JPH036511Y2 - - Google Patents

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JPH036511Y2
JPH036511Y2 JP1984069706U JP6970684U JPH036511Y2 JP H036511 Y2 JPH036511 Y2 JP H036511Y2 JP 1984069706 U JP1984069706 U JP 1984069706U JP 6970684 U JP6970684 U JP 6970684U JP H036511 Y2 JPH036511 Y2 JP H036511Y2
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、例えばFFパートタイム4輪駆動
車の後輪車軸間等に配置される動力伝達装置に関
する。
(ロ) 技術的背景及び問題点 従来のこの種の動力伝達装置として、特開昭58
−184322号公報に記載のものがある。すなわち、
回転入力を受ける入力軸と回転軸からなる第1,
第2出力部材との間にそれぞれクラツチが設けら
れているもので、一般走行時には入力部材からの
回転入力を両クラツチを介して伝達し、一方の車
輪が泥土に落ち込み他方の車輪が舗装路にあるよ
うなときには入力部材の駆動力を舗装路側の車輪
に対応する例えば第1出力部材へ伝達することが
できる。また、車両コーナリング時には、外側の
車輪の角速度増加に応じてこれに対応する側のク
ラツチが自動的に切られ外側の車輪に対応する例
えば第2出力部材を空転させることができる。
しかしながら、このような従来の動力伝達装置
では、第1出力部材と第2出力部材とに角速度の
差が生じない限り入力部材と両出力部材とはクラ
ツチで連結されているため、例えばFFパートタ
イム4輪駆動の後輪車軸間に設置され、2輪駆動
走行を行なう場合、エンジンと入力部材との連動
は2輪、4輪切換クラツチの切断で断つことがで
きるものの、後輪の回転により第1,第2出力部
材、入力部材を介してプロペラシヤフトを回転さ
せるものとなり、極めて大きな走行抵抗となる。
従つて、この種の動力伝達装置でも、後輪のハブ
クラツチが必要となつていた。
(ハ) 考案の目的 この考案は、上記従来の問題点に鑑み創案され
たもので、差動制限式デフアレンシヤル装置と自
動的に断続するハブクラツチの機能を併せ持ち、
しかも締結部面圧調整の容易な動力伝達装置の提
供を目的とする。
(ニ) 考案の構成 上記目的を達成するためにこの考案は、回転入
力を受ける入力部材と、この入力部材に対して回
転自在な各別の第1,第2出力部材と、前記入力
部材と第1,第2出力部材との間に各別に設けら
れ両者を連結、解除可能な第1,第2多板クラツ
チと、入力部材の回転軸方向へ移動することによ
り前記第1,第2多板クラツチを締結し復帰する
ことにより解除させる各別の第1,第2駆動部材
と、この第1,第2駆動部材に固定側に対して入
力部材の回転前後方向に抵抗を付与する第1,第
2ブレーキ手段と、前記両駆動部材間に介在する
入力部材のカム体と、前記両駆動部材の入力部材
回転軸方向内端面と前記カム体の同外端面との間
に設けられ前記入力部材の角速度が前記第1,第
2出力部材の角速度を上回ると前記第1,第2ブ
レーキ手段との協働により前記第1,第2駆動部
材を移動させ下回ると復帰可能にする第1,第2
カム手段とよりなる構成とした。
(ホ) 実施例 以下、添付図面に基づき、この考案の実施例を
詳細に説明する。
第1図は、この考案の第1実施例を示し、例え
ばFFパートタイム4輪駆動車の後輪車軸間に配
置されているものである。すなわち、回転入力を
受ける入力部材としてのケース1は、車体側のハ
ウジング3に軸受5を介して回転自在に設けられ
ている。このケース1のフランジ7には図示され
ていないリングギヤが取付けられており、このリ
ングギヤが図示されていないプロペラシヤフトと
連結するドライブピニオンとかみ合わされてい
る。
前記ケース1の回転中心位置には、ケース1に
対して回転自在に支持された第1,第2出力部材
9,11が設けられている。左右の車輪軸は第
1,第2出力部材9,11と一体的に構成されて
いる。前記第1,第2出力部材9,11の外周面
には円周等間隔位置に複数の軸方向の係合突部9
a,11aが形成されている。
