JPH0369247B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、円板状の鋼製鋸本体の周縁部に形
成された鋸歯に超硬合金製刃先チツプが接合され
ている丸鋸に関する。

従来の技術およびその問題点 たとえば草刈用の丸鋸として、従来は、円板状
の鋼製鋸本体の周縁部に鋸歯が形成されたものが
使用されていた。ところが、鋼製の鋸歯は耐摩耗
性が低く早く摩耗するため、寿命がきわめて短い
という問題があつた。このため、鋼製鋸本体の周
縁部に形成された鋸歯に超硬合金製刃先チツプが
１個ずつ接合された丸鋸が使用されるようになつ
た。鋼製の鋸歯自体は石などに衝突しても撓みや
すく、これにより衝撃が吸収されるため、破損し
にくい。ところが、このような鋼製の鋸歯にきわ
めて剛性の高い超硬合金製刃先チツプを接合する
ことにより、鋸歯全体の剛性が高まつて撓みにく
くなり、石などに衝突したときに刃先チツプが欠
けやすいという問題がある。

この発明の目的は、上記の問題を解決し、超硬
合金製刃先チツプが欠けにくくてしかも寿命の長
い丸鋸を提供することにある。

問題点を解決するための手段 この発明による丸鋸は、 円板状の鋼製鋸本体の周縁部に形成された鋸歯
に超硬合金製刃先チツプが接合されている丸鋸に
おいて、 鋸歯の基端部の厚さが他の部分より薄くなつて
いることを特徴とするものである。

作 用 鋸歯に超合金製刃先チツプを接合することによ
りこの部分の剛性は高くなるが、鋸歯の基端部の
厚さが他の部分より薄くなつていることにより、
鋸歯は撓みやすくなる。このため、使用中にチツ
プが石などに衝突しても鋸歯が容易に撓み、これ
により衝撃が吸収されるため、刃先チツプは欠け
にくい。

実施例 以下、図面を参照して、この発明の実施例を説
明する。

なお、この明細書において、前後左右は切削時
の刃先チツプの移動方向についていい、外側とは
鋸本体の放射方向外側をいうものとする。

第１図は草刈用の丸鋸の一部を示すものであ
り、円板状の焼入鋼製鋸本体１０の周縁部に形成
された複数の鋸歯１１に超硬合金製刃先チツプ１
２が１個ずつ取付けられている。

鋸歯１１に対するチツプ１２の取付け方は任意
であるが、たとえば次のようになつている。鋸本
体１０の各鋸歯１１の前部に外向きかつ斜め前向
きの略Ｕ形のチツプ取付用切込みみぞ１３が１つ
ずつ形成されており、略直方体のチツプ１２がこ
のみぞ１３に挿入されてろう付により接合されて
いる。また、各チツプ１２の上面および前面上部
には研磨仕上げが施され、上面研磨面と前面研磨
面の間に切刃１２ａが形成されている。

鋸本体１０の各鋸歯１１の基端部の後部に切込
み１４が形成され、この部分の前後幅が他の部分
より小さくなつている。また、各鋸歯１１の基端
部の厚さは、他の部分より薄くなつている。この
部分を薄くする方法も任意であるが、たとえば、
研磨加工などにより、鋸歯１１の基端部の両面ま
たは片面に鋸本体１０と同心の円状の浅いみぞ１
５を形成することによりこの部分を薄くすること
ができる。

鋸歯１１にきわめて剛性の高い超合金製刃先チ
ツプ１２を接合することによりこの部分の剛性は
高くなるが、鋸歯１１の基端部の前後幅と厚さが
他の部分より小さくなつていることにより鋸歯１
１は撓みやすくなる。このため、使用中にチツプ
１２が石などに衝突しても鋸歯１１が容易に撓
み、これにより衝撃が吸収されるため、刃先チツ
プ１２は欠けにくい。なお、鋸歯１１の基端部を
薄くするだけでも、効果がある。

この発明は、草刈用以外の丸鋸にももちろん適
用できる。

発明の効果 この発明の丸鋸によれば、鋼製鋸本体の鋸歯の
基端部の厚さが他の部分より薄くなつているの
で、超硬合金製刃先チツプが接合されているにも
かかわらず鋸歯が撓みやすくなり、したがつて、
刃先チツプが欠けにくくなる。しかも、硬くて耐
摩耗性の高い超硬合金製刃先チツプがあるため、
従来のものに比べて寿命が長くなる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示し、第１図は草
刈用の丸鋸の一部を示す側面図、第２図は第１図
−線の端面図である。 １０……鋸本体、１１……鋸歯、１２……刃先
チツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円板状の鋼製鋸本体１０の周縁部に形成され
   た鋸歯１１に超硬合金製刃先チツプ１２が接合さ
   れている丸鋸において、 鋸歯１１の基端部の厚さが他の部分より薄くな
   つていることを特徴とする丸鋸。