JPH0368981B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、採光板の支持構成が極めて簡単で強
固にでき、しかも施工が簡易且つ迅速にでき、雨
仕舞の良好な採光壁に関する。

従来より、住宅、工場、体育館等の構造物の内
部に光を取入れる採光窓を壁に取付けるには、雨
仕舞を良好にするため等から枠組、覆板等にて複
雑な構成をなしていた。又、開閉できない採光部
を有する採光壁でも、雨仕舞を考慮したもので
は、部材数が多く、施工が面倒となり、ひいては
施工費が割高となる等の欠点があつた。

そこで発明者は、前記欠点を解消すべく鋭意、
研究を重ねた結果、本発明を、鉄骨構造物の壁部
の中間適所の胴縁から上側を開口し、該胴縁上に
Ｌ形横杆の底部を固着し、下部壁取合水切材の折
返し係止縁と採光板支持杆の折返し係止縁とを前
記Ｌ形横杆の立上り部に係止し、断面ハツト形の
通し金具を前記Ｌ形横杆及びこの上側位置の胴縁
に横方向に適宜の間隔をおいて垂設固着し、該隣
接する通し金具間と前記採光板支持杆のＵ字状部
箇所内とに、外周面にガスケツトを嵌合した採光
板を嵌め、その側部ガスケツト箇所をジヨイント
カバーにて覆いつつ水密的に取付けたことによ
り、採光板の支持構成が極めて簡単で強固にで
き、しかも施工が簡易且つ迅速にでき、雨仕舞も
良好にでき前記欠点等を解消し、その目的を達成
したものである。

以下、図面の実施例に基づき本発明を説明す
る。１は胴縁で、鉄骨構造物の壁部２箇所の柱に
ピース等を介して上下方向に適宜な間隔をおいて
複数設けられている。その壁部２の高さの中間適
所の胴縁１（第２図において最下段）から上側が
開口されている。第１図乃至第３図に示すように
屋根Ｒの直下付近にも少しの高さの壁部２が設け
られることが多い。該壁部２は、実施例では山形
部が連続した金属製の壁板２ａにて構成されてい
る。３は金属製の長尺なＬ形横杆で、立上り部３
ａと底部３ｂとから形成され、このＬ形横杆３の
底部３ｂが前記中間適所の胴縁１上にドリルビス
等にて固着されている。４は金属製の長尺な下部
壁取合水切材で、緩傾斜状部４ａの一側より垂下
状部４ｂが形成され、その緩傾斜状部４ａの他側
より垂直状部４ｃと該上端より折返し係止縁４ｄ
が一体形成されている。５は長手方向に適宜の長
さ（後述する採光板８の幅に相当している）の金
属製の採光板支持材であつて、底部５ａの一側に
前側立上り部５ｂが、他側に後側立上り部５ｃが
形成され、該後側立上り部５ｃの上端より折返し
係止縁５ｄが一体形成されている。その底部５ａ
前側立上り部５ｂ後側立上り部５ｃとでＵ字状部
として形成されている。前記下部壁取合水切材４
の折返し係止縁４ｄがまず前記Ｌ形横杆３の立上
り部３ａに係止され、次いで採光板支持材５の折
返し係止縁５ｄが立上り部３ａ箇所に係止され
る。６は長手方向に適宜の長さの通し金具であつ
て、門形部６ａの両側下端より外方に取付部６
ｂ，６ｂが形成され、断面ハツト形に形成されて
いる。この通し金具６が、前記壁部２の開口箇所
のＬ形横杆３及び複数の胴縁１，１……の外側
に、水平方向に適宜の間隔（後述の採光板８の幅
に略相当する）をおいて垂設固着されている。即
ち、その通し金具６の下端の取付部６ｂ，６ｂが
下部壁取合水切材４の垂直状部４ｃ箇所から前記
Ｌ形横杆３の立上り部３ａにドリルビス、リベツ
ト等で固着され、さらに適所の胴縁１にも固着さ
れている。その通し金具６の中間適所の門形部６
ａの両側に仮止め用板片７，７がスポツト溶接等
にて固着されている（第１図、第７図参照）。８
は透明状のガラス、合成樹脂製の採光板で、適宜
の幅又は高さに形成され、この内部に金属製の網
体が設けられることもある。この高さは、前記通
し金具６の長手方向の長さに略相当している。９
は硬質の合成ゴム又は合成樹脂製の断面コ字状の
ガスケツトであつて、前記採光板８の外周面に嵌
合されている。そのガスケツト９は上部ガスケツ
ト９ａと側部ガスケツト９ｂ，９ｂと下部ガスケ
ツト９ｃとに分割され、該下部ガスケツト９ｃの
溝部は、上方にゆくに従つて開いて前記採光板８
の下端を嵌合した後にコーキングポケツトが設け
られるように形成され、その下部ガスケツト９ｃ
の一側辺には下面から切り欠き９ｄが形成されて
いる。そのガスケツト９付の採光板８が、隣接す
る通し金具６，６間に嵌められつゝその下部ガス
ケツト９ｃの切り欠き９ｄが前記採光板支持材５
の前側立上り部５ｂに嵌合され、その通し金具６
に設けた仮止め用板片７が第７図の矢印方向に屈
曲されて仮止めされる。

