JP2736972B2 - ポリフェニレンサルファイド組成物 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド組成物

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JP2736972B2
JP2736972B2 JP63063103A JP6310388A JP2736972B2 JP 2736972 B2 JP2736972 B2 JP 2736972B2 JP 63063103 A JP63063103 A JP 63063103A JP 6310388 A JP6310388 A JP 6310388A JP 2736972 B2 JP2736972 B2 JP 2736972B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、靭性に優れ、伸び、耐衝撃性、耐熱性に優
れたポリフェニレンサルファイド組成物に関するもので
ある。
[従来の技術] ポリフェニレンサルファイドは耐熱性、難燃性、耐薬
品性、剛性に優れた樹脂として知られているものの、他
のエンジニアリング樹脂と比べ耐衝撃性および伸び等の
靭性に乏しい。
このため、従来ポリフェニレンサルファイドの耐衝撃
性を改善するためガラス繊維等の充填剤を配合している
が、加熱収縮等の熱履歴歪を受けたり、低温下ではこの
方法では耐衝撃性の改善は充分でないのが現状である。
このため、これら問題点を解決するため、各種熱可塑
性エラストマー、熱可塑性樹脂を用いてポリフェニレン
サルファイドの耐衝撃性を改良する提案が数多くなされ
ている。
例えば、本出願人が提案した特開昭58−27740号公報
には、ポリアリレーンサルファイド等の樹脂とα,β−
不飽和カルボン酸の誘導体で変性した水添ブロック共重
合体とからなる、耐衝撃性、耐界面剥離性等に優れた変
性ブロック共重合体組成物があり、さらに本出願人が提
案した特開昭58−40350号公報には、ポリフェニレンサ
ルファイド等を含む熱可塑性樹脂とα,β−不飽和カル
ボン酸の誘導体で変性した水添ブロック共重合体および
エポキシ基含有重合体とから成る耐衝撃性に優れた熱可
塑性グラフト共重合体組成物がある。そして特開昭58−
154757号公報にはポリアリレーンサルファイドとα−オ
レフィン/α,β−不飽和酸のグリシジルエステル共重
合体から成る耐衝撃性、成形加工性に優れたポリアリレ
ーンサルファイド樹脂組成物が提案されており、特開昭
59−207921号公報にはポリフェニレンサルファイドと不
飽和カルボン酸またはその無水物またはその誘導体をグ
ラフト共重合したポリオレフィンおよびエポキシ樹脂か
ら成る耐衝撃性に優れた組成物が提案されており、さら
に特開昭62−153343号公報、特開昭62−153344号公報、
特開昭62−153345号公報には特定のポリフェニレンサル
ファイドとα−オレフィン/α,β−不飽和酸のグリシ
ジルエステル共重合体から成る耐衝撃性に優れたポリフ
ェニレンサルファイド樹脂組成物が提案されている。そ
の他、特開昭62−169854号公報、特開昭62−172056号公
報、特開昭62−172057号公報にも特定のポリフェニレン
サルファイドと不飽和カルボン酸またはその無水物また
はその誘導体をグラフト共重合したポリオレフィンから
成る耐衝撃性に優れたポリフェニレンサルファイド樹脂
組成物が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記したこれらの提案は夫々ある程度
の衝撃強度の改善がなされるものの、いまだ靭性に乏し
く、ことに伸びの改善が成されたものは見受けられない
のが現状である。
本発明者らはこの点を鑑み、従来、伸びを改良するこ
とが出来なかったポリフェニレンサルファイドに靭性を
付与し、伸びと耐熱性に優れたポリフェニレンサルファ
イドを得るべく鋭意検討を行なった結果、ポリフェニレ
ンサルファイドと特定の重合体を含む組成物がこの目的
を達成することを見いだし、さらにこれが実用化にも従
来に無い新規なポリフェニレンサルファイド組成物であ
ることを見いだし、本発明に到達した。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、 (1)(a)ポリフェニレンサルファイド50〜89.5重量
% (b)グリシジル基含有熱可塑性重合体 0.5〜30 重量
% (c)未変性の水添ブロック共重合体100重量部当り150
重量部以下の非芳香族系ゴム用軟化剤を含有する未変性
水添ブロック共重合体 10〜30 重量% 〔(a)+(b)+(c)=100重量%〕を含む、伸び
および耐衝撃性に優れたポリフェニレンサルファイド組
成物を提供するものである。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明で(a)成分として用いられるポリフェニレン
サルンファイド(以下PPSと略記する)は、結合単位: で示される繰り返し単位を70モル%以上、より好ましく
は90モル%以上を含む重合体であり、その繰り返し単位
