JPH0361768B2 - - Google Patents
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- JPH0361768B2 JPH0361768B2 JP7179984A JP7179984A JPH0361768B2 JP H0361768 B2 JPH0361768 B2 JP H0361768B2 JP 7179984 A JP7179984 A JP 7179984A JP 7179984 A JP7179984 A JP 7179984A JP H0361768 B2 JPH0361768 B2 JP H0361768B2
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Description
〔発明の属する技術分野〕
本発明は、気相法による微細炭素繊維に関し、
更に詳細には、流動下の気相法により成長させた
新規形状を有し、機械的特性に優れた微細炭素繊
維に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 気相法炭素繊維は、結晶配向性に優れているた
め、機械的特性、電気的特性、生化学的特性等に
おいて従来の炭素繊維にみられない優れた特性を
有しているのが特徴である。 ここで機械的特性という点について考察してみ
ると、一般の炭素繊維の用途は、炭素繊維強化プ
ラスチツク(以下CFRPと称す)として最も普及
している。CFRPには、長炭素繊維を使つた一方
向強化または二方向強化CFRPと、長繊維をカツ
トして作つた短炭素繊維をプラスチツクの中に混
合した不規則に配位成形した機械的特性において
等方的なCFRP等がある。長炭素繊維を使用した
CFRPの場合、一定方向の強化効果は相当なもの
であるが、非強化方向にはマトリツクスの強度が
それ以下の低強度しか期待できないことと、成形
の工数が多くまた技術的に難しい問題を多く抱え
ているため、作製できるCFRPの形態に相当の制
限が加わる等の問題点がある。一方、短繊維にカ
ツトした炭素繊維をプラスチツクの中に混合した
不規則配位の等方的なCFRPにおいては、成形は
容易であるが、強度と弾性率においていささか不
足する感がある。この原因は、不規則配位のた
め等方的であるが、一方向に限ると強度と弾性率
に寄与する割合が1/3以下になること、マトリ
ツクス樹脂に混合する際に、樹脂との剪断力によ
つて短炭素繊維が更に細かくなつてアスペクト比
が低下すること、カツト断面が鋭いため、そこ
に応力集中を受けてマトリツクスの破壊が起りや
すくなること等が挙げられる。 これらの問題点のうち、の問題点は高強度、
高弾性率の構造材料を使用することによつて半ば
解決がつく。即ち、等方性の材料にすることによ
つて、一方向の強度が1/3以下になるとしても、
素材そのものの強度が高ければかなり改善され
る。その点気相法炭素繊維は、強度や弾性率の低
下の原因となる結晶欠陥がほとんどないため、強
度、弾性率を高くすることが可能であり、問題解
決に大幅に近づけることが可能である。しかし一
般に気相法炭素繊維は、電気炉内にアルミナなど
の磁器、黒鉛などの基板を置き、これに鉄、ニツ
ケルなどの超微粒子触媒を形成せしめ、この上に
ベンゼンなどの炭化水素のガスと水素ガス等のキ
ヤリヤガスとの混合ガスを導入し、1010乃至1300
℃の温度下に炭化水素を分解せしめることによ
り、基板上に炭素繊維を成長させるものであるた
め、径が2μm〜10μm、長さが1cm〜10cmであ
り、そのまま樹脂と混ぜるには形態が大きすぎる
ため、一旦数ミリの長さにカツトしてから樹脂と
混合することになる。しかし、この場合にもやは
りPAN系炭素繊維と同様に樹脂との混合の際に
樹脂と繊維間の剪断力のため繊維が更に砕けてア
スペクト比の低下をもたらすことが分つた。また
繊維のカツト部ではどうしても鋭い角度の部分が
存在し、そこに応力集中を受けてマトリツクスの
破壊を促進し、複合材料の機械的特性を低下させ
る原因になることが分つた。そこで本発明者は、
従来の基板に鉄、ニツケルなどの超微粒子触媒を
形成せしめるのに代えて、有機遷移金属化合物の
ガスを使用して電気炉空間に流動する超微粒子触
媒を形成せしめて、流動下に炭素繊維を成長させ
る製造方法を発明し特許出願した(特願昭58−
162606号)(以下、この方法にて製造した炭素繊
