JP2508097B2 - 四輪駆動車用駆動装置 - Google Patents

四輪駆動車用駆動装置

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JP2508097B2
JP2508097B2 JP62145261A JP14526187A JP2508097B2 JP 2508097 B2 JP2508097 B2 JP 2508097B2 JP 62145261 A JP62145261 A JP 62145261A JP 14526187 A JP14526187 A JP 14526187A JP 2508097 B2 JP2508097 B2 JP 2508097B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、遊星歯車機構から成るセンタデフを有す
る四輪駆動車用駆動装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、FF車とFR車のように二輪駆動車の場合、車両
が無理なく曲がるようにするためには、駆動車輪に内側
と外側とで回転差をつけるため、左右輪間用のデファレ
ンシャルギヤ即ちデフが設けられている。ところが、雪
路、ぬかるみ等で片方のタイヤが完全にスリップしてし
まうと、そのタイヤは空回りをするだけで、地面をしっ
かりとグリップしている方のタイヤにはエンジンからの
駆動力は伝わらないという不具合な状態が生じる。そこ
で、片側のタイヤだけが過度に空回りすると、一時的に
デフの機能を中止させて、一体的に回転させ、地面をグ
リップしている方のタイヤにも駆動力を伝えるような機
構、言い換えれば、デフロック装置が設けられている。
また、フルタイム四輪駆動車の場合には、文字どおり
前後左右の4つの車輪を駆動するわけであるから、4つ
の車輪が回転差を生じるような構造になっていなければ
ならない。そこで、前輪間に設けた左右輪間用のフロン
トデフ、後輪用に設けた左右輪間用のリヤデフに加え
て、エンジンの駆動力を前後輪に振り分ける装置、即ち
フルタイムトランスファに第3のデフであるセンタデフ
(即ち、中央差動装置)が設けられている。
更に、一部のタイヤが空回りをするような事態を避け
るために、センタデフにデフロック機構が設けられる。
ところで、センタデフを備えるに当たり、従来の二輪駆
動車用のトランスアクスルケースを最小限の改良で四輪
駆動車に用い得るようにするために、センタデフを含む
動力伝達系に対して種々の改良が講じられている。その
一例として、特公昭62−9060号公報に記載されたような
四輪駆動車が開示されている。これについて第3図(上
記公報における第1図の一部を示す)を参照して概説す
る。
第3図に示された従来の四輪駆動車の駆動装置は、エ
ンジン横置き型である。該四輪駆動車の駆動装置は、ク
ランク軸52が車体横方向に延びるように配置されたエン
ジン51と、トランスアクスルケース53内で車体横方向に
延びるように配置された入力軸54と出力軸55との間に変
速機構を有するトランスミッション56と、トランスアク
スルケース53内で前車軸又は後車軸のいずれか一方の車
軸61と略同軸に配されてトランスミッション56の出力軸
55により回転駆動される最終減速歯車57と、トランスア
クスルケース53内で最終減速歯車57と一体回転するケー
シング58の内部に設けられた中央差動装置59と、トラン
スアクスルケース53に接続された付加ハウジング60内で
車軸61と略同軸に配されて中央差動装置59に駆動連結さ
れた前輪又は後輪のいずれか一方側の差動歯車機構62
と、中央差動装置59により駆動され、駆動力の回転方向
を直角に変換して前輪又は後輪の内、他方側の差動歯車
機構に伝達する方向変換歯車組63と、を備えている。
更に、デフロック機構として近年、ビスカスクラッチ
が採用されるようになってきたが、このようなFR車ベー
スのフルタイムトランスファとしては、例えば、特開昭
50−158765号公報に開示されているようなものがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記のような前掲特公昭62−9060号公
報に記載されたような四輪駆動車は、二輪駆動車のトラ
ンスアクスルケース53内で前輪又は後輪用の差動歯車機
構62が組み込まれる箇所、即ち、最終減速歯車57と一体
回転するケーシング58内に、センタデフ即ち中央差動装
置59を組み込み、トランスアクスルケース53に取り付け
られた付加ハウジング60内に前輪又は後輪用のいずれか
一方の差動歯車機構62、及び前輪用又は後輪用の内の他
方の差動歯車機構へ駆動力を伝達するための駆動力の回
転方向を直角に変換する方向変換歯車組63を設けること