このようにして幅方向（水平方向）にガスケツ
ト９付の採光板８が第１図に示すように複数併設
される場合が多く、このときには、第５図、第７
図に示すように長手方向に適宜の長さの金属製の
ジヨイントカバー１０にて隣接する採光板８，８
のジヨイント部を覆うようにして、そのジヨイン
トカバー１０が通し金具６に取付ビス又はドリル
ビス等の固着具１１にて固着され、これらが順次
繰返されて、幅方向に連続的に葺成される。この
とき、側部ガスケツト９ｂとジヨイントカバー１
０との間にクツシヨン材１２が介在される。該ク
ツシヨン材１２は片面離罫紙付で予め側部ガスケ
ツト９ｂの表面に貼着される。

又、ガスケツト９付の採光板８が一枚又は複数
併設されて、この採光板８の側部が壁材２ａの側
部に水密的に取付られることもある。かかる場合
には、第６図に示すように通し金具６の一側（同
図において右側）に壁材２ａの側部端が配設さ
れ、他側（同図において左側）にガスケツト９付
の採光板８が嵌められてこのジヨイント箇所がジ
ヨイントカバー１０にて覆われつつ固着されてい
る。このジヨイントカバー１０の側部と採光板８
との間にも必要に応じてクツシヨン材１２が介在
されている。

図中１３は上部カバーで、前記ガスケツト９付
の採光板８の上部ガスケツト９ａ箇所の前面、上
面及び後面等を覆うように設けられている。１４
は長手方向に長尺な上部壁取合水切材で、緩傾斜
部１４ａの前端に垂下状部１４ｂが、その後端に
垂直状部１４ｃが形成され、この垂直状部１４ｃ
の上端より折返し係止縁１４ｄが一体形成されて
いる。該折返し係止縁１４ｄが上部箇所（前記採
光板８の上端位置）の胴縁１上に固着したＬ形横
杆３に係止され、その壁材２ａとＬ形横杆３との
間に設けられている。その上部壁取合水切材１４
の下側には、前記ガスケツト９付の採光板８が設
けられている。実施例では、第１図乃至第３図に
示すようにその上部壁取合水切材１４の緩傾斜部
１４ａ及び垂下状部１４ｂ内にガスケツト９付の
採光板８の上端が覆われている。１５はコーキン
グ剤で、前記下部ガスケツト９ｃと採光板８の下
部との間のコーキングポケツト内に必要に応じて
充填される。１６は中間支持ガスケツト、１７は
補強杆で、最上位置の胴縁１の適所と軒梁との間
に設けられる。又、前記通し金具６の門形部６ａ
の取付ビスによる固着具１１を止める位置に、第
５図、第６図に示すようにバリ筒部を形成しつゝ
バーリング加工をしてその通し金具６全体を薄材
に構成することもある。

次に作用効果について説明する。

本発明においては、鉄骨構造物の壁部２の中間
適所の胴縁１から上側を開口し、該胴縁１上にＬ
形横杆３の底部３ｂを固着し、下部壁取合水切材
４の折返し係止縁４ｄと採光板支持杆５の折返し
係止縁５ｄとを前記Ｌ形横杆３の立上り部３ａに
係止し、断面ハツト形の通し金具６を前記Ｌ形横
杆３及びこの上側位置の胴縁１に横方向に適宜の
間隔をおいて垂設固着し、該隣接する通し金具
６，６間と前記採光板支持杆５のＵ字状部箇所内
とに、外周面にガスケツト９を嵌合した採光板８
を嵌め、その側部ガスケツト９ｂ箇所をジヨイン
トカバー１０にて覆いつつ水密的に取付けたこと
により、第１に採光板８の支持構成が極めて簡単
で強固にでき、第２に施工が極めて簡易且つ迅速
にでき、ひいては安価に施工でき、第３に雨仕舞
の勝れた採光壁を提供できる等の作用効果を奏す
る。