維を流動気相法炭素繊維と称す)。 以来、この流動気相法炭素繊維につき機械的特
性等につき検討を重ねた結果、流動気相法炭素繊
維は静置炭素繊維と比較し、そのプラスチツク成
形品が著しくその機械的強度に優れることを突止
めた。更に、静置気相法炭素繊維と流動気相法炭
素繊維の機械的強度差異の原因につき研究した結
果、前者がマツチ棒状にその一端が丸みを有する
のに対し、後者はその両端が丸みを有する特殊形
状が大きく寄与することを突止めて本発明を完成
した。 〔発明の目的〕 それ故、この発明の目的は、従来の炭素繊維よ
り著しく機械的強度の優れ且つ構造材料として最
適な形状を有する炭素繊維を開発することにあ
る。 〔発明の要点〕 この目的を達成するため、この発明に係る気相
法による微細炭素繊維は、直径0.05乃至2μm、長
さ2乃至3000μm、アスペクト比2乃至30000の
微細繊維形状であつて、前記繊維の両端が丸みを
帯びてなることを特徴とする。 本発明における丸みとは、繊維の半径をr0とし
たとき繊維の両端の曲率半径rが1/2r0≦r≦2r0 の条件を満たす場合には十分に丸みを有すると解
釈される。 そもそも、短繊維とプラスチツクとの複合材料
において、短繊維に要求される性能は: 繊維そのものの強度、弾性率が高いこと、 繊維のアスペスト比が大きいこと(アスペク
ト比とは繊維長さ/繊維径を云う)、 単位体積当りの表面積が大きいこと、つまり
微細であること、 繊維の端部が角ばつてないこと(この部分の
応力集中を避けるためである)、 比重が軽いこと、 プラスチツクとの接着性が良いこと、 等である。 本発明に係る気相法による微細炭素繊維は、強
度200乃至1500Kg/mm2、弾性15乃至70トン/mm2の
範囲で非常に高い機械的特性を有する。尚、強
度、弾性に幅があるのは、熱処理温度によつて特
性が変化するためによる。 アスペクト比は一般に長いことが好ましいが、
ある一定値以上ならその特性に大差はなくなる。
またその一定値というのは、マトリツクス樹脂と
繊維との接着性によつて決定されるため繊維とマ
トリツクスの単位面積当りの接着力が繊維の引つ
張り強度と等しいような理想状態ではアスペクト
比は2で十分である。しかし一般には、100以上
が好ましい。本発明品である炭素繊維は、マトリ
ツクスとの接着性に合わせて2〜30000のアスペ
クト比のものを選択できる。また直径が0.05〜2μ
m、従来のPAN系繊維の10μmに比較して著しく
細いため、一定アスペクト比を維持するために
は、長さが短かくて良く、従つて両端におけるひ
ずみが非常に少ない。そのためマトリツクスの破
壊が生じにくい。更にマトリツクスの破壊は繊維
カツト部分や鋭利な部分で生じやすいが、本発明
品は両端ともカツト部分が存在しないため、丸み
を有し応力集中を受けにくい構造になつている。
また非常に微細であることによつて樹脂との混合
時に繊維の破壊が起りにくいことも分つた。比重
は炭素繊維であるため1.9乃至2.1で非常に軽い。
また樹脂との接着性は硝酸等の表面処理で容易に
改善できることはPAN系炭素繊維において既に
実証済みである。このように本発明品は複合材料
用の素材としては理想的素材と言つて過言でな
い。 〔発明の実施例〕 次に、この発明に係る気相法による微細炭素繊
維につき、実施例および電子顕微鏡写真により以
下詳細に説明する。 実施例 1 流動気相法炭素繊維の製造 ベンゼンとフエロセンとを夫々別々の容器中で
加熱ガス化させ、水素ボンベ、硫化水素ボンベよ
り夫々のガスを導出せしめて、水素:硫化水素:
ベンゼン:フエロセン=91.0:2.7:1.8:4.5の比
にて総流量は200℃で176ml/分、内径30mm、1080
℃の反応管に連続的に通した。その結果を第1表
に示すような微細炭素繊維を得た。
更に詳細には、流動下の気相法により成長させた
新規形状を有し、機械的特性に優れた微細炭素繊
維に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 気相法炭素繊維は、結晶配向性に優れているた
め、機械的特性、電気的特性、生化学的特性等に
おいて従来の炭素繊維にみられない優れた特性を
有しているのが特徴である。 ここで機械的特性という点について考察してみ
ると、一般の炭素繊維の用途は、炭素繊維強化プ
ラスチツク(以下CFRPと称す)として最も普及
している。CFRPには、長炭素繊維を使つた一方
向強化または二方向強化CFRPと、長繊維をカツ
