JPH0364360A - 衝撃性の改良されたポリフェニレンスルフィド - Google Patents

衝撃性の改良されたポリフェニレンスルフィド

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JPH0364360A
JPH0364360A JP2179405A JP17940590A JPH0364360A JP H0364360 A JPH0364360 A JP H0364360A JP 2179405 A JP2179405 A JP 2179405A JP 17940590 A JP17940590 A JP 17940590A JP H0364360 A JPH0364360 A JP H0364360A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、改良された衝撃強度を有するポリアリーレン
スルフィド樹脂組成物に関するものである。
ポリアリーレンスルフィド樹脂は、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ナイロン及びポリブチレンテレフタレ
ートのような通常のエンジニアリングプラスチックより
も高い耐熱性、耐薬品性及び剛性を有する高性能エンジ
ニアリングプラスチックとして関心をもたれている。ポ
リアリーレンスルフィド中にガラス繊維のような繊維補
強材料を含ませることによって、強度、剛性、強靭性、
耐熱性及び寸法安定性のようなエンジニアリングプラス
チックとして用いるのに必要な特性が大きく改良される
ことは公知である。また、ガラス繊維補強ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂組成物においては、その中に含まれる
ガラス繊維の量が増加するにつれて、強度及び剛性が一
般に増大することも公知である。したがって、強度及び
剛性を高めることが所望の場合には、樹脂組成物中に含
ませるガラス繊維の量を増やすことが一般に行われてい
る。
電子部品を成形するために、あるいは電子部品用の対人
材料として、例えばポリフェニレンスルフィド組成物の
ようなポリアリーレンスルフィド組成物を用いることが
最近開発された。これらのII戒放物、通常、ガラス繊
維で補強されたポリアリーレンスルフィドを含む、電子
部品は、電気絶縁性を保持し、機械的保護を与え、ある
いは雰囲気に対する暴露から金属部品を遮蔽するために
成形又は封入される。エレクトロニクスの発展のスピー
ドが速いので、成形及び封入技術もそれに歩調を合わせ
ることが重要になっている。
ポリフェニレンスルフィドは、ふくれ(blister
iB)や寸法変形のように成形樹脂の特性に悪影響を与
えることなく、しばしば220℃を超える蒸気相ソルダ
リング温度に耐えることができるので、回路板、コネク
ターなどの製造におけるようなエレクトロニクスの用途
において有用である。しかしながら、ポリフェニレンス
ルフィドは、エレクトロニクス用途の為の必要な熱安定
性を有しているが、比較的脆性であり、したがって衝撃
強度が低い。更に、コストの理由及び成形樹脂の強度及
び熱安定性を高めるという理由の両方のために、ポリア
リーレンスルフィドのガラスvAa充填を高めることが
望ましい。ガラス繊維の含有量を高めると、更なる脆化
をもたらす。
ソレニエラストマー材料を加えることによってポリアリ
ーレンスルフィドの衝撃強度を向上させることが知られ
ている。米国特許第4,581゜411号においては、
シリコンラバー、エチレン/アクリル酸ラバー、エチレ
ン/プロピレンラバ、エチレン/プロピレン/ジエンラ
バー及ヒホリ(ブチルアクリレート)ラバーの中から選
択されるポリマーラバー約0.1〜約40重量%を加え
ることによって、ポリアリーレンスルフィド及びガラス
強化ポリアリーレンスルフィドの衝撃強度を向上させる
ことが開示されている。また、該文献には、シリコンラ
バー又はポリ(ブチルアクリレート)のいずれかを用い
た場合には、少量の有機シランを加えることによって組
成物の衝撃強度を更に向上させることができることが開
示されている。
米国特許第4,476.284号に8いては、その中に
熱可塑性でエラストマーの水素化複合ジエン/モノビニ
ルアレーン(arene)7’ロツクポリマーを含ませ
ることによって、衝撃強度をはじめとする物理特性が向
上せしめられたポリアリーレンスルフィド組成物が開示
されている。好ましい水素化複合ジエン/モノビニル芳
香族ブロックコポリマーは、イソプレン/スチレン又は
ブタジェン/スチレンブロックコポリマーである。該特
許においては、発明の所望の効果が約30%以下及びそ
れ以上の任意の量の水素化ブロックコポリマーの存在下
でみられたと記載されているが、好ましい範囲は約1〜
5重量%であると開示されている。
米国特許第4,451,607号においては、それに水
素化複合ジエン/モノビニル芳香族ブロックコポリマー
を約5重量%以下の量配合することによってポリアリー
レンスルフィドの結晶度を向上させることが開示されて
いる。
米国特許第4.628,071号においては、モノビニ
ル置換芳香族炭化水素ポリマーとオレフィンポリマーブ
ロックとの、部分的に水素化されたブロックコポリマー
をそれに加えることによって、ポリアリーレンスルフィ
ドをはじめとする熱可塑性ポリアリーレンスルフィドの
衝撃強度を向上させることが開示されている。ブロック
コポリマーには、カルボン酸基を有する単位がグラフト
されている。米国特許第4,783,503号に記載さ
れているように、カルボン酸基のグラフトは、rENE
反応」と呼ばれる反応によっで付加せしめられる。かか
る変成ブロックコポリマーは、本発明のものとは異なり
、ジエンブロック中にしか官能性基を有していない。更
に、ENE反応は、反応部位としてベースポリマーにお
ける不飽和部に基づくものであるので、かかる変成ブロ
ックコポリマーは欠陥を有するものである。ベースポリ
マー上に有利な程度の量の官能性基を得るためには、相
当量の残留不飽和部が存在していなければならない。E
NE反応を起こすことができないので、ベースポリマー
