JP4024035B2 - エポキシ基を有する低分子量ポリフェニレンエーテル及び、その製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板や絶縁封止剤等の電機・電子材料に適した官能化ポリフェニレンエーテルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテルは耐熱性が高く、誘電特性に優れるため、電機・電子機器のプリント基板や絶縁封止剤等に適した材料であるが、一方でトリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤に対する耐溶剤性が低いという欠点がある。そこで電子材料の用途においてはポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させることにより低誘電特性、高耐熱性を損なうことなく、耐薬品性を向上させている。
【0003】
ポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させる方法としては、例えば特開平6−206984号,特公平6−17457号、米国特許第5834565号ではポリフェニレンエーテルとポリエポキシド化合物の組成物が開示されている。これらの方法ではポリフェニレンエーテルとの反応に関与しない未反応のポリエポキシドが多量に残存するため、ポリフェニレンエーテルの耐熱性が損なわれる。また、エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルとしては特表昭63−503392号,特公平7−5818号、特公平3−6185号、WO00/52074号ではポリフェニレンエーテルとグリシジルメタクリレートやグリシジルアクリレート等の分子内に二重結合及び、エポキシ基を含むエポキシ化合物を反応させることによって得られるエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルについて開示されている。しかし当該方法によって得られるエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは高分子鎖に有効に導入されるエポキシ基数が少ないため、架橋、硬化させることができないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プリント基板、絶縁封止剤等の電機・電子材料に有用な、容易に架橋し、耐熱性、誘電特性および耐薬品性に優れた硬化物を与えるポリフェニレンエーテルを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルについて鋭意検討を進めた結果、1分子鎖あたり平均0.1個以上のエポキシ基を有し、かつ重量平均分子量が1万以下であるポリフェニレンエーテルが耐熱性、誘電特性および耐薬品性に優れる硬化物を与えることを見出した。さらに重量平均分子量が1万以下のポリフェニレンエーテルを固体状態で多官能のエポキシ化合物と反応させると、架橋等の副反応を伴わずにポリフェニレンエーテルにエポキシ基が効率よく導入されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち本発明は、
1.固体状態のポリフェニレンエーテル95〜80重量部と1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物5〜20重量部との反応生成物であって、1分子鎖あたり平均1個以上のエポキシ基を有し、重量平均分子量が1万以下であることを特徴とするエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル、
【0007】
2.1分子鎖あたり平均1.5〜2.5個のエポキシ基を有する上記1.記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル、
3.分子鎖の両末端にエポキシ基を有する上記1.記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル、
4.重量平均分子量が1万以下のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応温度が50〜150℃で反応させることを特徴とするエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法、
5.エポキシ化合物が式(1)
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、X1及びX2は芳香族炭化水素、Aは脂肪族炭化水素、nは0または1以上の整数)
であることを特徴とする4.記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法、
6.エポキシ化合物が式(2)
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、Rは脂肪族または芳香族炭化水素、nは0または1以上の整数)
であることを特徴とする4.記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法、
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の分子鎖にエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは一般式(3)で示されるフェニレンエーテルユニットで構成され、なおかつ分子鎖にエポキシ基を有するものである。
【0014】
【化5】
【0015】
R1、R2、R3、R4は水素原子、アルキル基またはアミノ基を有するアルキル基のいずれかである。この中で、R1及びR2が水素原子でR3、R4がメチル基であるものが好ましい。