トして作つた短炭素繊維をプラスチツクの中に混
合した不規則に配位成形した機械的特性において
等方的なCFRP等がある。長炭素繊維を使用した
CFRPの場合、一定方向の強化効果は相当なもの
であるが、非強化方向にはマトリツクスの強度が
それ以下の低強度しか期待できないことと、成形
の工数が多くまた技術的に難しい問題を多く抱え
ているため、作製できるCFRPの形態に相当の制
限が加わる等の問題点がある。一方、短繊維にカ
ツトした炭素繊維をプラスチツクの中に混合した
不規則配位の等方的なCFRPにおいては、成形は
容易であるが、強度と弾性率においていささか不
足する感がある。この原因は、不規則配位のた
め等方的であるが、一方向に限ると強度と弾性率
に寄与する割合が1/3以下になること、マトリ
ツクス樹脂に混合する際に、樹脂との剪断力によ
つて短炭素繊維が更に細かくなつてアスペクト比
が低下すること、カツト断面が鋭いため、そこ
に応力集中を受けてマトリツクスの破壊が起りや
すくなること等が挙げられる。 これらの問題点のうち、の問題点は高強度、
高弾性率の構造材料を使用することによつて半ば
解決がつく。即ち、等方性の材料にすることによ
つて、一方向の強度が1/3以下になるとしても、
素材そのものの強度が高ければかなり改善され
る。その点気相法炭素繊維は、強度や弾性率の低
下の原因となる結晶欠陥がほとんどないため、強
度、弾性率を高くすることが可能であり、問題解
決に大幅に近づけることが可能である。しかし一
般に気相法炭素繊維は、電気炉内にアルミナなど
の磁器、黒鉛などの基板を置き、これに鉄、ニツ
ケルなどの超微粒子触媒を形成せしめ、この上に
ベンゼンなどの炭化水素のガスと水素ガス等のキ
ヤリヤガスとの混合ガスを導入し、1010乃至1300
℃の温度下に炭化水素を分解せしめることによ
り、基板上に炭素繊維を成長させるものであるた
め、径が2μm〜10μm、長さが1cm〜10cmであ
り、そのまま樹脂と混ぜるには形態が大きすぎる
ため、一旦数ミリの長さにカツトしてから樹脂と
混合することになる。しかし、この場合にもやは
りPAN系炭素繊維と同様に樹脂との混合の際に
樹脂と繊維間の剪断力のため繊維が更に砕けてア
スペクト比の低下をもたらすことが分つた。また
繊維のカツト部ではどうしても鋭い角度の部分が
存在し、そこに応力集中を受けてマトリツクスの
破壊を促進し、複合材料の機械的特性を低下させ
る原因になることが分つた。そこで本発明者は、
従来の基板に鉄、ニツケルなどの超微粒子触媒を
形成せしめるのに代えて、有機遷移金属化合物の
ガスを使用して電気炉空間に流動する超微粒子触
媒を形成せしめて、流動下に炭素繊維を成長させ
る製造方法を発明し特許出願した(特願昭58−
162606号)(以下、この方法にて製造した炭素繊
維を流動気相法炭素繊維と称す)。 以来、この流動気相法炭素繊維につき機械的特
性等につき検討を重ねた結果、流動気相法炭素繊
維は静置炭素繊維と比較し、そのプラスチツク成
形品が著しくその機械的強度に優れることを突止
めた。更に、静置気相法炭素繊維と流動気相法炭
素繊維の機械的強度差異の原因につき研究した結
果、前者がマツチ棒状にその一端が丸みを有する
のに対し、後者はその両端が丸みを有する特殊形
状が大きく寄与することを突止めて本発明を完成
した。 〔発明の目的〕 それ故、この発明の目的は、従来の炭素繊維よ
り著しく機械的強度の優れ且つ構造材料として最
適な形状を有する炭素繊維を開発することにあ
る。 〔発明の要点〕 この目的を達成するため、この発明に係る気相
法による微細炭素繊維は、直径0.05乃至2μm、長
さ2乃至3000μm、アスペクト比2乃至30000の
微細繊維形状であつて、前記繊維の両端が丸みを
帯びてなることを特徴とする。 本発明における丸みとは、繊維の半径をr0とし
たとき繊維の両端の曲率半径rが1/2r0≦r≦2r0 の条件を満たす場合には十分に丸みを有すると解
釈される。 そもそも、短繊維とプラスチツクとの複合材料
において、短繊維に要求される性能は: 繊維そのものの強度、弾性率が高いこと、 繊維のアスペスト比が大きいこと(アスペク
ト比とは繊維長さ/繊維径を云う)、 単位体積当りの表面積が大きいこと、つまり
微細であること、 繊維の端部が角ばつてないこと(この部分の
応力集中を避けるためである)、 比重が軽いこと、 プラスチツクとの接着性が良いこと、 等である。 本発明に係る気相法による微細炭素繊維は、強
