JP2000314436A - 制御可能な粘性カップリングおよびその制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の運転条件への適合を改善するための制
御機構からなっている上述した型の粘性カップリングを
提供することにある。 【解決手段】 相対的に回転可能である２つの部分をロ
ックして接続するための制御可能な粘性カップリングで
あって、少なくとも２つの機能的に異なるカップリング
プレート集合体（３１，３２，３３）に分割され、それ
らの集合体の各々が第１および第２カップリングプレー
トからなり、少なくとも１つのカップリングプレート集
合体（３２，３３）が、それぞれのカップリング部分に
制御可能に連結されかつそれぞれのカップリング部分か
ら引き離されるような前記第１または第２カップリング
プレートを許容する手段を備えた制御可能な粘性カップ
リング。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、相対的に回転可能
である２つの部分をロックして接続するために、以下の
特徴、すなわち、第１カップリング部分が回転ハウジン
グの形で設けられ、第２カップリング部分がハブの形で
設けられ、前記第１カップリング部分と前記第２カップ
リング部分が相対的に回転可能であるように配置され、
かつ密封された環状チャンバーを形成するように互いに
内側に同軸的に位置決めされており、前記環状チャンバ
ーの内部には、前記第１カップリング部分との回転可能
に接続するための手段により接続された環状ディスクの
形の第１カップリングプレートと、前記第２カップリン
グ部分に回転可能に接続するための手段により接続され
た環状ディスクの形の第２カップリングプレートが軸方
向に互い違いに配置され、前記環状チャンバーが粘性流
体によって少なくとも部分的に充填される制御可能な粘
性カップリングに関する。

【０００２】

【従来技術】上記のような型のカップリングによれば、
粘性流体の剪断力が回転ハウジングとハブとの間に伝達
されるようなトルクを発生し、その剪断力が第１、例え
ば、外方カップリングプレートと第２、すなわち、内方
カップリングプレートとの間に発生し、カップリングプ
レートは相対的に平行に配置されかつ相対的に回転して
いる。一般に、粘性流体は高粘度シリコンオイルであ
る。トルクを伝達する回転の能力はかくして回転ハウジ
ングとハブとの間の相対的な速度に依存している。

【０００３】現行の型の粘性カップリングの使用は、第
１車軸がエンジン−ギヤボックスユニットによって常時
駆動されかつ第２の駆動軸が現行の型の粘性カップリン
グを経由してエンジン−ギヤボックスユニットによる補
助出力によって駆動される車両のビスコ−トランスミッ
ション概念に主として基礎を置いている。かかる駆動装
置の運転原理は駆動軸が同一速度で、すなわち、駆動が
分配されていない状態では、粘性カップリングがどのよ
うなトルクも伝達することができないため、第１軸のみ
が駆動されている。スリップが第１駆動軸で発生すると
き、すなわち、第１軸の速度が運転速度に対応しないと
き、速度の差異は粘性カップリングに伝達可能なトルク
を形成させる。したがって−牽引が第１軸で不足してい
るならば−トルクは適切な駆動力を発生するように第２
軸に伝達される。

【０００４】上記の動きはすべての環境において問題が
無いということではなく、とくに、アンチロックブレー
キ装置および駆動ダイナミクス制御装置の有効な使用と
自由に適合しない。

【０００５】ドイツ連邦共和国特許第３８３４５５５Ｃ
１号において、−ハウジングとハブ間の相対的な速度に
関係なく−１方のカップリング部分のプレートがそれら
のカップリング部分から連結解除され、そのさいそれら
が他方のカップリング部分のプレートの速度において他
方のカップリング部分のプレートによって駆動されるこ
とにより粘性カップリングを完全に接続解除することが
すでに提案されている。１方のカップリング部分から他
方のカップリング部分へのトルクの伝達はしたがって解
除され、そしてハウジングに接続された外方プレート
が、環状カップリングディスクが前記プレート間に挿入
されかそして外方プレートが軸方向に押圧されてること
によってカップリングディスクに対して摩擦ロック位置
に動かされることによって連結されかつ連結解除され
る。

【０００６】ドイツ連邦共和国特許第４０３６２３０Ｃ
２号は、実質上同一の型からなるが、その内方プレート
が、原則として、ハブに対して自由に回転可能でありか
つハブ上に回転固定かつ軸方向に動き得る方法において
保持される環状カップリングディスクと互い違いにする
ように配置されている、粘性カップリングを記載してい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】内方プレートおよびカ
ップリングディスクをともに押圧することにより、これ
らは摩擦ロック状態に動かされ、その結果内方プレート
の速度がハブの速度に連結されるか、またはそれから連
結解除され得る。連結解除は、また、種々のスリップ状
態を介して行われ得る。