上の全ての二重結合が掃去され、この方法の結果、高い
処理温度の熱可塑性プラスチックを十分に耐衝撃性改良
するためにあまりに高いレベルの不飽和部を有する変成
プロ・ノクコポリマーが得られることになる。
本発明は、更に、ポリフェニレンスルフィドをはじめと
するポリアリーレンスルフィドに固有の有利な機械特性
を低下させることなくポリアリーレンスルフィド物品の
衝撃強度を改良するものである。また、ガラス強化ポリ
アリーレンスルフィド組酸物の衝撃強度を向上させるこ
とも本発明の目的である。特定の一つの用途に限定され
るものではないが、本発明は、電子構成部品を成形及び
封入するのに用いられる充填及び非充填ポリアリーレン
スルフィド塑性物の衝撃強度を向上させるのに有用性が
見出される。
発明の概要 熱安定性を変成されており、選択的に水素化されている
高1.2含有モノビニル芳香族/複合ジエンブロックコ
ポリマー(ここで、少なくとも一つの官能基が、主とし
てビニル芳香族プロ・ノク1こおいてブロックコポリマ
ーにグラフトしている)をそれに加えることによってポ
リアリーレンスルフィド成形組成物に改良された衝撃強
度が与えられる。かかる変成ブロックコポリマーの例は
、ここで参照として記載する米国特許第4,783゜5
03号において記載されている。この特許においては、
ベースポリマーが望ましくない高いレベルの残留不飽和
部を有することを必要としない方法であるメタレーショ
ンによって変成ブロックコポリマーを製造することが記
載されている。
更に詳しくは、 (1)ポリアリーレンスルフィド;及び(b)少なくと
も5重量%の次式: %式%) (式中、nは0又は1であり、Oは1〜5θであり、p
は0又は1である) の官能化され、選択的に水素化されているブロックコポ
リマーであって、これに少なくとも一個の求電子性でグ
ラフト可能な分子又は求電子性分子がグラフトされてお
り、かかるグラフト可能な分子の実質的に全てがビニル
アレーンブロックにおいてブロックコポリマーにグラフ
トしているプロツクコポリマー: を含む耐衝撃性ポリマー組成物が与えられる。衝撃強度
の実質的な改良は、ブロックコポリマー上にカルボン酸
基をグラフトすることによって達成される。
好ましい態様の詳細な説明 ポリアリーレンスルフィド ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーなど又はかか
るポリマーの配合物のいずれかである、未硬化又は部分
的に硬化しているポリアリーレンスルフィドを、本発明
の実施において用いることができる。未硬化又は部分的
に硬化しているポリマーとは、十分なエネルギー、例え
ば熱をそれに供することにより、分子鎖を伸長させるか
又は架橋するかまたはこれらを組み合わせて行うことに
よって、その分子量を増大させることができるポリマー
である。好適なポリアリーレンスルフィドポリマーとし
ては、参照としてここに記載する米国特許第3,354
,129号に記載されているものが挙げられるが、これ
に限定されるものではない。
本発明の目的に好適なポリアリーレンスルフィド組成物
の例としては、ポリ(2,4−トリレンスルフィト)、
ポリ(4,4’−ヒフェニレンスルフイド)及びポリフ
ェニレンスルフィドが挙げられる。その入手容易性、並
びに、高い耐薬品性、不燃性及び高い強度及び硬度のた
めに、ポリフェニレンスルフィドが現在好ましいポリア
リーレンスルフィドであろう。ポリアリーレンスルフィ
ド組成物は、1以上のポリアリーレンスルフィドの混合
物であってよい。
本発明において用いるのに特に好ましいポリアリーレン
スルフィドは、参照としてここに記載する米国特許第4
,645,826号に開示されているものである。ここ
に開示されているように、数千〜数百ポイズの溶融粘度
を有する極めて高分子量の線状PASは、低〜中分子量
のPASプレポリマーを前重合によって生成させ、重合
系に相分離剤を加えながら、強アルカリ性条件下で重合
系を加熱することによって温度を上昇させ、それによっ
て系を、高粘度相(ポリマー溶液相)及び低粘度相(溶
媒相)の二つの液相に分離し、かかる状態で反応を行わ
せることによって、助剤を用いることなく容易に製造す
ることができる。
二相分離重合は、5〜3000ポイズの溶融粘度(31
0℃、剪断速度: 2005ec−”)を有するアリー
レンスルフィドプレポリマーを、強アルカリ性条件下(
10倍の水で希釈した際に反応混合物のpr−iが9.
5〜14の範囲である)、245〜290°Cの温度範
囲で不良溶媒、即ち水中に溶解して、液/液二相分離状
態とし、この状態を1〜50時間保持してアリーレンス
ルフィドプレポリマーを高分子量ポリマーに転化させ、
重合系からポリマーを分離し、中和した後にポリマーを
生成することを含む。
米国特許第4,645.826号による高〜超高分子量
PASの製造方法は、概して、アルカリ金属スルフィド
とジハロ芳香族化合物の間の結合を介してPASA5分
子成させ、及び/又は、PAs分子を高分子量ポリマー
に転化させる工程を含むものである。少なくとも700
0ボイズの溶融粘度を有するPPSをはじめとする少な
くとも300ボイズの溶融粘度を有するPPSを、ここ
に開示されている方法によって製造することができる。
プレポリマーを製造するための出発物質は、アルカリ金
属スルフィド、ジハロ芳香族化合物及び重合溶媒を含む
ものである。用いられるアルカリ金属スルフィドとして
は、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物が挙げ
られる。これらのアルカリ金属スルフィドは、水和物又
は水性混合物あるいは無水形態で用いることができる。
これらのアルカリスルフィドの中で、硫化ナトリウムが
最も安価で商業的に好ましいものである。
また、しばしばアルカリ金属スルフィド中に少量発生す
る可能性のある酸性塩(例えばアルカリ金属ジスルフィ
ド及びアルカリ重炭酸塩)を中和するために、少量のア
ルカリ金属水酸化物を組み合わせて用いることもできる
用いられるジハロ芳香族化合物としては、特開昭59−
22926号に開示されているもののような任意のジハ
ロ芳香族が挙げられる。特に好ましいものは、p−ジク
ロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、2.5−ジクロ
ロトルエン、2.5−ジクロロ−p−キシレン、p−ジ
ブロモベンゼン、1.4−ジクロロナフタレン、1−メ
トキシ−2,5−ジクロロベンゼン、4.4’−ジクロ
ロビフェニル13゜5−ジクロロ安息香酸、p、p−ジ
クロロジフェニルエーテル、p、p’−ジクロロジフェ
ニルスルホン、p、p’−ジクロロジフェニルスルホキ
シド、p、p’−ジクロロジフェニルケトンなどである
これらの中で、p−ジハロベンゼン、典型的にはp−ジ
クロロベンゼンを主成分とするものが特に好ましい。
ジハロ芳香族化合物を適当に選択し組み合わせることに
よって、2以上の異なる反応単位を有するランダム又は
ブロックコポリマーを得ることができる。例えば、p−
ジクロロベンゼンをm−ジクロロベンゼン又はp、p’
−ジクロロジフェニルスルホンと組み合わせて用いると
、次式:の単位を有するランダム又はブロックコポリマ
ーが得られる。更に、ある程度の架橋を与えるが、実質
的に直線性を有さない範囲内の少量のポリハロ芳香族化
合物(例えばトリクロロベンゼン)を組み合わせて用い
ることができるが、かかる化合物は通常は必要ではない
重合段階において用いる有機アミド溶媒は、プレポリマ
ーを生皮させるために用いることができ、N−メチルピ
ロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン、N、N−
ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド
、N−メチルカプロラクタム、テトラメチル尿素、ヘキ
サメチルホスホロトリアミド及びこれらの混合物から選
択することができる。これらの中では、化学的な安定性
及び容易に高分子量ポリマーを製造する能力のような見
地から、N−メチルピロリドンが特に好ましい。重合溶
媒としての有機アミドは、中性溶媒であることが望まし
い。プレポリマーから超高分子量線状ポリマーを生皮さ
せる重合段階においては、もちろん上記の有機アミドを
用いることができる。また、例えば芳香族炭化水素類(
cm〜C5o)、脂肪族炭化水素類(c・〜C3゜)、
エーテル類(cS−C8゜)、ケトン類(cS−C3,
)、ピリジン又はキノリンあるいはこれらの誘導体(c
s−c so)、及びこれら同士又はこれらと有機アミ
ドとの混合物を用いることもできる。
本発明に係る方法の実施においては、第1に、アルカリ
金属スルフィド及びジノ10芳香族化合物を、望ましく
は不活性ガス雰囲気下において有機溶媒中に加え、温度
を、反応が起こる所望の温度に上昇させる。ここで、ア
ルカリ金属スルフィド中の含水率が所望の値に満たない
場合には、必要量の水を補充する。
前重合は、好ましくは160〜260℃、特に好ましく
は180〜235℃の範囲の温度で行われる。160℃
よりも低い温度においては反応速度が遅すぎ、一方26
0℃を超える温度では生皮するPASが分解しやすく、
極めて低い溶融粘度を有するPASLか製造されない。
前重合段階の終了点及び前重合から二相分離重合へ切り
替える時期は、ジハロ芳香族化合物の転化が70−98
モル%に達した時点が好ましい。
前重合から二相分離重合へ切り替える時点においては、
PASの溶融粘度は5〜300ポイズの範囲が好ましい
。1000ボイズ以上の溶融粘度を有する高い重合度の
PASを得るためには、10〜200ボイズの範囲がよ
り好ましい。5ポイズ未溝の粘度では、二相分離の形成
が不十分であり、そのために重合系の分解又は反応速度
の低下が速やかに起こる。300ボイズを超える粘度で
は、ポリマー開裂を促進する有害物質が大量に蓄積し、
そのために望ましくないことにポリマー収率の低下及び
ポリマー系の分解が起こる。
米国特許14.s4s、a26号において記載されてい
る重合法は、均−重合又はランダム共重合のみならずブ
ロック共重合にも利用することができる。例えば、精製
したp−フェニレンプレポリマーと精製したm−7エニ
レンブレボリマーとを、同一の重合容器中に分散させ、
二相分離重合段階ヲ行い、それによってp−フェニレン
スルフィド7’m−フェニレンスルフィトフロックコポ
リマーを容易に得ることができる。
選択的に水素化されたブロックコポリマーポリアリーレ
ンスルフィドの衝撃強度を改良するために、全組成物を
基準として少なくとも5重量%、好ましくは約10〜約
30重量%、より好ましくは約10〜約201L量%の
、カルボキシル官能基を含むように変性された選択的に
水素化されたブロックコポリマーエラストマーを加える
本発明の衝撃強度改良剤は、上記記載の米国特許第4,
783,503号に詳しく記載されている。
変性されたブロックコポリマー 本発明による変性されたブロックコポリマーは、以下の
反応式によって示されるように、ビニルアレーンブロッ
クにおいてグラフト又は置換される。
ビニルアレーンブロックにおけるポリマー骨格上の官能
基の配置によって特に決定された置換ブロックコポリマ
ーの構造によって、実質的により大きな熱安定性がブロ
ックコポリマーに与えられる。
ブロックコポリマーベース 用いることのできる複合ジエン及びビニル芳香族炭化水
素のブロックコポリマーとしては、エラストマー特性を
示し、水素化の前に約7〜約1゜0%の1.2−微細構
造を有する任意のものが挙げられる。かかるブロックコ
ポリマーは、ビニル芳香族炭化水素に対して種々の比の
複合ジエンを含む種々の構造のマルチブロックコポリマ
ー、例えば、約60重量%以下のビニル芳香族炭化水素
を含むものであってよい。したがって、線状又は放射対
称あるいは非対称であり、式:^−81五−B−ム、A
−B−A−B、 B−A−B、 (ム8)。+1+!−
−−!IAなど(ここで、Aはビニル芳香族炭化水素の
ポリマーブロック又は複合ジエン/ビニル芳香族炭化水
素チーバード(t!pered)コポリマーブロックで
あり、Bは複合ジエンのポリマーブロックである)によ
って示される構造を有するマルチブロックコポリマーを
利用することができる。
ブロックコポリマーは、例えば米国特許第3゜251.