該作用効果を詳述すると、本発明の採光壁は、
鉄骨構造物の壁部２の中間適所の既設又は新規の
胴縁１，１，……に適宜の間隔に通し金具６を取
付け、これにガスケツト９付の採光板８を嵌めこ
み、ジヨイント部をジヨイントカバー１０にて覆
いつつこれを取付けるのみで簡単に施工でき、部
材数も少なく通し金具６とガスケツト９付の採光
板８及びジヨイントカバー１０等のみであり、特
に、既設等の胴縁１，１，…があれば、施工も現
場にて一般の壁板を取付ける如く何等の技術を要
することなく簡易且つ迅速に採光板８を取付ける
ことができ、極めて格安の採光壁を提供できる。

又、本発明では、鉄骨構造物の壁部２の中間適
所の胴縁１から上側を開口し、該胴縁１上にＬ形
横杆３の底部３ｂが固着し、下部壁取合水切材４
の折返し係止縁４ｄと採光板支持杆５の折返し係
止縁５ｄとを前記Ｌ形横杆３の立上り部３ａに係
止できるようにしたので、胴縁１の付近に新たな
胴縁１等を設ける必要もないし、その胴縁１にＬ
形横杆３を固着することで、胴縁１自体を強固で
きるし、往々にして胴縁１が長手方向に僅かに蛇
行するうよになつていてもそのＬ形横杆３の添設
にてその胴縁１の蛇行を矯正できるし、そのＬ形
横杆３の存在にて、その立上り部３ａに採光板８
箇所の下側の下部壁取合水切材４の折返し係止縁
４ｄや採光板支持材５の折返し係止縁５ｄを係止
することのみで取付が完了でき、ビス等の固着具
を一切必要とせずに簡単な取付ができ、この採光
板支持材５にて採光板８の荷重を支えるようにで
き、強度的に強固で安定し、且つ簡易な構成の採
光板８の取付構造を提供できる所に本発明の大き
な特長がある。

又、本発明では、通し金具６を断面ハツト形に
したことで、断面係数が大きく強固となるし、そ
の両側の取付部６ｂ，６ｂがこれ自体を取付ける
ための辺にできると共にその取付部６ｂがガスケ
ツト９付の採光板８の支持部材となり、風圧荷重
が大きく加わる壁部であつても、ガスケツト９付
の採光板８をその強度に十分に耐え得るような取
付けができる。

さらに、採光壁を構造物の壁部の上側位置の全
体又は一部に開閉不能に取付けると、採光効率が
勝れ、太陽熱エネルギーを極めて有効に利用でき
る。

又、採光壁は、隣接する通し金具６，６間と前
記採光板支持杆５のＵ字状部箇所内とに、外周面
にガスケツト９を嵌合した採光板８を嵌め、ジヨ
イントカバー１０を取付けて、ガスケツト９付の
採光板８を取付支持を完了することで、同時にそ
のジヨイント部を水密的に施工でき、内部に雨水
が浸入しにくく雨仕舞（水密性）の勝れた構成に
できる。

なお、仮止め用板片７を通し金具６に設けてお
けば、施工途中の仮止めが簡単にできると共に、
割れやすいガラス等の採光板８の取扱いも良好で
且つ安全な作業ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の斜視図、第２図は第１図の縦
断側面図、第３図は第２図の要部拡大断面図、第
４図は本発明の要部斜視図、第５図、第６図は横
方向の接続箇所の横断面図、第７図は本発明の要
部斜視図である。 １……胴縁、２……壁部、３……Ｌ形横杆、３
ａ……立上り部、３ｂ……底部、４……下部壁取
合水切材、４ｄ，５ｄ……折返し係止縁、５……
採光板支持材、６……通し金具、８……採光板、
９……ガスケツト、９ｂ……側部ガスケツト、１
０……ジヨイントカバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄骨構造物の壁部の中間適所の胴縁から上側
   を開口し、該胴縁上にＬ形横杆の底部を固着し、
   下部壁取合水切材の折返し係止縁と採光板支持杆
   の折返し係止縁とを前記Ｌ形横杆の立上り部に係
   止し、断面ハツト形の通し金具を前記Ｌ形横杆及
   びこの上側位置の胴縁に横方向に適宜の間隔をお
   いて垂設固着し、該隣接する通し金具間と前記採
   光板支持杆のＵ字状部箇所内とに、外周面にガス
   ケツトを嵌合した採光板を嵌め、その側部ガスケ
   ツト箇所をジヨイントカバーにて覆いつつ水密的
   に取付けたことを特徴とした採光壁。