【０００８】本発明の目的は、種々の運転条件への適合
を改善するための制御機構からなっている上述した型の
粘性カップリングを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、内方と外
方の２つのカップリングプレートが、少なくとも２つの
機能的に異なるカップリングプレート集合体に分割さ
れ、それらの集合体の各々が第１（外方）および第２
（内方）カップリングプレートからなりかつ一方が他方
の後ろに位置決めされる別個の軸方向領域を形成しそし
て少なくとも１つのカップリングプレート集合体が、そ
れぞれのカップリング部分に制御可能に連結されかまた
はそれぞれのカップリング部分から連結解除されるよう
な前記第１（外方）または第２（内方）カップリングプ
レートを許容する手段を備えていることによって達成さ
れる。

【００１０】第１の具体的な実施例によれば、第１およ
び第２カップリングプレートの第１集合体が回転可能に
接続された方法においてそれぞれのカップリング部分に
接続されそして第１および第２カップリングプレートの
第２集合体が、それぞれのカップリング部分に制御可能
に連結されかつそれぞれのカップリング部分から連結解
除されるような第１または第２カップリングプレートを
許容する手段からなっていることが提案されている。

【００１１】さらに他の実施例によれば、第１および第
２カップリングプレートからなる２つの集合体が、かな
り段階的にかつ制御可能な方法において、それぞれのカ
ップリング部分に連結されかつそれぞれのカップリング
部分から連結解除されるような前記集合体の第１または
第２カップリングプレートを許容する手段からなってい
ることが提案されている。

【００１２】さらに他の実施例によれば、第１および第
２カップリングプレートからなる第１集合体が、それぞ
れのカップリング部分に回転可能に接続された方法で接
続されそして第１および第２カップリングプレートから
なる２つの集合体が、かなり段階的にかつ制御可能な方
法において、それぞれのカップリング部分に連結され、
かつそれぞれのカップリング部分から連結解除されるよ
うな前記２つの集合体の前記第１または第２カップリン
グプレートを許容する手段からなることが提案されてい
る。

【００１３】本発明による解決は、カップリングプレー
トを種々の特性曲線によって連結するとき種々のスリッ
プ値を介してカップリング特性を全体的に制御するよう
な試みとは異なり、種々の好適な特性曲線が設計によっ
て予め定められるより簡単なかつより少ない感度で制御
可能な装置を提供することにより異なっている。前記種
々の特性曲線が制御のためにのみ使用されることに限っ
て、連結および連結解除する手段は、それらが２つまた
は３つの異なる特性曲線で作動するために２つまたは３
つのみの切り換え状態のみを提供し得るため、かなり簡
単化され得る。しかしながら、原則として、また、永続
的なスリップ値を設定することにより種々の特性曲線で
作動することができる。

【００１４】もしも、第１または第３実施例によって、
カップリングプレートの第１集合体が、それぞれハウジ
ングおよびハブに永続的に連結される第１および第２カ
ップリングプレート備えることが提案されるならば、カ
ップリングが小さいトルクを伝送するように永続的に設
定され、かくして駆動ラインにおいて所望の制動作用を
達成し、その結果として駆動ラインにおけるバックラッ
シュ症状が減衰されることができる。すなわち、駆動ラ
イン、とくに自在継ぎ手における接触の遊び関連の変化
がエンジン−ギヤボックスユニットへより少ない激しさ
で伝達される。僅かなロック作用のみを有するこれらの
特徴が好ましくは操縦のために設定され、検出はブレー
キのためにアンチロックブレーキをかつ駆動ダイナミク
ス制御装置を使用するとき、一定の最小操縦角度を介し
て行われる。

【００１５】他方で、考え得る最高のロック作用が、車
両を始動するとき（静止状態から、第１速）、高速道路
から外れた減速段階（利用し得るならば）および加速段
階時あるいは後進時の設定をしなければならない。

【００１６】上述した好適な実施例が合計３個の機能的
に異なるカップリングプレートの集合体からなるなら
ば、増大された運転速度で、例えば、８０ｋｍ／ｈを超
える速度で、平均の特性曲線、すなわち、２つの接続可
能な集合体の１つの集合体がカップリングプレートの永
続的に係合される集合体に加えて接続されることが提案
される。最大の接続に比して、これは燃料消費の減少を
導く。

【００１７】上記で引用した技術状態に関連して既述さ
れたように、この場合に、また、チャンバー内に回転可
能に配置されかつ連結および連結解除し作業のために設
けられた第１または第２のカップリングプレートを制御
可能に連結しかつ連結解除するための好適な手段が前記
カップリングプレート間に位置決めされ、回転可能に接
続された方法においてそれぞれのカップリング部分に接
続されかつ前記環状チャンバー内で軸方向に動き得るカ
ップリングディスクの形で設けられ、ならびに前記カッ
プリングプレートおよび前記カップリングディスクを隣
接ディスクに対して軸方向に動かすための設定手段から
なっている。