この第1,第2出力部材9,11と前記ケース
1との間には、第1,第2クラツチA,Bが設け
られている。前記第1,第2クラツチA,Bは、
それぞれ第1,第2駆動部材17,19と、第
1,第2外側円板21,23および第1,第2内
側円板25,27とを備えた第1,第2多板クラ
ツチ29,31とを有している。
前記第1,第2駆動部材17,19は円環状に
形成され、内周面17a,19aには、円周等間
隔位置に複数の軸方向の係合受部17b,19b
が形成されている。一方前記第1,第2多板クラ
ツチ29,31の第1,第2外側円板21,23
は円環状に形成され、その外周面には第2図に示
すように、前記第1,第2駆動部材17,19の
係合受部17b,19bに対応する係合突部21
a,23aが形成されている。そして、この係合
突部21a,23aは、それぞれ係合受部17
b,19bに摺動自在に嵌合され、第1,第2外
側円板21,23は、第1、第2駆動部材17,
19に軸方向へ移動可能に保持されている。前記
第1、第2内側円板25,27は円環状に形成さ
れ、それぞれ前記第1、第2外側円板21,23
間に介装されている。第1、第2内側円板25,
27の内周面には、第2図に示すように前記第
1、第2出力部材9,11の係合突部9a,11
aに対応する係合受部25a,27aが形成され
ている。そして、この係合受部25a,27aは
係合突部9a,11aに摺動自在に嵌合され、第
1、第2内側円板25,27は第1、第2出力部
材9,11に軸方向へ移動可能に保持されてい
る。
一方、ケース1の左右中央部内周面には、第
1、第2カム手段を構成する入力部材側としての
円環状のカム体33が第3図に示すようにスプラ
イン嵌合されており、入力部材側の入力部材回転
軸方向端面としてのカム体33の左右両側面には
第4図に示すように、山形状のカム面33aが形
成されている。前記第1、第2多板クラツチ2
9,31の第1、第2駆動部材17,19の入力
部材回転軸軸方向端面としての基端面には第4図
に示すように、前記カム体33のカム面33aと
カム結合する従動凹面35が形成されている。そ
して、第1、第2駆動部材17,19の左右外端
面およびこの第1、第2駆動部材17,19の外
端面と対向するケース1の内端面との間には、リ
ターンスプリング37が付設されている。また、
第1、第2駆動部材17,19の外側面には後述
するブレーキシユとともに第1、第2ブレーキ手
段を構成する腕棒39が固定されており、その先
端部は第1図、第5図に示すように、ケース1の
左右側壁に設けた円弧状の長孔41を貫通して左
右外方に突出されている。
他方、ケース1の両端部外周面には、ブレーキ
保持枠43が該ケース1と相対回転自在に嵌合さ
れている。このブレーキ保持枠43の段部外周係
合面43aには第6図に示すように、ブレーキシ
ユ45が該係合面43aに対し摺動自在に嵌め込
まれている。そして、ブレーキシユ45の外周面
には環状スプリング47が嵌合されており、ブレ
ーキシユ45はその押圧力で前記係合面43aに
圧接されている。このブレーキシユ43の内面に
は係止凹部49が周方向に複数設けられており、
この係止凹部49内には、前記腕棒39の先端部
が嵌合係止されている。
なお、前記ブレーキ保持枠43には、第7図に
示すように、円周等間隔位置に複数の係合突片5
1が形成されており、これに対し前記ハウジング
3側の端面には係合突片51に対応する係合受部
53が形成されている。そして、この係合突片5
1は係合受部53に着脱自在に嵌合され、ブレー
キ保持枠43はハウジング3に回転不能に保持さ
れている。
この考案の一実施例は以上の構成からなり、つ
ぎにその作用を説明する。
まず、車両の4輪駆動走行にあつては、リング
ギヤ(図示せず)を介してケース1が回転入力を
受ける。そして、このケース1の回転に伴つて、
該ケース1とスプライン結合しているカム体33
も一体的に回転することとなる。このカム体33
の回転によつて該カム体33とカム連結されてい
る第1、第2多板クラツチ29,31も回転しよ
うとする。ところが、この第1、第2多板クラツ
チ29,31は、腕棒39が第5図破線図示の位
置から相対的に実線図示の位置となるように、ケ
ース1と第1、第2多板クラツチ29,31とが
相対回転する。この相対回転によつてカム面33
aと従動凹面35とが第4図右側の状態となつて
