JPH036256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は飲料等を保温及び保冷に使用する水中
ヒーター付金属製真空二重瓶に関するものであ
る。

従来の技術 従来水中ヒーター付金属製真空二重瓶は、外瓶
内に内瓶を有し、この内、外瓶間に真空空間を保
持し、真空二重瓶を形成し、内瓶内の底部にヒー
ターを設けたものであり、この水中に設けるヒー
ターの取付構造としては、実開昭58−46532号公
報に提案されているように、内、外瓶間に直接ヒ
ーターを封入した金属管を接続したものがあつ
た。

考案が解決しようとする問題点 上記構成によると、内、外瓶間の熱伝導量が大
きく、熱効率が悪いことと、ヒーターの取替えが
できない欠点を有していた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記欠点を除くためになされたもので
あり、真空二重瓶の底部に、内瓶と外瓶を連結す
る連通部材を設け、この連通部材により形成され
る連通孔を介し、内瓶内で着脱自在とするヒータ
ーを設け、更に連通孔を封止するようにしたもの
である。

作 用 上記のように構成したことにより、連通部材は
ヒーターの取付部の熱伝導量を小さくし、保温効
率の高い保温、保冷が出来ると共に、ヒーターを
簡単に取替えることができ、耐久性、使用性を向
上させるものである。

実施例 以下本考案の一実施例を図面により説明する。

金属製真空二重瓶はステンレス等からなる金属
製の内瓶１と、外瓶２からなり、これらで空間部
３を形成する。４はチツプ管で、外瓶２の底部に
一体化接合したものであり、このチツプ管４を介
して空間部３を真空空間とし、真空二重瓶を形成
したものである。内瓶１と外瓶２は飲料５を入れ
る口部６上部の接合部７で溶着したものである。
８は連通部材で、真空二重瓶の底部に内瓶１の接
合部９、外瓶２の接合部１０とで接合し、連結す
るものである。この連通部材８はステンレス等の
熱伝導の悪い金属材料からなり、略円筒状に形成
され、この内面部は貫通する連通孔１１を形成
し、更にねじ穴状に形成するものである。１２は
ヒーター組立品であり、下部にねじ部１３を有
し、パツキン１４を介してねじ部１３を連通部材
８のねじ穴に締結し、水密に取付けたものであ
る。ヒーター組立品１２は、内部にコード状ヒー
ター１５を内蔵すると共に、外郭の上部に形成す
る凸部１６と、この凸部１６の外面はヒーター組
立品１２を螺着可能にするための横断面を例えば
六角形状としたものである。なお、凸部１６の内
部にはサーモスタツト１７が配設してあり、飲料
５の温度を感知・応動し、ヒーター１５を制御で
きるように構成したものである。ヒーター組立品
１２内のサーモスタツト１７、ヒーター１５のリ
ード線１８は連通孔１１を経て外部に接続するも
のとする。このとき、連通部材８は内瓶１から、
外瓶２への熱伝導量を極力小とするために、前記
のように熱伝導率の小さい材質、例えばステンレ
ス鋼の中でも熱伝導率の小さいSUS304等を使用
すると共に、小径・薄肉とし、長さを大とするよ
うに構成する。特に、連通部材８の直径φ3を小
とし、かつ、ヒーター組立品１２の直径φ2は飲
料５への熱伝達を良好にするため大とし、ヒータ
ー組立品１２の飲料５への熱伝達面積を大とする
ことが望ましいが、口部６の直径φ1より小に設
定し、ヒーター組立品１２を内瓶１から着脱自在
とするよう構成してある。従つてヒーター組立品
１２は、ヒーター１５を円筒状に巻きつけてヒー
ター組立品１２の表面積を大とするように構成し
てある。また、ヒーター組立品１２の内部は閉空
間である空間部１９を形成し、この空間部１９と
連通する連通孔１１をシリコンゴム等のパツキン
２０で気密状態にシールする構成とする。なお、
空間部１９及び連通孔１１部の空気は、脱気して
あることが望ましく、かつ、パツキン２０のシー
ル位置は連通孔１１の下部に設けることが望まし
い。このようにして、連通部材８により形成され
る連通孔１１を介し内瓶１内で着脱自在とするヒ
ーター組立品１２を設け、連通孔１１を封止する
ようにしたものである。