により、二輪駆動車のトランスアクスルを僅かの変更で
中央差動装置59を備えた四輪駆動車のトランスアクスル
に併用できるように構成したものである。しかしなが
ら、中央差動装置59をロックした場合に、前輪と後輪と
が完全に直結状態になる。このような状態で、車両が小
円旋回を行うと、いわゆるタイトコーナブレーキング現
象が生じるという問題がある。
また、前掲特開昭50−158765号公報に開示されている
制御用クラッチを有する四輪駆動車では、ベベル式セン
タデフの外周にビスカスクラッチを付加するタイプのも
のは装置全体が径方向に大きくなるという問題がある。
この発明の目的は、上記のような問題を解決すること
であり、デンタデフの差動を制限する機能を有するセン
タデフ差動制限クラッチを用い、該センタデフ差動制限
クラッチをトランスアクスルケース内に配置し、トラン
スアクスルケースにトランスファケースの潤滑油と異な
った最適の潤滑油を供給して摩耗特性を改善し、過度の
相対回転が生じるのを防止し、センタデフを完全にロッ
クせず、相対回転をある程度許容し、車両が小円旋回を
行う場合に、タイトコーナブレーキング現象が生じるの
を防止し、雪路、ぬかるみ等で一輪がスリップした時に
他の三輪に駆動力が伝達されるように構成した四輪駆動
車用駆動装置を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、上記の目的を達成するため、次のように
構成されている。即ち、この発明は、トランスアクスル
ケース内に完全にロックせずに相対回転を許容できるセ
ンタデフ差動制限クラッチを配置し、前記センタデフ差
動制限クラッチと同一軸線上にトランスファケース内に
遊星歯車機構から成るセンタデフ及び前記センタデフに
隣接した左右輪間用のデフを配置し、前記トランスアク
スルケース内の前記センタデフ差動制限クラッチには、
前記トランスファケース内の前記センタデフ及び前記左
右輪間用のデフに供給される潤滑油とは異なった種類の
潤滑油が供給されることを特徴とする四輪駆動車用駆動
装置に関する。
また、この四輪駆動車用駆動装置において、前記セン
タデフ差動制限クラッチは、ビスカスクラッチ又は湿式
多板クラッチで構成されている。
〔作用〕
この発明による四輪駆動車用駆動装置は、上記のよう
に構成され、次のように作用する。即ち、この四輪駆動
車用駆動装置は、トランスアクスルケース内にセンタデ
フ差動制限クラッチを配置し、トランスファケース内に
遊星歯車機構から成るセンタデフと左右輪間用のデフを
配置したので、トランスアクスルケースとトランスファ
ケースとにそれぞれ供給する潤滑油を最適なものに選定
でき、摩耗特性を改善できると共に、センタデフ差動制
限クラッチは前記センタデフによって配分された2つの
駆動系における回転数の過度の回転差即ち前輪と後輪間
に過度の回転差が生じた場合に、該センタデフ差動制限
クラッチが直ちに作動して前記センタデフの差動を制限
することができ、前輪と後輪間にの過度の相対回転を低
減させる。即ち、センタデフ差動制限クラッチは前記セ
ンタデフを完全にロックせず、相対回転をある程度許容
できるので、車両が小円旋回を行う場合に、タイトコー
ナブレーキング現象が生じるのを防止するように機能す
る。
〔実施例〕
以下、図面を参照して、この発明による四輪駆動車用
駆動装置の実施例を詳述する。この発明による四輪駆動
車用駆動装置は、エンジン部からの駆動力が入力ギヤで
ある最終減速歯車に到るまでの動力伝達系は従来のもの
を適用でき、また、遊星歯車機構の出力部側とデフ等を
持つ駆動軸側との動力伝達系は従来公知の種々のものが
適用可能であるので、以下のこの発明の実施例の説明に
おいては、この発明による四輪駆動車のセンタデフに係
わる遊星歯車機構及びセンタデフ差動制限クラッチを中
心に説明する。
また、この四輪駆動車用駆動装置は、第1図及び第2
図に示すように、例えば、上側が車体前方側に相当し、
且つ下側が車体後方側に相当するように車体に搭載され
るものとする。また、駆動系については、フロントやリ
ヤとを逆に構成してもよいことは勿論であるが、ここで
は上記のように構成するものとする。
まず、第1図を参照して、この発明による四輪駆動車
用駆動装置の一実施例を説明する。この四輪駆動車用駆
動装置10は、横置きエンジンに適用され、トランスアク
スルケース5とトランスファケース6とが連結されたケ
ース内に配置されたものである。この四輪駆動車用駆動
装置10は、主として、トランスアクスルケース5内に配
置されたセンタデフ差動制限クラッチであるディスクと
シリコンオイルとで構成されるビスカスカップリング即
ちビスカスクラッチ1、並びにトランスファ6内に配置
されたプラネタリギヤリング即ち遊星歯車機構から成る