【００１８】カップリングプレートの２つの機能的に異
なる制御可能な集合体が設けられるならば、制御可能な
連結および連結解除し作業を実施するための手段は弾力
的に支持された隣接ディスクに支持されるカップリング
プレートの１つの集合体に直接作用しそして前記隣接デ
ィスクが、順次、軸方向に固定の隣接ディスクに支持さ
れるカップリングプレートの第２の集合体に直接作用す
ることが提案される。かかる場合において、設定力およ
び設定距離が増加すると、まず、１方の集合体がかつ次
いで他方の集合体が接続されそのさい隣接ディスクのば
ね力はカップリングプレートの第１の集合体をカップリ
ングディスクに対して完全な摩擦ロックの位置に動かす
のに適していなければならない。

【００１９】また、技術状態から独力で知られるよう
に、制御可能な連結および連結解除操作を実施するため
の手段を作動するための設定装置が相対的に回転可能で
ある２つの傾斜ディスクからなっており、その１方が軸
方向に固定されており、他方が前記ハウジングに対して
軸方向に動くことができ、前記軸方向に固定した傾斜デ
ィスクが回転可能に駆動できかつ前記軸方向に動き得る
傾斜ディスクが、圧力ベアリングを介して、前記ハウジ
ングとともに回転する圧力プレートに作用している。

【００２０】設定装置に関して、好ましくは、迅速に達
成するために電気駆動装置が設けられ、連結作業および
連結解除作業の両方が電気的に実施され、その結果減少
速度は無視し得るように前記ばねの復帰力のみに依存し
ている。静止状態は一定の電圧を供給することにより電
気的に維持される。保持ブレーキは必要ない。電動機が
無電流に設定されるときのみ、復帰がばねによって行わ
れ、その結果カップリングプレートはカップリングディ
スクから連結解除されかつハウジングから連結解除され
る。

【００２１】好適な実施例について以下で図面を参照し
て説明する。

【００２２】図１は２つのハウジング半体１２，１３か
らなっているしたハウジング１１を示している。１方の
ハウジング半体１２はギヤホックスにボルトで止められ
ておりかつ第２のハウジング半体１３はトランスアクス
ル管の形に設けられかつ第２駆動ディファレンシャルハ
ウジングにボルトで止められている。ハウジング半体１
２内には、ギヤボックスの補助出力に接続され得る中実
シャフト１４が配置されている。ハウジング半体１３内
には、第２の駆動軸に延びる管状シャフト１５が位置決
めされている。上記記載は粘性カップリングがエンジン
−ギヤボックス構体の近傍に配置されるという仮定に基
礎を置いている。

【００２３】さらに他の変形例において、管状シャフト
１５はギヤボックスの補助出力に接続されることがで
き、その場合にハウジング半体は前記ギヤボックスにボ
ルトで止められ、中実シャフト１４は第２駆動軸のディ
ファレンシャル駆動装置の入力軸を構成しており、かか
る場合にハウジング半体１２はトランスアクスル管の形
で設けられかつ前記ディファレンシャル駆動装置に接続
されることができ、そして粘性カップリングはエンジン
−ギヤボックスユニットから取り外されかつ第２の駆動
軸の近傍に取り付けられる。

【００２４】取着されたハウジングは、また、コンパク
トな設計を有することが可能で、その場合にシャフト１
４，１５の１方は駆動軸によって追随される。

【００２５】ハウジング１１内で、粘性カップリング２
１は２つの回転接触ベアリング２２，２３によって回転
可能に支持されている。歯付きシャフトジャーナル１６
が中実シャフト１４に一体に接続されかつ前記ハウジン
グが転動接触ベアリング２２内に直接保持されるため粘
性カップリング２１のハウジング２４に挿入される。端
部歯を備えたジャーナル１７が管状シャフト１５に溶接
されかつ回転回転可能に接続された方法において粘性カ
ップリング２１のハブ２５に挿入される。ハブ２５は転
動接触ベアリング２３内に直接支持されている。ハウジ
ング２４およびハブ２５はともに、ハウジングとハブと
の間でシール２７，２８によって外方に向かって密封さ
れるチャンバー２４を形成している。左方に向かって、
ハウジング２４は軸方向のベアリング２９および圧力プ
レート３０によってハウジング１１上に支持されてい
る。

【００２６】チャンバー２６は左方から右方へ互いに軸
方向に続いている以下の構成要素：隣接ディスク３４、
カップリングプレートの第１集合体３１、カップリング
プレートの第２集合体３２、ハウジング内でスプリング
プレート３６上に支持された隣接ディスク３５、カップ
リングプレートの第３集合体３３および圧力プレート３
７を受容している。カップリングプレートの第１および
第２集合体３１，３２の領域において、ハウジング２４
はより小さい内径からなり、そして隣接ディスク３５、
スプリングプレート３６およびカップリングプレートの
第３集合体３３の領域において、ハウジング２４はより
大きな直径からなっている。より小さい直径の領域にお
いてハウジングは内方歯溝４０を備えそしてより大きい
内径の領域においてハウジングは内方歯溝４１を備えて
いる。

