JPH0368794B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 電極を溶接機に取付けるための舌状部と、前
記舌状部に接続された可撓性導電性シート材より
なり前記舌状部の延在方向に対し実質的に垂直な
電極面を呈する中空シエル部と、 前記中空シエル部内にあつて前記中空シエル部
の形状を実質的且弾性的に維持する中空シエル形
状維持手段と、 を含み、前記中空シエル部は前記電極面にて加工
片に接触し、前記舌状部に沿つて加えられた力を
主として前記中空シエル形状維持手段によつて前
記電極面全体に一様に分配すると同時に加工片の
表面の局部的不規則を前記シート材の可撓性によ
る局部的変形により受入れられるようになつてい
ることを特徴とする抵抗溶接用可撓性電極。

技術分野 本発明は、抵抗溶接に係り、特に抵抗溶接機用
の電極に係る。

背景技術 本発明は細かいハニカム構造体を充実金属構造
体の表面に抵抗溶接する必要から考え出されたも
のである。特に米国特許第4218066号に開示され
ている如く、周縁方向に延びる金属構造体に接合
されたハニカム金属グリツドはガスタービンエン
ジン用の回転シールとして有用なものである。ろ
う付けがかかる構造体を製造するための一つの好
ましい方法であり、かかる構造体のハニカム構造
体１０及び充実金属構造体１２が第２図に示され
ている。固定の必要性を低減し、また充実金属構
造体１２に対するハニカム構造体１０の適正な配
置を確保するためには、まずハニカム構造体が充
実金属構造体に対し抵抗溶接によつて突合せ溶接
される。この溶接が行われた後、溶接された構造
体が炉内に配置され、抵抗溶接部を含む接合部の
周りにろうが流動せしめられ、これにより最終製
品が形成される。しかしセルの壁厚が0.13〜0.38
mm程度である典型的なハニカム構造体は比較的脆
弱な構造体であるので、コンデンサ放電式抵抗溶
接機による従来の溶接法は上述の如き突合せ溶接
部を形成するには不適当である。特に通常の単銃
な形態のものであろうとホイール状のものであろ
うと、剛固な電極が使用される場合には、荷重が
高度に集中し、また電流が局部的に流れ、その結
果ハニカム構造体が圧壊されたり過熱されたりす
ることがある。勿論電極による加圧力を低いレベ
ルに調節することができる。しかしその場合にも
溶接機の電極を互いに他に対しまた加工片の表面
に対し整合することにより、電極がハニカム構造
体の表面との不均一に接触し、その結果上述の如
き欠陥が生じることがある。この問題はハニカム
構造体の表面が不規則であるか又は該表面に接触
する電極の形状と正確に同一の形状をなしていな
い場合に生じる問題と同一の種類の問題である。
従つて電極が変更され良好な整合が達成されない
ならば、特にセルの壁厚が0.1mm程度である場合
には、上述の如き欠陥が生じる。

本願発明者以外にもかかる種類の問題に既に注
意を払つている者がいる。例えば米国特許第
2266424号には、多数の可撓性電極フインがゴム
パツドにより加工片に対し付勢されるよう構成さ
れたスポツト溶接用電極が開示されている。また
米国特許第2892922号には、ハニカム材を抵抗溶
接し鍛造する方法及び装置が開示されている。こ
の米国特許に於ては、一つのシートのみがハニカ
ム材に取付けられ、ハニカム材の一端が開いた状
態に維持されなければならない本発明の主要な目
的とは異なり、ハニカム材が二つの金属シートの
間に抵抗溶接される。多数の可動の電極フインガ
を加工片へ向けて付勢するために可撓性パツド又
はガス袋が配置されている。これらの米国特許第
2266424号及び同第2892922号に於ては、電極は加
工片の表面に対し一つの平面方向に剛固であり、
これに対向する平面方向には可撓性を有してい
る。更に他の一つの方法に於ては、より柔軟な表
面を与えるべく、細い導線メツシユの層が剛固な
電極の端部を横切つて配置されている。しかしこ
れらの従来の方法はそれらに適した目的を達成す
るものではあるが、ハニカム材の細かい表面に損
傷を及ぼすことなく良好な接合部を得るという本
発明の目的には必ずしも有用なものではない。

発明の開示 本発明の目的は、抵抗溶接用の改良された電極
を提供することである。ハニカム材の如き脆弱な
構造体に均一な力を与えることができ、また溶接
機に対し加工片の表面を整合させる際に可工片の
不規則な表面に従う電極が特に望ましい。