センタデフ2及び左右輪間用のフロントデフ3から成
る。
エンジン(図示省略)からの駆動力は、適宜の手動、
又は自動のトランスアクスルの出力軸から最終減速歯車
の入力ギヤ7に伝動される。入力ギヤ7は、一般に、は
すば歯車であり、ケーシング8及びビスカスクラッチ1
のアウタケース9にボルト39によって固定されている。
ケーシング8は軸受11を介してトランスアクスルケース
5に支持され、またアウタケース9は軸受12を介してト
ランスアクスルケース5に支持されている。
ビスカスクラッチ1は、センタデフ差動制限クラッチ
として機能するものであり(作動状態によっては、デフ
ロックとして機能することもできる)、ケーシング8、
アウタケース9及びインナケース14によって密封スペー
スを形成し、該密封スペースにシリコンオイルを封入す
ると共に、アウタケース9にアウタディスク17をスプラ
イン嵌合し、インナケース14にインナディスク16をスプ
ライン嵌合し、アウタディスク17とインナディスク16と
を交互に配置したものである。また、アウタケース9に
はアウタ伝動シャフト13が一体に結合されており、イン
ナケース14にはインナ伝動シャフト18及びデフボックス
25が一体に結合されている。勿論、これらシャフトは分
離状態に形成してスプライン嵌合等によって駆動力が伝
達される状態に構成することも可能である。
インナ伝動シャフト18は、アウタ伝動シャフト13に回
転自在な関係に挿入されており、また、一体に構成され
たインナケース14、インナ伝動シャフト18及びデフボッ
クス25には前輪駆動軸15が回転自在に貫通している。ア
ウタ伝動シャフト13の端部に形成されたスプラインは、
センタデフ2のセンタデフボックス20に形成されたスプ
ラインとスプライン嵌合19している。
センタデフ2は、エンジンの駆動力を前後輪に振り分
ける中央差動装置であり、主として、センタデフボック
ス20、プラネタリギヤであるピニオン22をピニオンシャ
フト38を介して取付けたキャリヤ24、及びインナ伝動シ
ャフト18と一体に形成されたサンギヤ23から成る。
センタデフボックス20は軸受35を介してトランスファ
ケース6に支持されており、キャリヤ24は軸受26を介し
てトランスファケース6に支持されている。キャリヤ24
の外周面には、はすば歯車であるリヤアウトプットギヤ
27が形成されている。更に、キャリヤ24に形成されたリ
ヤアウトプットギヤ27は、はすば歯車であるギヤ30に噛
み合っており、リングギヤ31及びピニオン32から成る方
向変換ギヤ機構4、ピニオンシャフト33並びにフランジ
34等を介してリヤデフ(図示省略)へと駆動力を伝達す
るように構成されている。
また、センタデフボックス20にはリングギヤ21が形成
されている。リングギヤ21にはピニオン22が噛み合い、
更に、ピニオン21にはサンギヤ23が噛み合っている。キ
ャリヤ24は、サンギヤ23を構成するインナ伝動シャフト
18に対して回転自在に構成されており、キャリヤ24に隣
接してフロントデフ3を構成するデフボックス25が配置
されている。
フロントデフ3については、左右輪間用のデフでセン
タデフ2に隣接して配置されており、前輪駆動軸15,1
5′に駆動力を伝達する。デフボックス25は、軸受29を
介してトランスファケース6に支持されている。デフボ
ックス25には、ピニオン36を取付けたピニオンシャフト
37が取り付けられ、ピニオン36が一対のサイドギヤ28,2
8に噛み合っている。サイドギヤ28,28は、両側方に伸長
する各前輪駆動軸15,15′にスプライン嵌合している。
次に、この発明による四輪駆動車用駆動装置の作動に
ついて説明する。エンジンからの駆動力は、トランスミ
ッションを介して最終減速歯車である入力ギヤ7に伝達
され、入力ギヤ7に入力された駆動力は、ビスカスクラ
ッチ1のアウタケース9、アウタ伝動シャフト13、次い
でセンタデフ2のセンタデフボックス20に伝動される。
センタデフ2に伝動された駆動力は、センタデフボック
ス20の内周面に形成されたリングギヤ21に伝動され、こ
こで駆動力は2つに配分されて伝動される。
まず、一方に関しては、リングギヤ21に入力された駆
動力は、遊星歯車機構のピニオン22、ピニオン22を支持
するキャリヤ24、及びキャリヤ24の外周面に形成された
リヤアウトプットギヤ27を通じてはすば歯車であるギヤ
30に伝動され、次いで、ギヤ30からリングギヤ31,ピニ
オン32,ピニオンシャフト33及びフランジ34に伝動さ
れ、更に、図示していない左右輪間用のリヤデフ、後輪
駆動軸へと伝動される。
また、他方に関しては、リングギヤ21に入力された駆
動力は、遊星歯車機構のピニオン22からサンギヤ23に伝
動され、次いでサンギヤ23と一体のインナ伝動サフト18
及びデフボックス25に伝動され、デフボックス25に伝動
された駆動力はフロントデフ3を経て左右の前輪駆動1
5,15′に伝動される。
この四輪駆動車用駆動装置10では、上記のような作動
によってエンジンからの駆動力が配分されている。とこ
ろで、センタデフ差動制限クラッチであるビスカスクラ
ッチ1におけるアウタケース9及びアウタディスク17は
エンジンの駆動力、言い換えれば、配分される前の駆動
力を得て回転しているのに対し、ビスカスクラッチ1に
おけるインナケース14及びインナディスク16は前輪駆動
軸15に伝動される駆動系と同一の駆動系から配分された
駆動力を得て回転している。そして、通常の場合には、
前輪と後輪との間には所定の回転差があり、従って、ア
ウタケース9のアウタディスク17とインナケース14のイ
ンナディスク16とは相対回転をしている。
しかしながら、雪路、むかるみ等でいずれかの車輪が
空回りをする時等には、前輪と後輪との間に過度の回転
差が発生する。前後輪の間にこのような過度の回転差が
発生した時に、インナディスク16とアウタディスク17と
の間に過度の相対回転が生じ、その結果、ビスカスクラ
ッチ1内にディスクの剪断力が発生する。前記剪断力に
よって摩擦抵抗が大きくなり、インナディスク16とアウ
タディスク17との回転差を低減するように作用し、それ
故に、センタデフ2の差動を制限することになる。場合
によっては、インナディスク16とアウタディスク17とが
一体となって直結状態になり、回転力が伝達されていな
い駆動系の方にも回転力が伝わるようになるデフロック
として機能することもある。
次に、第2図を参照して、この発明による四輪駆動車
用駆動装置の別の実施例を説明する。第2図は、この四
輪駆動車用駆動装置を用いた動力伝達系を示す断面図で
ある。この四輪駆動車用駆動装置40は、第1図を参照し
て説明した上記実施例のものと比較して、上記四輪駆動
車用駆動装置10がセンタデフ差動制限クラッチとしてビ
スカスクラッチ1を用いたのに対して、センタデフ差動
制限クラッチとして油圧、電磁力等で作動する湿式多板
クラッチ41を用いた点が相違しているものであり、それ
以外の構成及び作用については、両者は同一のものであ
る。従って、両者において同一の部品については、同一
の符号を付してそれらの説明を省略する。
第2図において、センタデフ差動制限クラッチである
湿式多板クラッチ41は、入力ギヤ71にボルト39によって
固定されたケーシング8及びアウタケース9、並びにセ
ンタデフ2のサンギヤ23とインナ伝動シャフト18を介し
て一体のインナケース14によってスペースが形成され、
該スペースにはインナケース14にスプライン嵌合したイ
ンナディスク46とアウタケース9にスプライン嵌合した
アウタディスク47が交互に配置されている。ケーシング
8には、適宜の箇所に作動部材42が摺動自在に嵌合して
いる。
また、トランスアクスルケース5には、環状のピスト
ン43が組込まれている。ピストン43は、油圧系45を通じ
ての油圧によって往復運動し、ピストン43の往復運動が
作動部材42を摺動運動させ、上記スペース内に収容され
ている作動ディスク44を移動させて湿式多板クラッチ41
を機能させる。
ところで、湿式多板クラッチ41は、ピストン43に懸か
る油圧を増幅するため、例えば、本出願人に係る特開昭
63−190937号公報に開示されている多板クラッチ装置の
技術的思想を適用してもよいことは勿論である。即ち、
トランスアクスルケース5の駆動系の外部に配置された
ソレノイドの電磁力で変換された油圧を、油圧系45に送
り込むように構成する。また、湿式多板クラッチ41につ
いては、インナディスク46とアウタディスク47とを互い
に圧接する摺動運動を、作動部材42、、作動ディスク44
を介してピストン43によって行っているが、このような
構成に限らず、場合によっては、作動部材そのものをピ
ストンに構成してもよいことは勿論である。
〔発明の効果〕
この発明による四輪駆動車用駆動装置は、以上のよう
に構成されており、次のような効果を有する。即ち、こ
の四輪駆動車用駆動装置は、トランスアクスルケース内
にビスカスクラッチ又は湿式多板クラッチから成るセン
タデフ差動制限クラッチを配置し、前記センタデフ差動
制限クラッチと同一軸線上でトランスファケース内に遊
星歯車機構から成るセンタデフと前記センタデフに隣接
して同一軸線上に左右輪間用のフロント又はリヤ用デフ
を配置したので、前記センタデフによって配分された駆
動力について、前記センタデフ差動制限クラッチはトラ
ンスミッションの最終減速歯車と連結した前記センタデ
フ差動制限クラッチと遊星歯車機構から成る前記センタ
デフとを断接或いは差動制限することができる。従っ
て、駆動力が配分された前輪と後輪間に過度の回転差が