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは、1分子鎖当たりのエポキシ基の数が0.1以上である。好ましくは1以上、より好ましくは1.5〜2.5である。特に好ましくは、ポリフェニレンエーテル分子鎖の両末端にエポキシ基を有するものである。ポリフェニレンエーテルに付加したエポキシ基の数が多いほど架橋密度は高くなり、耐熱性、耐溶剤性は向上し、高分子鎖両末端に定量的にエポキシ基が導入されたポリフェニレンエーテルを用いた場合に最も優れている。1分子鎖あたりのエポキシ基数が0.1未満では架橋反応は起こらない。
【0016】
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは、重量平均分子量が1万以下である。これに相当する30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶液の還元粘度は0.2dl/g以下の範囲にある。分子量が低いほど、架橋、硬化反応の速度は早くなり、硬化生成物の橋架け間の平均分子量は小さくなる。その結果、よりガラス転移温度が高く、耐溶剤性が向上した硬化ポリフェニレンエーテル樹脂が得られる。
【0017】
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは粉体、ペレットのいずれの状態でもよいが、粉体が好ましい。
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテルと多官能エポキシ化合物とを反応させることによって得ることができる。
本発明のポリフェニレンエーテルは、溶液より沈殿して得られるパウダー状のものであることが好ましい。パウダー状のポリフェニレンエーテルは、例えばポリフェニレンエーテルをトルエン、キシレン等の良溶媒に溶かした溶液にメタノール、アセトン等の貧溶媒を加えることによって得ることができる。当該方法で得られるパウダーの粒径は特に限定されないが、取扱い性の観点から10μm〜1,000μm、より好ましくは30〜700μmの範囲である。
【0018】
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルを製造する際のポリフェニレンエーテルの状態は固体であることが望ましい。これ以外にも例えばトルエン、クロロホルムなどの良溶媒に溶解させた溶液状態やポリフェニレンエーテルが高温下で溶融した状態であっても構わないが、反応中に架橋、ゲル化が起きることがある。
本発明でポリフェニレンエーテルと反応させる多官能エポキシ化合物は1分子中に2個以上のオキシラン環を含むものであれば特に限定されないが、好ましくはエポキシ樹脂と総称される化合物のグループである。特に好ましくは式(1)で表されるビスフェノールA型樹脂、または式(2)で表されるポリグリシジルエーテルである。
【0019】
【化6】
【0020】
(式中、X1及びX2は芳香族炭化水素、Aは脂肪族炭化水素、nは0または1以上の整数)
【0021】
【化7】
【0022】
(式中、Rは脂肪族または芳香族炭化水素、nは0または1以上の整数)
【0023】
本発明で使用される多官能性エポキシ化合物の量は特に限定されないが、ポリフェニレンエーテル95〜60重量部に対し5〜40重量部の範囲で用いることができ、好ましい組成は5〜30重量部、より好ましくは10〜20重量部の範囲である。本発明で使用される多官能エポキシ化合物の状態は特に限定されないが、ポリフェニレンエーテルを反応させる温度、圧力条件下において気体、液体であることが好ましい。また、エポキシ化合物をポリフェニレンエーテルの貧溶媒に溶解させた溶液をポリフェニレンエーテルを混合させ、反応させてもよい。
【0024】
本発明でポリフェニレンエーテルと多官能エポキシ化合物を反応させるときの温度は高いほど反応速度は高くなるが、200℃を越えるとポリフェニレンエーテルが溶融し、架橋、ゲル化が起きることもある上に、生成物の色調が悪化することがある。好ましい温度範囲は50〜200℃であり、さらに好ましくは50〜150℃である。
【0025】
本発明でポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物を反応させる際、反応を促進させる触媒として塩基性化合物を加えることができる。塩基性化合物とは、具体的には例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミンやトリブチルアミン等の3級アミン、イミダゾール、ナトリウムフェノキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が上げられるが、中でもナトリウムメチラート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム等が好ましい。触媒としては塩基性化合物の他にも4級アンモニウム塩も用いることができる。
【0026】
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルは、種々の硬化剤と反応して、3次元網目構造を形成し、硬化ポリフェニレンエーテル樹脂を与える。これは耐熱性と誘電特性に優れることからプリント基板、絶縁封止剤として有用である。硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を複数有するものであれば良く、例えば、1分子中に複数のアミノ基、水酸基、フェノール性水酸基、チオール基を有するものが挙げられる。中でも多官能アミン化合物が好ましい。
【0027】
