JP2011231134A - 樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 Download PDF

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宏典 齋藤
Yuki Kitai
佑季 北井
Hiroaki Fujiwara
弘明 藤原
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Abstract

【課題】誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有することを特徴とする樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の絶縁材料等に好適に用いられる樹脂組成物、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板に関する。
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。各種電子機器において用いられるプリント配線板等の絶縁材料には、信号の伝送速度を高め、信号伝送時の損失を低減させるために、誘電率及び誘電正接が低いことが求められる。
ポリフェニレンエーテル(PPE)等のポリアリーレンエーテル共重合体(PAE)は、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れているので、高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板等の絶縁材料に好ましく用いられる。しかしながら、高分子量のPAEは、一般的に融点が高いため、粘度が高く、流動性が低い傾向がある。そして、このようなPAEを用いて、多層プリント配線板等を製造するために使用されるプリプレグを形成し、形成されたプリプレグを用いてプリント配線板を製造すると、製造時、例えば、多層成形時にボイドが発生する等の成形不良が発生し、信頼性の高いプリント配線板が得られにくいという成形性の問題が生じていた。このような問題を解決するために、例えば、高分子量のPPEを溶媒中でフェノール種とラジカル開始剤との存在下で再分配反応させることによって、分子切断を起こし、PPEを低分子量化する技術が知られている。しかしながら、このように低分子量化したPPEを用いた場合、硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性等が低下するという傾向があった。
また、PAEは、比較的難燃性に乏しいために、プリント配線板等の絶縁材料として用いられる樹脂組成物には、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤や、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等のハロゲンを含有する化合物が配合されていることが多かった。しかしながら、このようなハロゲンを含有する樹脂組成物の硬化物は、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を生成するおそれがあり、人体や自然環境に対し悪影響を及ぼすという欠点を有している。このような背景のもと、プリント配線板等の絶縁材料としても、ハロゲンを含まない、いわゆるハロゲンフリー化が求められている。
そこで、ハロゲンフリー化された樹脂組成物としては、具体的には、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
特許文献1には、数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、リン化合物と、水酸化マグネシウムとを含有してなるエポキシ樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも1種の架橋フェノキシホスファゼン化合物と、少なくとも1種のポリエポキシド化合物と、エポキシ用硬化剤と、エポキシ用硬化促進剤と、重量平均分子量が10000以上である熱可塑性または熱硬化性樹脂を必須成分とし、かつ無機充填材を0〜50重量%含むハロゲンフリーのビルドアップ多層板用難燃性エポキシ樹脂組成物が記載されている。
また、プリント配線板等の絶縁材料としては、上記ハロゲンフリー化に加えて、人体に悪影響を及ぼすと言われている鉛を含まない、いわゆる鉛フリー化も求められている。
特開2004−59703号公報 国際公開第2002/06399号
特許文献1によれば、難燃剤として、リン化合物と水酸化マグネシウムとを併用することによって、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができる旨が開示されている。
また、特許文献2によれば、ハロゲンフリーで良好な難燃性を示し、かつ鉛フリーはんだに適用することが可能な優れた耐熱性を有する旨が開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の樹脂組成物は、誘電率及び誘電正接を低いものとして、誘電特性を向上させるものではなかった。そして、前記熱可塑性または熱硬化性樹脂として、変性ポリフェニレンオキサイドを用いても、その重量平均分子量が10000以上であるので、ワニス状にしたときの粘度が高く、流動性が低くなる傾向があった。このような流動性が低いワニスを用いて、プリント配線板の基板等を成形しても、充分な成形性を発揮できないという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有することを特徴とする。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、下記式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物及び下記式(2)で表される直鎖状フェノキシホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる化合物であることが好ましい。
Figure 2011231134
[式(1)中、mは、3〜25を示し、Phは、フェニル基を示す。]
Figure 2011231134
[式(2)中、Xは、−N=P(OPh)基又は−N=P(O)(OPh)基を示し、Xは、−P(OPh)基又は−P(O)(OPh)基を示し、nは、3〜10000を示す。式(2)、X及びX中、Phは、フェニル基を示す。]
また、前記樹脂組成物において、前記架橋基が、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、及び下記式(3)で表されるビスフェニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋基であることが好ましい。
Figure 2011231134
[式(3)中、Yは、−C(CH−基、−SO−基、−S−基、又は−O−基を示し、pは0又は1を示す。]
また、前記樹脂組成物において、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、前記ホスファゼン化合物中の酸素原子に結合されているフェニル基を脱離させ、前記フェニル基が脱離した酸素原子間に、前記架橋基を介在させることによって、前記ホスファゼン化合物を分子間架橋させた化合物であることが好ましい。
また、前記架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、1〜30%であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(B)が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、軟化点が50℃以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂の少なくともいずれか一方をさらに含有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、無機充填材をさらに含有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の数平均分子量が、500〜3000であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たり1〜4であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有することを特徴とする。
また、前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物を提供することができる。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板が提供される。
本発明者等は、難燃性を高めるために含有させる難燃剤が、その種類によっては、耐熱性を低下させることを発見した。そして、ハロゲンや鉛を含まない難燃剤であるリン含有化合物は、ハロゲンや鉛を含む難燃剤より耐熱性を低下させる傾向があること見出した。このことは、難燃剤が、ポリアリーレンエーテル共重合体とエポキシ樹脂との硬化反応を阻害し、よって、3次元的な架橋の形成を阻害することによると推察した。
このことから、本発明者等は、硬化物の耐熱性を高めるためには、ポリアリーレンエーテル共重合体とエポキシ樹脂との硬化反応を好適に進行させて、3次元的な架橋が充分に形成させることが必要であると推察した。
まず、本発明者等は、固有粘度が比較的低く、分子末端のフェノール性水酸基の個数が比較的多いポリアリーレンエーテル共重合体と、そのポリアリーレンエーテル共重合体との相溶性が高いエポキシ樹脂とを組み合わせて用いることによって、ポリアリーレンエーテル共重合体とエポキシ樹脂とによる3次元的な架橋を好適に形成させることができると推察した。
さらに、本願発明者等は、このような、分子末端のフェノール性水酸基の個数が比較的多いポリアリーレンエーテル共重合体と、そのポリアリーレンエーテル共重合体との相溶性が高いエポキシ樹脂とを含む樹脂組成物に含有させることによって、難燃性を高める化合物として、ハロゲンや鉛を含まないリン含有化合物であって、その化合物を難燃性を充分に発揮できる程度、含有させても、耐熱性を充分に高めることができる化合物を見出した。
そこで、本発明者等は、かかる知見から、本発明に想到するに到った。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有するものである。
このような樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子量が比較的低く、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの個数が比較的多いので、前記エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。
