JPH036904Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、反射式オーバーヘツドプロジエクタ
ーに関し、更に詳しくは支柱の格納時に、ミラー
フレネル板が投影ユニツトに衝突しないようにプ
ロジエクター本体内で退避することができるよう
にした反射式オーバーヘツドプロジエクターに関
するものである。

〔従来技術〕

反射式オーバーヘツドプロジエクターは、使用
時には光源がプロジエクター本体の上方に位置
し、この光源から放出された光がミラーフレネル
板を上方から照明する。ミラーフレネル板の上に
は、透過型の原稿が載置されており、ミラーフレ
ネル板で反射された光で原稿が背後から照明され
る。この原稿を透過した光は、投影ユニツトに取
付けた投影レンズを通り、次にミラーで光路を折
り曲げられてからスクリーンに達する。この反射
式オーバーヘツドプロジエクターは、光源がプロ
ジエクター本体内に収納されていないから、プロ
ジエクター本体の高さが薄くなり、装置全体がコ
ンパクトになるという利点があり、光源やミラー
をプロジエクター本体内に収納した透過式オーバ
ーヘツドプロジエクターに代わつて、最近広く用
いられる傾向にある。

携帯を便利にするために、プロジエクト本体を
箱状に作り、これに支柱と蓋とを回動自在に取付
けた反射式オーバーヘツドプロジエクターが従来
から知られている。不使用時には、ミラーフレネ
ル板をプロジエクト本体から取り外してから、支
柱をプロジエクト本体側に倒伏させ、この上にミ
ラーフレネル板を載せてから、最後に蓋を閉じれ
ばケースに変化する。しかし、この透過式オーバ
ーヘツドプロジエクターは、支柱の格納時にミラ
ーフレネル板をプロジエクト本体の上面から取り
外し、そして使用時にはプロジエクト本体の上面
に装着しなければならないため、その作業が極め
て面倒であつた。

〔考案の目的〕

本考案は、支柱の起伏に連動してミラーフレネ
ル板を移動させることにより、ミラーフレネル板
の着脱作業を省略した反射式オーバーヘツドプロ
ジエクターを提供することを目的とするものであ
る。

〔考案の構成〕

本考案は上記目的を達成するために、ミラーフ
レネル板をプロジエクター本体に回動自在に取付
け、投影ユニツトを支持している支柱を起立させ
ることに連動し、リンク機構、スライドレバー、
カムを介してミラーフレネル板の自由端側を持ち
上げてミラーフレネル板を水平にして使用位置に
移動させ、また支柱の倒伏方向への回動に連動
し、ミラーフレネル板の自由端側がプロジエクタ
ー本体内に入り込んだ退避位置に移動させるよう
にしたものである。

〔実施例の構成〕

使用状態を示す第１図において、箱状をしたプ
ロジエクター本体１は、その上部にミラーフレネ
ル板２が取付けられており、この上に透過型の原
稿３が載置される。このプロジエクター本体１の
前部には、蝶番４を介して蓋５が回動自在に取付
けられており、またプロジエクター本体１の後部
の左右には、筒部１ａ，１ｂがそれぞれ設けられ
ている。なお、筒部１ｂ内のスペースには予備の
ランプが収納されており、蓋を外すことにより、
このランプを取り出すことができる。

投影ユニツト１０は、ハウジング１１を備え、
この中にランプ１２が収納されている。前記ハウ
ジング１１には、投影レンズ１３が取付けられて
おり、その上にミラー１４が配置されている。こ
のミラー１４は、スクリーン上での投影位置を自
由に調節するためと、後述する不使用時には投影
レンズ１３の上に倒伏させるために、軸１５に回
動自在に支持されている。前記投影ユニツト１０
は、軸１６によつて一対の支柱１７，１８の先端
に回動自在に取付けられている。これらの支柱１
７，１８の背後には蓋１９が固着され、また支柱
１７，１８の下方には前記筒部１ａ，１ｂに整合
するように湾曲したカバー部２０が設けられてい
る。

第２図及び第３図において、前記ミラーフレネ
ル板２は、ホルダー２３の上に取付けられてお
り、このホルダー２３はその下面にＬ字状をした
フツク２４が２個設けられている。また、ホルダ
ー２３は、その後端部が軸２５に回動自在に軸支
されており、ほぼ水平となつたセツト位置と、先
端部がプロジエクター本体１内に入り込んだ退避
位置との間を変位する。なお、符号２６は、ミラ
ーフレネル板２を退避位置に付勢するためのバネ
である。

