保管とを行うトレー自動
   保管庫と、同トレー自動保管庫からの空トレーの
   出庫口から払出トレーの入出庫口まで繋がるトレ
   ー搬送路と、同トレー搬送路途中に空トレー出庫
   口から順に輸液ボルト格納庫、輸液ボルトとアン
   プル以外の生理食塩水・ブドウ糖・蒸留水等単品
   を格納する単品格納庫及びアンプル格納庫を配設
   した格納庫群と、各格納庫からその格納物を取り
   出してトレー搬送路上のトレーに移載する各格納
   庫に設けたピツカー装置と、トレー搬送路に設け
   た払出トレーの搬出場所とを有し、これらの注射
   剤のピツキング及びトレーの搬送の装置の制御及
   び管理をコンピユータによつて行ない、 しかも、アンプル格納庫の立体棚にアンプルを
   横置状態で奥行方向に多数配列し、その棚間口に
   アンプルを１個毎払い出す個別払出し機構を設
   け、又立体棚に棚間口に沿つて移動する走行車の
   昇降台上に個別払出し機構を作動させる駆動装置
   をアンプル回収容器を設け、走行車に設けた前記
   アンプル回収容器から吐出されるアンプルを袋詰
   してトレー搬送路のトレーに移載する自動袋詰機
   を備えた構造のアンプル格納庫とそのピツカー装
   置として注射剤自動払出し装置。