また、前記エポキシ樹脂(B)は、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上であるので、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が比較的高い。よって、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と均一に反応しやくすく、3次元的な架橋を均一に形成しやすいと考えられる。
よって、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)とを組み合わせて用いることによって、上記3次元的な架橋を好適に形成させることができると考えられる。
また、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、比較的多量、具体的には、例えば、得られた樹脂組成物の硬化物の難燃性が充分に発揮できる程度含有させても、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に発揮させることができる。このことは、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、難燃性を高めるだけではなく、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)とによる3次元的な架橋の形成の阻害を充分に抑制できることによると考えられる。
さらに、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、架橋していないフェノキシホスファゼン化合物と比較しても、耐熱性を高めることができる。このことは、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、架橋しているため、揮発性が充分に抑制されているためであると考えられる。
さらに、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gと、溶液での粘度が比較的低く、前記エポキシ樹脂(B)との相溶性が高いので、得られた樹脂組成物に溶媒を加えて、樹脂ワニスにしたときの粘度が低くなると考えられる。
以上のことから、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物になると考えられる。
なお、エポキシ樹脂として、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であれば、トルエンに対する溶解度が上記範囲内であり、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との高い相溶性を示す。これに対して、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であれば、トルエンに対する溶解度が上記範囲外であり、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が低い。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック型エポキシ樹脂との構造は、類似しているが、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が大きく異なる。このことから、エポキシ樹脂として、どんなエポキシ樹脂であってもよいわけではなく、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上であるエポキシ樹脂を用いることが重要である。
以下、前記樹脂組成物の各成分について、詳細に説明する。
本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体であれば、特に限定されない。
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の固有粘度は、0.03〜0.12dl/gであればよいが、0.06〜0.095dl/gであることが好ましい。この固有粘度が低すぎると、分子量が低い傾向があり、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、固有粘度が高すぎると、粘度が高く、充分な流動性が得られず、成形不良を抑制できない傾向がある。
なお、ここでの固有粘度は、使用するポリアリーレンエーテル共重合体(A)の製品の規格値からわかる。また、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。この粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
また、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの平均個数(末端水酸基数)が1.5〜3個であればよいが、1.8〜2.4個であることが好ましい。この末端水酸基数が少なすぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基との反応性が低下し、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端水酸基数が多すぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基との反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、誘電率及び誘電正接が高くなる等の不具合が発生するおそれがある。
なお、ここでのポリアリーレンエーテル共重合体(A)の水酸基数は、使用する低分子量ポリフェニレンエーテルの製品の規格値からわかる。また、ここでの末端水酸基数としては、具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)1モル中に存在する全てのポリアリーレンエーテル共重合体(A)の1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
よって、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子量が比較的低く、末端水酸基数が比較的多いので、後述する、エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。したがって、このようなポリアリーレンエーテル共重合体(A)を用いることによって、広い周波数領域において誘電特性が良好であるだけではなく、成形不良を抑制できる充分な流動性を有し、さらに硬化物の耐熱性が充分に高められると考えられる。
また、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、数平均分子量(Mn)が500〜3000であることが好ましく、650〜1500であることがより好ましい。また、分子量が低すぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られない傾向がある。また、分子量が高すぎると、溶融粘度が高くなり、充分な流動性が得られず、成形不良を抑制できない傾向がある。
なお、ここでの数平均分子量は、具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等を用いて測定することができる。
本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、具体的には、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、2官能フェノールとしては、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。このようなポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、より具体的には、例えば、一般式(4)に示す構造を有するポリアリーレンエーテル共重合体等が挙げられる。
Figure 2011231134
式(4)中、s,tは、上述した固有粘度が0.03〜0.12dl/gの範囲内になるような重合度であればよい。具体的には、sとtとの合計値が、1〜30であることが好ましい。また、sが、0〜20であることが好ましく、tが、0〜20であることが好ましい。
本実施形態で用いるエポキシ樹脂(B)としては、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。このエポキシ樹脂(B)は、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上であるので、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が比較的高い。よって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と均一に反応しやすく、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と3次元的な架橋が形成されやすいと考えられる。したがって、エポキシ樹脂(B)を用いることによって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の有する、優れた誘電特性と流動性とを阻害することなく、硬化物の耐熱性が充分に高められると考えられる。
また、このエポキシ樹脂(B)としては、具体的には、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、軟化点が50℃以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、エポキシ樹脂(B)としては、例示されたエポキシ樹脂の中でも、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。また、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いると、難燃性を発揮しにくいことが知られているが、本実施形態の樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂として用いると、難燃性を充分に発揮できる。なお、本実施形態に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、ハロゲン化エポキシ樹脂を含有しないことが好ましい。
また、本実施形態で用いるエポキシ樹脂(B)は、エポキシ基が1分子中に平均2個以上有することが好ましい。1分子中のエポキシ基が平均2個以上であれば、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性が高まる点から好ましい。なお、ここでのエポキシ基数は、使用するエポキシ樹脂の製品の規格値からわかる。ここでのエポキシ基数としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂1モル中に存在する全てのエポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基の平均値を表した数値等が挙げられる。