905号、同第3,390,207号、同第3,598
,887号及び同第4,219,627号において示さ
れているような、周知のモノマー逐次付加法、モノマー
増分付加(ineremeotsl addition
)法又はカップリング法をはじめとする任意の公知のブ
ロック重合法又は共重合法によって製造することができ
る。ブロックコポリマーの技術分野においては周知のよ
うに、テーパートコポリマーブロックは、複合ジエンと
ビニル芳香族炭化水素上ノマーとを、それらの共重合反
応速度の違いを利用して共重合することによってマルチ
ブロックコポリマー中に含ませることができる。ここで
参照として記載する米国特許第3,251,905号、
同第3,265,765号、同第3,639,521号
及び同第4.208.356号をはじめとする種々の特
許文献において、テーパートコポリマーフロックを含む
マルチブロックコポリマーノ製造が記載されている。
ポリマー及びコポリマーを製造するために利用すること
のできる複合ジエンは、4〜8個の炭素原子を有するも
のであり、l、3−ブタジェン、2−メチル−1,3−
ブタジェン(インブレン)、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジェン、1.3−ペンタジェンなどが挙げられる
。かかる複合ジエンの混合物を用いることもできる。好
ましい複合ジエンは1゜3−ブタジェンである。
コポリマーを製造するために用いることのできるビニル
芳香族炭素原子としては、スチレン、0−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−t!rt−ブチルスチレ
ン、l、3−ジメチルスチレン、σ−メチルスチレン、
ビニルナフタレン、ビニルアントラセンなどが挙げられ
る。好ましいビニル芳香族炭化水素はスチレンである。
所望の場合には上記記載のポリマー及びコポリマーを、
上記記載の方法によって速やかに製造することがでさる
ことに注意すべきである。しかしながら、これらのポリ
マー及びコポリマーの多くは市販されているので、通常
は、全工程に含まれる処理工程の数を減らすことができ
るので、市販のポリマーを用いることが好ましい。これ
らのポリマー及びコポリマーの水素化は、ラネーニッケ
ル、白金、パラジウムなどのような貴金属及び可溶性遷
移金属触媒のような触媒の存在下における水素化をはじ
めとする種々のよく確立された方法によって行うことが
できる。用いることのできる好適な水素化法は、ジエン
含有ポリマー又はコポリマーをシクロヘキサンのような
不活性炭化水素希釈剤中に溶解し、可溶性水素化触媒の
存在下における水素との反応によって水素化する方法で
ある。かかる方法は、参照としてここに記載する米国特
許第3,113,986号及び同第4,226゜952
号に記載されている。ポリマー及びコポリマーは、水素
化の前に、ポリジエンブロック中に元の不飽和部分の約
0.5〜約20%の残留不飽和部分を有する水素化ポリ
マー及びコポリマーが得られるように水素化される。
グラフト可能な化合物 概して、ベースポリマーと反応しうる全ての物質を本発
明の目的のために用いることができる。
ベースポリマー中に官能基を導入するためには、ベース
ポリマーと反応し得るモノマーが必要である。モノマー
は、重合可能なものでも重合不可能なものであってもよ
いが、好ましいモノマーは重合不可能であるか又はゆっ
くりと重合するものである。
本発明の範躊に含まれるグラフトポリマーを形成する好
ましい求電子性分子の種類としては、以下の群からの反
応物質が挙げられる。即ち、二酸化炭素、エチレンオキ
シド、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸塩類、それ
らのエステル類及びハロゲン化物類、エポキシド類、イ
オウ、ポロンアルコキシド類、イソシアネート類及び種
々のケイ素化合物である。
これらの求電子性分子は、N、N−ジメチル−p−アミ
ノベンズアルデヒドの場合のように(この場合にはアミ
ンが更なる官能基であり、アルデヒドが反応性求電子性
分子である)更なる官能基を有していてよい。また、求
電子性分子は、反応してそれ自体官能性部位となること
ができる。例えば、二酸化炭素(求電子性分子)は、メ
タレート化ポリマーと反応してカルボキシレート官能基
を形成する。これらの経路によって、1以上の以下の群
の官能性のタイプから選択されるグラフトされる部位を
有するポリマーを調製することができる。
即ち、カルボン酸、それらの塩類及びエステル類、ケト
ン類、アルコール類及びアルコキシド類、アミン類、ア
ミド類、チオール類、ポレート類、及びケイ素原子を有
する官能基。
これらの官能性部位は、他の変性材料と反応して新たな
官能基を生成することができる。例えば、上記記載のグ
ラフトされたカルボン酸は、グラフトにおいて得られる
酸基を、種々の炭素原子長のヒドロキシ含有化合物との
適当な反応によってエステル化することによって好適に
変性することができる。ある場合においては、反応はグ
ラフト工程と同時に行うことができるが、はとんどの場
合において、連続する後変性反応で行われる。
グラフトされたポリマーは、通常、0.02〜20、好
ましくは0.1−10、最も好ましくは(12〜5重量
%のグラフト部位を有する。
変性ブロックコポリマーの調製 ポリマーは、上記記載の米国特許第4,783゜503
号に記載されているもののような任意の通常の方法によ
って調製することができる。
ベースポリマー中に、最初にビニルアレーンブロックに
おいて官能性基を導入する方法の例はメタレーションで
ある。
メタレーションは、式:R″(Li)、によって表すこ
とのできるリチウム成分と極性メタレーション促進剤と
の組み合わせによって形成されるコンプレックスを用い
て行われる。極性化合物及びリチウム成分は、別々に加
えても、あるいは水素化コポリマーの溶液に加える前に
あらかじめ混合若しくはあらかじめ反応させて付加物を
形成させてもよい。上式: R’(L i )、で表さ
れる化合物において、R′は、通常、任意の長さの、し
かしながら通常は20個以下の炭素原子を有する飽和炭
化水素基であり、フェニル、ナフチル、トリル、2−メ
チルナフチル等のような芳香族基であっても、あるいは
、例えば5〜7個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素