度200乃至1500Kg/mm2、弾性15乃至70トン/mm2の
範囲で非常に高い機械的特性を有する。尚、強
度、弾性に幅があるのは、熱処理温度によつて特
性が変化するためによる。 アスペクト比は一般に長いことが好ましいが、
ある一定値以上ならその特性に大差はなくなる。
またその一定値というのは、マトリツクス樹脂と
繊維との接着性によつて決定されるため繊維とマ
トリツクスの単位面積当りの接着力が繊維の引つ
張り強度と等しいような理想状態ではアスペクト
比は2で十分である。しかし一般には、100以上
が好ましい。本発明品である炭素繊維は、マトリ
ツクスとの接着性に合わせて2〜30000のアスペ
クト比のものを選択できる。また直径が0.05〜2μ
m、従来のPAN系繊維の10μmに比較して著しく
細いため、一定アスペクト比を維持するために
は、長さが短かくて良く、従つて両端におけるひ
ずみが非常に少ない。そのためマトリツクスの破
壊が生じにくい。更にマトリツクスの破壊は繊維
カツト部分や鋭利な部分で生じやすいが、本発明
品は両端ともカツト部分が存在しないため、丸み
を有し応力集中を受けにくい構造になつている。
また非常に微細であることによつて樹脂との混合
時に繊維の破壊が起りにくいことも分つた。比重
は炭素繊維であるため1.9乃至2.1で非常に軽い。
また樹脂との接着性は硝酸等の表面処理で容易に
改善できることはPAN系炭素繊維において既に
実証済みである。このように本発明品は複合材料
用の素材としては理想的素材と言つて過言でな
い。 〔発明の実施例〕 次に、この発明に係る気相法による微細炭素繊
維につき、実施例および電子顕微鏡写真により以
下詳細に説明する。 実施例 1 流動気相法炭素繊維の製造 ベンゼンとフエロセンとを夫々別々の容器中で
加熱ガス化させ、水素ボンベ、硫化水素ボンベよ
り夫々のガスを導出せしめて、水素:硫化水素:
ベンゼン:フエロセン=91.0:2.7:1.8:4.5の比
にて総流量は200℃で176ml/分、内径30mm、1080
℃の反応管に連続的に通した。その結果を第1表
に示すような微細炭素繊維を得た。
【表】
比較例 1
静置気相法炭素繊維の製造
アルミナ板(70mm×1500mm×10mm)に硝酸第2
鉄10%溶液を塗布して乾燥させ、実施例1と同じ
反応管に収納し、1100℃下にベンゼン:水素=
2.2:100の混合ガスを3時間導入した。径平均
10μm、長さ平均4cmの炭素繊維をアルミナ基板
上に得た。基板より炭素繊維を分離し、長さ2mm
にカツトして供試料とした。 比較例 2 東レ製ポリアクリロニトリル系炭素繊維T−
300を長さ2mmにカツトして供試料とした。 実施例 2 実施例1−による流動気相法微細炭素繊維、
比較例1による静置気相法炭素繊維、および比較
例2によるカツトされた炭素繊維につき、JIS、
K−7113による引張り試験方法により試験した。
引張り試験片の製造は、 (1) マトリツクスプラスチツク:シユアケミカル
製エポキシ エピコート828を100重量部に対し
てBF3MEAを5重量部混合したものを使用し
た。 (2) 炭素繊維の処理方法:アルゴンガス雰囲気中
で2500℃30分の熱処理後、リラツクス濃硝酸で
1時間の表面処理をした。 (3) Vf(複合材料中の繊維の占める体積割合):
30% (4) 硬化方法:125℃、10Kg/mm2の圧力条件で1
時間の処理をした。
鉄10%溶液を塗布して乾燥させ、実施例1と同じ
反応管に収納し、1100℃下にベンゼン:水素=
2.2:100の混合ガスを3時間導入した。径平均
10μm、長さ平均4cmの炭素繊維をアルミナ基板
上に得た。基板より炭素繊維を分離し、長さ2mm
にカツトして供試料とした。 比較例 2 東レ製ポリアクリロニトリル系炭素繊維T−
300を長さ2mmにカツトして供試料とした。 実施例 2 実施例1−による流動気相法微細炭素繊維、
比較例1による静置気相法炭素繊維、および比較
例2によるカツトされた炭素繊維につき、JIS、
K−7113による引張り試験方法により試験した。
引張り試験片の製造は、 (1) マトリツクスプラスチツク:シユアケミカル
製エポキシ エピコート828を100重量部に対し
てBF3MEAを5重量部混合したものを使用し
た。 (2) 炭素繊維の処理方法:アルゴンガス雰囲気中
で2500℃30分の熱処理後、リラツクス濃硝酸で
1時間の表面処理をした。 (3) Vf(複合材料中の繊維の占める体積割合):