以上のことから、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)とを組み合わせて用いることによって、上記3次元的な架橋を好適に進行させることができると考えられる。さらに、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gと、溶液での粘度が比較的低く、エポキシ樹脂(B)との相溶性が高いので、得られた樹脂組成物に溶媒を加えて、樹脂ワニスにしたときの粘度が低くなると考えられる。
本実施形態で用いる硬化促進剤(C)は、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応を促進することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系化合物、脂肪酸金属塩等が挙げられる。また、例示した脂肪酸金属塩は、一般的に金属石鹸と呼ばれるものであって、具体的には、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、及びオクチル酸等の脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、及び亜鉛等の金属とからなる脂肪酸金属塩等が挙げられる。より具体的には、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。前記硬化促進剤(C)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態で用いる硬化促進剤(C)としては、例示した硬化促進剤の中でも、イミダゾール系化合物を含有することが、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる点から好ましく、さらに、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩を含有することがより好ましい。このことは、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応だけではなく、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応も促進させることができるものであるので、エポキシ樹脂(B)を過剰に含有させた場合であっても、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、フェノキシホスファゼン化合物が架橋されたものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物及び式(2)で表される直鎖状フェノキシホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる化合物等が挙げられる。
Figure 2011231134
式(1)中、mは、3〜25を示し、Phは、フェニル基を示す。
Figure 2011231134
式(2)中、Xは、−N=P(OPh)基又は−N=P(O)(OPh)基を示し、Xは、−P(OPh)基又は−P(O)(OPh)基を示し、nは、3〜10000を示す。式(2)、X及びX中、Phは、フェニル基を示す。
また、例示したホスファゼン化合物を架橋する架橋基としては、ホスファゼン化合物を架橋することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、及び下記式(3)で表されるビスフェニレン基等が挙げられる。この中でも、パラフェニレン基、4,4’−スルホニルジフェニレン基、及び2,2’−ビス(p−オキシフェニル)イソプロピリデン基等が好ましい。
Figure 2011231134
式(3)中、Yは、−C(CH−基、−SO−基、−S−基、又は−O−基を示し、pは0又は1を示す。
本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)としては、例えば、ホスファゼン化合物中の酸素原子に結合されているフェニル基を脱離させ、フェニル基が脱離した酸素原子間に、架橋基を介在させることによって、ホスファゼン化合物を分子間架橋させた化合物であることが好ましい。なお、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)としては、上述したような分子間架橋だけではなく、分子内架橋も、本発明の効果を阻害しない範囲で形成されていてもよい。
また、本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の、架橋基が結合されている酸素原子数の割合としては、ホスファゼン化合物や架橋基の種類等によっても、樹脂組成物の他の成分であるポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、及び硬化促進剤(C)の種類によっても異なるが、例えば、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、1〜30モル%であることが好ましい。架橋基が結合されている酸素原子数の割合、すなわち、架橋の割合が少なすぎると、架橋の効果が低くなり、架橋していないフェノキシホスファゼン化合物を用いた場合と同程度の耐熱性しか発揮できない傾向がある。また、架橋基が結合されている酸素原子数の割合、すなわち、架橋の割合が高すぎると、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)やエポキシ樹脂(B)との相溶性が低下し、ワニス状にしたときの粘度が高く、流動性が低くなる傾向がある。このような流動性が低いワニスを用いて、プリント配線板の基板等を成形しても、充分な成形性を発揮できないおそれがある。また、架橋の割合が高すぎると、難燃効果にむらが発生したり、金属張積層板及び又はプリント配線板にした際のプリプレグと金属箔等との密着性が低下する傾向がある。このことは、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)やエポキシ樹脂(B)との相溶性の低下によって、樹脂組成物中の成分、例えば、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)等の分散性が低下することによると考えられる。
また、本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)としては、分子内にフリーの水酸基を有していないものが好ましく、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中の酸素原子が、フェニル基及び架橋基のいずれかと結合されているものがより好ましい。
ここで、分子内にフリーの水酸基を有していないとは、分析化学便覧(改訂第3版、日本分析化学会編、丸善株式会社、1981年)第353頁に記載の無水酢酸とピリジンとによるアセチル化法に従って定量した場合に、フリーの水酸基量が検出限界未満であることを意味する。ここで検出限界とは、試料1g、すなわち、ここでは架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)1g当たりの水酸基当量としての検出限界であり、具体的には、例えば、1×10−6水酸基当量/g等が挙げられる。すなわち、分子内にフリーの水酸基を有していないとは、具体的には、例えば、1×10−6水酸基当量/g未満であること等が挙げられる。
なお、上述したアセチル化法で、本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)を分析すると、アルカリ金属フェノラート等の原料に由来する化合物の水酸基の量も加算される。このアルカリ金属フェノラート等の原料に由来する化合物の量は、高速液体クロマトグラフィによって定量できるので、その化合物の水酸基の量も算出できる。よって、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)のフリーの水酸基を定量できる。
本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の製造方法としては、上述した構造の架橋フェノキシホスファゼン化合物を製造できれば、特に限定されない。
具体的には、例えば、ジクロルホスファゼン化合物と、フェノラート化合物及びジフェノラート化合物の混合物とを反応させること等によって、製造することができる。より具体的には、例えば、式(5)で表される環状ジシクロルホスファゼン化合物、及び式(6)で表される直鎖状ジシクロルホスファゼン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のジクロルホスファゼン化合物に、式(7)で表されるアルカリ金属フェノラート化合物であるフェノラート化合物と、式(8)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物及び式(9)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジフェノラート化合物との混合物を反応させ(第1工程)、次いで得られる化合物にアルカリ金属フェノラート化合物を反応させる(第2工程)こと等によって、製造することができる。
Figure 2011231134
式(5)中、mは、3〜25を示す。
Figure 2011231134
式(6)中、Xは、−N=PCl基又は−N=P(O)Cl基を示し、Xは、−N=PCl基又は−N=P(O)Cl基を示し、nは、3〜10000を示す。
Figure 2011231134
式(7)中、Mは、アルカリ金属を示す。
Figure 2011231134
式(8)中、Mは、アルカリ金属を示す。
Figure 2011231134
式(9)中、Yは、−C(CH−基、−SO−基、−S−基、又は−O−基を示し、pは0又は1を示し、Mは、アルカリ金属を示す。
また、式(8)及び式(9)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物のジクロルホスファゼン化合物に対する反応性が、式(7)で表されるアルカリ金属フェノラート化合物のそれに比べ極端に低いと考えられる。より具体的には、ジクロルホスファゼン化合物と式(7)で表されるアルカリ金属フェノラート化合物とを混合加熱すると、塩素原子がフェノキシ基に置換したフェノキシホスファゼンが生成する。これに対して、ジクロルホスファゼン化合物と、式(8)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物及び式(9)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のジフェノラート化合物とを混合加熱しても、置換反応は、ほとんど起らない。このことは、アルカリ金属ジフェノラート化合物の溶媒への溶解性が極端に低く、反応系で完全に分離することが一因になっていると考えられる。
したがって、例えば、特開昭51−47042号公報に記載されている方法、具体的には、ジクロルホスファゼン化合物にアルカリ金属フェノラート化合物を反応させ、次いでアルカリ金属ジフェノラート化合物を反応させる方法では、アルカリ金属フェノラート化合物との反応後に残存する塩素原子をアルカリ金属ジフェノラート化合物で完全に置換することは非常に困難である。仮にアルカリ金属ジフェノラート化合物の一方のOM基が、ジクロルホスファゼン化合物中の塩素原子と反応したとしても、残った片端のOM基が他の塩素原子と反応し難くなり、このOM基がOH基に変換され、結果として水酸基が残存したホスファゼン化合物が生成する。
これに対し、本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の製造方法では、ジクロルホスファゼン化合物にアルカリ金属フェノラート化合物とアルカリ金属ジフェノラート化合物との混合物を反応させ、次いで得られる化合物に更にアルカリ金属フェノラート化合物を反応させるので、フリーの水酸基を分子内に残存させることなく、アルカリ金属ジフェノラート化合物の両OM基のMが脱離して、2つの酸素原子がジクロルホスファゼン化合物中のリン原子に結合し、架橋され、分子量が増加したフェノキシホスファゼン化合物が製造される。
本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の製造方法において用いられる原料は、目的とする架橋フェノキシホスファゼン化合物を製造できれば、特に限定されない。具体的には、式(5)及び式(6)で表されるジクロルホスファゼン化合物は、例えば、特開昭57−87427号公報、特公昭58−19604号公報、特公昭61−1363号公報、特公昭62−20124号公報等に記載の公知の方法に従って製造できる。その一例を示せば、例えば、まず、クロルベンゼンやテトラクロルエタン中で、塩化アンモニウムと五塩化リンとを、または、塩化アンモニウムと三塩化リンと塩素とを、120〜130℃程度で反応させて、脱塩酸化することで製造できる。すなわち、mが3〜25である式(5)で表されるジクロルホスファゼン化合物やnが3〜25である式(65)で表されるジクロルホスファゼン化合物が製造できる。これらのジクロルホスファゼン化合物(ジクロルホスファゼンオリゴマー)は、通常混合物として得られる。
また、このようにして得られた環状及び鎖状のジクロルホスファゼンオリゴマー混合物から、蒸留又は再結晶により、ヘキサクロルシクロトリホスファゼン、オクタクロルシクロテトラホスファゼン及びデカクロルシクロペンタホスファゼン等の環状のジクロルホスファゼン化合物や、ヘキサクロルシクロトリホスファゼンを220〜250℃に加熱し、開環重合することにより、nが25〜10000である式(6)で表されるジクロルホスファゼン化合物を製造することができる。
上述した方法で製造されるジクロルホスファゼン化合物は、環状及び鎖状のジクロルホスファゼンと混合したまま、または分離して各々単独で用いてもよい。
また、式(8)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物としては、特に限定されず、具体的には、2つ−OM基が、オルト、メタ及びパラのいずれの位置関係にあってもよい。このようなアルカリ金属ジフェノラート化合物の具体例としては、例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、カテコール等のアルカリ金属塩を挙げることができる。これらの中でも、ナトリウム塩及びリチウム塩が好ましい。また、アルカリ金属ジフェノラート化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、式(9)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物としては、特に限定されない。具体的には、例えば、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノール−A)、4,4’−スルホニルジフェノール(ビスフェノール−S)、4,4’−チオジフェノール、4,4’−オキシジフェノール、4,4’−ジフェノール等のアルカリ金属塩等を挙げることができる。これらの中でも、ナトリウム塩及びリチウム塩が好ましい。また、アルカリ金属ジフェノラート化合物は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、式(8)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物及び式(9)で表されるアルカリ金属ジフェノラート化合物を、それぞれ単独で使用してもよいし、これらを組み合わせて使用してもよい。
第1工程においては、ジクロルホスファゼン化合物中の塩素原子がアルカリ金属フェノラート化合物及びアルカリ金属ジフェノラート化合物との反応により全て消費されないようにアルカリ金属フェノラート化合物及びアルカリ金属ジフェノラート化合物の使用量を調節することが望ましい。すなわち、ジクロルホスファゼン化合物中の塩素原子がアルカリ金属フェノラート化合物及びアルカリ金属ジフェノラート化合物との反応によってもなお残存しているように、アルカリ金属フェノラート化合物及びアルカリ金属ジフェノラート化合物の使用量を調節することが望ましい。このことにより、アルカリ金属ジフェノラート化合物の2つの−OM基がジクロルホスファゼン化合物のリン原子に結合する。第1工程では、アルカリ金属フェノラート化合物及びアルカリ金属ジフェノラート化合物の使用量は、ジクロルホスファゼン化合物の塩素量を基準にして、両フェノラート化合物の合計量で通常0.05〜0.9当量程度、好ましくは0.1〜0.8当量程度とすればよい。
また、第2工程においては、第1工程で生成する化合物中の塩素原子及びフリーの水酸基が全てアルカリ金属フェノラートとの反応によって全て消費されるように、アルカリ金属フェノラートの使用量を調節することが望ましい。本実施形態では、アルカリ金属フェノラートの使用量は、ジクロルホスファゼン化合物の塩素量を基準にして、通常1〜1.5当量程度、好ましくは1〜1.2当量程度とすればよい。
また、第1工程で用いるアルカリ金属フェノラート化合物と第2工程で用いるアルカリ金属フェノラート化合物との合計量に対する、アルカリ金属ジフェノラート化合物の使用割合(アルカリ金属ジフェノラート化合物/アルカリ金属フェノラート化合物)は、モル比で、通常1/2000〜1/4程度、好ましくは1/20〜1/6とすればよい。
第1工程及び第2工程の反応は、各々通常室温〜150℃程度、好ましくは80〜140℃程度の温度下に行われ、通常1〜12時間程度、好ましくは3〜7時間程度で終了する。第1工程及び第2工程の反応は、いずれも、通常ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素等の有機溶媒中にて行われる。
上述の方法により製造された架橋フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、洗浄、濾過、乾燥等の通常の単離方法に従い、反応混合物から容易に単離、精製できる。
また、このようにして得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物は、分解温度が250〜350℃の範囲内である。
なお、式(2)における末端基X1及びXは、反応条件等により変化し、通常の反応条件で、例えば、非水の系で温和な反応を行った場合には、X1が−N=P(OPh) 基、Xが−P(OPh)4基の構造となる。また、水分やアルカリ金属水酸化物が反応系内に存在する反応条件で行った場合、及び転移反応が生じるような過酷な反応条件で反応を行った場合には、X1が−N=P(OPh)基、Xが−P(OPh)4基の構造の他に、X1が−N=P(O)OPh基、Xが−P(O)(OPh)基の構造のものが混在する状態となる。
本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、塩素及び臭素等のハロゲンや鉛を含まないものであることから、本実施形態に係る樹脂組成物が分解又は燃焼されても、ハロゲン化水素等の生物に対する有害ガスや煙を発生することが充分に抑制される。本実施形態で用いる架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)としては、上述したように、分子内にフリーの水酸基を有していないものが好ましく、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中の酸素原子が、フェニル基及び架橋基のいずれかと結合されているものがより好ましい。このような構造の架橋フェノキシホスファゼン化合物は、水酸基が実質的に無いものがましいものであることから、ハロゲン化水素等の生物に対する有害ガスや煙の発生をより抑制できる。また、このような架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)を含有させることによって、優れた難燃性を付与し、さらに、耐熱性の低下を抑制できる樹脂組成物が得られる。このことは、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)とによる3次元的な架橋の形成を阻害することを充分に抑制できることによると考えられる。
ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量としては、樹脂組成物の成分であるポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましい。このように、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量が比較的多いと、熱硬化性樹脂でありながら、硬化物を強靭化でき、また、伸びやたわみが大きくなる。また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が少なすぎると、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の有する優れた誘電特性を維持することができない傾向にある。また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が多すぎると、硬化物の耐熱性が不充分になる傾向がある。すなわち、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量が上記範囲内であることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の優れた誘電特性を発揮でき、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られる。
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たりの、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比(エポキシ基当量/水酸基当量)が、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。そうすることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基より多くても、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。また、硬化促進剤(C)として、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩等を用いた場合は、特に硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たりの、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比が低すぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基が少なすぎて、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応が充分に進行しない傾向がある。また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たりの、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比が高すぎると、樹脂組成物の硬化反応に占める、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応の割合が高くなりすぎ、すなわち、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応の割合が低くなりすぎ、硬化物の耐熱性を充分に高めることができない傾向がある。
硬化促進剤(C)の含有量としては、樹脂組成物の成分であるポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、前記硬化促進剤(C)としてイミダゾール系化合物を含有する場合、イミダゾール系化合物の含有量が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、0.05〜1質量部であることが好ましい。また、イミダゾール系化合物と脂肪酸金属塩とを併用した場合、脂肪酸金属塩の含有量が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、0.5〜4質量部であることが好ましい。硬化促進剤(C)の含有量が少なすぎると、硬化促進効果を高めることができない傾向にある。また、硬化促進剤(C)の含有量が多すぎると、成形性に不具合を生じる傾向があり、また、硬化促進剤の含有量が多すぎて経済的に不利となる傾向がある。また、樹脂組成物のライフ性が低下する傾向がある。
架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の含有量としては、樹脂組成物の成分であるポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、10〜40質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることが好ましい。架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)の含有量が少なすぎると、難燃性を充分に高めることができない傾向がある。また、多すぎると、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応が抑制され、硬化物の耐熱性を充分に高めることができなくなる傾向がある。
本実施形態に係る樹脂組成物には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、上記の組成である、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)以外の組成を含有してもよい。具体的には、例えば、以下のようなものを含有してもよい。
まず、本実施形態に係る樹脂組成物には、エポキシ樹脂(B)の硬化剤を含有してもよい。エポキシ樹脂(B)の硬化剤としては、例えば、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂等が好ましく用いられる。このような硬化剤を用いることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂は、エポキシ樹脂(B)の硬化剤として働き、また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が高いので、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応を阻害することなく、エポキシ樹脂(B)の硬化反応を促進できることによると考えられる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、無機充填材を含有してもよい。無機充填材を含有させることによって、難燃性をより高めることができる。また、ポリアリーレンエーテル共重合体を含む樹脂組成物は、一般的な絶縁基材用のエポキシ樹脂組成物等と比較すると、架橋密度が低く、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2が高くなる傾向がある。無機充填材を含有させることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。無機充填材としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、無機充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものが、特に好ましい。このようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填材が配合された樹脂組成物を用いて得られる金属張積層板は、吸湿時における耐熱性が高く、また、層間ピール強度も高くなる傾向がある。
本実施形態に係る樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤等の添加剤をさらに配合してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いられることが多い。すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物は、通常、ワニス状に調製されたもの(樹脂ワニス)であることが多い。このような樹脂ワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
まず、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)及びエポキシ樹脂(B)等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)及びエポキシ樹脂(B)等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン等が挙げられる。
得られた樹脂ワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られた樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
樹脂ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び樹脂量に調整することも可能である。
樹脂ワニスが含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を3.5〜4.0Pa、時間を60〜150分間とすることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、高い難燃性を発揮させるものである。このため、前記樹脂組成物を用いて得られたプリプレグを用いた金属張積層板は、誘電特性、耐熱性、及び難燃性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生が抑制しつつ製造できる、信頼性の高いものである。
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。このように得られるプリント配線板は、誘電特性、耐熱性、及び難燃性が優れ、さらに、成形不良の発生が抑制されたものである。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[架橋フェノキシホスファゼン化合物の合成]
<合成例1(p−フェニレン基による架橋構造を有するフェノキシホスファゼン化合物の合成)>
フェノール52g(0.6モル)、水酸化ナトリウム22.0g(0.6モル)、水25g及びトルエン250mlの混合物を加熱還流し、水のみを系外に取り除いた。そうすることによって、ナトリウムフェノラートのトルエン溶液を調製した。
ナトリウムフェノラートのトルエン溶液の調製と並行して、1リットル四ツ口フラスコにハイドロキノン8.3g(0.08モル)、フェノール47.1g(0.5モル)、水酸化リチウム15.6g(0.7モル)、水26g及びトルエン300mlを入れ、加熱還流し、水のみを系外に取り除いた。そうすることによって、ハイドロキノンとフェノールのリチウム塩のトルエン溶液を調製した。このハイドロキノンとフェノールのリチウム塩のトルエン溶液に、ジクロルホスファゼンオリゴマー(3量体62%、4量体12%、5量体及び6量体11%、7量体3%、8量体以上12%の混合体)0.5ユニットモル(58.0g)を含む20質量%クロルベンゼン溶液290gを、撹拌下30℃以下で滴下した後、110℃で3時間撹拌反応した。次に、先に調製したナトリウムフェノラートのトルエン溶液を撹拌下で添加した後、110℃で4時間反応を継続した。
反応終了後、反応混合物を3%水酸化ナトリウム水溶液0.5リットルで3回洗浄し、次に、水0.5リットルで3回洗浄した後、有機層を減圧下で濃縮した。得られた生成物を80℃、3mmHg以下で11時間加熱真空乾燥した。そうすることによって、架橋フェノキシホスファゼン化合物の微黄色粉末101gを得た。
このようにして得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物は、加水分解塩素が0.04質量%であり、重量平均分子量(Mw)が1096(ポリスチレン換算、GPC分析)であることが判明した。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物は、リン含有率及びCHN元素分析値による組成が、ほぼ[N=P(−O−p−Ph−O−)0.14(−O−Ph)1.68]であることが判明した。このことから、架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、約14.3%であることがわかった。
TG/DTA分析(熱重量分析)では、明確な融点は示さず、分解開始温度は308℃、5%重量減少温度は312℃であった。
また、アセチル化法によって残存水酸基の定量を行った結果、検出限界(サンプル1g当たりの水酸基当量として:1×10−6当量/g)以下であった。なお、検出限界は、以下の合成例においても同数値である。
<合成例2(4,4’−スルホニルジフェニレン基(ビスフェノール−S残基)による架橋構造を有するフェノキシホスファゼンの合成)>
フェノール52g(0.6モル)及びTHF250mlを500ミリリットル四ツ口フラスコに入れ、撹拌下、内部の液温を25℃に保ちつつ、金属ナトリウム1.1グラム原子12.7gを細かく裁断して投入した。投入終了後、65〜72℃で金属ナトリウムが完全に消失するまで5時間撹拌を続けた。そうすることによって、ナトリウムフェノラートのトルエン溶液を調製した。
ナトリウムフェノラートのトルエン溶液の調製と並行して、500ミリリットル四つ口フラスコで、フェノール47.1g(0.5モル)とビスフェノール−S3.13g(0.013モル)をTHF250mlに溶解し、25℃以下で金属ナトリウム1.05グラム原子の砕片12.1gを投入した。投入終了後1時間かけて61℃まで昇温、61〜68℃で6時間撹拌を続けた。そうすることによって、ナトリウムフェノラート混合溶液を調製した。このナトリウムフェノラート混合溶液をジクロルホスファゼンオリゴマー(3量体62%、4量体12%、5量体及び6量体11%、7量体3%、8量体以上12%の混合体)0.5ユニットモル(58.0g)を含む20質量%クロルベンゼン溶液290gに、25℃以下の冷却・撹拌下で滴下した後、71〜73℃で5時間撹拌反応した。次に、先に調製したナトリウムフェノラート溶液を滴下した後、71〜73℃で3時間反応を継続した。
反応終了後、反応混合物を濃縮し、クロルベンゼン250mlに再溶解した後、5質量%NaOH水洗浄を3回、5質量%硫酸洗浄、5質量%重曹水洗浄、水洗3回を行い、濃縮乾固した。そうすることによって、架橋フェノキシホスファゼン化合物の淡黄色のワックス状物99gを得た。
このようにして得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物は、加水分解塩素が0.05質量%であり、重量平均分子量(Mw)が1032(ポリスチレン換算、GPC分析)であることが判明した。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物は、リン含有率及びCHN元素分析値により組成が、ほぼ[N=P(−O−Ph−SO−Ph−O−)0.027(−O−Ph)1.94]であることが判明した。このことから、架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、約2.7%であることがわかった。
TG/DTA分析(熱重量分析)では、融解温度Tmは103℃であり、分解開始温度は320℃であり、5%重量減少温度は330℃であった。
また、アセチル化法によって残存水酸基の定量を行った結果、検出限界(サンプル1g当たりの水酸基当量として:1×10−6当量/g)以下であった。
<合成例3(2,2−ビス(p−オキシフェニル)イソプロピリデン基による架橋構造を有するフェノキシホスファゼン化合物の合成)>
フェノール33.0g(0.35モル)及びトルエン250mlを500ミリリットル四ツ口フラスコに入れ、撹拌下、内部の液温を25℃に保ちつつ、金属ナトリウム0.65グラム原子7.5gを細かく裁断して投入した。投入終了後77〜113℃で金属ナトリウムが完全に消失するまで8時間撹拌を続けた。そうすることによって、ナトリウムフェノラート溶液を調製した。
ナトリウムフェノラートのトルエン溶液の調製と並行して、ビスフェノール−A28.6g(0.13モル)、フェノール51.8g(0.6モル)及びテトラヒドロフラン(THF)400mlを2リットル四ツ口フラスコに入れ、撹拌下、内部の液温を25℃以下に保ちつつ、金属リチウム1.6グラム原子5.6gを細かく裁断して投入した。投入終了後、61〜68℃で金属リチウムが完全に消失するまで、8時間撹拌を続けた。そうすることによって得られたスラリー溶液に、ジクロルホスファゼンオリゴマー(濃度:37質量%、クロルベンゼン溶液313g、組成:3量体75%、4量体17%、5及び6量体6%、7量体1%、8量体以上1%の混合体)0.5ユニットモル(58.0g)を撹拌下、内部の液温を20℃以下に保ちつつ、1時間かけて滴下した後、80℃で2時間反応した。次いで、撹拌下、内部の液温を20℃に保ちつつ、先に調製したナトリウムフェノラート溶液を1時間かけて添加した後、80℃で5時間反応をした。
反応終了後、反応混合物を濃縮しTHFを除き、新たにトルエン500mlを添加した。このトルエン溶液を2質量%NaOH500mlで3回洗浄、次に、水500mlで3回洗浄した後、有機層を減圧下で濃縮した。得られた生成物を80℃、3mmHg以下で11時間加熱真空乾燥した。そうすることによって、架橋フェノキシホスファゼン化合物の白色粉末225gを得た。
このようにして得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物は、加水分解塩素が0.07質量%であり、重量平均分子量(Mw)が1128(ポリスチレン換算、GPC分析)であることが判明した。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物は、リン含有率及びCHN元素分析値よる組成が、ほぼ[N=P(−O−Ph−C(CH−Ph−O−)0.26(−O−Ph)1.52]であることが判明した。このことから、架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、約25.5%であることがわかった。
TG/DTA分析(熱重量分析)では、明確な融点は示さず、分解開始温度は309℃であり、5%重量減少温度は312℃であった。
また、アセチル化法によって残存水酸基の定量を行った結果、検出限界(サンプル1g当たりの水酸基当量として:1×10−6当量/g)以下であった。
[樹脂組成物の調製]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。ここで、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度を、固有粘度(IV)を示し、トルエンに対する、25℃における溶解度を、トルエン溶解度と示す。
(ポリアリーレンエーテル共重合体:PAE)
PAE 1:ポリアリーレンエーテル共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製のMX−90、固有粘度(IV)0.085dl/g、末端水酸基数1.9個、数平均分子量Mn1050)
PAE 2:国際公開第2007/067669号に記載の方法で合成したポリアリーレンエーテル共重合体(固有粘度(IV)0.06dl/g、末端水酸基数1.8個、数平均分子量Mn800)
PAE 3:国際公開第2007/067669号に記載の方法で合成したポリアリーレンエーテル共重合体(固有粘度(IV)0.09dl/g、末端水酸基数2.8個、数平均分子量Mn1150)
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN680、トルエン溶解度80質量%)
エポキシ樹脂2:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製のNC−2000L、トルエン溶解度60質量%)
エポキシ樹脂3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンHP7200H、トルエン溶解度80質量%)
(硬化促進剤)
イミダゾール系化合物:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製の2E4MZ)
脂肪酸金属塩(金属石鹸):オクタン酸亜鉛(DIC株式会社製)
(架橋フェノキシホスファゼン化合物)
架橋フェノキシホスファゼン化合物1:合成例1で得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物
架橋フェノキシホスファゼン化合物2:合成例2で得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物
架橋フェノキシホスファゼン化合物3:合成例3で得られた架橋フェノキシホスファゼン化合物
(環状フェノキシホスファゼン化合物)
環状フェノキシホスファゼン化合物:環状フェノキシホスファゼン化合物(大塚化学株式会社製のSPB−100)
(リン酸エステル化合物)
リン酸エステル化合物:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製のPX−200)
(その他の成分)
芳香族アミン化合物:ジエチルトルエンジアミン(アルベマール日本株式会社製のエタキュア100、トルエン溶解度100質量%)
フェノール樹脂:フェノール樹脂(新日本石油株式会社製のDPP−6115S、トルエン溶解度25質量%)
シリカ粒子:シリカ粒子(株式会社アドマテックス製のSC2500−SEJ)
[調製方法]
まず、ポリアリーレンエーテル共重合体とトルエンとを混合させて、その混合液を80℃になるまで加熱することによって、ポリアリーレンエーテル共重合体をトルエンに溶解させて、ポリアリーレンエーテル共重合体の50質量%トルエン溶液を得た。その後、そのポリアリーレンエーテル共重合体のトルエン溶液に、表1〜表3に記載の配合割合になるように、エポキシ樹脂を添加した後、80℃のままで30分間攪拌することによって、完全に溶解させた。そして、さらに、イミダゾール系化合物や架橋フェノキシホスファゼン化合物等の他の成分を添加して、ボールミルで分散させることによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られた。
次に、得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、WEA116E、Eガラス)に含浸させた後、140℃で約3〜8分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、ポリアリーレンエーテル共重合体、エポキシ樹脂及び硬化剤等の樹脂成分の含有量(レジンコンテント)が約50質量%となるように調整した。
そして、得られた各プリプレグを所定枚数重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、所定の厚みの評価基板を得た。
具体的には、例えば、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層することによって、厚み0.5mmの評価基板を得た。また、得られた各プリプレグを12枚重ねて積層することによって、厚み1.5mmの評価基板を得た。また、得られた各プリプレグを20枚重ねて積層することによって、厚み2.5mmの評価基板を得た。
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
[誘電特性(誘電率及び誘電正接)]
1GHzにおける評価基板(基板厚み0.5mm)の誘電率及び誘電正接を、IPC−TM650−2.5.5.9に準拠の方法で測定した。具体的には、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のRFインピーダンスアナライザ HP4291B)を用い、1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
[オーブン耐熱性]
評価基板(基板厚み0.5mm)を50mm×50mmのサイズに切り取ったサンプル5個を、290℃のオーブンに1時間入れた。その後、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、290℃のオーブンの代わりに、300℃のオーブンを用いて、同様の評価を行った。
[半田耐熱性]
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板(基板厚み0.5mm)を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
[難燃性]
評価基板(基板厚み0.5mm)から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94”に準じて、10回燃焼試験を行い、その際の総燃焼時間(秒間)を測定し、その結果から評価した。また、別途、必要に応じて、基板厚み1.5mmの評価基板及び基板厚み2.5mmの評価基板にも、同様の難燃性評価を行った。なお、総燃焼時間が50秒以下であれば、難燃性は、「V−0」と判定される。
[溶解性]
得られた樹脂ワニスを、室温まで冷却後1日放置した後、樹脂ワニスの透明性を目視で確認した。透明であると確認できれば、「○」と評価し、濁りが確認できれば、「×」と評価した。
[ワニス粘度変化]
調製した直後の樹脂ワニス、及び調製後1週間室温で放置した後の樹脂ワニスの粘度を、それぞれ粘度計(株式会社テックジャム製のB型粘度計 BH2(ローマ数字))を用いて測定した。そして、調製直後の樹脂ワニスの粘度に対する、調製後1週間経過後の樹脂ワニスの粘度の比を求めた。前記比が1.2以下であれば、「○」と評価し、1.2を超えるのであれば、「×」と評価した。
[プリプレグの樹脂流れ性]
各プリプレグの樹脂流れ性は、JIS C 6521に準拠の方法で測定した。
上記各評価における結果は、表1〜表3に示す。
Figure 2011231134
Figure 2011231134
Figure 2011231134
表1〜3からわかるように、固有粘度(IV)が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、トルエン溶解度が10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有する樹脂組成物を用いた場合(実施例1〜14)は、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)以外のリンを含有する難燃剤を含有する樹脂組成物を用いた場合(比較例1〜3)と比較して、誘電率や誘電正接等の誘電特性を悪化させずに、半田耐熱性、難燃性、溶解性、及びプリプレグの樹脂流れ性の全てに優れ、樹脂ワニスの粘度増加が少ないものであった。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有することを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子量が比較的低く、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの個数が比較的多いので、前記エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。
また、前記エポキシ樹脂(B)は、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上であるので、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が比較的高い。よって、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と均一に反応しやくすく、3次元的な架橋を均一に形成しやすいと考えられる。
よって、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)とを組み合わせて用いることによって、上記3次元的な架橋を好適に形成させることができると考えられる。
また、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、比較的多量、具体的には、例えば、得られた樹脂組成物の硬化物の難燃性が充分に発揮できる程度含有させても、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に発揮させることができる。このことは、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、難燃性を高めるだけではなく、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)とによる3次元的な架橋の形成の阻害を充分に抑制できることによると考えられる。
さらに、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、架橋していないフェノキシホスファゼン化合物と比較しても、耐熱性を高めることができる。このことは、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)は、架橋しているため、揮発性が充分に抑制されているためであると考えられる。
さらに、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gと、溶液での粘度が比較的低く、前記エポキシ樹脂(B)との相溶性が高いので、得られた樹脂組成物に溶媒を加えて、樹脂ワニスにしたときの粘度が低くなると考えられる。
以上のことから、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物になると考えられる。
なお、エポキシ樹脂として、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂であれば、トルエンに対する溶解度が上記範囲内であり、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との高い相溶性を示す。これに対して、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂であれば、トルエンに対する溶解度が上記範囲外であり、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が低い。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック型エポキシ樹脂との構造は、類似しているが、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が大きく異なる。このことから、エポキシ樹脂として、どんなエポキシ樹脂であってもよいわけではなく、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上であるエポキシ樹脂を用いることが重要である。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、下記式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物及び下記式(2)で表される直鎖状フェノキシホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる化合物であることが好ましい。
Figure 2011231134
[式(1)中、mは、3〜25を示し、Phは、フェニル基を示す。]
Figure 2011231134
[式(2)中、Xは、−N=P(OPh) 基又は−N=P(O)(OPh)基を示し、Xは、−P(OPh)基又は−P(O)(OPh) 基を示し、nは、3〜10000を示す。式(2)、X及びX中、Phは、フェニル基を示す。]
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させないままで、難燃性のより高い樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋基が、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、及び下記式(3)で表されるビスフェニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋基であることが好ましい。
Figure 2011231134
[式(3)中、Yは、−C(CH−基、−SO−基、−S−基、又は−O−基を示し、pは0又は1を示す。]
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させないままで、難燃性のより高い樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、前記ホスファゼン化合物中の酸素原子に結合されているフェニル基を脱離させ、前記フェニル基が脱離した酸素原子間に、前記架橋基を介在させることによって、前記ホスファゼン化合物を分子間架橋させた化合物であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させないままで、難燃性のより高い樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、1〜30%であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させないままで、難燃性のより高い樹脂組成物が得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、2,6−ジメチルフェノールからなるPPEの有する優れた誘電特性を維持したまま、上記3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(B)が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、軟化点が50℃以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度がより低い樹脂組成物が得られる。
このことは、上記各エポキシ樹脂が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が高いことによると考えられる。具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が低い場合があるが、軟化点が50℃以下のものであれば、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が高い。よって、このようなエポキシ樹脂を用いることによって得られた樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度が充分に低くなると考えられる。すなわち、プリント配線板等の電子部品を製造するために好適なプリプレグが得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との硬化反応だけではなく、前記エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応も促進させることができるものであるので、前記エポキシ樹脂(B)を過剰に含有させた場合であっても、前記エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られる。
このことは、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)を比較的多く含有させることによって、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の有する優れた誘電特性を維持したまま、上記3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂の少なくともいずれか一方をさらに含有することが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、前記芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂(B)の硬化剤として働き、また、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が高いので、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との硬化反応を阻害することなく、前記エポキシ樹脂(B)の硬化反応を促進できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、無機充填材をさらに含有することが好ましい。
このような構成によれば、難燃性をより高めることができる。さらに、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の数平均分子量が、500〜3000であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の分子量が、上記のように比較的低いと、前記エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいことによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たり1〜4であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ基が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基より多くても、前記エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。また、前記硬化促進剤(C)として、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩等を用いた場合は、特に硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
また、本発明の他の一態様にかかる樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有する。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性に優れ、粘度が低く、流動性の高い樹脂ワニスが得られる。そして、この樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグは、プリント配線板等の電子部品を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる。
また、前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、プリント配線板等の電子部品を、成形不良の発生をより抑制しつつ製造できる樹脂ワニスが得られる。このことは、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの沸点が比較的高く、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)及び前記エポキシ樹脂(B)を溶解させることができるので、得られたプリプレグが適切な乾燥速度を有することによると考えられる。
また、本発明の他の一態様にかかるプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れた金属張積層板を製造するのに好適に用いられるものであり、さらに、樹脂組成物の粘度が低く、流動性が高いので、金属張積層板やプリント配線板を製造する際の成形不良の発生を抑制できる信頼性に優れたものが得られる。
また、本発明の他の一態様にかかる金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる、信頼性に優れた金属張積層板が得られる。
また、本発明の他の一態様にかかるプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたことを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れ、さらに、成形不良の発生を抑制されたものが得られる。

Claims (18)

  1. 25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、
    トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、
    硬化促進剤(C)と、
    架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、下記式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物及び下記式(2)で表される直鎖状フェノキシホスファゼン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2011231134

    [式(1)中、mは、3〜25を示し、Phは、フェニル基を示す。]
    Figure 2011231134

    [式(2)中、Xは、−N=P(OPh)基又は−N=P(O)(OPh)基を示し、Xは、−P(OPh)基又は−P(O)(OPh)基を示し、nは、3〜10000を示す。式(2)、X及びX中、Phは、フェニル基を示す。]
  3. 前記架橋基が、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、及び下記式(3)で表されるビスフェニレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋基である請求項2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2011231134

    [式(3)中、Xは、−C(CH−基、−SO−基、−S−基、又は−O−基を示し、pは0又は1を示す。]
  4. 前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)が、前記ホスファゼン化合物中の酸素原子に結合されているフェニル基を脱離させ、前記フェニル基が脱離した酸素原子間に、前記架橋基を介在させることによって、前記ホスファゼン化合物を分子間架橋させた化合物である請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記架橋基が結合されている酸素原子数の割合が、前記架橋フェノキシホスファゼン化合物(D)中のリン原子に結合されている全酸素原子数に対して、1〜30%である請求項2〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂(B)が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、軟化点が50℃以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩である請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、40〜80質量部である請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂の少なくともいずれか一方をさらに含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 無機充填材をさらに含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の数平均分子量が、500〜3000である請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  13. 前記エポキシ樹脂(B)のエポキシ基の当量比が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たり1〜4である請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物と溶媒とを含有する樹脂ワニス。
  15. 前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載の樹脂ワニス。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグ。
  17. 請求項16に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする金属張積層板。
  18. 請求項16に記載のプリプレグを用いて製造されたことを特徴とするプリント配線板。
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