JP2005139378A - エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005139378A
JP2005139378A JP2003379768A JP2003379768A JP2005139378A JP 2005139378 A JP2005139378 A JP 2005139378A JP 2003379768 A JP2003379768 A JP 2003379768A JP 2003379768 A JP2003379768 A JP 2003379768A JP 2005139378 A JP2005139378 A JP 2005139378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyphenylene ether
epoxy
component
reaction
modified polyphenylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003379768A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Tokiwa
哲司 常盤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2003379768A priority Critical patent/JP2005139378A/ja
Publication of JP2005139378A publication Critical patent/JP2005139378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Abstract

【課題】ポリフェニレンエーテルが本来有する低誘電特性と高耐熱特性が損なわれないエポキシ変成ポリフェニレンエーテルの効率の良い製造方法を提供。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)をポリフェニレンエーテルが溶融した状態で反応させる際、反応の仕込み組成比が成分(A)のフェノール性水酸基mol数(X)と成分(B)の分子mol数(Y)との比でY/X≦7である。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、プリント基板や絶縁封止材等の電気電子材料に適した変成ポリフェニレンエーテルに関するものである。
従来、プリント基板、絶縁封止材等の電子材料としてはエポキシ樹脂が最も汎用的に用いられてきたが、近年、携帯電話やパソコン等の情報処理機器では演算処理すべき情報の大容量化とともに処理速度の高速化が求められており、より高耐熱、低誘電の材料特性が要求されている。また、回路誤作動を防ぐための信頼性確保の観点から、低吸水性も重要な要求特性の一つである。エポキシ樹脂を高耐熱化、低誘電化、吸水率低減の手法として、エポキシ樹脂にポリフェニレンエーテルを添加する方法がある(例えば、特許文献1、特許文献2)。
しかし、エポキシ樹脂とポリフェニレンエーテルは相容性が悪いため、これらのブレンドにより得られた電子材料はクラックが生じやすいという課題があった。この課題の解決策として、ポリフェニレンエーテルを、エポキシ樹脂をはじめとする多官能エポキシ化合物で変成してエポキシ変成ポリフェニレンエーテルを合成し、これをエポキシ樹脂に添加する方法や、上記エポキシ変成ポリフェニレンエーテルをそのまま硬化させて電子材料に適用する方法が検討された(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
しかし、これらの方法では反応時のエポキシ樹脂組成が過剰であるため反応生成物中に残存する未反応エポキシ樹脂も多く、ポリフェニレンエーテルが本来有する高耐熱特性や低誘電特性、低吸水性が大きく損なわれ、市場の要求に満足に応えられないという問題があった。反応生成物中の未反応エポキシ樹脂を低減する手法として、エポキシ樹脂組成が低い条件で、固体状のポリフェニレンエーテルとエポキシ樹脂を室温以上、ポリフェニレンエーテルの融点以下で反応させる方法もあるが(特許文献6)、固形状ポリフェニレンエーテルの伝熱速度が低いため、所定の反応温度に昇温する工程に長時間要し、生産効率が低いという課題があった。
欧州特許出願公開第592145号明細書 欧州特許出願公開第921158号明細書 特公昭50−15519号公報 欧州特許出願公開第537005号明細書 特開昭58−219217号公報 特開2003−138010号公報
本発明は、ポリフェニレンエーテルが本来有する低誘電特性、高耐熱特性、低吸水性が損なわれないエポキシ変成ポリフェニレンエーテルの、効率の良い製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決するため、エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製法に関して鋭意検討を進めた結果、ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)をポリフェニレンエーテルが溶融した状態で反応させるにあたり、反応の仕込み組成比を(A)のフェノール性水酸基mol数(X)と(B)分子mol数(Y)との比を特定すると、反応物中に残存する未反応の多官能エポキシ化合物を低減でき、ポリフェニレンエーテルが本来有する低誘電特性、高耐熱特性、低吸水性を損なわないエポキシ変成ポリフェニレンエーテルが、比較的短時間に効率良く得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は(A)ポリフェニレンエーテルと(B)多官能エポキシ化合物をポリフェニレンエーテルが溶融した状態で反応させて(C)エポキシ変成ポリフェニレンエーテルを得る方法において、反応の仕込み組成比が(A)のフェノール性水酸基mol数(X)と(B)分子mol数(Y)との比でY/X≦7であることを特徴とする(C)エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法、
である。
本発明の製造方法は、ポリフェニレンエーテルが本来有する低誘電特性と高耐熱特性、低吸水性を損なわれないエポキシ変成ポリフェニレンエーテルを効率良く提供する。
本発明に付いて、以下具体的に説明する。
本発明で用いる(A)ポリフェニレンエーテルは、下記式の繰り返しユニットから構成される重合体、または共重合体である。
Figure 2005139378