の30モル%以下の範囲で下記の構造を有する繰り返し単
位を含んだ共重合体である。
上記したPPSの製造方法として、ハロゲン置換芳香族
化合物、例えばp−ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソー
ダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリ
ウムあるいは硫化水素ナトリウムと水酸化ナトリウムま
たは硫化水素と水酸化ナトリウムあるいはナトリウムア
ミノアルカノエートの存在下で重合させる方法、p−ク
ロルチオフェノールの自己縮合等が挙げられるが、中で
もN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等のア
ミド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナ
トリウムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適
当である。これら製造方法は公知の方法で得られるもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特
許第2513188号明細書、特公昭44−27671号公報、特公昭
45−3368号公報、特公昭52−12240号公報、特開昭61−2
25217号公報、および米国特許第3274165号明細書、英国
特許第1160660号さらに特公昭46−27255号公報、ベルギ
ー特許第29473号明細書等に記載された方法やこれら特
許等に例示された先行技術の方法で得ることが出来る。
本発明で用いるPPSは320℃における溶融粘度(せん断
速度1,000sec-1)が100〜10,000ポイズの中から任意に
選ぶことが出来、さらにPPSの構造は、直鎖状のもの、
分岐状のもの何れでもよく、またこれら構造の混合物で
あってもかまわない。
また、本発明の(a)成分として供するPPSは上記し
たもののほかに、酸変性されたPPSでもかまわない。
ここで酸変性したPPSとは、上記のPPSを酸化合物で変
性することによって得られるもので有り、該酸化合物と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイ
ン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、無水マレイン酸、無水モノメチルマレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等で代表される
不飽和カルボン酸またはその無水物が挙げられ、このほ
かに飽和型の脂肪族カルボン酸や、芳香族置換カルボン
酸等も挙げることができる。さらに酢酸、塩酸、硫酸、
リン酸、ケイ酸、炭酸等で代表される無機化合物系の酸
化合物も該酸化合物として挙げることができる。該酸化
合物の中では、有機酸化合物が好ましく不飽和カルボン
酸またはその無水物がより好ましく用いられる。
また、酸変性とは上記したPPSと上記の酸化合物を、P
PSの溶融、非溶融の状態でPPS100重量部に対して酸化合
物を0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、より好
ましくは0.2〜5重量部、PPSと接触混合させることを意
味するものであるが、かかる非溶融の状態で変性する際
は水、溶媒等の存在下で実施してもかまわない。
また、これら酸変性はラジカル発生剤の存在下または
非存在下で通常、室温以上〜350℃で実施することがで
き、その方法は特に限定されるものではなく、例えば、
PPSを粉末の状態で無機酸または無機酸の水溶液に浸漬
撹はんする方法や、PPSを加熱溶融させ有機酸と直接接
触混合させる方法が挙げられる。
つぎに本発明の(b)成分として用いられるグリシジ
ル基含有熱可塑性重合体は、(a)成分のポリフェニレ
ンサルファイドと(c)成分の水添ブロック共重合体と
の相溶性を向上させるための必須成分であり、グリシジ
ル基含有不飽和化合物を0.1〜20wt%、好ましくは0.5〜
15wt%共重合(ランダム共重合、ブロック共重合、グラ
フト共重合)した重合体である。
該グリシジル基含有不飽和化合物としては、例えばア
クリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、エタ
クリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、アリルグ
リシジルエーテル、マレイン酸ジグリシジルエステル、
マレイン酸メチルグリシジルエステル、マレイン酸エチ
ルグリシジルエステル、マレイン酸イソプロピルグリシ
ジルエステル、マレイン酸−tert−ブチルグリシジルエ
ステル、フマル酸ジグリシジルエステル、フマル酸メチ
ルグリシジルエステル、フマル酸イソプロピルグリシジ
ルエステル、2−メチレングルタル酸ジグリシジルエス
テル、2−メチレングルタル酸メチルグリシジルエステ
ル等が挙げられる。そして、該グリシジル基含有不飽和
化合物と共重合可能な単量体としては、スチレン、アク
