JPH036301B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は各階毎に入口を設けないようにして住
環境の向上を図つた多層集合住宅に関する。

（従来の技術） 従来の集合住宅の住戸型式にはフラツト形式の
ものが多く、この種の形式は各階に廊下を設けて
いる。このフラツト形式によると、各住戸の廊下
側の居室の通風が自由にとれず、プライバシーが
守りにくいという住環境上の問題があり、そして
各居室の独立性の確保に改善の余地があつた。こ
の問題を解決した多層集合住宅として特公昭52−
24342号に係るものがある。この多層集合住宅は、
上下に組合せた２住戸（世帯）を１組とした住戸
ユニツトを備え、住戸ユニツトの縦断面が変形横
Ｙ字形となり、この住戸ユニツトを交互に積層し
て構築したものである。

（発明が解決しようとする課題） 従来の多層集合住宅によれば、上下に組み合わ
された２住戸を１組として住戸ユニツトの縦断面
が変形横Ｙ字形となつて、この住戸ユニツトが交
互に積層され、各住戸に通じる共通廊下を建物の
短辺方向における縦断面の片側に、５階に１つの
割合で設置され、その反対側の片側にも上記共通
廊下の中間の高さに別の共通廊下を設置するため
に、建物全体の構造が複雑になり、型枠も建物両
側で組む必要があるので、施工が面倒となり、さ
らに建物の桁行方向の両側に共通廊下に通じるた
めのエレベーター、共通階段をそれぞれ設置する
必要があり、上記の不都合は著しいものとなる。

本発明の目的は、構造が簡単であつて、施工に
手間がかからない多層集合住宅を提供することに
ある。

（課題を解決するための手段） 本発明の多層集合住宅は、２住戸を上下に組合
せて１住戸ユニツトとして複数の住戸ユニツトが
積層されているものである。上記住戸ユニツトを
構成している上下各住戸１，１１は、いずれも床
が上中下３床面２〜４，１２〜１４を備え、上中
下それぞれの床面のレベルが半階ずつずれた状態
にあつて、中間に位置する中床面３，１３が上下
に位置する上下各床面２，１２，４，１４と第１
階段５，１５及び第２階段６，１６とでそれぞれ
連なり、上中下３床面が上記階段を囲む状態に位
置されているものである。上住戸１は下床面２か
ら第１階段５を上がつて中床面３に至り、第１階
段を折り返えして第２階段６を上がつて上床面４
に至るものであり、下住戸１１は上床面１２から
第１階段１５を下りて中床面１３に至り、第１階
段を折り返えして第２階段１６を下りて下床面１
４に至るものである。上記上住戸１の上床面４、
中床面３及び下床面２と、下住戸１１の上床面１
２、中床面１３及び下床面１４とはそれぞれ上下
で対向しており、上記上住戸の下床面と下住戸の
上床面とは同じ床レベルで隣接しかつ共通廊下１
０の床面に連なつている。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

建物は、２住戸１，１１を上下に組合せて１住
戸ユニツトとして複数の住戸ユニツトが積層され
ているものである。

まず、１住戸ユニツトを構成する上住戸１及び
下住戸１１のうち、まず上住戸１を説明する。

上住戸１の床は、第１図において点描で図示す
るように、３床面すなわち下床面２、中床面３及
び上床面４からなり、各床面のレベルが半階ずつ
ずれた状態に設定されている。床面２〜４は、第
１階段５及び第２階段６によつて連なり、階段は
下床面を基準としては上がり階段となつている。
３床面２〜４のうち、下側の下床面２は第１階段
５により中間に位置する中床面３と連なり、中床
面３は第１階段５と隣接する第２階段６により上
側の上床面４と連なつている。上中下各床面２〜
４は第１、第２階段５，６を囲む平面コ字状に配
置されている。