【００２７】ハブはチャンバー２６の領域において連続
する外方歯溝４２からなっている。ハウジング２４内の
第１の内方歯溝４０上に、以下の構成要素、すなわち、
プレートの第１集合体３１の第１カップリングプレー
ト、カップリングプレートの第２集合体３２の第１カッ
プリングプレートと軸方向に互い違いになっている環状
カップリングディスク４３が回転固定かつ軸方向に動き
得るように保持さ、カップリングプレート３２は、それ
らの外方縁部によって、カップリングディスク４３間の
領域に延びかつハウジング２４に接触しない。ハウジン
グの第２の内方歯４１上には、カップリングプレートの
第３集合体３３の第１カップリングプレートと軸方向に
互い違いになっている環状カップリングディスク４４が
回転固定かつ軸方向に動き得るように配置されており、
カップリングプレート３３はハウジング２４に接触せ
ず、かつそれらの外方縁部によって、カップリングディ
スク４４間の領域に延びている。

【００２８】ハブの外方歯溝４２上で、カップリングプ
レートの第１、第２および第３集合体３１，３２および
３３のすべての第２カップリングプレートは対応する対
向歯溝によって回転可能に接続されかつ軸方向に動き得
るように配置されている。ハウジング内には、スプリン
グプレート５３によってハウジング２４上に左方に向か
って支持される圧力プレート５２に保持される複数の軸
線平行圧力ジャーナル５１が挿入されている。反動スプ
リングプレート５３は右方に向かって圧力プレート５２
を移動しかつしたがってハウジング２４からジャーナル
５１を引き出す。圧力プレート５２が圧縮スプリングプ
レート５３に抗して左方に向かって移動されるとき、ジ
ャーナル５１はチャンバー内に位置決めされた圧力プレ
ート３７に作用することができる。

【００２９】圧力プレート５２は、実質上２つの傾斜デ
ィスク６２，６３からなっている設定装置６１によって
圧力ベアリング５４を介して軸方向に負荷されることが
可能で、傾斜ディスク内には傾斜溝６４，６５が形成さ
れ、これらの傾斜溝の間に、少なくとも３つの周部に分
布されたボール６６が延びている。２つの傾斜ディスク
６２，６３を相対的に回転させることにより、各ボール
位置内の有効な溝深さが変化され、その結果２つの傾斜
ディスク６２，６３間の軸方向距離が同様に変化する。
傾斜ディスク６２はハウジング１１内に挿入されたスト
ッパジャーナル６７によってハウジング１１内に回転可
能に固定された方法において保持されている。ラジアル
ベアリング６８によって、傾斜ディスク６３は、ハブ上
に、ハウジング１１に対して回転可能であるように保持
され、そして軸方向ベアリング６９および圧力プレート
７０によって、傾斜ディスク６３はハウジング１１内で
右方に向かって軸方向に支持されている。傾斜ディスク
６３はハウジング１１内でジャーナル７０上に支持され
たギヤホイール７２によって回転可能である。このギヤ
ホイール７２は、順次、駆動モータ７５にボルトで止め
られたハウジング１１のシャフト７４に接続される駆動
ピニオンによって駆動可能である。

【００３０】設定装置の図示位置において、２つの傾斜
ディスク６２，６３はできるだけ互いに近接するように
配置され、スプリングプレート５３はできるだけ緊張さ
れずそしてジャーナル５１は圧力ディスク３７に作用す
る。この位置において、カップリングプレートの第２お
よび第３集合体の第１カップリングプレートはカップリ
ングディスク４３，４４から軸方向に解放され、その結
果カップリングプレートの第１集合体の第１カップリン
グプレートのみがハウジング２４にしっかり連結され
る。ハブ２５が回転して駆動されるとき、カップリング
プレートの第１、第２および第３集合体３１，３２およ
び３３のすべての第２カップリングプレートがハブ２５
によって駆動される。

【００３１】粘性流体の剪断力を介して、第２および第
３集合体３２および３３の内方カップリングプレート
は、同一速度で、ハウジングから連結解除される外方カ
ップリングプレートを駆動し、その結果最小量のトルク
のみが外方連結プレートとカップリングディスクとの間
に伝達される。第１カップリングプレートがハウジング
にしっかり連結されかつ第２カップリングプレートがハ
ブにしっかり連結されるならば、少量のトルクが粘性流
体の剪断力によりカップリングプレートの第１集合体３
１の領域に伝達される。