本発明によれば、電極は実質的に断面Ｔ形を成
しており、Ｔの垂直線を構成する舌状部により溶
接機に接続される。薄いシート金属にて形成され
た中空シエル部が舌状部より横方向に延在してい
る。中空シエル部内には、柔軟なシエル部が加工
片に対し押付けられた場合にも電極の形状を実質
的に維持するシリコンゴムの如き材料が充填され
ている。

電極の中空シエル部は舌状部の周りに撓み得る
よう構成され、これにより電極の接触面がそれに
平行ではない加工片の表面に容易に従い得るよう
になつていることが好ましい。電極は0.14〜0.38
mmの厚さの銅合金シートにて形成され、該シート
はその対を成す両端が舌状部を形成するよう折曲
げられていることが好ましい。本発明の他の一つ
の実施例に於ては、電極の中空シエル部は固体材
料ではなく、密閉された流体にて充填される。

本発明の電極は、不均一であり又は溶接機の垂
直平面に対し種々の角度にて傾斜した表面を有す
る加工片と良好に接触するものである。また本発
明の電極は耐久性に優れ、また良好なハニカム材
接合部を容易に形成し得るものであることが解つ
ている。

以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施例
について詳細に説明する。

【図面の簡単な説明】

第１図は内部にゴムブロツクが配置された中空
シート金属部を含む低抗溶接用電極を、それが二
つの加工片を接合すべく溶接機の二つのアームの
間に配置されて使用されている状態にて示してい
る。

第２図は第１図に示された装置の部分縦断面図
である。

第３図は剛固な舌状部を有する電極を示してい
る。

第４図は中空部の内部を充填する液体封入袋を
有する電極を示している。

第５図は舌状部及び中空シエル部の上方部が剛
固である電極を示している。

発明を実施するための最良の形態 これより本発明を、米国特許第2814717号に開
示された構造体と同様の構造体を製造すべく超合
金基体の表面にハニカム材を溶接することに関し
説明する。ハニカム材は厚さ約0.091〜0.11mmの
Hastelloy Ｘ合金（22wt％Cr、1.5wt％Co、
18.5wt％Fe、9wt％Mo、0.6wt％Ｗ、0.1wt％Ｃ、
残部Ni）のシート金属にて形成されている。ハ
ニカム材のセルは六角形を成しており、横断寸
法、即ち幅は約1.65mmであり、高さは約15mmであ
る。抵抗溶接部はModel3000の電源及びModel
Ｍのヘツドを装備したアメリカ合衆国ニユーハン
プシヤー州、ロンドンデリー所在のベンチマー
ク・インダストリーズ・インコーポレイテツド
（Benchmark Industries Inc.）製のコンデンサ
放電式スポツト溶接機を使用して適宜に形成され
る。この溶接機は3000ワツト秒までの出力容量を
有している。電力設定は溶接部の面積に応じて変
化される。本発明は本明細書に開示された構造体
及び材料以外の構造体及び材料を他の溶接機を用
いて抵抗溶接することに対しても一般に有用なも
のである。

第１図は本発明による電極１４を、それが接合
線１３に於てハニカム材１０の一部を充実基体１
２（両者とも仮想線にて示されている）に固定す
るために使用されている状態にて示している。電
極１４は抵抗溶接機のアツパアーム１６に捕捉さ
れている。このアームに対する垂直下方への力に
より電極１４が加工片１０及び１２に対し押付け
られ、これにより溶接機（図示せず）のボトムア
ーム１８に対し加工片がクランプされる。

電極１４は実質的に逆Ｔ形を成している。電極
はCu−１％Cr又はCo−Be−Cu（アメリカ合衆国
抵抗溶接機製造協会（U.S.Resistance Welder
Manufactuers Association）のクラス２又は３
の銅合金、即ち抵抗溶接用電極に使用される周知
の材料の如き薄い銅合金シートにて形成されてい
る。シートは電極構造体が十分な可撓性を有する
よう、非常に薄く、0.135〜0.38mm程度の厚さの
ものである。電極はアーム１６内に保持される舌
状部２０と、断面中空であり且舌状部より横方向
に延在するロアシエル部２２とを有している。電
極１４の下面２４はハニカム材の上面１１に接触
する。シエル部２２の中空断面部内には約50〜60
の硬度計硬さを有するGeneral Electric
RTV630シリコンゴムの如きエラストマより成る
弾性ブロツク２６が配置されている。