したがつて、上住戸１において、下床面２から
第１階段５を上がつて中床面３に至り、第１階段
５を折り返えして第２階段６を上がつて上床面４
に至るものである。

下床面２と上床面４を備えた部屋７，８は建物
の内側（第３図左側）に面しており、下床面２は
共通廊下１０の床面に連なつており、また中床面
３を備えた部屋９は外側に面している。

下住戸１１について説明すると、上住戸の床構
成も、上住戸１と実質的に同一であるが、第１階
段１５及び第２階段１６については床面１２を基
準として下がり階段となつている。つまり、下住
戸１１は上床面１２から第１階段１５を下りて中
床面１３に至り、第１階段１５を折り返えして第
２階段１６を下りて下床面１４に至るものであ
る。

上床面１２は共通廊下１０の床面に連なつてい
る。

上住戸１と下床面２との関係を説明する。

上住戸１の下床面２と下住戸１１の上床面１２
とは同一床レベルで隣り合い、いずれも共通廊下
１０の床面に連なつている。そして住戸１の上床
面４の下側に住戸１１の上床面１２が対向位置し
ており、また中床面３は中床面１３の上側に対向
位置している。上住戸１と下住戸１１と、下床面
２と下床面１４と、中床面３と中床面１３と、上
床面４と上床面１２とはそれぞれ同一面積として
ある。

同一床レベルにある床面２，１２を備えた部屋
７，１７に玄関部屋７ａ，１７ａを設けてあり、
この部屋側に廊下１０が形成されている。

したがつて上住戸１は入口のある下階の部屋７
ａから入り、第１階段５を通つて中２階の部屋９
に、さらに第２階段６から上階の部屋８へ至るこ
とができる。

下住戸１１は上階の玄関部屋１７ａから第１階
段１５を下りて中床面１３を有する中２階の部屋
へ、さらに第２階段１６を下りて下床面１４を有
する下階の部屋に至ることができる。

上記構成の上住戸１と下住戸１１とを１組とす
る住戸ユニツトを多数積層することにより、共通
階段は１階毎でよく、上床面４と下床面１４を有
する各部屋側には廊下を設ける必要がなく、この
部屋の通風がよくなり、プライバシーが保て、居
住性が向上する。

（発明の効果） 本発明によれば、共通廊下を従来の多層集合住
宅のように建物の両側に設ける必要がなく、片側
だけでよいので、従来例に比較して構造が簡単と
なり、共通廊下の型枠工事も容易になるから施工
に手間がかからず、その上共通階段も両側に設け
る必要がないので、より一層構造が簡単となり、
施工も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は縦断面図、第３図は
間取りプランの平面図である。 １……上住戸、１１……下住戸、２，１４……
下床面、３，１３…中床面、４，１２……上床
面、５，１５……第１階段、６，１６……第２階
段、１０……共通廊下。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２住戸を上下に組合せて１住戸ユニツトとし
   て複数の住戸ユニツトが積層されている多層集合
   住宅であつて、 上記住戸ユニツトを構成している上下各住戸
   は、いずれも床が上中下３床面を備え、上中下そ
   れぞれの床面のレベルが半階ずつずれた状態にあ
   つて、中間に位置する中床面が上記上下各床面と
   第１階段及び第２階段とでそれぞれ連なり、上中
   下３床面が上記階段を囲む状態に位置されている
   もので、 上住戸は下床面から第１階段を上がつて中床面
   に至り、第１階段を折り返えして第２階段を上が
   つて上床面に至るものであり、下住戸は上床面か
   ら第１階段を下りて中床面に至り、第１階段を折
   り返えして第２階段を下りて下床面に至るもので
   あり、 上記上住戸の上床面、中床面及び下床面と、下
   住戸の上床面、中床面及び下床面とはそれぞれ上
   下で対向しており、 上記上住戸の下床面と下住戸の上床面とは同じ
   床レベルで隣接しかつ共通廊下の床面に連なつて
   いる ことを特徴とする多層集合住宅。