リロニトリル、エチレン、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、酢酸ビニル等のビニル単量体が挙げら
れ、(b)成分として用いるグリシジル基含有熱可塑性
重合体はこれらグリシジル基含有不飽和化合物1種以上
と共重合可能なビニル単量体を1種以上を共重合または
グラフト共重合したものである。なお、グリシジル基含
有熱可塑性重合体において含まれる該グリシジル基含有
不飽和化合物が0.1wt%以下では(a)成分と(c)成
分の相溶性が充分とならず得られる組成物が層剥離し、
得られる組成物の靭性である伸びおよび耐衝撃性が望め
ず好ましくなく、また20wt%を超えても(a)成分と
(c)成分の相溶性はこの量を高めた効果は顕著でな
い。
この様にグリシジル基含有熱可塑性重合体は、上記し
た特徴を有するものであれば、熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマーいずれであっても構わないが、グリシジル
基含有熱可塑性エラストマーを用いた場合は得られるポ
リフェニレンサルンファイド組成物の耐衝撃性の改良に
有効である。
該グリシジル基含有熱可塑性重合体として具体的に
は、例えば、スチレン−グリシジルメタクリレート共重
合体、ゴム補強スチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−グリシジルメタ
クリレート共重合体、ゴム補強スチレン−アクリロニト
リル−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−
共役ジエン(ブタジエン、イソプレン等)ブロック共重
合体(結合スチレン量5〜95wt%)またはこのブロック
共重合体の水素添加物(結合スチレン量5〜95wt%の水
添ブロック共重合体)のグリシジルメタクリレートグラ
フト共重合物、エチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレ
ート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共
重合体にポリスチレンがグラフトしたもの、エチレン−
酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体にポリ
スチレンがグラフトしたもの、エチレン−プロピレン−
エチリデンノルボルネン共重合体(EPDMゴム)、エチレ
ン−プロピレン共重合体(EPゴム)およびエチレン−ブ
テン1共重合体にグリシジルメタクリレートをグラフト
した共重合体等が挙げられるが、上記したものに限定さ
れるものではなく、該グリシジル基含有熱可塑性重合体
は1種のみならず2種以上を本発明の(b)成分として
用いても構わない。
つぎに、本発明の(c)成分として用いる未変性水添
ブロック共重合体は、得られるポリンフェニレンサルフ
ァイド組成物の靭性を付与するための必須成分であり、
下記に示す未変性の水添ブロック共重合体に後記する非
芳香族ゴム用軟化剤を含んだものであり、得られる組成
物の伸び、衝撃強度、ことに低温衝撃強度を改良するた
めの必須成分である。ことに非芳香族系ゴム用軟化剤を
含んだ未変性水添ブロック共重合体は、非芳香族系ゴム
用軟化剤を含まない未変性水添ブロック共重合体と比べ
得られる組成物の伸び、衝撃強度、ことに低温衝撃強度
の改良効果が著しい。
ここで未変性の水添ブロック共重合体とは、少なくと
も1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBとから成るブロック共重合体を水素
添加して得られるものであり、例えば、A−B,A−B−
A,B−A−B−A,(A−B−)−Si,A−B−A−B−
A等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化
合物ブロック共重合体の水素添加されたものである。こ
の水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を5〜
95重量%、好ましくは10〜60重量%含み、さらに、ブロ
ック構造について言及すると、ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックAが、ビニル芳香族化合物のホ
モ重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物を50重量
%を超え好ましくは70重量%以上含有するビニル芳香族
化合物と水素添加された共役ジエン化合物との共重合体
ブロックの構造を有しており、そしてさらに、水素添加
された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
が、水素添加された共役ジエン化合物のホモ重合体ブロ
ックまたは、水素添加された共役ジエン化合物を50重量
%を超え好ましくは70重量%以上含有する水素添加され
た共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体