基、5〜7個の炭素原子を有するモノ不飽和環式炭化水
素基、1〜20個の炭素原子を有する非複合不飽和脂肪
族炭化水素基、又はアルキル基上に1個以上の芳香族基
を有しアルキル基が1〜20個の炭素原子を有するアル
キルリチウム類であってもよい。式: R’(L i 
)、において、Xは1〜3の整数である。代表的なもの
としては、例えば、メチルリチウム、イングロビルリチ
ウム、5ee−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、
t−ブチルリチウム、n−ドデシルリチウム、1.4−
ジリチオブタン、1,3.5−トリリチオペンタンなど
が挙げられる。リチウムアルキル類は、生成するメタレ
ート化アルキルよりも塩基性でなすればならない。勿論
、他のアルカリ金属又はアルカリ土類金属アルキル類を
用いることができるが、その容易に入手できることから
りチウムアルキル類が好ましい。同様に、金属水素化物
をメタレーション試薬として用いることができるが、水
素化物は適当な溶媒中において限定された溶解性しか有
さない。したがって、金属アルキル類が好ましく、より
大きな溶解性のものが処理しやすく好ましい。
リチウム化合物単独では、通常は、芳香族及びオレフィ
ン系官能基を有するコポリマーをメタレージ1ンするの
は、相当に困難であり、高温下で行われ、このt;めに
コポリマーが分解する傾向がある。しかしながら、第3
級ジアミン類及び架橋ヘッド(bridHbe*d)モ
ノアミン類の存在下においては、メタレーションは速や
かにかつスムーズに進行する。幾つかのリチウム化合物
、特にメチルリチウムタイプの化合物は、単独で有効に
用いることができる。
メクレーンヨンは、芳香族基が結合している炭素におい
て起こるか、あるいは芳香族基又はこれらの部位の1以
上において起こることが示された。
いずれの場合においても、極めて多数のリチウム原子が
、反応性又はリチウム化可能な部位の分布に依存して、
ポリマー骨格に沿って又はそれからの懸垂基においであ
るいはこれらの両方において、ポリマー鎖に沿ってさま
ざまに配置し、ポリマー末端炭素原子から離隔している
内部炭素原子に結合することが示された。このことによ
って、重合に8いてリチウム又はポリリチウム開始剤を
用い、したがって引き続く付加に利用し得る位置の数及
び配置を限定することによって調製される単純な末端反
応性ポリマーからこのリチウム化されたコポリマーが区
別される。ここに記載されているメタレーション法を用
いると、リチウム化(lilhiaLion)の範囲は
、用いるメタレーション剤及び/又はメタレーションに
利用することのできる基の量に依存する。terL−ブ
チルリチウムアルキルのようなより塩基性のりチウムア
ルキルを用いると、極性メタレーション促進剤を用いる
必要はない。
極性化合物促進剤としては、種々の第3級アミン、架橋
ヘッドアミン、エーテル類及び金属アルコキシド類が挙
げられる。
メタレーション工程において有用な第3級アミンは、各
窒素に結合した三つの飽和脂肪族炭化水素基を有するも
のであり、その例としては、例えば、 (3)キレート化第3級ジアミン、好ましくは次式: %式%: (ここで R2は、それぞれ、同一であっても異なって
いてもよく、20個以下又はそれ以上の炭素原子を有す
る任意の鎖長の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、y
は2〜10の任意の数である)のもの、特に全てのアル
キル置換基が同一であるエチレンジアミン(例としては
、例えばテトラメチルエチレンジアミン、テトラエチル
エチレンジアミン、テトラデシレンジアミン、テトラオ
クチルヘキシレンジアミン、テトラ−(混合アルキル)
エチレンジアミンなどが挙げられる):(b)環式ジア
ミン類、例えば、N 、N 、N’、N’−テトラアル
キル−1,2−ジアミノシクロヘキサン類、N 、N 
、N’、N″−テトラアルキル−1,4−ジアミノシク
ロヘキサン類、N、N’−ジメチルピペラジンなど; (e)架橋ヘッドジアミン類、有用なものとしては例え
ばスパルテイン(sparteime)、トリエチレン
ジアミンなど; が挙げられる。
トリエチレンジアミンのような第3級アミンは、概して
、リチウム化反応においてはそれほど有効ではない。し
かしながら、1−アザビシクロ[2,!。
!]オクタン及びその置換類縁体のような架橋ヘッドモ
ノアミン類は有効である。
エーテル類及びアルカリ金属アルコキシド類は、現在の
ところ、引き続くグラフト化反応においてコポリマー骨
格上への官能基含有化合物の導入のレベルがやや低いの
で、メタレーション反応のための活性化剤としては、キ
レート化アミンよりも好ましくない。
概して、飽和炭化水素類のような不活性溶媒中でリチウ
ム化反応を行うことが最も望ましい。ベンゼンのような
芳香族溶媒は、リチウム化されることができ、水素化コ
ポリマーの所望のリチウム化を妨害する可能性がある。
好適な溶媒/コポリマーの重量比は、概して、約5:1
〜20:1の範囲内である。塩素化炭化水素類、ケトン
類及びアルコール類のような溶媒は、リチウム化化合物
を分解するので用いてはならない。
極性メタレーション促進剤は、メタレーションを起こす
のに十分な量、例えばりチウムアルキルの1当量あたり
0.0l−Zoo、より好ましくは0.1〜約lO当量
の量存在させることができる。
所望量のリチウム化のために用いるリチウムの当量は、
概して、コポリマー中のビニルアレーン単位1単位あた
り約0.001〜3当量の範囲、現在では変性されるコ
ポリマー中のビニルアレーン単位1単位あたり約0.0
1〜1.0当量の範囲である。極性促進剤に対する活性
リチウムのモル比は、0.01〜1O80のように変化
させることができる。好ましい比は0.5である。
用いるアルキルリチウムの量は、Li/ビニルアレーン
モル比で表すことができる。この比は、lの値(ビニル
アレーンl単位あたりリチウムアルキル 00単位あたりリチウムアルキル1)という低い値まで
変化させることができる。
リチウム化工程は、約−70℃〜+150℃というよう
な範囲、現在好ましくは約25〜60℃の範囲で行うこ
とができる。上限の温度はリチウム化合物の熱安定性に
よって制限される。下限の温度は、生成コストを考慮し
て、反応速度が低温であまりに遅くならないように制限
される。リチウム化及び引き続く反応を完了するのに必
