JPH0367106B2 - - Google Patents

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JPH0367106B2
JPH0367106B2 JP6158283A JP6158283A JPH0367106B2 JP H0367106 B2 JPH0367106 B2 JP H0367106B2 JP 6158283 A JP6158283 A JP 6158283A JP 6158283 A JP6158283 A JP 6158283A JP H0367106 B2 JPH0367106 B2 JP H0367106B2
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foaming
foamed
density
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JP6158283A
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JPS59187035A (ja
Inventor
Akira Fuje
Tsukasa Yamagishi
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to US06/597,714 priority patent/US4644013A/en
Priority to FR8405522A priority patent/FR2543964B1/fr
Priority to DE19843413083 priority patent/DE3413083A1/de
Priority to KR1019840001849A priority patent/KR860001742B1/ko
Publication of JPS59187035A publication Critical patent/JPS59187035A/ja
Publication of JPH0367106B2 publication Critical patent/JPH0367106B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2023/00Use of polyalkenes or derivatives thereof as moulding material
    • B29K2023/04Polymers of ethylene
    • B29K2023/06PE, i.e. polyethylene

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は型内発泡成形に使用しうる線状ポリエ
チレン樹脂発泡用粒子に関し、さらに詳しくは、
特定の線状ポリエチレンを基材として、無架橋状
態のままで加熱膨張させうる線状ポリエチレン樹
脂発泡用粒子に関するものである。 近年、ポリエチレン樹脂発泡用粒子を型内で加
熱膨張させて発泡成形体を製造する、ポリエチレ
ン型内発泡成形の分野における技術の進歩は著し
く、従来の樹脂発泡成形体の代表であるポリスチ
レン型内発泡成形体に匹敵する優れた物性をもつ
ポリエチレン樹脂発泡成形体の製造方法(特開昭
57−34928号公報、同57−46878号公報)や発泡成
形体を得るためのポリエチレン樹脂発泡用粒子
(特開昭57−14632号公報、同57−70621号公報)
が開発されている。 ところで、これら従来のポリエチレン型内発泡
成形に関する技術は、樹脂を架橋状態にして発泡
(膨張)させることを前提として発展してきた技
術である。 このように樹脂を架橋状態にする理由は、基材
樹脂として用いるポリエチレンが溶融時の発泡剤
ガスに対するガスバリヤー性が低く、また流動粘
弾特性の変化に対する温度異存性が著しく大きい
ために、化学架橋や放射線照射架橋などの架橋手
段を用い、粒子表面あるいは樹脂全体に架橋を施
して樹脂の特性改質を行わなければ、適切な発泡
(膨張)条件を選ぶことができず、その結果実用
に供しうる良質な発泡成形体を得ることができな
いからである。 また、この架橋技術は、樹脂特性の改質手段で
あつて、ポリエチレン樹脂内に他の樹脂成分を共
重合や混合などによつて共存させ、該樹脂の特性
を改質する手段に比べて、ポリエチレン樹脂のも
つ本来の特性を損うことなく、発泡成形体に適用
しうるものに改質する利点を有することからも、
従来重用されてきた。 しかしながら、このポリエチレン樹脂の架橋手
段は、架橋のための余分な工程を必要とし、しか
も架橋された発泡成形体は不要になつても、元の
樹脂に戻して再生利用することができないなど、
経済的に不利な問題があり、特に近年、省エネル
ギーや省資源技術への代替がきびしく要求されて
いる折から、架橋工程を省略したポリエチレン型
内発泡成形に関する技術の開発が強く望まれてい
た。 本発明者らは、このような事情に鑑み、まず架
橋工程の省略化を可能ならしめることを目的と
し、次に従来の架橋ポリエチレン型内発泡成形体
に比べて耐熱クリープ、耐熱劣化、耐熱収縮性な
どの耐熱特性に優れた発泡成形体を与え、さらに
従来の前期発泡成形体に比べて高い圧縮応力を有
する高発泡成形体を与えることを目的とした線状
ポリエチレン樹脂発泡用粒子を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、基材樹脂として、重量平均分子
量/数平均分子量比、重量平均分子量及び密度が
それぞれ所定値以上である線状ポリエチレンを用
いた発泡用粒子がその目的を達成しうることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
つた。 すなわち、本発明は、基材樹脂が、ゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイーによつて測定した
重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)
との比w/nが15以上である分子量分布を有
し、かつ該重量平均分子量が2×105以上、密度
が0.920g/cm3以上である線状ポリエチレンから
成る、無架橋状態で加熱膨張させうることを特徴
とする線状ポリエチレン樹脂発泡用粒子を提供す
るものである。 本発明の発泡用粒子に用いる基材は、ゲルパー
ミエーシヨンクロマトグラフイー測定による重量
平均分子量(w)と数平均分子量(n)との
比(w/nが15以上である分子量分布を有す
ること、該重量平均分子量(w)が2×105
上であること、密度が0.920g/cm3以上であるこ
との3条件を満たした線状ポリエチレンであるこ
とが必要である。 この線状ポリエチレンとしては、高密度ポリエ
チレンや線状低密度ポリエチレンなどのエチレン
のホモポリマーが好ましいが、その本質的特性を
損わない範囲でエチレン単位50モル%以上を含む
結晶性の共重合体であつてもよいし、エチレンの
ホモポリマーと他のポリマーとの混合物であつて
もよい。 前記重量平均分子量(w)及び数平均分子量
(n)は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラ
フイーによつて測定され、かつASTM−D−
3016−72に示される方法に準じた、標準ポリスチ
レン試料による検量線法により求めた値である。
本発明に用いる線状ポリエチレンw/nが15
以上であつて、wが2×105以上であることが
必要であるが、通常wとして2×105〜2×106
程度のものが好適である。 また、密度はASTM−D−1505に準じ測定さ
れた値で0.920g/mm3以上であることが必要であ
る。この密度については、wが2×105以上の
線状ポリエチレンでは0.968の値を示すものが知
られており、このものは、もちろん本発明の発泡
粒子の基材樹脂として用いることができる。 次に本発明に用いる線状ポリエチレンが、前記
の3条件を満たさなければならない理由につい
て、添付図面に従つて説明する。第1図は内圧約
1Kg/cm2・Gの膨張能を付した発泡用粒子の加熱
温度と二次膨張粒子の密度との関係の1例を示す
ブラフであつて、図中は基材樹脂として本発明
の必要条件を満たした密度0.940の線状ポリエチ
レンを、は本発明の必要条件を満たした密度
0.920の線状ポリエチレンを、はw以外の本
発明の必要条件を満たすが、wが2×105未満
の線状ポリエチレンを、はw/n比以外の
本発明の必要条件を満たすが、w/n比が15
未満の線状ポリエチレンを、は密度以外の本発
明の必要条件を満たすが、密度が0.920未満の線
状ポリエチレンを用いた発泡用粒子の場合であ
る。 この第1図から分るように、本発明の必要条件
を完全には満たしていない線状ポリエチレンを用
いた発泡用粒子、及びにおいては、加熱す
ることによつて、むしろ密度が高くなるすなわち
収縮するが、本発明の必要条件を完全に満たして
いる線状ポリエチレンを用いた発泡用粒子及び
においては、常に密度を減じるすなわち膨張す
る温度領域があつて、ある温度条件下では、元の
発泡用粒子に対して密度比で約1.7倍膨張する。 一般に、ポリエチレン樹脂発泡用粒子の型内成
形においては、表面に比較的肉厚の表皮を有した
粒子などを別にすると、通常発泡粒子に空気や窒
素などの発泡ガスを圧入して膨張能を付与するい
わゆる発泡剤ガス内圧追添法、発泡用粒子を元の
かさ容積より所定量小さなかさ容積になるように
圧縮して膨張能を付与するいわゆるガス圧圧縮
法、及びこの両者を組合わせた併用法などを用い
て発泡用粒子に型内で加熱膨張する能力を付与
し、この能力が減少しないような状態で該発泡用
粒子を型内に充てんして、加熱し膨張させる方法
が用いられている。 このような膨張能の付与は、型内に泡用粒子を
充てんする際に生じる粒子間の間隙を埋め、かつ
隣接する粒子間相互が密に接した形状で融着し
て、一体化された発泡成形体にするために必要で
ある。したがつて、この膨張能の大小が、最終的
に成形体品質、例えば粒子融着の大小に基づく機
械的強度、吸水率、外形寸法精度などの物性や表
面あばたの発生を左右することになる。 この意味において、第1図は、本発明の必要条
件が完全には満たされていないポリエチレン樹脂
発泡粒子を無架橋の状態で型内発泡成形すること
は不可能であることを示すものであり、換言すれ
ば本発明の発泡用粒子によつて、初めてポリエチ
レン樹脂粒子の無架橋型内発泡成形が実施される
ということができる。 第3図は、型内発泡成形体における吸湿時間と
断熱性能の経時持続性との関係の1例を示すグラ
フであつて、図中は、第1図における発泡用粒
子から得られた発泡成形体、は架橋ポリエチ
レン樹脂発泡成形体(特開昭57−70621号公報に
従つて得られたもの)及びは特に望ましい本発
明の発泡用粒子から得られた発泡成形体の場合で
ある。 前記とは、それらの基材樹脂がともに本発
明の必要条件を完全に満たすものであるが、ゲル
パーミエーシヨンクロマトグラフイー測定による
分子量分布の波形曲線において、の方は突起す
る山部が1個で全体が描かれるのに対し、の方
は該山部が2個生じて全体が描かれるという相違
がある。 この第3図によつて、発泡成形体内部の発泡用
粒子相互が、どの程度に間隙をもたずに密接し
て、強固に融着しているかが分かる。すなわち、
吸湿経時の断熱性能の低下率が低いほど、内部融
着の状態は強固といえる。またこの断熱性能の経
時持続性は、発泡成形体の厚み方向に水蒸気圧差
が生じやすい条件下における断熱材用途に使用し
たときの、実用特性でもあるといえる。 この第3図から明らかなように、本発明の発泡
用粒子から得られた成形体は、無架橋品である
にもかかわらず、現状では最高の品位をもつと考
えられる架橋発泡成形体と比較して、なんらそん
色のない内部融着の状態になつていることが判
る。また本発明の発泡用粒子から得られた発泡
成形体においては、前記本発明の発泡用粒子か
ら得られたものに比べて、さらに優れた内部融着
の状態になつていることが分る。 このことから、本発明において基材樹脂として
用いる線状ポリエチレンに関する前記の3つの必
要条件に、さらにゲルパーミエーシヨンクロマト
グラフイー測定による分子量分布の波形曲線が2
山形態のものであるという条件が加わる場合、こ
の発泡用粒子から得られた発泡成形体は、さらに
優れたものになるといえる。本発明者らの研究に
よると、この2山形態の波形曲線において、第2
の山形は主体をなす山形の左右のどちらに側に存
在していてもよく、また主体の山形斜傾部のどの
位置に存在しても、その効力が生じることが確認
されている。 第4,5及び6図は、本発明の発泡用粒子で得
られた型内発泡成形体の耐熱特性を、架橋ポリエ
チレン型内発泡成形体の耐熱特性と対比して示し