ブロックの構造を有するものである。また、これらのビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA、水素
添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クBは、それぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の
水素添加された共役ジエン化合物またはビニル芳香族化
合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖中に沿って
モノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロッ
ク状またはこれらの任意の組み合わせで成っていてもよ
く、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
および該水素添加された共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合
体ブロックはそれぞれ同一構造であってもよく、異なる
構造であってもよい。
水添ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1−ジフェニ
ルエチレン等のうちから1種または2種以上が選択で
き、中でもスチレンが好ましい。また水素添加された共
役ジエン化合物を構成する水添前の共役ジエン化合物と
しては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちか
ら1種又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレンおよびこれらの組合せが好ましい。そして、水添
加される前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選択
ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいて
は、1,2−ビニル結合構造が20〜60%、好ましくは25〜5
0%である。
また、上記した構造を有する本発明に供する未変性の
水添ブロック共重合体の数平均分子量は5,000〜1,000,0
00、好ましくは10,000〜800,000、さらに好ましくは30,
000〜500,000の範囲であり、分子量分布〔重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は10
以下である。さらに水添ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組
合せのいずれであってもよい。
これらの未変性の水添ブロック共重合体の製造方法と
しては上記した構造を有するものであればどのような製
造方法で得られるものであってもからわない。例えば、
特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチ
ウム触媒を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成し、次いで、
かかるビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体の水素添加物の製造方法としては、例えば特公
昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報に記載された
方法で得ることもできるが、特に得られる水添ブロック
共重合体の耐候性、耐熱劣化性に優れた性能を発揮する
チタン系水添触媒を用いて合成された水添ブロック共重
合体が最も好ましく、例えば、特開昭59−133203号公
報、特開昭60−79005号公報に記載された方法により、
不活性溶媒中でチタン系水添触媒の存在下に水素添加し
て、本発明に供する水添ブロック共重合体を合成するこ
とができる。その際、ビニル芳香族化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく脂
肪族二重結合は少なくとも80%を水素添加せしめ、共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを形態的にオ
レフィン性化合物重合体ブロックに変換させることがで
きる。
また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロッ
クA、および必要に応じて共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBに共重合されているビニル芳香族化
合物に基づく芳香族二重結合の水素添加率については特
に制限はないが、水素添加率を20%以下にするのが好ま
しい。該水添ブロック共重合体中に含まれる非水添の脂
肪族二重結合の量は、赤外分光光度計、核磁気共鳴装置
等により容易に知ることができる。
本発明の(c)成分として供する未変性水添ブロック
共重合体は上記した未変性の水添ブロック共重合体に非