30% (4) 硬化方法:125℃、10Kg/mm2の圧力条件で1
時間の処理をした。
本発明によると、両端が丸みを帯びた気相法に
よる微細炭素繊維が提供され、従来の静置気相法
炭素繊維およびポリアクリロニトリル径炭素繊維
より著しく優れた機械的性質が付与される複合材
料用新素材が提供される。
よる微細炭素繊維が提供され、従来の静置気相法
炭素繊維およびポリアクリロニトリル径炭素繊維
より著しく優れた機械的性質が付与される複合材
料用新素材が提供される。
第1図は本発明に係る気相法による微細炭素繊
維の両端部の丸み形状を示す電子顕微鏡写真。
維の両端部の丸み形状を示す電子顕微鏡写真。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 直径0.05乃至2μm、長さ2乃至3000μm、ア
スペクト比2乃至30000の微細繊維形状であつて、
前記繊維の両端が丸みを帯びてなる気相法による
微細炭素繊維。 2 気相法が流動下に実施される特許請求の範囲
第1項記載の気相法による微細炭素繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7179984A JPS60215816A (ja) | 1984-04-12 | 1984-04-12 | 気相法による微細炭素繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7179984A JPS60215816A (ja) | 1984-04-12 | 1984-04-12 | 気相法による微細炭素繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60215816A JPS60215816A (ja) | 1985-10-29 |
JPH0361768B2 true JPH0361768B2 (ja) | 1991-09-20 |
Family
ID=13470966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7179984A Granted JPS60215816A (ja) | 1984-04-12 | 1984-04-12 | 気相法による微細炭素繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60215816A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6170014A (ja) * | 1984-09-14 | 1986-04-10 | Nikkiso Co Ltd | 流動法気相成長炭素繊維 |
JP3502490B2 (ja) * | 1995-11-01 | 2004-03-02 | 昭和電工株式会社 | 炭素繊維材料及びその製造法 |
US6528211B1 (en) | 1998-03-31 | 2003-03-04 | Showa Denko K.K. | Carbon fiber material and electrode materials for batteries |
US6221489B1 (en) | 1998-11-19 | 2001-04-24 | Showa Denko Kabushiki Kaisha | Carbonaceous fiber acute-angled at both ends and production process therefor |
DE60032484T2 (de) | 1999-03-25 | 2007-10-31 | Showa Denko K.K. | Kohlenstofffaser, verfahren zu ihrer herstellung und elektrode für zelle |
CN100585037C (zh) * | 2001-06-28 | 2010-01-27 | 昭和电工株式会社 | 生产蒸气生长碳纤维的方法和装置 |
-
1984
- 1984-04-12 JP JP7179984A patent/JPS60215816A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60215816A (ja) | 1985-10-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |