JPH036437Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、印字用紙の送り方向に対して横方に
逐時印字していくシリアル型プリンタの電源投入
時またはアラーム処理時における印字開始位置の
位置決め機構に関する。

この種のシリアル型プリンタの概略構成を説明
すれば、第１図に示すように、プラテン１４と平
行にのびるスライドガイド軸７，８に、印字ヘツ
ド６を担持したキヤリツジ１が摺動可能に軸支さ
れ、プリンタ本体の側部に設けたモータ３によ
り、プーリ１５，１６およびこれらプーリ間に掛
けられたベルト２を介して、キヤリツジ１が印字
用紙の送り方向に対して横方向に移動しながら印
字動作を行つていくようになつている。印字開始
時には印字ヘツドが所定位置に位置決めされてい
ることが必要であるが、従来この種のプリンタの
印字開始位置検出機構は、前記キヤリツジが通過
する個所に光学式センサや磁気センサが設けら
れ、これによつてキヤリツジの印字開始位置を検
出していた。第４図、第５図および第６図は光学
センサを用いた従来の位置検出機構を示したもの
である。キヤリツジ１は、電源投入時にベルト２
を介してパルスモータ３（第１図）により矢印１
ａの方向に移動し、キヤリツジ１に施したドグ４
が光学センサ５の光軸５ａをさえぎつた時、モー
タ制御部によりキヤリツジ１の位置を検出し、パ
ルスモータ３をその位置で停止させる。印字開始
位置は光学センサ５の取付位置によつて決まるの
で、センサマウント１７によりその位置調整を行
う。

このように従来のセンサ方式による印字開始位
置決め機構は、センサの取付位置により印字開始
位置が決まつてしまうので、印字開始位置をプリ
ンタの装置間にわたつて一様にするためにはセン
サの位置を正確に調整する必要があるとともに、
センサ自体にも繰返し検出位置精度が要求され、
精度の高いセンサを用いなければならず調整時間
も長くかかるなど、プリンタが原価高となる欠点
があつた。

本考案の目的は上述した従来の欠点をなくし、
簡易かつ安価な位置検出スイツチを用い、まため
んどうな調整を必要とせずに正確に印字ヘツドの
印字開始位置を決めることのできるシリアル型プ
リンタの印字開始位置決め機構を提供することに
ある。

この目的のために本考案の印字開始位置決め機
構は、印字ヘツドを印字用紙の紙面に対して平行
に移動させながら印字を行うシリアル型プリンタ
において、前記印字ヘツドを搭載しかつ電源投入
時またはアラーム処理時にモータにより印字開始
位置へ動かされるキヤリツジと、前記印字開始位
置で前記キヤリツジと当接して該キヤリツジを機
械的に停止させるストツパと、スイツチ検出端が
前記印字開始位置直前で前記キヤリツジに形成さ
れたドグに当接して機械的に変位しかつ該スイツ
チ検出端の機械的変位によりキヤリツジ位置検出
信号を出力する位置検出スイツチとを有し、前記
モータは、前記位置検出スイツチの検出信号の出
力時点から一定時間後に停止するようにその駆動
回路が設定されており、前記位置検出スイツチに
よるキヤリツジ位置検出から前記モータの停止ま
での前記一定時間の間に前記キヤリツジが前記ス
トツパに当接するように設定されている。

以下、本考案を、図面を参照しながら、実施例
について説明する。

第１図は本考案の印字開始位置決め機構を備え
たシリアル型プリンタの印字機構部を示す平面
図、第２図は第１図の正面図である。また第３図
は本考案の印字開始位置決め機構の正面図であつ
て第２図のＡ部を拡大して示したものである。本
考案の機構は、第３図に最もよく示されるよう
に、キヤリツジ１を支承したスライドガイド軸８
に、ストツパ９が取り付けられ、キヤリツジ１に
は該ストツパ９に当接するドグ４が設けられ、さ
らにプリンタ本体のベース１１に前記ドグ４と接
触して作動する位置検出スイツチ１０が設けられ
て構成される。第１図および第２図に示すよう
に、キヤリツジ１をプラテン１４（第２図には図
示省略）に対して平行に移動させるように支承し
たスライドガイド軸７，８がプリンタ本体のサイ
ドフレーム１２，１３に固定されている。いま、
第２図において印字開始に際し、モータ３を駆動
し、キヤリツジ１を矢印１ａの方向に移動させる
と、第３図においてキヤリツジ１がスライドガイ
ド軸８に設けたストツパ９に当接する直前に位置
検出スイツチ１０にキヤリツジ１のドグ４が接触
し、該スイツチ１０がオンとなる。この後、キヤ
リツジ１がストツパ９に当たつて停止する。キヤ
リツジ１がストツパ９に当接した位置が印字開始
位置となる。第７図はモータ３と位置検出スイツ
チ１０の動作関係を示すシーケンス図である。こ
の図に示すように、モータ３は、スイツチ１０が
オンとなつた後、キヤリツジ１が確実にストツパ
９に当たるよう充分な遅延時間Taをとつた後オ
フとなるように設定されている。

上述のように本考案によれば、印字ヘツドの電
源投入時あるいはアラーム処理時の印字開始位置
の位置決めが簡易なスイツチにより、またスイツ
チの細かい位置調整の必要もなく、機械的なスイ
ツパの精度により位置決めできるので、プリンタ
装置間においても印字位置のバラツキが少なく、
安価で高精度のシリアル型プリンタを提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の印字開始位置決め機構を備え
たシリアル型プリンタの印字機構部の平面図、第
２図は第１図の正面図、第３図は第２図のＡ部の
拡大詳細図、第４図は従来の光学センサを用いた
位置検出機構の平面図、第５図は第４図の側面
図、第６図は第４図の正面図、第７図は本考案の
位置決め機構におけるモータと位置検出スイツチ
とのシーケンスを示した図である。 １……キヤリツジ、２……ベルト、３……モー
タ、４……ドグ、６……印字ヘツド、７，８……
スライドガイド軸、９……ストツパ、１０……位
置検出スイツチ、１１……ベース、１２，１３…
…サイドフレーム、１４……プラテン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字ヘツドを印字用紙の紙面に対して平行に移
   動させながら印字を行うシリアル型プリンタにお
   いて、前記印字ヘツドを搭載しかつ電源投入時ま
   たはアラーム処理時にモータにより印字開始位置
   へ動かされるキヤリツジと、前記印字開始位置で
   前記キヤリツジと当接して該キヤリツジを機械的
   に停止させるストツパと、スイツチ検出端が前記
   印字開始位置直前で前記キヤリツジに形成された
   ドグに当接して機械的に変位しかつ該スイツチ検
   出端の機械的変位によりキヤリツジ位置検出信号
   を出力する位置検出スイツチとを有し、前記モー
   タは、前記位置検出スイツチの検出信号の出力時
   点から一定時間後に停止するようにその駆動回路
   が設定されており、前記位置検出スイツチによる
   キヤリツジ位置検出から前記モータの停止までの
   前記一定時間の間に前記キヤリツジが前記ストツ
   パに当接するように設定されることを特徴とする
   印字開始位置決め機構。