JPH0366414B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、織物製造時において経糸を上げ下げ
させるための綜絖に経糸を通す準備機械における
綜絖の供給装置に関する。

（従来の技術） 第７図ａ，ｂ乃至第９図ａ，ｂは、この種の従
来装置の一例である。針状成形された綜絖１の上
下方向両端部には、夫々綜絖保持用孔部１ａ，１
ｂが設けられている。これら上下の挿通孔部１
ａ，１ｂを利用して数100個からなる所定数の綜
絖１がラツク状のマガジンＭに収納担持され、か
かる状態で図示せぬ綜絖に経糸を通す工程へ向か
つて送り込まれ、ここで綜絖分離機構によつて綜
絖１を１個宛分離せしめる方式である。

マガジンＭの構造は、この平面及び立面を示す
第７図ａ，ｂの如くに、高さ方向に延びるメイン
フレーム２と、この上下端から略水平に突出して
片持支持された綜絖担持部３，３とからなる全体
コ字状である。

上下各々の綜絖担持部３は、断面角形で薄片の
２本一対からなる案内片３ａ，３ｂからなつてい
て、こうしたものが上下において都合４本だけメ
インフレーム２から突出しているのである。しか
も、案内片３ａ，３ｂの断面形状は第８図のよう
に、綜絖１の両端部の綜絖保持用孔部１ａ，１ｂ
に挿通し得る大きさとなつている。

即ち、一列側において数100個からなる綜絖１
が一方の案内片３ａと他方の案内片３ａとに夫々
綜絖保持用孔部１ａ，１ａを介して吊支持された
格好となつている。他方の一列側においては、同
様に案内片３ｂと綜絖保持用孔部１ｂとによつて
吊支持されている。

こうして所定数の綜絖群を１ユニツトとして第
９図ａ，ｂの如くに、綜絖分離機構４まで送り込
み、マガジンＭ側の上下の綜絖担持部３，３を綜
絖分離機構４側の綜絖受取り部に位置合わせす
る。次いで、矢印Ａの如くにマガジンＭ全体を揺
動動作させながら、左右の案内片３ａ，３ｂから
交互に連続的に綜絖１を図示せぬ押出し機構で押
し出し、綜絖を１個宛分離せしめつつ前送りして
綜絖に経糸を通す工程へと供給するものである。

なお、マガジンＭとしては、メインフレーム２
の取付孔２ａを介して綜絖通し機の本体にボルト
締めなどによつて固定され、所定数の綜絖１を分
離機構で分離し終えてマガジンＭが空状態になる
と、次に待機中の別のマガジンに交換せしめられ
る。この交換時はライン装置の稼働は停止してい
る。

これより明らかな如く、従来装置においては、
綜絖分離機構に対してマガジンＭ側に２列の綜絖
群を交互に位置合わせしつつ、綜絖１を１個宛分
離して供給する方式であるが故、マガジンＭにお
ける綜絖担持部３，３の片持構造上、撓み等の発
生により綜絖分離機構に対する位置合わせが困難
である。

更には、所定数の綜絖１を分離供給し終えたマ
ガジンＭの交換に多大の時間を費やし、その間ラ
イン装置の稼働を停止しなければならなと云う不
具合がある。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記した従来装置の不具合を解消す
べくなされたものであり、綜絖供給にマガジン方
式を採らないで、綜絖分離機構に対して多量の綜
絖が稼働停止せずとも能率的に供給できる綜絖供
給装置の提供を目的としている。

（問題点を解決するための手段） この目的達成のために、本発明の綜絖供給装置
においては、複数の綜絖が両端部の綜絖保持用孔
に挿通する上下一対の案内部材に案内されて、前
記案内部材の一方端から他方端の分離部に向かつ
て押圧供給せしめられる綜絖供給装置であつて、
前記案内部材の長手方向に配列されて前記案内部
材を数箇所において順に挾持又は解放する複数の
挾持機構と、前記挾持機構の１つによつて前記案
内部材が挾持解放せしめられたときに前記綜絖を
挾持状態の前記挾持機構の他の１つまで押圧する
押圧機構と、を備えた構成されている。

（実施例） 以下、本発明の実施例である綜絖供給装置につ
いて第１図乃至第６図ａ〜ｊを参照しつつ述べ
る。なお、従来例の説明で用いた符号に共通する
ものは同一又は同種の部材を指す。

