JP2544949B2 - 経糸挿通機に於けるヘルド束の移動装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は経糸挿通機に於て、ヘルドガイドに支持され
た多数本のヘルドの束（以下ヘルド束と略省する）の移
動装置に関する。更に詳しくは、経糸挿通位置の手前に
位置するヘルド束のヘルド１本宛を経糸挿通位置に分離
移動毎に該ヘルド束を移動せしめ、前記ヘルド束の有無
の検出信号で、待機ヘルド束を経糸挿通位置の手前に移
動せしめるものである。

（従来の技術） 従来予め準備したヘルド束を経糸挿通機のガイドレー
ルに配設して、このヘルド束より１本宛を分離移動し、
経糸挿通を行う型式の経糸挿通機にあつては、ヘルド束
の経糸挿通作業終了毎に、ヘルド束の配設を人為的に行
つていた。

（発明を解決しようとする問題点） しかしながらガイドレールにヘルド束を手動によつて
配設する作業は非能率的であり、ガイドレールに配設し
たヘルド束の１本宛を分離移動せしめて経糸の挿通を行
う場合残存する先端のヘルドと経糸挿通位置間の距離が
次第に遠隔となることが基因し、ガイドレールに沿うヘ
ルドの移動に円滑性がを欠くと言う問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前記の問題点を解決するものであつて、経糸
を挿通するヘルド束の配設を自動化すると共に、ヘルド
の分離移動を迅速確実に行うことで経糸挿通機に於ける
作業能率の向上を計ることを目的とするもので、経糸挿
通位置の手前に位置するヘルド束HAの有無を検出するセ
ンサー７と、パウダークラツチ６を介しモータＭを動源
とする回転軸２の上下に固定したプロヘラ型の作動杆3,
3′と、前記センサーによるヘルド束の有無検出信号
で、前記モータの制御を司る制御手段10とを設けたもの
である。

（作用） 経糸挿通位置の手前に位置しているヘルド束の後端
に、一対のプロペラ型の作動杆3,3′の一方の先端を接
触せしめ、この作動杆の先端をモータＭを動源とする回
転軸２に設けたパウダークラツチ６の作用でヘルド束HA
を一定の押圧力を保持し、この押圧力で前記ヘルド束よ
り順次１本宛の分離移動毎に残存ヘルド束を順次移動せ
しめ、近接スイツチ17によるヘルド束有無の検出信号
で、回転軸２の駆動モータＭを制御し作動杆3,3′の回
動でガイドレールに予め待機せしめた待機ヘルド束HBを
経糸挿通位置の手前に自動供給を行うものである。

（実施例） 以下図面について本発明の実施例を説明する。

第１図、第２図及び第３図に於て、HAは経糸挿通機
（図示しない）の経糸挿通位置Ａの手前に位置する多数
本のヘルド群よりなるヘルド束、HBは前記ヘルド束と間
隔を在し位置している待機ヘルド束で、両ヘルド束は上
下のヘルドガイド1,1′に保持されている。２はヘルド
束HAとヘルド束HB間に位置している回転軸、3,3′は前
記回転軸の上下に固定されたプロペラ型の作動杆で、上
記の作動杆３は上部ヘルドガイド１の下部位置に、下の
作動杆３′は下部ヘルドガイド１′の上部位置にある。
前記回転軸２はモータＭの軸に取付けた歯車４と噛合う
歯車５の軸にパウダークラツチ６を介し連結されてい
る。７は経糸挿通位置の手前に位置するヘルド束HAの有
無を検出する光電管方式のセンサーで、前記ヘルド束の
最先端部に位置している。８はヘルド束HAの最先端のヘ
ルド束のストツパー、９はヘルドの分離移動爪、10は回
転軸の制御手段で、回転軸の上部にこれと同期する軸11
に取付けたタイミングカム12,13及び14及び該カムの近
接スイツチ15,16及17で構成されている。

ストツパー８は作動杆3,3′の押圧力に抵抗した静止
状態を保持し、ヘルド束HAの最先端のヘルドを把持し、
経糸挿通位置Ａに移動せしめるヘルドの分離爪９の移動
時回動し、移動後復帰するように構成されている。

前記タイミングカム12に対する近接スイツチ15は作動
杆3,3′の原点待機位置、タイミングカム13に対する近
接スイツチ16は待機ヘルド束の移動配設のための作動杆
3,3′の回転開始、タイミングカム14に対する近接スイ
ツチ17は経糸挿通位置の手前に位置するヘルド束の残存
を確認するものである。次に第４図ａ〜ｆを参照に作動
順序を説明する。

第４図ａは経糸挿通位置の手前に位置したヘルド束HA
が数本残存したヘルドと、待機ヘルドが存在しない状態
で作動杆3,3′の原点待機位置を示す、この状態はタイ
ミングカム12が近接スイツチ15によりモータＭを停止し
ている。

第４図ｂは待機位置に移動搬送装置（図示しない）に
よりヘルド束HBを移動配設した状態で、この配設を光電
式センサー７′で検出し、モータＭに起動信号を発信し
た状態を示す。

第４図ｃは、モータＭの回転で作動杆3,3′を反時計
方向略々垂直状態に回動せしめ、この回動でヘルド束HB
を作動杆3,3′の先端で押圧し、先の残存ヘルド束側に
移動せしめた状態を示す。次に第４図ｄに示すように作
動杆3,3′の先端でヘルド束HBの後端をパウダークラツ
チ６の作用による一定の押圧力で押圧保持する。この押
圧保持作用でヘルド束HBの先端より１本宛分離し、経糸
挿通位置Ａに移動毎にヘルド束HBは順次移動され、先端
のヘルドをストツパー８によつて停止せしめる。次にヘ
ルドHBが分離されヘルドが僅少残存したとき移動搬送装
置（図示しない）によつて空となつた待機位置に次のヘ
ルド束HCの移動配設を行う。次に第４図ｅに示すように
ヘルド束HBを押圧する作動杆3,3′の限界位置における
残存ヘルドを近接スイツチ17で検出し、この信号で作動
杆3,3′を第４図ｆに示すように回動せしめ待機位置に
移動搬送したヘルド束HCを第４図ｃに示すようにヘルド
束HA側に移動を行うものである。

上記した一連の動作の反覆で、経糸挿通位置の手前に
位置したヘルド束が順次分離移動され、僅少のヘルド束
の残存状態の検出信号で待機位置に移動配設したヘルド
束の移動を順次行うものである。

（発明の効果） 本発明は上述したように複数本のヘルドを束の状態で
経糸挿通位置の手前に配設し、順次１本宛を経糸挿通位
置に分離移動せしめて経糸の挿通を行う経糸挿通機に於
て、経糸挿通位置に位置するヘルド束の先端を順次定位
置に移動せしめると共に、分離移動が終了し、空となつ
た経糸挿通位置の手前に予め待機せしめたヘルド束を自
動的移動供給するようにしたから従来のこの種経糸挿通
機に比較し人手によるヘルド束の配設を行ないから経糸
挿通作業の能率の向上と併せ、経糸挿通位置に対するヘ
ルドの分離移動を円滑に行うことが出来る効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面本発明装置の実施例を示すもので、第１図は側面
図、第２図は正面図、第３図は作動杆の平面図、第４図
ａ〜ｆは作動説明図を示すものである。 HA,HB……ヘルド束、２……回転軸、3,3′……作動杆、
６……パウダークラツチ、７……センサー、10……回転
軸の制御手段

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】経糸挿通位置の手前に位置するヘルド束の
   有無を検出するセンサーと、パウダークラッチを介して
   モータを動源とする回転軸の上下ヘルドバー近傍に固定
   した一対のプロペラ型の作業杆と、前記回転軸と同期す
   る軸にタイミングカムを設けこのカムより発するタイミ
   ングを感知する検知スイッチと、前記センサーによるヘ
   ルド束の有無検出信号と前記検知スイッチによるタイミ
   ング信号とで前記モータの制御を司る回転軸の制御手段
   とを設けたことを特徴とする経糸挿通機に於けるヘルド
   束の移動装置。