本発明で用いる(A)ポリフェニレンエーテル重合体の具体例は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチルー6−フェニルー1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニルー1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等である。
本発明で用いるポリフェニレンエーテル共重合体の具体例は、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−メチルブチルフェノール)、テトラメチルビスフェノールAとの共重合体のようなポリフェニレンエーテル共重合体などが挙げられる。
中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく使用でき、最も好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)である。
本発明で用いる(A)ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は5千未満であることが好ましいが、より好ましくは4千未満であり、3千未満が特に好ましい。分子量が低いと、ポリフェニレンエーテルと多官能エポキシ化合物は均一相溶しやすく、また溶融反応時の溶融粘度を低くできるため攪拌の操作性は良くなる。
数平均分子量5千未満のポリフェニレンエーテルを製造する手法としては重合時に分子量を制御する方法や、分子量1万以上のポリフェニレンエーテルをフェノール性化合物、過酸化物等と加熱、反応させる方法を用いることができる。
本発明で用いるポリフェニレンエーテル(A)は分子鎖末端にフェノール性水酸基を有するが、その個数は1分子鎖あたり平均1.0個以上であることが好ましく、より好ましくは1.5個以上である。分子鎖末端フェノール性水酸基は多官能エポキシ化合物(B)の反応点になるため、多い方がエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)のエポキシ基数は多くなり、ワニス作成時に用いられるメチルエチルケトン、アセトン等の溶剤に対する溶解性が向上する上、得られる硬化物の耐熱性も優れる。
本発明の製造方法におけるポリフェニレンエーテル(A)は揮発成分を含んでもよい。揮発成分としては、例えばトルエン、キシレン、ブタノール、メタノール、メチルエチルケトン等が挙げられ、その含有量はポリフェニレンエーテル(A)に対して好ましくは0.1〜5.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%の範囲である。
本発明に用いられる多官能エポキシ化合物(B)は分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定されない。多官能エポキシ化合物(B)としては、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジグリシジルエーテル、また、下記式(2)で表されるエポキシ樹脂と総称される
化合物の一群が具体例として挙げられる。
Figure 2005139378
エポキシ樹脂の具体例としては、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジグリシジルヒダントレイン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン等が挙げられ、中でも、下記式(3)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、下記式(4)で表されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2005139378
Figure 2005139378
本発明において、ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の仕込み組成比は、成分(A)のフェノール性水酸基mol数(X)と成分(B)の分子mol数(Y)との比でY/X≦7であることが好ましく、より好ましくはY/X≦5、特に好ましくはY/X≦3である。Y/X>7では反応生成物に含まれる未反応の多官能エポキシ化合物(B)が増大し、ポリフェニレンエーテルが本来有する高耐熱性、低誘電特性、低吸水性が損なわれる。
ポリフェニレンエーテル(A)のフェノール性水酸基のmol数(X)は、水酸基当量(c)と仕込み重量(W1)から、X=c[mol/g]×W1[g]として算出することができる。水酸基当量は高分子論文集,vol.51,No.7(1994)、480頁記載の方法に従い、ポリフェニレンエーテルの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えたときの318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定することにより求める。多官能エポキシ化合物のmol数(Y)はエポキシ樹脂のGPC測定から求められる数平均分子量(Mn)と仕込み重量(W2)から、Y=W2/Mnの式から算出した値である。
本発明では,反応速度の向上や副反応抑制、エポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)の構造制御の観点から、塩基性化合物(D)を加えることができる。塩基性化合物(D)とは、具体的には例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミンやトリブチルアミン等の3級アミン、イミダゾール、ナトリウムフェノキシド、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、中でもナトリウムメチラート、トリエチルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム等が好ましい。
本発明でポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)を反応させる際の触媒としては塩基性化合物(D)の他にも4級アンモニウム塩も用いられる。