本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルには、アミノ基を有するシロキサン化合物やフェニル基を有するシロキサン化合物を添加することもでき、これにより難燃性を付与することもできる。さらに本発明のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルには目的に応じ適当な添加剤を添加しても良い。添加剤としては、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、無機充填剤、有機充填剤、ポリマー添加剤、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシ、パーオキシカーボネート、ヒドロパーオキサイド、パーオキシケタール等が挙げられる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるべきではない。
<評価方法>
1.反応直後のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの精製
まず、反応後のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル粉末に残存する未反応の多官能エポキシ化合物を除去するために、反応生成物2gを20mlのトルエンに溶解した後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過して分離した後、120℃、0.1mmHgの条件で2時間、減圧乾燥させた。
【0029】
2.エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルのプロトンNMR測定
1の精製操作によって得られた官能化ポリフェニレンエーテルを重クロロホルムに溶解し270MHzNMRにて測定を行った。ピークのケミカルシフトはテトラメチルシランのピーク(0.00ppm)を基準として決定した。ポリフェニレンエーテル1分子当たりのエポキシ基の数はポリフェニレンエーテルの芳香環3,5位プロトンに起因するピーク(6.47ppm)とエポキシ基に起因するピーク(2.7〜3.4ppm)の面積比から求めた。
【0030】
3.ポリフェニレンエーテルの還元粘度
反応に用いる原料ポリフェニレンエーテルを0.5g/100mlのクロロホルム溶液とし、30℃においてウベローデ粘度計を用いて測定した。
4.ポリフェニレンエーテルの分子量測定
クロロホルムを溶剤としたGPC測定を行い、予め作成したポリスチレンの数平均分子量−溶出量の関係のグラフから分子量を算出した。
【0031】
5.エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの硬化
エポキシ基を有するポリフェニレンエーテル3gにトリエチレンテトラミン0.5gを加え、よく混合させた。この混合物を熱プレス機を用いて0.5Mpa、200℃で10分間、加熱圧縮した後、0.5Mpa、40℃で10分間冷却させた。
6.耐薬品性評価
3.0gの硬化生成物を35℃の塩化メチレンに5分間浸せき後、5分間風乾させ、秤量した。浸せき前後の重量変化率を下記式から求めた。
重量変化率(%)={(3.0−(浸せき後の質量))/(3.0)}×100
【0032】
【実施例1】
数平均分子量3,500、重量平均分子量6,600であるポリフェニレンエーテル3.0gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)0.6gを良く混合した後オートクレーブに密閉し、120℃、2時間、加熱した。反応生成物を上記、1.エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの精製に記載の方法に従って処理し、GPC及びプロトンNMR測定を行った。反応後ポリマーのGPC曲線は原料ポリフェニレンエーテルのGPC曲線が高分子量側にわずかに平行移動しているが、形状は全く同一であり、ポリマー鎖同士が架橋、ゲル化していないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均1.6個のエポキシ基を有することが判った。
【0033】
【実施例2〜4】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の組成、反応温度、反応時間、を変えた他は実施例1と同様に行った。いずれの場合にも反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表1に示す。
【0034】
【実施例5〜8】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の組成、反応温度、反応時間を変え、さらに触媒を加えた他は実施例1と同様に行った。いずれの場合にも反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表1に示す。
【0035】
【比較例1】
重量平均分子量43,000のポリフェニレンエーテルを用いた他は実施例5と同様に行った。この時の反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表1に示す。
【0036】
【比較例2】
重量平均分子量43,000のポリフェニレンエーテルを用いた他は実施例6と同様に行った。この時の反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例9】
エポキシ化合物をビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに式(4)のエチレングリコールジグリシジル(A)を用いた他は実施例1と同様に行った。反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均1.8個のエポキシ基を有することが判った。
【0039】
【化8】
【0040】
【実施例10〜12】
エチレングリコールジグリシジルの組成、反応温度、反応時間、を変えた他は実施例9と同様に行った。いずれの場合にも反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表2に示す。
【0041】
【実施例13〜16】
エチレングリコールジグリシジルの組成、反応温度、反応時間を変え、さらに触媒を加えた他は実施例9と同様に行った。いずれの場合にも反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表2に示す。
【0042】
【比較例3】
重量平均分子量43,000のポリフェニレンエーテルを用いた他は実施例13と同様に行った。この時の反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表2に示す。
【0043】
【比較例4】
重量平均分子量43,000のポリフェニレンエーテルを用いた他は実施例15と同様に行った。この時の反応後ポリマーが有する1分子当たり平均のエポキシ個数を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【比較例5】
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル3.0gとビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)0.6gをトルエン27gに溶解させる。このトルエン溶液をオートクレーブに密閉し、120℃、2時間、加熱した。反応後の溶液を大過剰のメタノール中に投入したところ白色の沈殿が得られた。この沈殿物をろ過して分離した後、上記、1.エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの精製に記載の方法に従って乾燥し、白色の粉末を得た。この粉末0.02gをクロロホルム20mlと混合したが、クロロホルムに不溶の固形分が見られた。また、クロロホルム可溶分のGPC測定を行ったところ、GPC曲線は原料ポリフェニレンエーテルのそれに比べ、高分子量側に大きく広がっていることから、高分子鎖同士の架橋反応が起きていることが判った。
【0046】
【実施例17】
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル3.0KgとビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成エポキシ(株)製Grade250)0.6Kg、トリ−n−ブチルアミン0.5Kgをビニール袋内で良くかき混ぜて混合した後、三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサーFM10C/Iに仕込み、600rpmで攪拌を開始した。ミキサージャケットに加熱されたオイルを送り、ミキサー内部の品温が120℃となるように調整し、そのまま加熱、攪拌を続けた。2時間後、ミキサー内の反応物を抜き出し、その一部を上記、評価方法1に従て精製し、NMR解析を行ったところ、1分子鎖中に平均2個のエポキシ基が付いていることが判った。
【0047】
【実施例18】
エポキシ化合物にビスフェノールA型エポキシ樹脂の代わりに式(5)のポリグリシジルアミン化合物を用いた他は実施例1と同様に行った。反応後ポリマーのGPC測定の結果から、反応により架橋、ゲル化が起きていないことが確認された。また、プロトンNMR測定の結果、反応後ポリマーは1分子当たり平均5.6個のエポキシ基を有することが判った。
【0048】
【化9】
【0049】
【比較例6】
実施例1で使用したポリフェニレンエーテル2.7Kgとグリシジルアクリレート300gを10Lの容器に入れ、窒素気流下、80℃でトルエン5.1Kgに溶解した。ベンゾイルパーオキシド45gをトルエン900gに溶解させた溶液を容器内に徐々に滴下した。滴下後、80℃で5時間、加熱攪拌しながら反応を行った。反応後終了後、反応溶液を100Lの攪拌機付きの容器に移し、ここで攪拌しながら60Kgのメタノールを徐々に加えていくとスラリー状になるので、これをろ過、減圧乾燥して、白色粉末2.5Kgを得た。この粉末の一部を上記、評価方法1に従って精製し、NMR解析を行ったが、エポキシ基に起因するピークは見られなかった。
【0050】
【比較例7】
実施例1で反応原料に用いたポリフェニレンエーテルを使って、上記5.エポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの硬化、と同様の操作を行い、その生成物を塩化メチレンへの浸せき試験に用いたところ、完全に塩化メチレンに溶解した。
【0051】
【発明の効果】
本発明は高分子鎖に導入されたエポキシ基数が多く、耐熱性、誘電特性に優れた硬化物を与えるエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルに関するものである。
Claims (6)
- 固体状態のポリフェニレンエーテル95〜80重量部と1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物5〜20重量部との反応生成物であって、1分子鎖あたり平均1個以上のエポキシ基を有し、重量平均分子量が1万以下であることを特徴とするエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル。
- 1分子鎖あたり平均1.5〜2.5個のエポキシ基を有する請求項1記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル。
- 分子鎖の両末端にエポキシ基を有する請求項1記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテル。
- 重量平均分子量が1万以下のポリフェニレンエーテルと1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を、ポリフェニレンエーテルが固体の状態で反応温度が50〜150℃で反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法。
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