芳香族系ゴム用軟化剤を含んだものである。供する該非
芳香族系ゴム用軟化剤は未変性の水添ブロック共重合体
だけの場合と比べ、得られる本発明の組成物な靭性、特
に伸び、および低温衝撃強度を著しく改良する効果を発
揮させる上で必要である。
供する該非芳香族系ゴム用軟化剤は、非芳香族系の鉱
物油または液状もしけは低分子量の合成軟化剤が適して
いる。一般にゴムの軟化、増容、加工性向上に用いられ
るプロセスオイルまたはエクステンダーオイルとも呼ば
れる鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環、
およびパラフィン鎖の三者が組合わさった混合物であっ
て、パラフィン鎖の炭素数が全炭素中50%以上を占める
ものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜
45%のものがナフテン系、または芳香族炭素数が30%よ
り多い物が芳香族系とされる。本発明の成分として用い
られる鉱物油系ゴム軟化剤は、上記の区分でナフテン系
およびパラフィン系のものが好ましい。これらの非芳香
族系ゴム用軟化剤の性状は、37.8℃における動粘度が20
〜500cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が170〜3
00℃を示すものが使用できる。その他に、合成軟化剤と
して液状ポリブテン、液状の低分子ポリブタジエン等が
使用可能であるが、上記鉱物油系ゴム用軟化剤のほうが
良好な結果を与える。
非芳香族系ゴム用軟化剤の配合量は、上記した未変性
の水添ブロック共重合体100重量部に対して150重量部以
下であるが、得られる本発明のポリフェニレンサルファ
イド組成物により優れた靭性(伸び、衝撃強度)を付与
するためには、5〜150重量部、より好ましくは10〜100
重量部が必要である。なお150重量部を超えた配合のも
のは、得られるポリフェニレンサルファイド組成物の表
面に軟化剤のブリードアウトを生じやすく好ましくな
い。また5重量部未満の配合では、なんら非芳香族系ゴ
ム用軟化剤を含まない本発明の水添ブロック共重合体だ
けの場合と同じ程度の靭性(伸びおよび低温衝撃強度)
を示すポリフェニレンサルファイド組成物が得られる。
なお、該非芳香族系ゴム用軟化剤は、該未変性の水添
ブロック共重合体に対し良好な溶媒であるため、前もっ
て該非芳香系ゴム用軟化剤を該未変性の水添ブロック共
重合体に含有させてもよく、また、本発明の組成物に得
る際に、該未変性の水添ブロック共重合体と該非芳香族
系ゴム用軟化剤を他の構成成分と一緒に添加してもよ
い。
本発明は、上記した特定した各成分を含む組成物であ
り、(a)成分を50〜89.5重量%、(b)成分を0.3〜3
0重量%、(c)成分を10〜30重量%〔(a)+(b)
+(c)=100重量%〕含むポリフェニレンサルファイ
ド組成物である。
(a)成分が50重量%に満たない場合は得られる組成
物が耐熱性に優れた樹脂組成物が得られず好ましくな
く、また95重量%を超える場合は望むとする靭性に優れ
たポリンフェニレンサルファイド組成物が得られず好ま
しくない。
そして、(b)成分が0.5重量%に満たない場合は、
得られるポリフェニレンサルファイド組成物の優れた靭
性が得られないのはもちろんのこと、層剥離が著しく好
ましくない。また、30重量%を超える場合は得られる組
成物の層剥離現象は認められないものの、供する(b)
成分が熱可塑性樹脂の場合、所望とするポリフェニレン
サルファイド組成物の優れた靭性が得られず好ましくな
く、さらに耐熱性の低下を生じ好ましくない。
そして、(c)成分が10%に満たない場合は所望とす
る靭性(伸び、衝撃強度)の改良が望めず好ましくな
く、さらに30重量%を超える場合は靭性の著しい改良が
達成できるものの、得られるポリフェニレンサルファイ
ド組成物の耐熱性能の低下も著しく好ましくない。
このような本発明のポリフェニレンサルファイド組成
物は、上記した(a),(b),(c)成分の各成分を
含むものであるが、さらにガラス転移温度(Tg)が150
℃以上の非結晶性熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等
を本発明のポリフェニレンサルファイド組成物中に含ま
せることができる。これら樹脂を添加することにより、
本発明の組成物は耐熱性能の向上が認められ、ことに熱
変形温度の改良および衝撃強度の改良も可能となる。こ
れらのガラス転移温度(Tg)が150℃以上の非結晶性熱
可塑性樹脂のうち、ポリフェニレンエーテルは、上記し
たように得られる本発明のポリフェニレンサルファイド
組成物に、例えば高荷重熱変形温度で代表される耐熱性
に良好な改良効果をもたらすほかに、本発明の組成物が
実質的にポリフェニレンサルファイドの溶融温度以上で
成形加工する際、本発明の(b),(c)成分の高温下
での酸化劣化による加熱分解を防止する上で重要な効果
を発揮するため、通常、本発明のポリフェニレンサルフ
ァイド組成物100重量部に対して、0.1〜50重量部添加す
ることが必要である。この目的で供するポリフェニレン