本発明の製造方法ではポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の他に熱可塑性樹脂、硬化性樹脂を加え、反応させることができる。熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル等のビニル化合物の単独重合体や2種以上のビニル化合物の共重合体、あるいは、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等を例としてあげることができるが、これらに限定されるものではない。硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル類を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記熱可塑性樹脂や硬化性樹脂は官能化化合物で変成されたものでもよい。
本発明の製造方法ではポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の他に適当な添加剤を添加しても良い。添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシ、パーオキシカーボネート、ヒドロパーオキサイド、パーオキシケタール等が挙げられる。
本発明の製造方法では、ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)を混合して反応させるが、混合性を向上させるために混合時に成分(B)を加温しても良い。
本発明の反応温度は100〜250℃であることが好ましい。より好ましくは131〜195℃、さらに好ましくは150〜170℃の範囲である。
本発明の製造方法はポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の混合物が溶融状態であることが好ましい。ポリフェニレンエーテル(A)が粉体、ペレット等の固体状態であっても構わないが、伝熱速度が遅いため昇温に長時間要し、生産効率が低いという課題があった。
本発明のポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の反応時間は、2時間未満が好ましい。より好ましくは1時間以内、特に好ましくは40分以内である。ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)を溶融状態で反応させる場合、反応時間が2時間を越えると架橋反応が進行して高分子量成分が増大するため、加工性とワニス溶解性が著しく低下する、
本発明の製造方法では、ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)の混合性向上や反応系の溶融粘度の低減等を目的としてトルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の溶剤を添加することもできる。
本発明の反応器は、溶融物を均一に混合、攪拌または混練できるものであれば使用できる。反応時の原料組成、温度条件によっては反応系の溶融粘度が高くなり、また反応の進行に伴い粘度が上がる場合もあるため、ニーダーや押出し機等の高粘度物にも対応可能な混練機を用いることが好ましい。
本発明の製造方法は、連続反応プロセス、バッチ反応プロセスのいずれにも適用可能である。
本発明のエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)が、1分子鎖中に有する平均エポキシ基個数は0.1以上が好ましく、より好ましくは1.0以上、特に好ましくは1.5以上である。
本発明のエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)は、分子鎖両末端にエポキシ基を有するものが含まれていると耐熱性の観点から好ましい。
本発明のエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)は、他の熱可塑性樹脂、硬化性樹脂との組成物に用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、酢酸ビニル等のビニル化合物の単独重合体や2種以上のビニル化合物の共重合体、あるいは、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール等を例としてあげることができるが、これらに限定されるものではない。硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル類を例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。上記熱可塑性樹脂や硬化性樹脂は官能化化合物で変成されたものでもよい。
本発明のエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)は、目的に応じ適当な添加剤を添加しても良い。添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、滑剤、充填剤、ポリマー添加剤、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシ、パーオキシカーボネート、ヒドロパーオキサイド、パーオキシケタール等が挙げられる。
本発明のエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)は、エポキシ樹脂用硬化剤または硬化促進剤、硬化触媒と反応することで電子材料として有用な硬化物を形成する。
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるべきではない。
<評価方法>
1.反応生成物の精製
まず、反応後の官能化ポリフェニレンエーテル粉末に残存する未反応の多官能エポキシ化合物を除去するために、反応生成物2gを20mlのトルエンに溶解し後、大過剰のメタノールを加えてポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過して分離した後、150℃、0.1mmHgの条件で1時間、減圧乾燥させた。
2.ポリフェニレンエーテルの分子量測定
クロロホルムを溶剤としたGPC測定を行い、予め作成したポリスチレンの分子量と溶出量の関係を表すグラフから算出した。
3.Y/Xの測定
ポリフェニレンエーテルのフェノール性水酸基のmol数(X)は水酸基当量と仕込み組成から算出した。水酸基当量は高分子論文集,vol.51,No.7(1994)、480頁記載の方法に従い、ポリフェニレンエーテルの塩化メチレン溶液にテトラメチルアンモニウムハイドロオキシド溶液を加えたときの318nmにおける吸光度変化を紫外可視吸光光度計で測定することにより求めた。また、多官能エポキシ化合物のmol数(Y)はエポキシ樹脂のGPC測定から求められる数平均分子量と仕込み重量から算出した。
[実施例1]
数平均分子量2,620のポリフェニレンエーテル(A−1)75重量部とビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成(株)社製AER250)(B−1)25重量部、n−トリブチルアミン0.75重量部をビニール袋中でよく振り混ぜた。この混合原料は、Y/X=1.42であった。この原料を(株)栗本鐵工所のKRCニーダーS2型に連続的に供給し、160℃で溶融混練した。また、ニーダー機内の平均滞留時間が35分となるように、原料供給量と排出量を調整した。排出ノズルから排出される溶融物をアルミ製バットに受け、冷却、固化し、反応生成物(C−1)を得た。(C−1)の一部を上記方法に従って精製し、反応物中に残存する未反応のエポキシ樹脂成分を除去し、た。精製物のプロトンNMR測定を行った結果、2.6〜3.2ppmにかけてエポキシ基に起因するピークが観察され、ポリフェニレンエーテルはエポキシ変成されていることが確認された。
次に、上記反応生成物(C−1)100g、硬化剤ジエチレントリアミン1.5g、メチルエチルケトン40gを混合して溶液(D−1)を得た。(D−1)を厚み0.1mmのガラスクロス(旭シュエーベル社製、商品名2116L)を含浸したものを150℃で3分間乾燥させ、プリプレグ(E−1)を得た。(E−1)を8枚重ねたものを両面から18μmの銅箔で挟み、温度200℃、圧力5MPaの条件で120分間、熱プレスを行い、厚み0.8mmの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板を121℃、1.2atmの条件で2時間置いた後、260℃半だ浴に浸漬し、表面ふくれの有無を評価した。比誘電率はMIL規格(米国軍用規格)に基づいて測定した。ガラス転移温度(Tg)はDSCで測定した。評価結果を表1に示す。
[実施例2、3]
(A−1)と(B−1)の配合比を変えた他は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
n−トリブチルアミンを加えなかった他は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
反応温度を190℃にした他は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
n−トリブチルアミンを加えなかった他は、実施例5と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
反応温度を140℃にした他は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
触媒をn−トリブチルアミンの変わりにナトリウムメチラートを加えたほかは、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例9]
触媒をn−トリブチルアミンの変わりにKOHを加えたほかは、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
[実施例10〜12]
多官能エポキシ化合物を(B−1)の変わりにクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学製 商品名EPICLON N−660)(B−2)を用い、(A−1)と(B−2)の配合比、溶融混練温度を変えて反応を行った。実施例1と同様に反応物の精製、分析を行いポリフェニレンエーテルがエポキシ変成されていることを確認した。さらに、これらエポキシ変成ポリフェニレンエーテルを用いて実施例1に従って銅張り積層板を作成、評価を実施した。結果を表2に示す。
[比較例1,2]
(A−1)と(B−1)の配合比を変えた他は、実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。
[比較例3]
(A−1)と(B−1)の配合比を変えた他は、実施例5と同様に行った。評価結果を表2に示す。
[比較例4]
(A−1)と(B−2)の配合比を変えた他は、実施例11と同様に行った。評価結果を表2に示す。
[比較例5]
溶融混練する温度を変えたほかは、比較例4と同様に行った。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
(A−1)と(B−1)の配合比を変えたほかは、実施例8と同様に行った。評価結果を表2に示す。
[比較例7]
実施例1と同様に(A−1)と(B−1)、トリブチルアミンを配合して混合原料を作成した。次にジャケット温度をポリフェニレンエーテルの融点以下である100℃に設定した内容積20Lのヘンシェルミキサーにこの混合原料投入し、回転数500rpmで攪拌を開始したが、昇温速度は遅く、35分後のミキサー内容物温度は65℃であった。この時点の内容物を採取し実施例1と同様の方法で精製し、NMR測定を行ったが、エポキシ基に起因するピークは観測されなかった。
Figure 2005139378
Figure 2005139378
本発明の製造方法は、プリント配線板や半導体封止材等の電気電子材料の分野で好適に利用できる。

Claims (7)

  1. ポリフェニレンエーテル(A)と多官能エポキシ化合物(B)をポリフェニレンエーテルが溶融した状態で反応させてエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)を得る方法において、反応の仕込み組成比がY/X≦7であることを特徴とするエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)の製造方法。
    ただし、X=成分(A)のフェノール性水酸基mol数、
    Y=成分(B)の分子mol数
  2. 成分(A)と成分(B)の仕込み比が、Y/X≦5であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応温度が、100〜250℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 成分(A)と成分(B)の他に、塩基性化合物(D)を加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 成分(A)が、0.1〜5.0重量%の揮発成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 反応器にニーダーを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られるエポキシ変成ポリフェニレンエーテル(C)。