た図であつて、第4図は加熱温度と耐熱クリープ
との関係を、第5図は加熱状態における経過時間
と寸法変化率との関係を、第6図は加熱状態にお
ける経過時間と圧縮応力の変化率との関係を示す
グラフであり、これらの図において及びは前
記と同じ意味をもつ。 これらの図から明らかなように、本発明の発泡
用粒子から得られた発泡成形体は、現行技術にお
いて最高の品位をもつと考えられる架橋発泡成形
体と比較して、いずれの特性においても優れてい
ることが分る。 発泡成形体におけるこれらの各特性は、該成形
体の内部構造に由来するところが大きく、したが
つて、本発明の発泡用粒子を用いることにより、
初めてこれらの各特性を兼備した発泡成形体が得
られる。 また、発泡成形体がこれらの特性を有すること
は、この発泡成形体を、例えば自動車、船舶、屋
根の屋上、外壁断熱用、あるいは温水パイプ用な
どの断熱材として、約90〜110℃の高温に直接曝
される条件下で使用する場合に特に有効であつ
て、現状の架橋発泡成形体では不十分とされてい
る分野における市場要求を満たすことができる。 このように、本発明の発泡用粒子は、耐熱特性
の優れた無架橋のポリエチレン発泡成形体を与え
ることができ、ポリエチレン型内発泡成形技術の
実用的価値を著しく高めるものである。 さらに、第7図は型内発泡成形体の密度と圧縮
強度との関係の1例を示すグラフであつて、図中
及びは前記と同じ意味をもつ。 この図から明らかなように、本発明の発泡粒子
から得られた発泡成形体は、従来の架橋発泡成形
体と比べて、剛性すなわち圧縮強度の高いものが
得られ、かつそれは低密度化すなわち高発泡化の
状態でも得られることが分る。 本発明の発泡用粒子から得られた発泡成形体が
有するこのような効果によつて、例えば該発泡成
形体を緩衝通い箱などに利用するとき、箱そのも
のの剛性を高めて重量物運搬用にも耐える通い箱
とすることができ、また従来の発泡成形体と同じ
剛性を有する発泡成形体を発発泡化した状態で得
ることができるので、発泡成形体用途の適用分野
が拡大されるとともに、その効果は前記したよう
に架橋工程を省略しうる利点と相まつて、型内発
泡成形技術そのものに、経済的競合力を付与す
る。 本発明の発泡用粒子は、通常架橋ポリエチレン
発泡用粒子の製造に用いられている公知の方法、
例えば押出機内に供給されて溶融状態にある基材
樹脂に、発泡剤を圧注入して含有させ、この発泡
剤含有樹脂を大気圧下にストランド状に押し出し
て発泡させ、次いでこの発泡ストランドを切断し
て発泡用粒子とする方法、基材樹脂を小形のペレ
ツトとし、これを加圧加熱容器に入れ、発泡剤
(主に発揮性発泡剤)と接触させて樹脂内に発泡
剤が含有した発泡性樹脂粒子となし、次いでこれ
を加熱発泡させて発泡用粒子とする方法、あるい
はこの発泡用粒子に再度発泡剤ガスを含有させて
加熱膨張させることにより、さらに高発泡の発泡
用粒子とする方法などを、架橋工程を省略して用
いることによつて容易に得られる。 これらの方法の中で、本発明の発泡用粒子を得
る最も好ましい方法としては、耐圧容器内で水性
懸濁状態に分散保持きた樹脂粒子に、発揮性発泡
剤を加圧加熱下で接触含浸させて発泡性樹脂粒子
となし、この粒子を懸濁液とともに低温低圧の雰
囲気下に放出して高発泡用粒子とする方法が挙げ
られる。 この方法においては、発泡剤の含浸条件とし
て、使用する発泡剤の蒸気圧以上の圧力下で、基
材樹脂の結晶融点ないし結晶融点プラス20℃、好
ましくは結晶融点フラス5℃ないし結晶融点プラ
ス15℃の温度範囲を用いること、及び発泡剤とし
て、公知の揮発性発泡剤の中から選ばれた
ASTM−D−1133−61に準じて求めたKB値が15
〜60の範囲にある揮発性有機発泡剤の単品又は混
合品を用いることが、発泡剤を樹脂粒子内に短時
間に多量、かつ均質に含浸させるために重要であ
る。このような揮発性有機発泡剤としては、例え
ばプロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、ペン
タン、ペンテン、ヘキサン、ヘキセン、ヘプタン
などの脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素
類及びトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフ
ルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、
ジクロロテトラフルオロエタン、モノクロロジフ
ルオロメタン、メチルクロリド、メチレンクロリ
ド、エチルクロリド、エチレンクロリドなどのハ
ロゲン化炭化水素類などが挙げられ、これらはそ
のKB値が前記の範囲内になるように、それぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いて
もよい。 なお、本発明でいう結晶融点とは、例えば示差
熱温度計(パーキン・エルマー社製、DSC1−B
型)を用い、昇温速度10℃/min、試料量0.01g
の条件下で測定した値である。 本発明の発泡用粒子においては、その発泡倍率
は約10〜100倍であつて、該発泡用粒子を型内で
膨張させて発泡成形体としたときも、この発泡倍
率は大幅に変ることがない。したがつて、発泡倍
率は目的とする発泡成形体密度の主要な調整要因
となるので、前記のような広範囲の値に調整しう
ることが望ましい。また該発泡用粒子は内部気泡
構造の均質なものであることが望ましい。 本発明の線状ポリエチレン樹脂発泡用粒子にお
いては、型内発泡成形体を得るのに従来のような
架橋工程を必要とせず、またそれから得られた発
泡成形体が不要になつた場合、元の樹脂に戻して
再利用しうるので、極めて経済的に有利である。
その上得られた発泡成形体は、従来の架橋ポリエ
チレン型内発泡成形体に比べて耐熱クリープ、耐
熱劣化、耐熱収縮性などの耐熱特性の優れたもの
であつて、例えば自動車、船舶、家屋の屋上、外
壁断熱用、あるいは温水パイプなどの断熱材とし
て、高温に直接曝される条件下でも使用すること
ができ、さらに、従来の架橋ポリエチレン型内発
泡成形体に比べて、同一発泡倍率でより高い剛性
を有している。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によつて何ら限定さ
れるものではない。 なお、各例中で用いたポリエチレン樹脂(旭化
成工業(株)で試作したもの)の特性を第1表に示
す。
【表】 値である。
また、各例中における特性の測定及び評価は次
のようにして行つた。 (1) 発泡用粒子の圧内:加圧雰囲気中より取出し
た発泡用粒子10gを手早く5個の容器に分納
し、その重量(W)を正確に秤量したのち、一
端が大気下に開放された5本の水柱管にそれぞ
れ連結し、発泡用粒子から逸散するガス量
(VG)を経時的に測定し、次の計算式に従つて
それぞれの値を求めその平均値をもつて内圧と
する。 発泡用粒子の内圧=VG/VS−W/D〔単位Kg/ cm2〕 ただしDは使用したポリエチレンの密度であ
り、VSは同じ母集団より大量に得た試料によ
り重量と体積の換算係数を求め、実測した発泡
用粒子の重量より算出した発泡用粒子の体積で
ある。なおこの場合の測定の終点は前後1時間
における内圧の差が、0.01Kg/cm2未満となつた
時点とする。 (2) 断熱性能の経時持続性:成形体中心部より縦
200mm、横200mm、厚さ25mmに切り出した成形体
試料片について、第2図に示す装置を用いて測
定する。 すなわち、断熱材2で囲まれた温度調節機3
を備えた容器1に50℃の温湯4を入れ、該容器
の開口部側を、前記の試料片により、パツキン
6を介して閉塞する。この際、試料片の下面と
容器内の温湯面との間は約30mmの距離を設ける
ように配置する。また、試料片の上面は、循環
水口7及び8から循環される冷却水によつて3
℃に冷却されている冷却板9に密着している。
このような状態を保つて、30日間放置したの
ち、試料片の表面をガーゼで軽く拭きとり、
ASTM C518に従つてこのものの熱伝導率λ′を
測定し、あらかじめ試験前に同じ条件下で測定
した熱伝導率λとの変化の割合λ′/λを求め
る。 (3) 熱経時の寸法変化率:50mm立方に切出した成
形体試験片を、90℃に調温した恒温槽内に96時
間置き、取り出したのち1時間放冷し、最初の
成形体に対する寸法変化率(%)を求める。 (4) 耐熱クリープ:50mm×50mm×25mmに切出した
成形体試験片80℃の温度の下で、0.1Kg/cm2
荷重を掛け、その直後の厚さ(to)と、24時間
経過後の厚さ(t)を測定し、次式に従つて計
算する。 圧縮クリープ(%)=to−t/to×100 (5) 耐熱劣化特性の評価:成形体中心部より縦50
mm、横50mm、厚さ30mmに切り出した成形体試料
片を100℃に設定した熱風乾燥機内に置き、経
時的に試料片を取り出し、25%圧縮する時の圧
力を測定した。加熱処理以前の所要応力を100
%として、加熱処理された試料の所要応力を百
分率で示した。 (6) 圧縮強度:縦100mm、横100mm、厚さ25mm以上
の試験を12±3mm/分の割合で圧縮し、25%の
歪を生じた時の圧縮応力値を測定することによ
つて求めたものである。 実施例1、比較例1 耐圧容器にポリエチレン樹脂Aの無架橋粒子
100重量部、n−ブタン25重量部、及び塩基性炭
酸マグネシウム2重量部を水400重量部に分散さ
せ、かきまぜながら該樹脂の結晶融点よりも5℃
高い温度に加熱し、45分間保持して発泡剤を含浸
させたのち、その温度における発泡剤の蒸気圧よ
りも5〜6Kg/cm2高い圧力に窒素ガスで加圧し、
発泡剤の蒸気圧以上に保持しながら容器の一端よ
り樹脂粒子と水とを常圧下に放出し発泡用粒子を
得た。その他のポリエチレン樹脂C,D,E,
F,Gについても同様の操作により発泡粒子を得
た。それぞれの樹脂について発泡時の温度、及び
得られた発泡用粒子の密度を第2表に示した。 次いで、前記の発泡用粒子それぞれについて、
1週間大気圧下に放置したのち、圧力容器に入
れ、窒素ガスで10Kg/cm2Gに加圧して80℃の状態
で保持し、発泡用粒子の内圧が約1Kg/cm2Gとな
るように調整したのち、冷却して常圧下に取出
す。次いでこの内圧を有する該粒子をただちに蒸
気室に入れ、種々の温度で加熱して二次膨張を行
つた。得られた粒子を大気圧下に放置して熟成を
行つたのち、粒子の密度を測定した。 この二次膨張粒子の最低密度とその際の加熱温
度を第2表に示し、また加熱温度と二次膨張粒子
の密度との関係を、樹脂C,D,E,F,Gの発
泡用粒子について、第1図にグラフで示し、それ
ぞれについて符号,,,,を付した。 第2表及び第1図から明らかなように、二次膨
張粒子密度が発泡粒子の密度より低下するために
は、基材樹脂の重量平均分子量が2×105以上、
分子量分布すなわちw/n比が15以上、密度
が0.920以上である場合に限られることが分る。
また、より大きな二次膨張力を得るためには、樹
脂密度が0.940以上のものを選べばよいことが判
る。
【表】 実施例2、比較例2 樹脂B,Cについて、該樹脂の結晶融点よりも
8℃高い温度に加熱して発泡する以外は実施例1
と同様にして発泡用粒子を得た。また樹脂Bにつ
いては、発泡温度を変化させ、倍率の異なる発泡
用粒子を得た。得られた発泡用粒子について発泡
温度及び粒子密度を第3表に示した。 次いで、該発泡用粒子をそれぞれについて、80
℃、10Kg/cm2ゲージ圧の加圧空気中で粒子内圧が
約1Kg/cm2ゲージ圧となるよう処理時間を調整し
て、空気を含む発泡用粒子とし、これを小孔を有
する閉鎖金型(内寸法300×300×80mm)にそのま
ま充てんし1.5〜2.0Kg/cm2ゲージ圧の水蒸気で20
〜30秒間加熱融着し、約20℃の水で30〜60秒間の
冷却後、型より取り出し70℃の熱風乾燥機で8時
間熟成して成形体を得た。 得られた成形体のうち、樹脂B,Cの密度が約
0.020g/cm3のものについて、断熱性能の経時持
続性、耐熱クリープ、熱経時の寸法変化率及び耐
熱劣化特性を求め、その結果を第3表に示した。 また、樹脂Bを用いて得られた密度の異なる成
形体について圧縮強度を測定して、その結果を第
3表に示した。 一方、樹脂B,Cから得られた成形体には、符
号をそれぞれ,と付して区別し、吸湿処理時
間と断熱性能の経時持続性との関係を第3図にグ
ラフで示した。またの成形体については、温度
と耐熱クリープとの関係、加熱状態における経過
時間と寸法変化率との関係及び加熱状態における
経過時間と圧縮応力の変化率との関係を、それぞ
れ第4,5及び6図にグラフで示した。さらに、
樹脂Bを用いて得られた成形体について密度と圧
縮強度との関係を第7図にグラフで示した。 なお、比較のために、架橋ポリエチレン型内発
泡成形体を特開昭57−70621号公報記載の区分No.