従動凹面35がカム面33aを乗り上げるかつこ
うとなり、第1、第2多板クラツチ29,31の
第1、第2駆動部材17,19は左右方向外側へ
移動する。そして、第1、第2外側円板21,2
3と第1、第2内側円板25,27が第1図右半
分に示すように圧接され、ケース1の回転入力が
第1、第2クラツチA,B、第1、第2出力部材
9,11を介して図外の左右車軸へ伝達される。
この4輪駆動走行にあつて、車両がカーブを曲
るときには、内外輪に差動を生じ、例えば内輪側
の第1出力部材9の角速度はケース1の角速度よ
りも小さいので、上記の作用を維持し続けてケー
ス1からの駆動力が第1多板クラツチ29を介し
て引き続き内輪側車軸に伝達される。一方、外輪
側の第2出力部材11の角速度はケース1の角速
度よりも大きくなるため、第4図において、カム
体33に対して第2多板クラツチ31の第2駆動
部材19が上記と逆方向に相対回転する。そし
て、このときリターンスプリング37の付勢力に
より第2駆動部材19をカム体33側に押圧す
る。この押圧により従動凹面35がカム面33a
に嵌入する。この結果、第2多板クラツチ31の
第2外側円板23と第2内側円板27との間に第
1図左半分のような状態で隙間を生じ第2クラツ
チBが切断されて外輪側車軸はフリー回転状態と
なり、前記内外輪の差動が吸収され円滑なカーブ
走行を行い得る。
また、4輪駆動走行時に一方側の後車輪、例え
ば左側後車輪が泥地に落ち込み、スリツプ状態と
なつたときでも、右側後車輪は路面から抵抗を受
けているため、例えば第1出力部材9の角速度が
ケース1の角速度よりも大きくなることはないた
め、対応する第1クラツチAの締結は維持され
る。このため、悪路での走行も容易である。
つぎに、4輪駆動から2輪駆動に切換えて走行
を行う場合にあつては、周知の切換装置によつて
エンジンとリヤドライブシヤフトとの動力連結が
遮断され、ケース1の回転入力が停止される。一
方において、左右車輪は路面からの駆動力を受け
第1、第2出力部材9,11を回転駆動する。従
つて、この4輪から2輪への切換えによつてケー
ス1の角速度(最終的には零)よりも第1、第2
出力部材9,11の角速度が大きくなり、この結
果、前述したようにカム体33と第1、第2駆動
部材17,19との関係が第4図左側の状態とな
つて第1、第2クラツチA,Bが切断される。従
つて、第1、第2出力部材9,11から左右車輪
までが空転し、走行抵抗の減少を図ることができ
る。
なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、フルタイム4輪駆動車等にも
応用することができ、この場合、車両減速時に車
輪が自動的に空転し、車両の保有エネルギーの減
少を避けることができ、燃費向上に貢献する。
第8図はこの考案の第2実施例を示す。
前記ケース1の回転中心位置には、ケース1に
対して回転自在に支持された第1、第2出力部材
9,11が設けられている。この第1、第2出力
部材9,11の奥側にはナツト13,15が回転
自在に設けられ、第1、第2出力部材9,11に
スプライイン嵌合する左右の後輪軸(図示せず)
に螺合されている。従つて、左右の車輪軸は第
1、第2出力部材9,11と一体的に構成されて
いる。この第1、第2出力部材9,11とケース
1との間には、第1、第2クラツチA,Bが設け
られている。
一方、ケース1の左右中央部内周面には、第9
図に示すようにカム手段を構成する円環状のカム
体33がスプライン嵌合されており、このカム体
33の左右両側面には第10図に示すように山形
状のカム面33aが形成されている。
前記第1、第2出力部材9,11の内側部外周
面には、ケース1の中心側に向つて小径化するテ
ーパ面9a,11aが形成されており、このテー
パ面9a,11aにはそれぞれ第1実施例の第
1、第2駆動部材17,19に対応する第1、第
2コーンクラツチ体19,21が回転自在に嵌合
されている。そして、この第1、第2コーンクラ
ツチ体17,19の内周面には、第1、第2出力
部材9,11のテーパ面9a,11aと略同一の
テーパからなる。換言すればケース1の中心側に
向つて小径化するテーパ面17a,19aが形成
されており、対応する第1、第2出力部材9,1
1のテーパ面9a,11aに対してスラスト方向
に移動できるように構成されている。テーパ面9
a,11aには第1、第2コーンクラツチ体1
7,19と共に第1、第2コーンクラツチを構成
している。第1、第2コーンクラツチ体17,1
9の基端面には、第10図に示すように、前記カ
ム体33のカム面33aとカム結合する従動凹面
35が形成されている。そして、第1、第2コー
ンクラツチ体17,19の左右外端面およびこの
第1、第2コーンクラツチ体17,19の外端面
と対向するケース1の内端面との間には、板バネ
24,26を介して第1、第2多板クラツチ2
9,31が設けられている。
前記第1、第2多板クラツチ29,31は円環
状の第1、第2外側円板21,23と第1、第2
内側円板25,27とから構成されている。第
1、第2外側円板21,23の外周面には、第1
1図に示すように、円周等間隔位置に複数の係合
突部21a,23aが形成されている。この係合
突部21a,23aは、それぞれケース1の左右
両側部内周面に形成された係合受部1aに摺動自
在に嵌合されている。前記第1、第2内側円板2
5,27は、それぞれ前記第1、第2外側円板2
1,23間に介装されている。そして、第1、第
2内側円板25,27の内周面には、第11図に
示すように、円周等間隔位置に複数の係合突部2
5b,27bが形成されている。この係合突部2
5b,27bは、それぞれ第1、第2出力部材
9,11の外端部外周面に形成された前記係合突
部25b,27bに対応する係合受部9b,11
bに摺動自在に嵌合されている。従つて、第1、
第2外側円板21,23はケース1に、第1、第
2内側円板25,27は第1、第2出力部材9,
11に、それぞれ軸方向へ移動可能に保持されて
いる。
また、第1、第2コーンクラツチ体17,19
の外側面にはブレーキシユとともにブレーキ手段
を構成する腕棒39が固定されており、その先端
部は、第8図、第12図に示すように、ケース1
の両側側壁に設けた円弧状の長孔41を貫通して
左右外方に突出されている。
他方、ケース1の両端部外周面にはブレーキ保
持枠43が該ケース1と相対回転自在に嵌合され
ている。このブレーキ保持枠43の段部外周係合
面43aには、第13図に示すように、ブレーキ
シユ45が該係合面43aに対し摺動自在に嵌合
されている。そして、ブレーキシユ45の外周面
には環状スプリング47が嵌合されており、ブレ
ーキシユ45はその押圧力で前記係合面43aに
圧接されている。このブレーキシユ45の内面に
は係止凹部50が周方向に複数設けられており、
この係止凹部50内には前記腕棒39の先端部が
嵌合係止されている。
なお、前記ブレーキ保持枠43の基端面には、
第14図に示すように、円周等間隔位置に複数の
係合突片51が形成されており、これに対し前記
ハウジング3側の端面には係合突片51に対応す
る係合受部53が形成されている。そして、この
係合突片51は係合受部53に着脱自在に嵌合さ
れ、ブレーキ保持枠43はハウジング3に回転不
能に保持されている。
この考案の第2実施例は以上の構成からなり、
つぎに、その作用を説明する。
まず、車両の4輪駆動走行にあつては、リング
ギヤ(図示せず)を介してケース1が回転入力を
受ける。そして、このケース1の回転に伴つて、
該ケース1とスプライン結合しているカム体33
も一体的に回転することとなる。このカム体33
の回転によつて該カム体33とカム連結されてい
る第1、第2コーンクラツチ体17,19も回転
しようとする。ところが、この第1、第2コーン
クラツチ体17,19は、腕棒39に連係されブ
レーキシユ45がブレーキ保持枠43の係合面4
3aから摩擦抵抗を受けて腕棒39が第12図に
破線図示の位置から相対的に実線位置となるよう
に、ケース1と第1、第2コーンクラツチ体1
7,19とが相対回転する。この相対回転によつ
てカム面33aと従動凹面35とが第10図右側
の状態となつて従動凹面35がカム面33aを乗
り上げるかつこうとなり、第1、第2コーンクラ
ツチ体17,19は左右方向外側へ移動する。こ
の第1、第2コーンクラツチ体17,19の移動
により、板バネ24,26を介して第1、第2多
板クラツチ29,31が押圧される。同時に、第
1、第2コーンクラツチ体17,19のテーパ面
17a,19aと第1、第2出力部材9,11の
テーパ面9a,11aとが圧接されるとともに第
1、第2多板クラツチ29,31の第1、第2外
側円板21,23と第1、第2内側円板25,2
7とが圧接され、ケース1の回転入力が第1、第
2クラツチA,B、第1、第2出力部材9,11
を介して図外の左右車軸へ伝達される。この場
合、ケース1から第1、第2出力部材9,11へ
伝達される回転トルクが第1、第2コーンクラツ
チ体17,19と第1、第2多板クラツチ29,
31に分担され、第1、第2多板クラツチ29,
31を押圧する部材を利用して、第1、第2多板
クラツチ29,31の締結力を補助することがで
きる。
この4輪駆動走行にあつて、車両がカーブを曲
るときには内外輪に差動を生じ、例えば内輪側の
第1出力部材9の角速度はケース1の角速度より
も小さいので、上記の作用を維持し続けてケース
1からの駆動力が第1コーンクラツチ体17およ
び第1多板クラツチ29を介して引き続き内輪側
車軸に伝達される。一方、外輪側の第2出力部材
11の角速度はケース1の角速度よりも大きくな
るため、第10図において、カム体33に対して
第2コーンクラツチ体19が上記と逆方向に相対
回転する。そして、このとき板バネ26の付勢力
により第2コーンクラツチ体19をカム体33側
に押圧する。この押圧により第2コーンクラツチ
体19の従動凹面35がカム面33aに嵌入す
る。この結果、第2コーンクラツチ体19のテー
パ面19aと第2出力部材11aのテーパ面11
a間に隙間を生じるとともに第2多板クラツチ3
1の第2外側円板23と第2内側円板27との間
に隙間を生じて第2クラツチBが切断され、外輪
側車軸はフリー回転状態となり、前記内外輪の差
動が吸収され円滑なカーブ走行を行い得る。
また、4輪駆動走行時に一方側の後車輪、例え
ば左側後車輪が泥地に落ち込み、スリツプ状態と
なつたときでも、右側後車輪は路面から抵抗を受
けているため、第1出力部材9の角速度がケース
1の角速度よりも大きくなることはないため、対
応する第1クラツチAの締結は維持される。この
ため悪路での走行も容易である。
つぎに、4輪駆動から2輪駆動に切換えて走行
を行う場合にあつては、周知の切換装置によつて
エンジンとリヤドライブシヤフトとの動力連結が
遮断され、ケース1の回転入力が停止される。一
方において、左右車輪は路面から駆動力を受け第
1、第2出力部材9,11を回転駆動する。従つ
て、この4輪から2輪への切換えによつてケース
1の角速度(最終的には零)よりも第1、第2出
力部材9,11の角速度が大きなり、この結果、
前述したようにカム体33と第1、第2コーンク
ラツチ体17,19の関係が第10図左側の状態
となつて第1、第2クラツチA,Bが切断され
る。従つて、第1、第2出力部材9,11から左
右車輪までが空転し、走行抵抗の減少を図ること
ができる。
第15図、第16図はこの考案の第3実施例を
示し、第2実施例の第1、第2コーンクラツチに
代えてドツグクラツチを用いたものである。この
場合、第1、第2駆動部材としての第1、第2ド
ツグクラツチ体17,19は第1、第2出力部材
9,11に爪係合するもので、コーンクラツチ体
による摩擦係合に比較して左右車輪への動力伝達
が確実でありより一層の走行安定性を図ることが
できる。また、このドツグクラツチによる場合
は、クラツチ部を構成する爪57,59に傾斜面
57a,59aが形成され、クラツチ解除用のカ
ム機構としている。61はリターンスプリングで
ある。他の構成、作用は上記一実施例と略同一で
あるため同符号を付して説明を省略する。
なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、フルタイム4輪駆動車等にも
応用することができる。
(ヘ) 考案の効果 以上より明らかなようにこの考案の構成によれ
ば、差動制限式デフアレンシヤル装置の機能とオ
ートハブの機能を持たせることができる。従つて
パートタイム4輪駆動車に適用したときはハブク
ラツチを省略することができ、フルタイム4輪駆
動車に適用したときは、燃費向上を図ることがで
きる。しかも、第1、第2多板クラツチの面圧調
整がその枚数の選択により容易に行なうことがで
きる。パートタイム4輪駆動車で2輪駆動にした
とき、確実に動力伝達が断たれ、車輪から該動力
伝達装置を介してプロペラシヤフトが連れ回され
るようなことがなく、燃費が大幅に向上すると共
に異音を抑制し、耐久性を極めて向上することが
できる。
第1、第2駆動部材と第1、第2出力部材側と
の間に、第1、第2コーンクラツチを設けた第2
実施例の場合は、第1、第2多板クラツチを締結
する部材を利用して第1、第2多板クラツチの締
結力を補助させることができ、コンパクト化を図
ることが可能である。さらに、第1、第2ドツグ
クラツチを設けた第3実施例の場合には、加えて
締結の確実性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の第1実施例を示す動力伝達
装置の断面図、第2図は第1図の−線断面
図、第3図は第1図の−線断面図、第4図は
多板クラツチとカム体とのカム結合部を示す詳細
断面図、第5図は第1図の−線断面図、第6
図は第1図の−線断面図、第7図は第1図の
−線断面図、第8図はこの考案の第2実施例
を示す動力伝達装置の断面図、第9図は第8図の
−線断面図、第10図はコーンクラツチ体と
カム体のカム結合部を示す詳細断面図、第11図
は第8図の−線断面図、第12図は第8
図の−線断面図、第13図は第8図の
−線断面図、第14図は第8図の−
線断面図、第15図は第3実施例に係る一部省
略の断面図、第16図は同カム結合部を示す詳細
断面図である。 1……ケース(入力部材)、9……第1出力部
材、11……第2出力部材、17……第1駆動部
材、19……第2駆動部材、29……第1多板ク
ラツチ、31……第2多板クラツチ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転入力を受ける入力部材と、この入力部材
    に対して回転自在な各別の第1,第2出力部材
    と、前記入力部材と第1,第2出力部材との間
    に各別に設けられ両者を連結、解除可能な第
    1,第2多板クラツチと、入力部材の回転軸方
    向へ移動することにより前記第1,第2多板ク
    ラツチを締結し復帰することにより解除させる
    各別の第1,第2駆動部材と、この第1,第2
    駆動部材に固定側に対して入力部材の回転前後
    方向に抵抗を付与する第1,第2ブレーキ手段
    と、前記両駆動部材間に介在する入力部材側の
    カム体と、前記両駆動部材の入力部材回転軸方
    向内端面と前記カム体の同外端面との間に設け
    られ前記入力部材の角速度が前記第1,第2出
    力部材の角速度を上回ると前記第1,第2ブレ
    ーキ手段との協働により前記第1,第2駆動部
    材を移動させ下回ると復帰可能にする第1,第
    2カム手段とよりなることを特徴とする動力伝
    達装置。 (2) 前記第1,第2駆動部材と前記第1,第2出
    力部材側との間に、第1,第2駆動部材の移動
    時に両者を摩擦係合可能な第1,第2コーンク
    ラツチを有することを特徴とする実用新案登録
    請求の範囲第1項記載の動力伝達装置。 (3) 前記第1,第2駆動部材と前記第1,第2出
    力部材側との間に、第1,第2駆動部材の移動
    時に両者を噛合係合可能な第1,第2ドツグク
    ラツチを有することを特徴とする実用新案登録
    請求の範囲第1項記載の動力伝達装置。
JP1984069706U 1984-05-15 1984-05-15 動力伝達装置 Granted JPS60182238U (ja)

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JPH036511Y2 true JPH036511Y2 (ja) 1991-02-19

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS554186U (ja) * 1979-05-23 1980-01-11
JPS58184322A (ja) * 1982-04-08 1983-10-27 イ−トン・コ−ポレ−シヨン 確動式駆動装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS554186U (ja) * 1979-05-23 1980-01-11
JPS58184322A (ja) * 1982-04-08 1983-10-27 イ−トン・コ−ポレ−シヨン 確動式駆動装置

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