生じた場合に、該センタデフ差動制限クラッチが直ちに
作動して完全にロックせずに相対回転を許容しつつ前記
センタデフの差動を制限することができ、前輪と後輪間
の過度の相対回転を低減させることができる。
特に、該センタデフ差動制限クラッチは前記センタデ
フを完全にロックせず、相対回転をある程度許容できる
ので、車両が小円旋回を行う場合に、タイトコーナプレ
ーキング現象が生じるのを防止し、例えば、雪路、ぬか
るみ等に車輪がはまり、例えば、一輪がスリップした時
に、一輪が空回りをする現象を解消して他の三輪にも駆
動力が伝達されるように機能する。
更に、前記センタデフ差動制限クラッチを前記トラン
スアクスルケース内に配置し、前記トランスファケース
内に前記センタデフ、前記左右輪間用のデフ及び方向変
換ギヤ機構等を配置したので、前記トランスアクスルケ
ースと前記トランスファケースとで潤滑油の種類を変え
ることもでき、駆動伝達系として最良の性能を得ること
ができる。例えば、湿式多板クラッチにはATF(automat
ic transmission fuel)オイルが適しているが、もし前
記湿式多板クラッチが前記トランスファケース内にあ
り、前記湿式多板クラッチに極圧添加剤入りのギヤ油が
使用されたならば、前記湿式多板クラッチの寿命が短く
なり、前記湿式多板クラッチの摩擦特性も悪化する。
また、前記クラッチが湿式多板クラッチの場合には、
一般に構造が複雑で且つ重量が重くなる。もし前記湿式
多板クラッチが前記トランスファケースに配置される
と、前記トランスファケースは前記トランスアクスルケ
ースに固定されており、重量が重くなると両者の結合部
の剛性を高くしないと、エンジンの振動等によって破損
する恐れがあるが、この四輪駆動車用駆動装置は、前記
湿式多板クラッチは前記トランスアクスルケース内に配
置されているので、上記のような問題を避けることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による四輪駆動車用駆動装置の一実施
例を示す断面図、第2図はこの発明による四輪駆動車用
駆動装置の別の実施例を示す断面図、及び第3図は従来
の四輪駆動車の駆動系を示すスケルトン図である。 1……ビスカスクラッチ、2……センタデフ、3……フ
ロントデフ、5……トランスアクスルケース、6……ト
ランスファケース、7……入力ギヤ、8……ケーシン
グ、10,40……四輪駆動車用駆動装置、25……デフボッ
クス、41……湿式多板クラッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 淳 藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車株式会 社藤沢工場内 (72)発明者 黒沢 郁雄 藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車株式会 社藤沢工場内 (72)発明者 竹村 基 藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車株式会 社藤沢工場内 (72)発明者 黒滝 直行 藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車株式会 社藤沢工場内 (56)参考文献 特開 昭60−236839(JP,A) 実開 昭60−84430(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランスアクスルケース内に完全にロック
    せずに相対回転を許容できるセンタデフ差動制限クラッ
    チを配置し、前記センタデフ差動制限クラッチと同一軸
    線上にトランスファケース内に遊星歯車機構から成るセ
    ンタデフ及び前記センタデフに隣接した左右輪間用のデ
    フを配置し、前記トランスアクスルケース内の前記セン
    タデフ差動制限クラッチには、前記トランスファケース
    内の前記センタデフ及び前記左右輪間用のデフに供給さ
    れる潤滑油とは異なった種類の潤滑油が供給されること
    を特徴とする四輪駆動車用駆動装置。
  2. 【請求項2】前記センタデフ差動制限クラッチはビスカ
    スクラッチであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の四輪駆動車用駆動装置。
  3. 【請求項3】前記センタデフ差動制限クラッチは湿式多
    板クラッチであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の四輪駆動車用駆動装置。
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