第４図に詳細に示すように、前記筒部１ａ，１
ｂに軸３０が架設されており、この軸３０に前記
支柱１７，１８が固着されている。一方の支柱１
７の下部には、ピン３１が植設されており、これ
にリンク３２の一端に形成した長孔３２ａが嵌合
している。このリンク３２の他端に、スライドレ
バー３３の一端がピン３４を介して連結されてい
る。このスライドレバー３３には、２個のガイド
スロツト３３ａ，３３ｂが形成されており、一対
の支持台３５，３６に植設したピン３７，３８が
これに嵌合している。また、スライドレバー３３
は、バネ３９によつて第２図で左方向に付勢され
ている。

一対のカム４１，４２は軸４３に軸止されてお
り、その上端面が前記ホルダー３３の下面に当接
し、これをセツト位置へ持ち上げるようになつて
いる。また、第５図に詳細に示すように、カム４
１，４２の上方にピン４４，４５がそれぞれ植設
れており、ミラーフレネル板２が退避位置に移動
した時に、フツク２４の上に当接してこれを下方
に押しつけ、ミラーフレネル板２のガタツキを防
止する。前記支柱１７に連動してカム４４，４５
を回動させるために、一方のカム４４にピン４６
が植設されており、このピン４４がスライドレバ
ー３３の折り曲げ片に形成した長孔３３ｃに嵌合
している。なお、支柱１８とカム４２の間にもも
う一組の連動機構を設け、支柱１８に連動してカ
ム４２を回動させてもよい。

〔実施例の作用〕

使用に際しては、蓋５を時計方向に回動してこ
れを開く。この蓋５が開かれると、支柱１７と１
８との間に折り畳んだ投影ユニツト１０が露呈す
るから、この投影ユニツト１０を手で持つて、第
１図に示す位置まで引き起こす。この投影ユニツ
ト１０は、支柱１７，１８に支持されているか
ら、支柱１７，１８が軸３０を中心にして回動
し、これとともに蓋１９が開かれる。次に、軸１
６を中心にして、投影ユニツト１０を反時計方向
に回動し、所定の位置にセツトし、最後にミラー
１４を引き起こす。なお、支柱１７，１８は、所
定の位置まで引き起こされると、不用意に動かな
いようにロツク機構（図示せず）でロツクされ
る。また、投影ユニツト１０も折り畳んだ位置及
び引き出した位置でそれぞれロツクされるように
なつている。

前述したように、支柱１７，１８が引き起こさ
れると、リンク３２及びスライドレバー３３を介
して支柱１７の動きがカム４１に伝達されるた
め、カム４１が軸４３を中心にして反時計方向に
回動する。また、このカム４１の回動は、軸４３
を介してカム４２に伝達されるから、２つのカム
４１，４２が支柱１７に連動して回動する。これ
らのカム４１，４２が反時計方向に回動すると、
その先端部がホルダー２３の先端部をバネ２６に
抗して押し上げる。これにより、ホルダー２３は
軸２５を中心にして反時計方向に回動し、第２図
に示すように、ミラーフレネル板２が水平となつ
たセツト位置まで回動する。

前記ミラーフレネル板２の回動の初期におい
て、その回動量の方が支柱１７，１８の回動量よ
りも大きいと、ミラーフレネル板２が折り畳まれ
た投影ユニツト１０に衝突する。そこで、リンク
３２は、長孔３２ａを介して支柱１７のピン３１
に連結されており、支柱１７がある角度だけ回動
してから、カム４１，４２が回動してミラーフレ
ネル板２を持ち上げるようになつている。

ミラーフレネル板２の上に透過型の原稿３を載
置してから、ランプ１２を点灯すれば、このラン
プ１２から放射された光が原稿３を透過してミラ
ーフレネル板２に入射する。このミラーフレネル
板２で戻された光は、原稿３を背後から照明す
る。この原稿３を通つた光は、投影レンズ１３を
通り、ミラー１４で横方向に反射されてから、ス
クリーンに投影される。