【００３２】設定装置６１が傾斜ディスクが互いから離
れて動き始める範囲に作動されるならば、ジャーナル５
１は圧力ディスク３７を介して外方カップリングプレー
トにかつ、隣接ディスク３５に支持されながらともに押
圧される、プレートの第３集合体３３のカップリングデ
ィスク４４に作用している。この方法において、カップ
リングディスク４４は回転可能に接続された方法におい
てハウジング２４内で外方カップリングプレートに連結
し、その結果として実質上増加した量のトルクがカップ
リングプレートの第３集合体３３外方カップリングプレ
ートと内方カップリングプレートとの間の粘性流体の剪
断作用の結果として追加的に伝達される。隣接ディスク
３５は最初にその元の位置にスプリングプレート３６に
よって保持される。この方法において、カップリングプ
レートの第２集合体３２の外方カップリングプレートが
それらのカップリングディスク４３からかつそれゆえハ
ウジング２４から連結解除され続ける。

【００３３】設定装置６１が、傾斜ディスク６２，６３
が離れて広がり続けるようにさらに作動されて、ジャー
ナル５１がさらに作法に移動されるならば、カップリン
グプレートの第３集合体３３全体が、隣接ディスク３５
とともに、スプリングプレート３６の力に抗して左方に
移動され、その結果隣接ディスク３５は、今や、設定装
置としてカップリングプレートの第２集合体の外方カッ
プリングプレートおよびカップリングディスク４３に作
用する。カップリングプレートのこの集合体の外方カッ
プリングプレートは、今や、ハウジング２４に連結さ
れ、その結果剪断力は、今や、また、第２集合体３２の
外方カップリングプレートと内方カップリングプレート
との間の粘性流体に形成され、その結果として再び追加
のトルクが伝達される。

【００３４】設計に依存して、第２集合体３２の外方カ
ップリングプレートおよびカップリングディスク４３
は、その場合に隣接ディスク３４に支持される第１集合
体３１のカップリングプレートに軸方向に作用し、そし
てカップリングプレートの第１集合体３１のカップリン
グプレートは伝達されたトルクが再度増加されるように
中実部材の摩擦が発生する範囲にともに押圧され得る。
しかしながら、また、例えば、スペーサリングが第１集
合体３１の第１カップリングプレート間にかつまた第２
カップリングプレート間に挿入されることによって前記
作用から前記第１集合体３１のカップリングプレートを
自由にすることができる。

【００３５】設定装置６１はそのように精密に制御され
得るため常時のスリップにより圧縮可能なカップリング
ディスク４３，４４によって第２および第３の集合体３
２，３３の外方カップリングプレートを連結することが
でき、その結果カップリングの特性は固定の特性曲線に
よって定義されず、しかもすべての点が固定方法におい
て作動され得る特性領域を形成するように広がる。

【００３６】図２は、図１と同一の参照番号を備えた、
図１におけると同一の詳細を示している。そのうえ、図
２にのみにおいて参照符号が示されたさらに他の詳細が
示される。第１集合体の外方カップリングプレート４５
はスペーサリング３９上に保持されかつ第１集合体３１
の第２内方カップリングプレート４６は歯溝４１上に回
転固定かつ軸方向に可動な方法において保持されてい
る。第２集合体３２の第１外方カップリングプレート４
７はスペーサリング３９に対して軸方向に可動でかつ自
由に回転可能である。最後に、第３集合体３３の第１外
方カップリングプレートは歯溝４０に対して軸方向に可
動でかつ自由に回転することができ、これに反して第２
集合体３２の第２内方カップリングプレート５０は回転
固定かつ軸方向に可動であるように歯溝４１に保持され
ている。

【００３７】第１集合体３１の各２つの第１カップリン
グプレート４５の間にはスペーサリング３８が位置決め
されており、かつ前記集合体の各２つの第２カップリン
グプレート４６の間にはスペーサリング３９が位置決め
されている。第２集合体３２の各２つの第１外方カップ
リングプレート４７の間にはカップリングディスク４３
が配置され、これに反して前記集合体の第２内方カップ
リングプレート４８は互いに直接隣接するように配置さ
れている。第３集合体の各２つの第１外方カップリング
プレート４９の間にはカップリングディスク４４が位置
決めされており、これに反して前記集合体の第２内方カ
ップリングプレートは互いに直接隣接している。

【００３８】図３は粘性カップリングの部分間の速度差
ｎの関数として伝達可能なトルクＴを示している。

【００３９】第１の下方の特性曲線（Ａ）は第１集合体
３１のカップリングプレートの特性に対応している。前
記曲線の下方のロック値は達成され得ない。

【００４０】第２の非常に高い特性曲線（Ａ＋Ｂ）は第
３集合体３３のカップリングプレートが接続される場合
の特性に対応している。最後に、第２集合体３２のカッ
プリングプレートが接続されるときの特性に対応する第
３の上方の特性曲線（Ａ＋Ｂ＋Ｃ）が示されている。

【００４１】第１と第２曲線との間のかつ第２と第３曲
線との間の点線の接続線は、中間の状態が第２および第
３集合体の外方プレートが常時のスリップによりハウジ
ングに連結されることにより運転かつ維持され得ること
を示している。

【００４２】以下に本発明の実施の形態を要約列挙す
る。

【００４３】＜１＞ 相対的に回転可能である２つの部
分をロックして接続するための制御可能な粘性カップリ
ングにおいて、第１カップリング部分が回転ハウジング
（２４）の形で設けられ、第２カップリング部分がハブ
（２５）の形で設けられ、前記第１カップリング部分と
前記第２カップリング部分が相対的に回転可能に配置さ
れ、かつ密封された環状チャンバー（２６）を形成する
ように互いに内側に同軸に位置決めされており、前記環
状チャンバー（２６）の内部には、前記第１カップリン
グ部分に回転可能に接続する手段により接続された環状
円板の形の第１カップリングプレートと、前記第２カッ
プリング部分に回転可能に接続する手段により接続され
た環状円板の形の第２カップリングプレートが軸方向で
交互に配置され、前記環状チャンバー（２６）が粘性流
体によって少なくとも部分的に充填され、前記第１、第
２カップリングプレートが、異なる機能を有する少なく
とも２つのカップリングプレート集合体（３１，３２，
３３）に分けられ、前記カップリングプレート集合体の
各々が第１、第２カップリングプレートを有し、かつカ
ップリングプレート集合体のひとつが他のカップリング
プレート集合体の後ろに位置決めされる区分けされた軸
方向の領域からなり、少なくとも１つのカップリングプ
レート集合体（３２，３３）が、前記第１、第２カップ
リングプレートの連結または連結解除を制御する手段を
備えている制御可能な粘性カップリング。

【００４４】＜２＞ 第１および第２カップリングプレ
ートの第１集合体（３１）が回転可能に接続された方法
においてそれぞれのカップリング部分（２４，２５）に
接続されそして第１および第２カップリングプレートの
第２集合体（３２）が、それぞれのカップリング部分に
制御可能に連結されかつそれぞれののカップリング部分
から連結解除されるような前記第２カップリングプレー
ト集合体の第１または第２カップリングプレートを許容
する手段からなる上記＜１＞に記載の制御可能な粘性カ
ップリング。

【００４５】＜３＞ 第１および第２カップリングプレ
ートからなる２つの集合体（３２，３３）が、かなり段
階的にかつ制御可能な方法において、それぞれのカップ
リング部分に連結されかつそれぞれのカップリング部分
から連結解除されるような前記２つの集合体の第１また
は第２カップリングプレートを許容する手段からなって
いる上記＜１＞に記載の制御可能な粘性カップリング。

【００４６】＜４＞ 第１および第２カップリングプレ
ートからなる第１集合体（３１）がそれぞれのカップリ
ング部分に回転可能に接続された方法において接続され
そして第１および第２カップリングプレートからなる２
つの集合体（３２，３３）が、かなり段階的にかつ制御
可能な方法において、それぞれのカップリング部分に連
結されかつそれぞれのカップリング部分から連結解除さ
れるような前記２つの集合体の前記第１または第２カッ
プリングプレートを許容する手段からなる上記＜１＞に
記載の制御可能な粘性カップリング。

【００４７】＜５＞ 制御可能な連結および連結解除作
業のために設けられた前記第１または第２のカップリン
グプレートが前記環状チャンバー内に回転可能に位置決
めされそして制御可能な連結および連結解除作業を実施
するための手段が前記カップリングプレート間に挿入さ
れ、回転可能に接続された方法においてそれぞれのカッ
プリング部分に接続されかつ前記環状チャンバー内で軸
方向に動き得るカップリングディスク、ならびに前記カ
ップリングプレートおよび前記カップリングディスクを
隣接ディスクに対して軸方向に動かすための設定手段か
らなっている上記＜１＞ないし＜４＞のいずれか１つに
記載の制御可能な粘性カップリング。

【００４８】＜６＞ 制御可能な連結および連結解除作
業用の前記手段が弾力的に支持された隣接ディスク（３
５）に支持されるカップリングプレートの１つの集合体
（３２）に直接作用しそして前記隣接ディスク（３５）
が、順次、軸方向に固定の隣接ディスク（３４）に支持
されるカップリングプレートの第２の集合体に直接作用
する上記＜４＞または＜５＞のいずれか１つに記載の制
御可能な粘性カップリング。

【００４９】＜７＞ 前記カップリングディスク（４
３，４４）は前記ハウジング（２４）内に保持されかつ
前記第１外方カップリングプレートと互い違いにするよ
うに配置されている上記＜６＞に記載の制御可能な粘性
カップリング。

【００５０】＜８＞ 制御可能な連結および連結解除作
業を実施するための前記手段を作動するための設定装置
（６１）が相対的に回転可能である２つの傾斜ディスク
（６１，６２）からなっており、その１方が軸方向に規
定されており、他方が前記ハウジング（２４）に対して
軸方向に動き得る上記＜７＞に記載の制御可能な粘性カ
ップリング。

【００５１】＜９＞ 前記軸方向に固定した傾斜ディス
ク（６１）が回転可能に駆動できかつ前記軸方向に動き
得る傾斜ディスク（６２）が、圧力ベアリング（５４）
を介して、前記ハウジング（２４）とともに回転する圧
力プレート（５３）に作用する上記＜８＞に記載の制御
可能な粘性カップリング。

【００５２】＜１０＞ 常時駆動される軸と一時的に駆
動可能な軸とを備えた車両で、粘性カップリングが前記
一時的に駆動可能な軸と共働するように駆動ライン中に
配置され、前記粘性カップリングが相対的に回転可能な
２つの部分をロックして接続するための粘性カップリン
グの制御方法において、第１カップリング部分が回転ハ
ウジング（２４）の形で設けられ、第２カップリング部
分がハブ（２５）の形で設けられ、前記第１カップリン
グ部分と前記第２カップリング部分が相対的に回転可能
であるように配置され、かつ、密封された環状チャンバ
ー（２６）を形成するように互いに内部に同軸に位置決
めされており、前記環状チャンバー（２６）の内部に
は、前記第１カップリング部分に回転可能に接続する手
段により接続された環状円板の形の第１カップリングプ
レートと、前記第２カップリング部分に回転可能に接続
する手段により接続された環状円板の形の第２カップリ
ングプレートが軸方向で交互に配置され、前記環状チャ
ンバー（２６）が粘性流体によって少なくとも部分的に
充填され、前記第１、第２カップリングプレートが、異
なる機能を有する少なくとも２つのカップリングプレー
ト集合体（３１，３２，３３）に分けられ、前記カップ
リングプレート集合体の各々が第１、第２カップリング
プレートを有し、かつカップリングプレート集合体のひ
とつが他のカップリングプレート集合体の後ろに位置決
めされる区分けされた軸方向の領域からなり、少なくと
も１つのカップリングプレート集合体（３２，３３）
が、前記第１、第２カップリングプレートにより前記第
１、第２カップリング部分を連結又は連結解除する粘性
カップリングの制御方法。

【００５３】＜１１＞ 車両を静止位置から始動するた
めにそして後退するためにあるいは任意に、高速道路を
逸れた減速段階を選択するとき、すべてのカップリング
プレート集合体がそれぞれのカップリング部分に連結さ
れる上記＜１０＞に記載の粘性カップリングの制御方
法。

【００５４】＜１２＞ 車両道路での最低速度に代表的
な車両の速度以上で、前記カップリングプレート集合体
のひとつ部分の前記カップリングプレートがそれぞれの
カップリング部分に連結され、前記カップリングプレー
ト集合体の他の部分のカップリングプレートがそれぞれ
のカップリング部分から連結解除される上記＜１０＞ま
たは＜１１＞に記載の粘性カップリングの制御方法。

【００５５】＜１３＞ 車両が所望の操舵角度で操縦さ
れているときに、カップリングプレート集合体の最大の
可能範囲でカップリングプレートがそれぞれのカップリ
ング部分から連結解除される上記＜１０＞ないし＜１２
＞のいずれか１項に記載の粘性カップリングの制御方
法。

【００５６】＜１４＞ 車両のアンチロックブレーキ装
置および／または駆動ダイナミクス制御装置を作動する
とき、カップリングプーレト集合体の最大の可能範囲カ
ップリングプレートがそれぞれのカップリング部分から
連結解除される上記＜１０＞ないし＜１３＞のいずれか
１つに記載の粘性カップリングの制御方法。