17の成形体の製法に準じ、次に示すようにして作
成し、前記と同様に各特性を求めた。 すなわち、樹脂密度0.930g/cm3、ビカツト軟
化点105℃の低密度ポリエチレン(旭化成工業(株)
試作)に、架橋剤としてジクミルパーオキシドを
含浸させ、加熱架橋して架橋ポリエチレン粒子を
調製した。次いでこの架橋ポリエチレン粒子を耐
圧容器に収容しジクロロジフルオロメタン液を加
え加温しつつ含浸処理を行い発泡性架橋ポリエチ
レン粒子とした。次いでこれを大気圧下で0〜4
分間曝気したのち、発泡装置に収容し、0.5〜1.0
Kg/cm2の水蒸気を用い加熱昇温速度を20〜50秒、
昇温後の加熱時間を5秒となるように調製し、一
次発泡粒子を得た。 この一次発泡粒子を80℃、10Kg/cm2の加圧空気
中で6時間処理して空気を含む発泡性粒子とし、
0.5〜1.0Kg/cm2の水蒸気を用い加熱昇温速度を20
〜50秒、昇温後の加熱時間を5秒となるように調
製し、発泡用粒子を得た。 この二次発泡粒子について、前記と同様な空気
含浸発泡処理を繰り返し、発泡粒子密度が0.025、
0.034、0.050g/cm3の架橋ポリエチレン発泡用粒
子を得た。 この発泡粒子を1週間大気圧下に放置し粒子内
に発泡剤や大気圧以上の内圧が含まれていないこ
とを確認したのち、該粒子を耐圧容器に入れ、常
温のまま空気圧をかけることによりもとのかさ容
積の80%(圧縮率20%)に圧縮し、これを小孔を
有する閉鎖金型(内寸法300×300×80mm)にその
まま充てんし、1.2〜2.0Kg/cm2圧の水蒸気で20〜
30秒間加熱融着したのち、約20℃の水で30〜60秒
間の冷却後、型より取り出し70℃の熱風乾燥炉で
6時間エージングして成形体を得た。 得られた成形体について、密度、圧縮強度、断
熱性能の持続性、耐熱クリープ、熱経時の寸法変
化率、耐熱劣化特性を求め、その結果を第3表に
示した。さらに実施例2と同様に、の符号を付
して第3,4,5,6,7図に各関係のデーター
をグラフで示した。
【表】 第3表及び第3図から明らかなように、本発明
の発泡用粒子から得られた発泡成形体は、現在、
最高品位をもつと考えられる架橋ポリエチレン発
泡成形体に比して、同等又はそれ以上の優れた水
準に達している。すなわち、断熱性能の経時持続
性を発泡用粒子の内部融着性に置き換えてみる
と、の成形体では架橋品と同等のレベルにあ
り、の成形体では架橋品よりも経時的な断熱性
能の変化も少ない。の基材樹脂はのそれと較
べて分子量が増加しているにもかかわらず、断熱
性能の持続性は低レベルにある。これは、の基
材樹脂は、その分子量分布曲線において明確な2
山ピークを有し、高分子量である割には低分子量
生成が多く含まれているため、発泡粒子同士の融
着性に優れるという特性が発揮できるものと考え
られる。 また、第3表及び第4,5,6図から明らかな
ように、本発明の発泡用粒子から得られた発泡成
形体は、高温時のクリープ、寸法変化、さらに熱
劣化の特性において、従来の架橋ポリエチレン発
泡成形体よりも著しく優れていることが分る。こ
れは基材樹脂の特性を十分に生かしており、従来
の架橋品では用いえなかつた耐熱用途における新
規な市場が展開できることが期待され、本発明の
有用性は極めて高いと考えられる。 さらに、第7図からも明らかなように、本発明
の発泡用粒子から得られた成形体は、従来の架橋
品に比してすべての密度領域で高い圧縮強度を示
している。したがつて、従来品と同等の圧縮強度
のものを使用する場合、より高発泡化したものを
使用しうるので、極めて経済的である。
【図面の簡単な説明】
第1図は膨張能を付した発泡用粒子の加熱温度
と二次膨張粒子の密度との関係の1例を示すグラ
フ、第2図は断熱性能の経時持続性を測定するた
めの装置の断面図、第3図は発泡成形体の吸湿時
間と断熱性能の経時持続性との関係の1例を示す
グラフ、第4図は発泡成形体の加熱温度と耐熱ク
リープとの関係の1例を示すグラフ、第5図は発
泡成形体の加熱状態における経過時間と寸法変化
率との関係の1例を示すグラフ、第6図は発泡成
形体の加熱状態における経過時間と圧縮応力の変
化率との関係の1例を示すグラフ及び第7図は発
泡成形体の密度と圧縮強度との関係の1例を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基材樹脂が、ゲルパーミエーシヨンクロマト
    グラフイーによつて測定した重量平均分子量(
    w)と数平均分子量(n)との比w/nが
    15以上である分子量分布を有し、かつ該重量平均
    分子量が2×105以上、密度が0.920g/cm3以上で
    ある線状ポリエチレンから成る、無架橋状態で加
    熱膨張させうることを特徴とする線状ポリエチレ
    ン樹脂発泡用粒子。
JP6158283A 1983-04-08 1983-04-08 線状ポリエチレン樹脂発泡用粒子 Granted JPS59187035A (ja)

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