実施例装置の正面である第１図において、図中
R₁，R₂は綜絖分離機構４に至る供給ライン上の
上下に平行に設置された一対の綜絖案内レール
（軌条）であり、夫々が単一の断面角形状の部材
である。これら案内レールR₁，R₂に集団ごとに
個数の異なる複数の綜絖群が、即ち実施例では綜
絖群Ｉ〜綜絖群Ｖが従来例の第７図の要領で挿通
して案内される。

又、案内レールR₁，R₂の後方には各々の平行
に案内レールR₃，R₄が接続部Ｊ，Ｊ（第２図ａ，
ｂ参照）で接続されており、前者の案内レール
R₁，R₂を供給部側レールとし、後者の案内レー
ルR₃，R₄を綜絖ストツク部側レールとして区別
している。

一方、案内レールR₁，R₂の各々を撓み等から
補強するために、それらの長手方向の数ヶ所に亘
つて、実施例の場合、上下に向かい合う３組の挾
持チヤツク対C₁，C₂，C₃が配置され、これらで
案内レールR₁，R₂を順に挾持又は挾持解放する
仕組みとなつている。

即ち、挾持チヤツク対C₁の構造を一例として
第３図ａ，ｂに示せば、装置フレーム１０に固定
された例えば空圧式シリンダ１１の作動で、ロツ
ドステイ１２及び継なぎ棒１３を介してチヤツク
駒１４が上下動する。チヤツク駒１４には下向き
にスリツト１４ａが穿たれていて、このチヤツク
駒１４のスリツト１４ａが上下動に際して案内レ
ールR₁の上方から係脱する。下側の案内レール
R₂に対応する挾持構造も全く同一であるからそ
の図示及び説明を省略する。更に、上記ロツドス
テイ１２には空圧式等によるシリンダ１５が担持
され、このロツド１５ａの先端部と上記チヤツク
駒１４の双方に対し、回動ピン１５ｂ，１４ｂで
ストツパリンク１６が揺動し得るように軸支され
ている。

即ち、シリンダ１１の作動でチヤツク駒１４が
下降動し、このスリツト１４ａが案内レールR₁
に係合すると、この時チヤツク駒１４の下降動に
対し、僅かなタイミングのズレでもつて下降動し
つつあるシリンダ１５のロツド１５ａによつてス
トツパリンク１６が回動ピン１４ｂを支点に反時
計廻りの方向に回動せしめられ、スリツト１４ａ
に係合している案内レールR₁の下方から押し上
げるべく当接する。よつて、チヤツク駒１４とス
トツパリンク１６とが協働して案内レールR₁を
挾持するのである。（第３図ａ）。なお、仮想線で
示される図中１は綜絖である。

次に、第１図と第４図及び第５図において、綜
絖群Ｉ〜綜絖群Ｖを分離機構４に向かつて押し出
す押出し機構（以下プツシヤと称する）について
説明する。

第１図には全体の大きさに差のあるプツシヤ
P₁，P₂，P₃の都合３基のものが交互に配設され
ているが、この設置数に限定されるものではな
い。プツシヤP₁，P₃は機械的に同一である。又、
上記した挾持チヤツク対C₁，C₂，C₃の設置数も
これら３基に限定されず、プツシヤ設置数に対応
して設けられる。第４図におけるプツシヤP₁お
よびP₃の場合、供給ラインに沿つて平行に延び
る一対の角形ガイド棒２０，２１の一方のガイド
棒２０に機械全体が摺動自在に案内される。

仮想線で示すほぼコ字状の摺動フレーム２２が
ガイド棒２０に摺動自在に担持され、この摺動フ
レーム２２の摺動は第１図に示す如きロツド２３
ａを介してシリンダ２３装置の作動によつて行な
われる。

また、摺動フレーム２２の開放両端部において
は揺動リンク２４，２４が夫々回動自有に軸支さ
れ、一方の揺動シリンダ２４と空圧式等によるシ
リンダ２５とがピン２６によつて、他方の揺動リ
ンク２４とシリンダロツド２５ａ端とがピン２６
によつて夫々相対的に回動自在に連結されてい
る。

更に揺動リンク２４，２４の摺動フレーム２２
における軸支部には、伝達棒２４ｂ，２４ｂを介
して押圧駒２４ａ，２４ａが一体的に結合されて
いる。シリンダ２５の作動によつて、ロツド２５
ａの伸縮長さの変化で押圧駒２４ａ，２４ａは互
いに逆方向に回動し、実線の如くに例えば綜絖群
（又は綜絖群）の後背部に同時に当接して押
圧する回動位置X₁と、仮想線の如くに当接せず
に外れた常態位置X₂との範囲内で回動する仕組
みとなつている。図中２７ａ，２７ｂは上側揺動
リンク２４の揺動ストツパ、及び２８ａと２８ｂ
は下側揺動リンク２４の揺動ストツパを示してい
る。

次に、第５図に示されるプツシヤP₂において、
この機構全体は他方のガイド棒２１に摺動自在に
担持されている。この場合、摺動フレーム３２は
第４図のプツシヤP₁よりも短かく、したがつて
この開放先端部における押圧駒３４ａ間の距離は
プツシヤP₁の場合よりも小さくて、プツシヤP₁，
P₂同士は互いの摺動の障害とならないようにな
つている。かかる押圧駒３４ａ，３４ａを動作端
とする一連のリンク作動機構の構成は第４図の各
部材に対応して共通であるので説明を省略する。
但し、プツシヤP₂は実施例の場合綜絖のみに
対する押圧を分担している。又、下側の揺動リン
ク３４の揺動は伝達リンク３９を介して行なわれ
る点が異なるだけであり、上下一対の押圧駒３４
ａ，３４ａの動作はプツシヤP₁の場合と全く同
一形態である。

かかる実施例装置によつて、綜絖〜綜絖群
は、挾持チヤツク対C₁〜C₂及びプツシヤP₁，P₂，
P₃のプログラム制御に基づいた動作で、第６図
ａ〜ｊの如き手順により、１群宛分離機構４に向
かつて前送り供給される。

即ち、初期の綜絖供給は、綜絖ストツク部側の
案内レールR₃，R₄に自動的又は手作業にて所定
数の綜絖を挿通せしめる（綜絖群位置）。これ
を綜絖群位置まで押し出して待機せしめる。こ
うして、先ずプツシヤP₁→P₂→P₃の如くに順に
作動させて、図の上流側に向かつて初めて綜絖群
を分離開始地点まで押出して位置決めする。これ
を綜絖群としている（第６図ａ）。この時、挾
持チヤツク対C₁，C₂C₂は全ての案内レールR₁，
R₂を挾持固定している。

次に、第６図ｂの如くに、挾持チヤツク対C₁
による案内レールR₁，R₂の挾持を解放させ、プ
ツシヤP₃の作動によつて次の綜絖を挾持チヤ
ツク対C₂の手前位置まで押し出す。

こうした動作を繰返して、第６図ｊの如くに、
挾持チヤツク対C₁，C₂，C₃の各々によつて画成
されるブロク毎に綜絖〜綜絖群が満載さるべ
き供給されるのである。但し、綜絖群が供給さ
れた段階で、初めの綜絖群の分離作業が終了し
ていることは云う迄もなく、図によつて明らかで
ある。

（発明の効果） 上記したことから理解されるように、本発明の
綜絖供給装置によれば、案内レールを介して複数
の綜絖群をブロツクとしたもの数ブロツクが案
内レールを介して分離機構に向かつて前送りされ
る方式であるから、多量の綜絖が供給ラインの稼
働を停止せずとも連続的に供給されるが故、綜絖
供給能率が向上せしめられて好ましいのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例である綜絖供給装置の
全体正面図、第２図ａ，ｂは案内レール連結部の
正面図及び平面図、第３図ａ，ｂは挾持チヤツク
対により案内レールの挾持及び解放の態様図、第
４図及び第５図はプツシヤP₁，P₂の構造側面図、
第６図は綜絖群〜綜絖群に対する送り込み態
様図、第７図ａ，ｂは従来のマガジン方式による
綜絖担持態様図、第８図は綜絖正面図、第９図
ａ，ｂは分離機構に対するマガジンの位置合わせ
態様の平面図と正面図である。 １……綜絖、４……綜絖分離機構、１４……チ
ヤツク駒、２０，２１……ガイド棒、２２，３２
……摺動フレーム、２４，３４……揺動リンク、
２４ａ，３４ａ……押圧駒、C₁〜C₃……挾持チ
ヤツク対、R₁〜R₄……案内レール、P₁，P₂，P₃
……プツシヤ、〜……綜絖群。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の綜絖が両端部の綜絖保持用孔に挿通す
   る上下一対の案内部材に案内されて、前記案内部
   材の一方端から他方端の分離部に向かつて押圧供
   給せしめられる綜絖供給装置であつて、前記案内
   部材の長手方向に配列されて前記案内部材を数箇
   所において順に挾持又は解放する複数の挾持機構
   と、前記挾持機構の１つによつて前記案内部材が
   挾持解放せしめられたときに前記綜絖を挾持状態
   の前記挾持機構の他の１つまで押圧する押圧機構
   と、を備えたことを特徴とする綜絖供給装置。