エーテルは、環元粘度(0.5g/d1、クロロホルム溶液、3
0℃測定)が、0.15〜0.70の範囲、より好ましくは0.20
〜0.60の範囲にあるホモ重合体および/または共重合体
のポリフェニレンエーテルが有用できる。
さらに必要に応じて、本発明のポリフェニレンサルフ
ァイド組成物の性質を損なわない程度に無機充填剤とし
て、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化鉄、酸化マグネシウム、アルミナ等)、ケイ酸塩
(カオリン、クレー、マイカ、ベントナイト、シリカ、
タルク、ワラステナイト、モンモリロナイト等)、水酸
化鉄、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、窒化ホウ
素、炭化ケイ素、ガラスビーズ、ガラス繊維、アルミナ
繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ケ
イ素繊維、窒化ホウ素繊維、アスベスト繊維、炭化ケイ
素繊維、ケイ酸カルシウム繊維、石こう繊維、ポリアミ
ド繊維、フェノール繊維、炭化ケイ素ウィスカ、チタン
酸カリウムウィスカ、等を添加することができ、更にカ
ーボン繊維、各種難燃剤、結晶化促進剤(造核剤)、メ
ルカプトシラン、ビニルシラン、アミノシラン、エポキ
シシラン等のシラン系カップリング剤、酸化防止剤、耐
熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定
剤、着色剤およびPPSの架橋度を制御する目的で架橋促
進剤としてチオホスフィン酸金属塩や架橋防止剤のジア
ルキル錫ジカルボキシレート、アミノトリアゾール等を
加えることも出来る。
本発明のポリンフェニレンサルファイド組成物は上記
した各成分を用いて種々の方法で製造することができ
る。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ブラ
ベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げられるが、中
でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。
この際の混練温度は特に限定されるものではないが通常
280〜400℃の中から任意に選ぶことが出来る。
このようにして得られる本発明のポリフェニレンサル
ファイド組成物は、従来より公知の種々の方法により、
プリント配線用基盤、電子部品封止材料、各種コネクタ
ー部品、耐熱塗料、薄肉成形品、繊維、シート、フィル
ム、チューブ等種々の形状の成形品に形成することがで
き、射出成形、押出成形、発泡成形等の加工方法が可能
で有り、具体的な用途分野としては、自動車、電気、電
子、機械、等の工業材料分野で耐熱性、難燃性、成形加
工性および耐衝撃性に優れた成形素材として広範囲に使
用することが出来る。
なお、電子部品の封止用としては、電子部品たとえ
ば、IC、トランジスター、ダイオード、コイル、コンデ
ンサー、抵抗器、バリスター、コネクター、各種センサ
ー、変換器、スイッチ等あるいはこれらをハイブリッド
化した部品を樹脂組成物で機械的保護、電気絶縁性の保
持、外部雰囲気による特性変化の防止等を目的で封止す
るために供するものであり、本発明のポリフェニレンサ
ルファイド組成物をこれらの電子部品封止用として供す
る場合、320℃における溶融粘度が1,500ポイズ以下、好
ましくは1,200ポイズ以下のものが好適に有用できる。
[発明の効果] 本発明のポリフェニレンサルファイド組成物は、靭
性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、成形加工性に優れるた
め、各種大型成形材料として利用できるほかに、高流動
性の要求される電子部品封止材料の用途でも靭性の付与
された素材として利用できる。
[実 施 例] 本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、こ
れらの実施例により限定されるものではない。
〈参考例1:PPSの調整〉 10LオートクレーブにN−メチルピロリドン1750gと硫
化水素2.7水塩を1153g(8.8モル)および水酸化ナトリ
ウム4.0(0.1モル)を仕込み、窒素雰囲気下で200℃ま
で約2時間かけて撹はんしながら昇温し、250mlの水を
留出させた、そして反応系を150℃に冷却した後、p−
ジクロルベンゼン1,176g(8.0モル)、N−メチルピロ
リドン800gを加えて230℃で1時間、次いで260℃で2時
間反応させた。反応器を冷却し、得られたポリマーを濾
別した後、熱水で3回煮沸洗浄し、さらにアセトンで2
回洗浄した後120℃で乾燥して淡灰褐色粉末状のPPS(32
0℃のせん断速度1,000sec−1で約2,600ポイズの溶融粘
度)を得た。このポリマーをPPSとする。
〈参考例2:グリシジル基含有エチレン系共重合体の調
整〉 撹はん機付きの40リットルのステンレス製反応器を用
いて、エチレン、グリシジルメタクリレート、ラジカル
開始剤および連鎖移動剤を連続的に供給しながら撹はん
し、1,400〜1,600気圧、180〜200℃の条件下で共重合を
行い、グリシジルメタクリレートを12重量%含有するエ
チレン−グリシジルメタクリレート共重合体を合成し
た。ここで得たポリマーをEGとする。
〈参考例3:グリシジル基含有スチレン系樹脂の調整〉 撹はん機付きステンレス製反応器内部を窒素で充分置
換した後、スチレン4,500g、メタクリル酸グリシジル50
0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ100g、t−ドデ
シルメルカプタン25g、イオン交換水15,000gを反応器に
仕込み、ジャケットに70℃の温水を循環させ、内温が60
℃になった時点で過硫酸カリウム27.5g、イオン交換水
1,500gの水溶液を添加し150分間重合を行った後、スチ
レン4500g、メタクリル酸グリシジル500g、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ50g、t−ドデシルメルカプタ
ン25g、イオン交換水5,000gおよび過硫酸カリウム27.5
g、イオン交換水500gの水溶液を添加しさらに150分間重
合を行った。重合終了後、塩化カルシウムを用いてポリ
マーを凝固させ、充分に水洗した後乾燥し、グリシジル
メタクリレートを10重量%含有するスチレン−グリシジ
ルメタクリレート共重合体を得た。このポリマーをSG−
とする。さらに、同様の方法でスチレン、グリシジル
メタクリレートの組成を変え、グリシジルメタクリレー
トをそれぞれ0.8重量%、5重量%含有するスチレン−
グリシジルメタクリレート共重合体を得た。各々のポリ
マーをSG−、SG−とする。
〈参考例4:グリシジル基含有水添ブロック共重合体の調
整〉 ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリ
スチレンの構造を有し、結合スチレン量45%、数平均分
子量79,000、分子量分布1.03、水添前のポリブタジエン
部の1,2結合量が45%、水添率99%の水添ブロック共重
合体を特開昭60−79005号公報に記載されたTi系触媒を
用いて合成した。
この水添ブロック共重合体100重量部当り、グリシジ
ルメタクリレート5.0重量部、ジ−tert−ブチルパーオ
キサイドを1.2重量部を混合して、170℃に設定した45mm
φのベント付き二軸押出機で真空ポンプを用いて強制ベ
ント(減圧度:750mmHgゲージ圧)を行いながら変性反応
を行った。得られた変性水添ブロック共重合体をアセト
ンを用いてソックスレー押出器で20時間リフラックス処
理を行いエポキシ価を滴定分析したところグリシジルメ
タクリレートが2.6重量%グラフトしていることが判明
した。ここで得たポリマーをMHTRとする。
〈参考例5:未変性水添ブロック共重合体の調整〉 ポリスチレン−水素添化されたポリブタジエン−ポリ
スチレンの構造を有し、結合スチレン量30%、数平均分
子量172,000、分子量分布1.04、水添前のポリブタジエ
ン部の1,2結合量が44%、水添率99%の水添ブロック共
重合体を特開昭60−79005公報に記載されたTi系触媒を
用いて合成した。この水添ブロック共重合体をHTR−
とする。
この水添ブロック共重合体(HTR−)100重量部に対
して非芳香族系ゴム用軟化剤(ダイアナプロセスオイル
PW380:出光興産(株)製)を各々8,20,50,100,150,200
重量部添加し、各々OHTR−、OHTR、OHTR−、OHTR
−、OHTR−、OHTR−を得た。
〈参考例6:未変性水添ブロック共重合体の調整〉 (ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン)4
−Siの構造を有し、結合スチレン量72%、数平均分子量
322,000、分子量分布26.7、水添前のポリブタジエン部
の1,2結合量が43%、水添率99%の水添ブロック共重合
体を特開昭60−79005号公報に記載されたTi系触媒を用
いて合成した。これをHTR−とし、この水添ブロック
共重合体100重量部に対して非芳香族系ゴム用軟化剤
(ダイアナプロセスオイルPW380:出光興産(株)製)を
20重量部添加しOHTR−を得た。
実施例1〜6 比較例1〜11 参考例1〜6で得たポリフェニレンサルファイド、グ
リシジル基含有熱可塑性重合体、水添ブロック共重合体
を表1に示す組成でヘンシェルミキサーを用いてドライ
ブレンドし、290〜310℃に設定した同方向回転二軸押出
機を用いて、スクリュー回転数200rpmの条件で溶融混練
し、押し出したストランドをペレット化した。ここで得
たペレットを280〜320℃に設定したスクリューインライ
ン型射出成形機に供給し、金型温度140℃の条件で引張
試験用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピー
スを射出成形した、これらテストピースを用いて引張試
験(ASTM D−638)を行い、破断までの伸びを測定し、
その破断面より組成物の層剥離の有無を確認した。さら
にアイゾット(ノッチ付き)衝撃強度(ASTM D−256:23
℃および0℃)を測定しこれら結果を表1に載せた。
この結果より、未変性水添ブロック共重合体を含有し
た組成物は、靭製(伸び、耐衝撃性)の改良に有効であ
り、特に未変性水添ブロック共重合体として非芳香族系
ゴム用軟化剤を含んだものを用いた場合は、非芳香族系
ゴム用軟化剤を含まない場合と比べ著しく得られるポリ
フェニレンサルファイド組成物の靭性(伸び、耐衝撃
性)が改良されることが明らかとなった。
実施例7 参考例1で得たPPSを57重量%、参考例3で得たSP−
を14重量%、参考例5で得たOHTR−を29重量%、さ
らに2,6−キシレノールを用いて公知の方法で合成した
環元粘度0.54のポリフェニレンエーテル(PPE)を上記
配合組成100重量部に対して30重量部をヘンシェルミキ
サーでドライブレンドし、290〜310℃に設定した同方向
回転二軸押出機を用いて、スクリュー回転数200rpm、押
出機内の平均滞留時間1分15秒の条件で、溶融混練し、
押し出したストランドをペレット化した。ここで得たペ
レットを290〜310℃に設定したスクリューインライン型
射出成形機に供給し、金型温度140℃の条件で引張試験
用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピース、
熱変形温度試験用テストピースを射出成形した。これら
テストピースを用いて引張試験(ASTM D−638)を行
い、破断までの伸びを測定したところ65%であり、その
破断面より得られた組成物の層剥離の有無を確認したが
層剥離現象が認められなかった。さらにアイゾット(ノ
ッチ付き)衝撃強度(ASTM D−256:23℃)を測定したと
ころ18.7(kg・cm/cmノッチ)であった。また高荷重(1
8.56kg/cm2)熱変形温度(ASTM D−648)を測定したと
ころ119℃であり、参考例1で合成したPPS単独の熱変形
温度111℃よりも、耐熱性の改良が認められた。
実施例8〜11 ポリフェニレンエーテルによる本発明の組成物の熱分
解防止に対する安定化効果を見るため実施例7で配合し
たポリフェニレンエーテルの量を0重量部(実施例8と
する)、0.5重量部(実施例9とする)、2重量部、
(実施例10とする)、8重量部(実施例11とする)に変
え、さらに過酷な熱分解の促進テストとして通常とは異
なる押出機内の平均滞留時間を5分23秒に変えたほか
は、実施例7と同じ方法、同じ条件で溶融混練し、押し
出したストランドをペレット化した。ポリフェニレンエ
ーテルを全く添加しなかった実施例8のペレット表面は
べた付き、実施例9〜11のペレットは何等べた付きは無
かった。べた付きのあった実施例8のペレット1kgをア
セトン/トルエン=2/8の混合溶媒で30℃で抽出し、さ
らにその抽出液をメタノールで再沈させ減圧乾燥したと
ころ0.86gのポリマーを回収した。このものを赤外分光
度計および核磁気共鳴装置で分析したところ参考例3で
得たSG−および参考例5で得たOHTR−の各々の分子
鎖が切断し低分子化した混合物であることが判明した。
一方、実施例9〜11も同様な方法、条件で抽出、分析を
実施したが何等分解物が検出できなかった。
この結果から、過酷な熱履歴を受ける本発明のポリフ
ェニレンサルファイド組成物にポリフェニレンエーテル
が熱分解防止の耐熱安定剤として有効であることが明ら
かになった。
実施例12 水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレン−水素
添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有
し、結合スチレン量30%、数平均分子量178,000、分子
量分布1.03、水添前のポリブタジエン部の1,2結合量が4
5%、水添率99%の水添ブロック共重合体100重量部当り
非芳香族系ゴム用軟化剤(ダイアナプロセスオイルPW9
0:出光興産(株)製)を50重量部含んだ未変性水添ブロ
ック共重合体を(c)成分として用いたほかは、実施例
2と同じ配合で、同じ条件、同じ方法でポリフェニレン
サルファイド組成物のテストピースを得た。このものを
同じ方法、同じ条件で評価したところ、層剥離は認めら
れず、伸び60%、23℃のアイゾット衝撃強度13(kg・cm
/cmノッチ)、0℃のアイゾット衝撃強度5(kg・cm/cm
ノッチ)であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンサルファイド 50〜8
    9.5重量% (b)グリシジル基含有熱可塑性重合体 0.5〜30重量% (c)未変性の水添ブロック共重合体100重量部当り150
    重量部以下の非芳香族系ゴム用軟化剤を含有する未変性
    水添ブロック共重合体 10〜30重量% 〔(a)+(b)+(c)=100重量%〕を含む、伸び
    および耐衝撃性に優れたポリフェニレンサルファイド組
    成物。
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