【００５７】

【発明のの効果】叙上のごとく、本発明は、相対的に回
転可能である２つの部分をロックして接続するための制
御可能な粘性カップリングにおいて、第１カップリング
部分が回転ハウジングの形で設けられ、第２カップリン
グ部分がハブの形で設けられ、前記第１カップリング部
分と前記第２カップリング部分が相対的に回転可能であ
るように配置され、かつ一方で、ともに密封された環状
チャンバーを形成するように互いに内側に同軸的に位置
決めされており、前記環状チャンバーの内部には、前記
第１カップリング部分との回転固定接続を設けるための
手段により環状円板の形の第１カップリングプレート、
および前記第２カップリング部分との回転固定接続を設
けるための手段により環状円板の形の第２カップリング
プレートが軸方向に互い違いに配置され、別の状況で
は、前記環状チャンバーが粘性流体によって少なくとも
部分的に充填され、前記カップリングプレートが、それ
らの全体で、少なくとも２つの機能的に異なるカップリ
ングプレート集合体に分割され、それらの集合体の各々
が第１および第２カップリングプレートからなりかつ一
方が他方の後ろに位置決めされる別個の軸方向領域から
なり、少なくとも１つのカップリングプレート集合体
が、それぞれのカップリング部分に制御可能に連結され
かつそれぞれのカップリング部分から連結解除されるよ
うな前記第１または第２カップリングプレートを許容す
る手段を備えている構成としたので、種々の運転条件へ
の適合を改善するための制御機構からなっている型の粘
性カップリングを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ハウジング内に設定駆動装置を備えた本発明の
粘性カップリングを示す断面図である。

【図２】図１による粘性カップリングを拡大した形にお
いて示す断面図である。

【図３】本発明のカップリングの特性を示す図である。

【符号の説明】

２４ ハウジング ２５ ハブ ２６ 環状チャンバー ３１ カップリングプレートの第１集合体 ３２ カップリングプレートの第２集合体 ３３ カップリングプレートの第３集合体 ３４ 隣接ディスク ３５ 隣接ディスク ４３ カップリングディスク ４４ カップリングディスク ６１ 設定装置 ６２ 傾斜ディスク ６３ 傾斜ディスク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対的に回転可能である２つの部分をロ
   ックして接続するための制御可能な粘性カップリングに
   おいて、 第１カップリング部分が回転ハウジング（２４）の形で
   設けられ、 第２カップリング部分がハブ（２５）の形で設けられ、 前記第１カップリング部分と前記第２カップリング部分
   が相対的に回転可能に配置され、かつ密封された環状チ
   ャンバー（２６）を形成するように互いに内側に同軸に
   位置決めされており、 前記環状チャンバー（２６）の内部には、前記第１カッ
   プリング部分に回転可能に接続する手段により接続され
   た環状円板の形の第１カップリングプレートと、前記第
   ２カップリング部分に回転可能に接続する手段により接
   続された環状円板の形の第２カップリングプレートが軸
   方向で交互に配置され、 前記環状チャンバー（２６）が粘性流体によって少なく
   とも部分的に充填され、 前記第１、第２カップリングプレートが、異なる機能を
   有する少なくとも２つのカップリングプレート集合体
   （３１，３２，３３）に分けられ、前記カップリングプ
   レート集合体の各々が第１、第２カップリングプレート
   を有し、かつカップリングプレート集合体のひとつが他
   のカップリングプレート集合体の後ろに位置決めされる
   区分けされた軸方向の領域からなり、 少なくとも１つのカップリングプレート集合体（３２，
   ３３）が、前記第１、第２カップリングプレートの連結
   または連結解除を制御する手段を備えていることを特徴
   とする制御可能な粘性カップリング。
2. 【請求項２】 常時駆動される軸と一時的に駆動可能な
   軸とを備えた車両で、粘性カップリングが前記一時的に
   駆動可能な軸と共働するように駆動ライン中に配置さ
   れ、前記粘性カップリングが相対的に回転可能な２つの
   部分をロックして接続するための粘性カップリングの制
   御方法において、 第１カップリング部分が回転ハウジング（２４）の形で
   設けられ、 第２カップリング部分がハブ（２５）の形で設けられ、 前記第１カップリング部分と前記第２カップリング部分
   が相対的に回転可能であるように配置され、かつ、密封
   された環状チャンバー（２６）を形成するように互いに
   内部に同軸に位置決めされており、 前記環状チャンバー（２６）の内部には、前記第１カッ
   プリング部分に回転可能に接続する手段により接続され
   た環状円板の形の第１カップリングプレートと、前記第
   ２カップリング部分に回転可能に接続する手段により接
   続された環状円板の形の第２カップリングプレートが軸
   方向で交互に配置され、 前記環状チャンバー（２６）が粘性流体によって少なく
   とも部分的に充填され、 前記第１、第２カップリングプレートが、異なる機能を
   有する少なくとも２つのカップリングプレート集合体
   （３１，３２，３３）に分けられ、前記カップリングプ
   レート集合体の各々が第１、第２カップリングプレート
   を有し、かつカップリングプレート集合体のひとつが他
   のカップリングプレート集合体の後ろに位置決めされる
   区分けされた軸方向の領域からなり、 少なくとも１つのカップリングプレート集合体（３２，
   ３３）が、前記第１、第２カップリングプレートにより
   前記第１、第２カップリング部分を連結又は連結解除す
   ることを特徴とする粘性カップリングの制御方法。