使用後は、まずミラー１４を畳んでから、投影
ユニツト１０を支柱１７，１８の間に入るように
折り畳む。次に、支柱１７，１８を時計方向に回
動して、第３図に示すように、投影ユニツト１０
の一部をプロジエクター本体１内に格納する。こ
の支柱１７，１８に連動してカム４１，４２が時
計方向に回動するため、バネ２６で付勢されたミ
ラーフレネル板２が軸２５を中心にして時計方向
に回動し、その先端部が下降する。このように、
ミラーフレネル板２は、支柱１７，１８が倒伏位
置へ回動する際に、その動きに連動して退避位置
へ移動するから、投影ユニツト１０がミラーフレ
ネル板２に衝突することなく、プロジエクター本
体１内に入り込むことができる。ミラーフレネル
板２が退避位置にある時には、カム４１，４２に
それぞれ設けたピン４４，４５がフツク２４を下
方に押し付けるので、ミラーフレネル板２がガタ
ツクことなく、退避位置に保持される。なお、投
影ユニツト１０は、折り畳んだ位置においてロツ
ク機構（図示せず）でロツクされるから、投影ユ
ニツト１０がガタついてミラーフレネル板２に衝
突することはない。前記支柱１７，１８の格納後
に、もう１つの蓋５を閉じれば全体がケース状に
なり、把手（図示せず）により、携帯することが
できる。

〔考案の効果〕

以上に説明したように本考案によれば、投影ユ
ニツトを起伏自在に支持している支柱の起立方
向、倒伏方向への各々の回動に連動し、プロジエ
クター本体内に組み込まれたリンク機構、スライ
ドレバー、カムを介してプロジエクター本体に軸
着されたミラーフレネル板を使用位置と退避位置
との間で変位させるから、従来の反射式オーバー
ヘツドプロジエクターのように収納時にミラーフ
レネル板を取り外す必要がなく、取り扱いが極め
て簡便になる。また、ミラーフレネル板を使用位
置から退避位置に移動させるときにミラーフレネ
ル板を表面側から押し下げる必要がなく、ミラー
フレネル板の表面に傷をつけたり、これを破損す
るなどのおそれもなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る反射式オーバーヘツドプ
ロジエクターの使用状態を示す斜視図である。第
２図は支柱が起立した状態にある本考案の要部を
示す断面図である。第３図は支柱が倒伏された状
態にある要部の断面図である。第４図はプロジエ
クター本体の断面図である。第５図はカムとフツ
クとの関係を示す斜視図である。 １……プロジエクター本体、２……ミラーフレ
ネル板、５，１９……蓋、３……原稿、１０……
投影ユニツト、１２……ランプ、１３……投影レ
ンズ、１４……ミラー、１７，１８……支柱、２
３……ホルダー、２４……フツク、２５……軸、
３２……リンク、３３……スライドレバー、４
１，４２……カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 光源、投影レンズ、ミラーとを備えた投影ユ
   ニツトと、上面にミラーフレネル板が配置され
   たプロジエクター本体と、前記投影ユニツトを
   保持し、かつプロジエクター本体に回動自在に
   取付けられた支柱とからなり、使用時には前記
   投影ユニツトがプロジエクター本体の上方にく
   るように支柱が起立され、格納時には支柱がプ
   ロジエクター本体側に倒伏される反射式オーバ
   ーヘツドプロジエクターにおいて、 前記ミラーフレネル板をプロジエクター本体
   に回動自在に取付けるとともに、前記ミラーフ
   レネル板の下方でプロジエクター本体にスライ
   ド自在に設けられたスライドレバーと、前記支
   柱の起立方向への回動によりスライドレバーを
   一方に直線移動させ、支柱の倒伏方向への回動
   によりスライドレバーを他方に直線移動させる
   リンク機構と、プロジエクター本体に回動自在
   に軸着され、スライドレバーの前記一方への移
   動によりミラーフレネル板が水平となるように
   その自由端側を持ち上げる方向に回動し、スラ
   イドレバーの前記他方への移動によりミラーフ
   レネル板の自由端をプロジエクター本体内に下
   降させる方向に回動するカムとを備えたことを
   特徴とする反射式オーバーヘツドプロジエクタ
   ー。 (2) 前記カムにピンが植設されており、前記支柱
   が格納位置に移動した際に、前記ミラーフレネ
   ル板の下面に設けた係止部材に前記ピンが係合
   して、ミラーフレネル板が動かないようにした
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の反射式オーバーヘツドプロジエクタ
   ー。