要な時間は、混合条件及び温度に大きく依存する。概し
て、時間は数秒から約72時間まで変化させることがで
き、現在好ましくは約1分〜1時間である。
グラフト化段階 変性ブロックコポリマーを調製する工程における次の段
階は、溶液中において、急冷しないで、リチウム部位を
破壊しないような方法で、リチウム化された水素化コポ
リマーをリチウムアニオンと反応しうる種で処理するこ
とである。これらの種は、リチウムアニオンによる求核
性攻撃を受は得る官能基を有していなければならない。
かかる種は、以下に示す官能基を有するが、官能基はこ
れらに限定されるものではない。
I        :カルボキシル ーC −O − C−OH       :ヒドロキシル−OR :エーテル C−R 二ケトン ■ −H :アルデヒド C−NR。
:アミン l       ニアミド −NR2 C−SH      :チオール C−B(OR)2   、硼素含有基 C−Si−     :ケイ素含有基 また、この方法は、変性ブロックコポリマーの化学変化
を更に含むものである。例えば、カルボン酸塩含有変性
ブロックコポリマーのカルボン酸形態への転化は容易に
行うことができる。
ブレンド 本発明の組成物中においては、全量で、全組成物の約6
5重量%以下、好ましくは約30〜約60重量%の量の
無機充填剤及びガラス充填剤を存在させることができる
。本発明において有用な無機充填剤は、炭酸カルシウム
、硫酸カルシウム、タルク、マイカなどのような物質か
ら選択することができる。また、ガラス材料は、一般に
ポリマーブレンドにおいて充填剤及び強化剤としての用
途を見出すことのできる市販の任意の製品から選択する
ことができる。これらは、ガラス繊維又はガラスピーズ
から選択することができ、例えば本発明に関してはガラ
ス繊維が好ましい物質である。
ポリアリーレンスルフィドをベースとするポリマーブレ
ンドにおいて通常的であるように、種々の他の転化剤を
、全組成物の約5重量%以下の少量用いることができる
。これらの転化剤としては、流れ改良剤、シラン類及び
顔料のような物質が挙げられる。
本発明11戊物において用いることのできる加工性改良
剤は、固体エチレンポリマー(米国特許第4、134,
874号参照)、ステアリン酸亜鉛及びN,N’−アル
キレンビス(アルカンアミド)のような飽和脂肪酸、1
0〜30個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のグリセリド
類及びホスフェート化グリセリド類、飽和脂肪酸から誘
導されるモノ及びジアルカノールアミド類、並びに、飽
和長鎖脂肪酸及び長鎖飽和脂肪族アルコールから誘導さ
れるエステル類の中から選択することができる。
炭酸リチウムのような一般的な充填剤もまた加工性改良
剤として好適である。シランカップリング剤を加えるこ
とによって、ガラス充填組成物の物理特性が改良され、
特にかかる組成物の熱特性が大きく改良されることが分
かった。例えば、γーアミノトリエトキシシランのよう
なアミノアルコキンシラン類がこの点に関して有用であ
ることが分かった。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂組成物は、例え
ば、所定量のポリアリーレンスルフィド樹脂、耐衝撃性
改良剤、及び場合によっては、ガラス繊維を、通常のミ
キサー、例えばタンブルミキサーを用いて混合し、混合
物を押出機又は混練機を用いて溶融混練し、そして所望
の場合には溶融混練した混合物をペレット化することに
よって調製することができる。
本発明の組成物を調製したら、これを用いて好適で当該
技術において公知な任意の方法に従って成形物品を製造
することができる。本発明の組成物は、組成物を射出成
型装置中に導入して溶融体を調製し、これを、底形する
部品の形状の射出型中に押出す射出戊型法番こ特に適し
ている。
本発明の改良されたポリアリーレンスルフィド組成物を
用いて、コネクター、ボビン、コイル、レラブ(rel
xvs)のような(しかしこれらに限定されるものでは
ない)電子部品を製造することができる。本発明の特徴
には、ポリアリーレンスルフィド組成物のような樹脂様
組成物から少なくとも部分的に製造することのできる全
ての電子部品を包含するものである。
本発明の他の特徴によれば、電子部品を本発明のポリア
リーレンスルフィド組成物でカプセル封入することがで
きる。本発明のこの特徴にしたがってカプセル封入され
る電子部品としては、広範には、カプセル封入すること
が望ましい全ての電子部品、即ち、器具、パーツ等が挙
げられる。多くの電子部品がポリアリーレンスルフィド
組成物を用いて製造又はカプセル封入されているか、あ
るいは、ポリアリーレンスルフィド組成物で製造又はカ
プセル封入することができると示唆されている。本発明
は、記載されているいかなる特定の部品にも制限される
ものではなく、ポリアリーレンスルフィド成形組放物か
ら製造することのできる全ての電子部品を包含するもの
である。
実施例1 種々の量の異なる水素化ブロックコポリマー耐衝撃性改
良剤を用いてポリフェニレンスルフィド(PPS)組成
物゛を調製した。非充填及びガラス充填組成物を調製し
た。試料を、衝撃強度、例えば、ノツチ付アイゾツト衝
撃強度及び非ノツチアイゾツト衝撃強度、並びに他の物
理特性に関して、標準ASTM法によって試験した。機
器術1! (i n slrwmenL impsct
)を、2又は4インチのディスク及び33ポンドの落錘
重量を用いたレオメトリー落錘重量試験器によって測定
した。
全ての配合物は、ForLroa、 P P S (H
oecbst Ce1anese)、及びKraton
耐衝撃性改良剤(Shell 0ilCo、)から調製
した。試料1.3.4及び5は、非グラフト水素化ブロ
ックコポリマー又はジエンブロックにおいて示されてい
るグラフトを有するブロックコポリマーである。試料2
は、本発明の耐衝撃性改良剤を含むものである。Hia
ksF1錐ツインスクリュー押出Ia(システム90)
で、295〜315℃のノズル温度において押出し、1
25〜135°Cの型温度の成形型中に射出した。潤滑
剤(PETS)を全ての配合物に0.3%の濃度で加え
た。ガラス配合物の場合には、予め化合したPPS/ガ
ラス組成物(ガラス40%)を用いて、耐衝撃性転化剤
との混合の均一性を確保した。
組成物及び試験結果を表1及び2に示す。