JP2003379768A 2003-11-10 2003-11-10 エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法 Pending JP2005139378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003379768A JP2005139378A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003379768A JP2005139378A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005139378A true JP2005139378A (ja) 2005-06-02

Family

ID=34689714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003379768A Pending JP2005139378A (ja) 2003-11-10 2003-11-10 エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005139378A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7439310B2 (en) * 2006-07-06 2008-10-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation Polyphenylene ether modified by reaction with cresol novolac epoxy resin
JP2015516485A (ja) * 2012-04-13 2015-06-11 サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ 相溶化組成物、その形成方法およびそれを含む物品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7439310B2 (en) * 2006-07-06 2008-10-21 Asahi Kasei Chemicals Corporation Polyphenylene ether modified by reaction with cresol novolac epoxy resin
JP2015516485A (ja) * 2012-04-13 2015-06-11 サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ 相溶化組成物、その形成方法およびそれを含む物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7527863B2 (en) Functionalized polyphenylene ether
JP2695066B2 (ja) ポリフェニレンエーテル−ポリアリーレンスルフィド組成物
US6339131B1 (en) Synthesis of poly (arylene ether)-poly(organosiloxane) copolymers
WO2007097231A1 (ja) 低分子量ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP7229422B2 (ja) 硬化性樹脂、硬化性樹脂組成物、及び、硬化物
EP0549977A1 (en) Carboxyl-containing polyphenylene sulfide, process for producing the same, and resin composition containing the same
US7439310B2 (en) Polyphenylene ether modified by reaction with cresol novolac epoxy resin
JP2005139378A (ja) エポキシ変成ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP2004256717A (ja) オリゴマー変性エポキシ樹脂、その組成物、及びその組成物を用いたプリント配線板
JP2009046632A (ja) 多官能エポキシ化ポリフェニレンエーテル樹脂及びその製造方法
JP2667625B2 (ja) 絶縁積層板用のポリフェニレンエーテル/ポリエポキシド樹脂組成物
EP0272439B1 (en) Polyphenylene ether polyester copolymer-containing resin compositions
JP2008155586A (ja) 銅張積層板
JP4426332B2 (ja) 溶解性の改善されたエポキシ変性ポリフェニレンエーテルの製造方法
JP3525745B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびこのエポキシ樹脂組成物を用いた絶縁基板
JP2004059596A (ja) 樹脂組成物及びそれを用いたプリント配線板
JP2011231134A (ja) 樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
JP2007231228A (ja) エポキシ変性ポリフェニレンエーテル
JP4387032B2 (ja) 新規な官能化ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法およびその組成物
JP2005139379A (ja) 改善されたエポキシ変成ポリフェニレンエーテル
JP4024035B2 (ja) エポキシ基を有する低分子量ポリフェニレンエーテル及び、その製造方法
WO2024117252A1 (ja) 電子機器・デバイス用ポリアリールエーテルケトン樹脂材料及びこれを用いた電子機器・デバイス
WO2023145439A1 (ja) 銅張積層板およびそれを用いた回路基板
JP2007231229A (ja) 樹脂組成物
JP2004231769A (ja) シリコーン−ポリフェニレンエーテルブロック共重合体及びその製造方法