上記構成からなる本実施例の作用について説明
する。

温水を保温する場合は、内瓶１内に熱湯などの
飲料５を入れ、ヒーター１５に通電し加熱する。
このとき真空二重瓶は空間部３が真空となつてい
る魔法瓶で構成してあり、連通部材８を介しての
放熱を小としてあるため、保温効果の高い魔法瓶
となつている。飲料５の温度はワツト数が任意に
設定されたヒーター１５により、湯温低下のない
任意の温度で保温することができる。今、容量
1.0の例を示すと、湯温を95℃に一定に保持す
るヒーター１５のワツト数は３〜5Wでよい。従
つてヒーター１５のワツト数を8W程度に設定す
ると、常に、100℃に保温することが出来る。サ
ーモスタツト１７は空焼き時にヒーター組立品１
２を保護するために設けてあり、120℃で動作す
るように設定してある。このとき、パツキン２０
により空間部１９及び連通孔１１内の空気は閉空
間となつているため、外気との対流が防止され、
熱放散が防止されることにより、保温効率が高く
なるものである。また、冷水を保冷したときは、
例えば飲料５は氷を入れた水とすると、ヒーター
組立品１２の外表面は０℃となり、空間部１９内
の空気に含まれる水分が結露することになるが、
その量は空間部１９及び連通孔１１内部空気の体
積が小であり、かつ、脱気した空気であるため、
結露水を小さくすることができ、また、空間部１
９は閉空間としてあるため、空気の温度差による
上下方向の対流による熱損失を防止する。なお高
湿度中における実使用においても、空間部１９が
閉空間としてあるため、高湿度大気の侵入がな
く、結露水の連続的発生による連通孔１１部から
の結露水の連続的な滴下で床を汚すことがなくな
り、かつ熱損失もなくなる。また、閉空間とする
空間部１９により、ヒーター組立品１２及び内瓶
１からの熱損失は連通部材８が壁断面を介しての
直接熱伝導による熱損失と、空間部１９及び連通
孔１１部の空気層を介した熱損失、及びリード線
１８の直接熱伝導による熱損失のみとすることが
でき、特に連通孔１１部の空気層は、断熱効果が
高く、保温効率を高める効果がある。

なお、本実施例では、サーモスタツト１７は空
焼時のヒーター組立品１２の保護用として動作す
る例を示したが、飲料５の温度を制御することも
可能である。また、空間部１９及び連通孔１１内
をシリコンゴム等の断熱材で充てんしてもよい。

考案の効果 以上により本考案によれば、内瓶と外瓶を連結
する連通部材と、連通孔を介し内瓶に着脱自在と
するヒーターを設け、連通孔を封止したことによ
り、保温効率の高い保温・保冷ができ、使用性が
向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す水中ヒーター付金
属製真空二重瓶の断面図である。 １……内瓶、２……外瓶、８……連通部材、１
１……連通孔、１２……ヒーター組立品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内瓶と外瓶とで形成され、内、外瓶間の空間部
   を真空となし、底部にヒーターを有する水中ヒー
   ター付金属製真空二重瓶において、前記真空二重
   瓶の底部に、その内瓶１と外瓶２を連結する連通
   部材８を設け、この連通部材８により形成される
   連通孔１１を介し、内瓶１内で着脱自在とするヒ
   ーター組立品１２を設け、更に連通孔１１を封止
   し、閉空間を設けたことを特徴とする水中ヒータ
   ー付金属製真空二重瓶。