非充填試料 表Nから、本発明のカルボキシル変性耐衝撃性改良剤、
試料2によってノツチ付きアイゾツト衝撃強度の大きな
増加が得られたことが分かる。20%のレベルにおいて
、試料2は、PPS対照例(試料2のアイゾツト衝撃強
度が5.3 ft、lbs/inであるのに対して対照
例は0.54 ft、Ibs/inであった)及び他の
試験した変性剤とよく比較できる。
このデータは、試験した試料の40%がこの改良剤によ
って「破断しない(on break)Jことを反映し
てはいない。同様に、本発明の耐衝撃性改良剤を10%
含ませt;試料の非ノツチ付きアイゾツト衝撃強度のデ
ータは、PPS対照例の4倍の増加を示す(本発明: 
471t、lbs/inに対して対照例: 12 、9
 ft、Ibs/in) 。装置衝撃(instrum
entedimpacQは、試験した他の耐衝撃性改良
剤と比較して試料2が大きく改良されたことを示してい
ないが、この配合物が試験したものの中で最も高い全エ
ネルギーを有していたことを示した。試料2のみが、含
有10%において延性の破断を有してい lこ 。
更に、KraLonを単純にマレエート化(n+ale
aniting)するだけでは耐衝撃性における改良は
得られなかった。マレエート化したトリブロック、試料
lは、極めて低い装置衝撃測定値を有していた。
充填試料 ガラス充填配合物(改良剤10%/ガラス36%)にお
いては、本発明の耐衝撃性改良剤を加えることによって
、40%ガラス/PPS対照充填試料に対して若干改良
された。ノツチ付きアイゾツト衝撃値は1 、 I N
、lbs/inに対して1.9ft、T。
s/inであり、装置衝撃全エネルギーは、24 in
、1bsに対して45 in、lbsであることが分か
った。他の全ての改良剤は、ガラス充填配合物において
はわずかな改良しか得られなかった。
表2を参照すると、物理特性(即ち引張強度及び曲げ強
度)が、これらの耐衝撃性改良剤を導入することによっ
て期待どおりに影響を受けた。非充填系における結果が
充填系における結果に反映された。伸びは全ての場合に
おいて(特に試料2に関して)増加した。熱特性(HD
 T)は、選択される耐衝撃性改良剤に関連することが
明らかであるが、全ての場合に低下が起こった。低下は
、また、優れた衝撃特性を有する試料2の系に関して観
察された。
実施例2 Krxtonで耐衝撃性を改良したForLrenP 
P Sの更なる試料を配合した。全ての試料は、28厖
■のZSK押出機で化合した。約320℃の押出し温度
を用いた。成形型温度は実施例1と同等であった。高充
填系の押出しは困難であった。高充填ガラス/無機物質
配合物においては、より低粘度のPPS樹脂を用いた。
組成物及び試験結果を表3〜6に示す。
非充填系における耐衝撃性改良剤の影響(表5)本発明
の耐衝撃性改良剤の濃度と共にノツチ付きアイゾツト衝
撃強度が直線的に変化しく試料1〜4)、25%におい
て、非グラフト化市販耐衝撃性改良剤(試料5〜7)と
比較して優れたノツチ付きアイゾツト衝撃強度が得られ
たことが分かる。装置衝撃全エネルギー及びビーク力は
耐衝撃性改良剤濃度10%で最大になると思われるが、
破砕開始時の撓みは耐衝撃性改良剤のレベルと共に直線
的に変化した。種々の分子量の非グラフト化Kt*Lo
nを用いることによって(試料5〜7)、ノツチ付きア
イゾツト衝撃強度が、最も高い分子量のKr5toi 
1651において最大となり、より低い分子量の耐衝撃
性改良剤であるKrxtoo 1652はより高い全エ
ネルギー及びピーク力値を有することが示された。
ガラス/衝撃値(表4) ガラス及び衝撃レベルの両方を増加させることによって
ノツチ付きアイゾツト衝撃強度及び装置衝撃レベルが良
好に影響を受けるが、HDTレベルはガラスレベルの増
加のみに影響を受けることが分かった。
シランの影響(表3及び4) ガラス40%及び耐衝撃性改良剤12.5%の組成物(
試料5)にシランを加えることによって、配合物の物理
的特性、衝撃特性及びHDT特性が著しく改良された。
試料6と比較せよ。これは、この転化剤が、ガラス、耐
衝撃性改良剤及びPPSマトリクスに結合する能力を有
することに関連するものであろう。
Krajonの分子量の影響(表6) 表6から、ブロックコポリマーの分子量がPPSブレン
ドの得られる特性に大きな影響を与える可能性があるこ
とが分かった。本発明の耐衝撃性改良剤は、Kr1to
a 1650にほぼ等しい分子量を有するが、より高分
子量のKr5too 1651に類似した特性を有する
ことが分かった。
耐燃性 予期しなかったことに、本発明の耐衝撃性改良剤を含む
PPS組成物は、同様の耐衝撃性改良剤を含むPPS組
成物と比較して改良された耐燃性を有することが分かっ
た。
ULブレティン94に従った燃焼性試験において規定さ
れる自己消炎グレードV−o及びV−1を材料に与える
ためには、材料は、短い燃焼時間を有し、燃焼時間中に
起こるドリッピングによって材料の下に配置された縞を
発火させることがないことが必要である。
表3を参照すると、ガラス充填組成物は、一つの例を除
いては、それぞれUL94のv−0又はV−1を有し、
燃焼性試験をバスすることが分かる。非グラフト化Kr
xton試料でざえも十分な耐燃性を有していた。しか
しながら、非充填試料は、本発明の耐衝撃性改良剤を用
いると実質的な相違を示した(表5)。本発明の耐衝撃
性改良剤を含む四つのPPS組成物の全て及び耐衝撃性
改良剤を含まない対照例が燃焼性試験をバスした。非グ
ラフト化[rltea材料は、それぞれ試験に不合格で
あった。表6においては、ガラス充填弁グラフト化Kr
xtomも、試験バーの寸法が減少し、燃焼性試験に不
合格であったことがわかる。本発明の耐衝撃性改良PP
S組成物は、■−〇及びV−1値を保持した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ポリアリーレンスルフィドと、衝撃強度改良量の次
    式: B_n(AB)_oA_p (式中、nは0又は1であり、oは1〜50であり、p
    は0又は1であり、Aはそれぞれ、主として、重合され
    たモノアルケニル芳香族又はビニルアレーン(aren
    e)炭化水素ブロックであり、Bはそれぞれ、水素化の
    前には主として、重合された複合ジエン炭化水素ブロッ
    クである) を有し、それにカルボキシル官能性基を含む求電子性の
    グラフト可能な分子及び求電子性分子からなる群より選
    択される少なくとも一つのグラフト可能な官能性分子が
    グラフトされている、官能化され、選択的に水素化され
    ているブロックコポリマーとの耐衝撃性ポリアリーレン
    スルフィド組成物であって、該求電子性分子が二酸化炭
    素であり、該求電子性のグラフト可能な分子又は求電子
    性分子の実質的に全てが、モノアルケニル芳香族又はビ
    ニルアレーン(arene)ブロックにおいてブロック
    コポリマーにグラフトしており、該カルボキシル官能性
    基がカルボン酸、その塩及びエステルであることを特徴
    とする前記組成物。 2、該ブロックコポリマーが組成物の少なくとも約5重
    量%を構成している請求項1記載の組成物。 3、更にガラス繊維を含む請求項1記載の組成物。 4、該ガラス繊維が組成物の20〜65重量%を構成し
    ている請求項3記載の組成物。 5、該ブロックコポリマーが組成物の少なくとも約10
    〜約30重量%を構成している請求項1記載の組成物。 6、該ブロックコポリマーが、スチレン−エチレン/プ
    ロピレンブロックコポリマー又はスチレン−エチレン/
    ブチレン−スチレンブロックコポリマーである請求項1
    記載の組成物。 7、該ビニル芳香族ブロックAがスチレンである請求項
    1記載の組成物。 8、該ブロックコポリマーが該組成物の約20重量%を
    構成している請求項1記載の組成物。 9、更にシランを含む請求項3記載の組成物。 10、該シランがアミノシランである請求項9記載の組
    成物。 11、該グラフト可能な官能性分子が求電子性分子であ
    り、該求電子性分子が二酸化炭素である請求項1記載の
    組成物。 12、該グラフト可能な官能性分子が、カルボキシル官
    能性基を有する求電子性のグラフト可能な分子であり、
    該カルボキシル官能性基がカルボン酸基、その塩及びエ
    ステルである請求項1記載の組成物。 13、グラフトされた分子又はその誘導体が、約0.0
    2〜20重量%存在する請求項1記載の組成物。 14、グラフトされた分子又はその誘導体が、グラフト
    ブロックコポリマーを基準として約0.1〜10重量%
    存在する請求項1記載の組成物。 15、グラフトされた分子又はその誘導体が、グラフト
    ブロックコポリマーを基準として約0.2〜5重量%存
    在する請求項1記載の組成物。 16、該ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンス
    ルフィドである請求項1記載の組成物。 17、該ポリアリーレンスルフィドがポリフェニレンス
    ルフィドホモポリマーである請求項1記載の組成物。 18、該ポリアリーレンスルフィドが、p−フエニレン
    スルフィド反復単位及びm−フェニレンスルフィド反復
    単位を有する請求項17記載の組成物。 19、該ポリフェニレンスルフィドが、アルカリ金属ス
    ルフィド、1以上のジハロベンゼン類及びトリハロベン
    ゼン類の反応によって得られるものである請求項16記
    載の組成物。 20、(a)ポリフェニレンスルフィド; (b)組成物基準で約1〜約30重量%の次式: B_n(AB)_oA_p (式中、nは0又は1であり、oは1〜50であり、p
    は0又は1であり、Aはそれぞれ、生として、重合され
    たモノアルケニル芳香族又はビニルアレーン(aren
    e)炭化水素ブロックであり、Bはそれぞれ、水素化の
    前には主として、重合された複合ジエン炭化水素ブロッ
    クである) を有し、それにカルボキシル官能性基を含む求電子性の
    グラフト可能な分子及び求電子性分子からなる群より選
    択される少なくとも一つのグラフト可能な官能性分子が
    グラフトされており、該求電子性分子が二酸化炭素であ
    り、該求電子性のグラフト可能な分子又は求電子性分子
    の実質的に全てが、モノアルケニル芳香族又はビニルア
    レーン(arene)ブロックにおいてブロックコポリ
    マーにグラフトしており、該カルボキシル官能性基がカ
    ルボン酸、その塩及びエステルであることを特徴とする
    、官能化され、選択的に水素化されているブロックコポ
    リマー;及び (c)ガラス繊維; を含む耐衝撃性ポリアリーレンスルフィド組成物。 21、該ガラス繊維が組成物の20〜65重量%を構成
    する請求項20記載の組成物。 22、該ブロックコポリマーがスチレン−エチレン/プ
    ロピレンブロックコポリマ又はスチレン−エチレン/ブ
    チレン−スチレンブロックコポリマーである請求項20
    記載の組成物。 23、該ビニル芳香族ブロックAがスチレンである請求
    項20記載の組成物。 24、更にシランを含む請求項20記載の組成物。 25、該シランがアミノシランである請求項24記載の
    組成物。 26、該グラフト可能な官能性分子がカルボキシル官能
    性基を有する求電子性のグラフト可能な分子であり、該
    カルボキシル官能性基がカルボン酸、その塩及びエステ
    ルである請求項20記載の組成物。 27、該ポリフェニレンスルフィドがポリフェニレンス
    ルフィドホモポリマーである請求項30記載の組成物。 28、該ポリフェニレンスルフィド樹脂がp−フェニレ
    ンスルフィド反復単位及びm−フェニレンスルフィド反
    復単位を有する請求項20記載の組成物。 29、該ポリフェニレンスルフィドが、アルカリ金属ス
    ルフィド、1以上のジハロベンゼン類及びトリハロベン
    ゼン類の反応によって得られるものである請求項20記
    載の組成物。 30、該ポリフェニレンスルフィドが、少なくとも部分
    的に、重合後の熱処理によって硬化せしめられている請
    求項16記載の組成物。 31、請求項1記載の組成物を成形することによって得
    られる物品。
JP2179405A 1989-07-07 1990-07-06 衝撃性の改良されたポリフェニレンスルフィド Expired - Lifetime JPH0647650B2 (ja)

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