第２図は本発明の電極の特徴を理解成らしめる
べく、第１図に示された装置の部分垂直縦断面を
示している。アーム１６及び１８が互いに近付く
方向へ駆動され、電極１４を加工片に対し押圧す
る場合には、弾性ブロツク２６が電極の全体形状
を維持する。電極により接触される加工片の上面
１１が不均一であると、電極の下面２４はその上
面に従い、弾性ブロツク２６の作用によつて該表
面と接触した状態に押圧される。加工片の上面が
電極の表面と整合されていない場合には、即ち加
工片の上面がアームの垂直運動平面に実質的に垂
直ではない場合には、シエル部２２に不均一な力
が作用し、図に於て仮想線２８により示されてい
る如くシエル部が舌状部２０の周りに撓む。

図に於ては、舌状部は最も単純な形態にて示さ
れており、電極のシエル部を構成するシート金属
の対を成す両端より成つている。このことは、舌
状部２０が前述の種々の目的を達成すべく容易に
撓み得るよう構成されるので望ましい。しかし第
３図に示された実施例も本発明の範囲内に属する
ものである。第３図に於ては、シエル２８ａが固
体の舌状部２０ａに接合部３４に於てろう付けさ
れている。この実施例に於ても、シエルが可撓性
を有しており、シエルの内部にエラストマが配置
されていることにより、シエルは舌状部２０ａの
垂直軸線の周りに撓み運動することが可能であ
る。また第３図は垂直側壁の柔軟性を増大させる
べく、特に側壁３６を屈曲させることによつてシ
エルの形状が如何に変化されてよいかを示してい
る。勿論かかる電極は図示の断面形状以外の断面
形状を有していてもよい。例えば円形の断面形状
や規則的な形状ではない他の断面形状も本発明の
範囲内に属すものである。

第４図に本発明の他の一つの実施例が図示され
ている。この実施例に於ては、弾性ブロツクは電
極のシエル２８ｂ内に収容された袋体３０に置換
えられている。袋体は好適な温度能力を有するエ
ラストマ、ポリマー、金属材料等にて形成されて
いてよく、チユーブ３２を経て加圧される。本発
明の更に他の一つの実施例に於ては、袋体は省略
されてよく、シート金属の気密キヤビテイを形成
すべく電極の両端が閉じられてよい。

シエルが上述の如く舌状部の周りに十分に撓む
ことが最も望ましいが、本発明の使用可能なより
基本的な構成が第５図に示さている。舌状部２０
ｃには横方向に延在する剛固な部材３８が取付け
られている。中空シエル部は部材３８とこれに取
付けられたシート金属部材４０とより成つてい
る。中空シエル部内には弾性ブロツク２６ｃが収
容されている。

シエル部の全体形状を維持し得るものである限
り、ばね及び他の材料の如き他の種々の構造体が
電極の中空断面部を充填するために使用されてよ
い。圧縮性材料が好ましいが、液体も本発明の目
的を達成する。何故ならば、薄いシエルはそれが
押圧された領域より離れた位置に於て膨張し得る
からである。中空断面部を充填する材料は加圧力
の点から見て下面２４を加工片に対し押付けるに
十分な圧力を発生し得るものであればよい。シエ
ル部の内部を充填する目的との組合せに於て、又
はそれ単独の目的で、電極に対し気体又は液体に
よる冷却が適用されてよい。

本発明の一つの好ましい使用態様に於ては、電
極は長方形の下面２４を有している。19×38mm及
び32×64mmの表面積を有し約13mmの内部高さを有
するシリコンゴムにて充填された電極が、二つの
アーム間に20〜135Kgの加圧力が与えられる状態
にて使用された。これらの電極により発生される
公称の加工片加圧力は275〜662kPaの範囲であ
る。この電極は耐久性を有することが認められ、
それらが腐食しても経済的に交換されるものであ
る。使用に際しては、電極が加工片に対し押付け
られ、溶接機のアームに対し電圧が印加される間
その状態に維持される。電流パルスは導電性を有
する電極を経て接合部へ流れ、これにより接合部
１３に於ては加工片を局部的に加熱し、溶接部を
形成する。電極は可撓性を有するが、十分な構造
的一体性を有しており、従つて溶接機のアームが
互いに引離されが場合にも、電極はその形状を維
持し、加工片の表面より容易に離れる。

以上に於ては本発明を特定の実施例について詳
細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の
種々の実施例が可能であることは当業者にとつて
明らかであろう。