JPS5831430B2 - 炭素皮膜被覆炭素繊維及びその製造方法 - Google Patents

炭素皮膜被覆炭素繊維及びその製造方法

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JPS5831430B2
JPS5831430B2 JP16060580A JP16060580A JPS5831430B2 JP S5831430 B2 JPS5831430 B2 JP S5831430B2 JP 16060580 A JP16060580 A JP 16060580A JP 16060580 A JP16060580 A JP 16060580A JP S5831430 B2 JPS5831430 B2 JP S5831430B2
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carbon
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carbon fiber
coating
fibers
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昭男 進藤
吉裕 沢田
国明 本城
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高強度あるいは高弾性率炭素繊維の表面に炭素
を主成分とする皮膜を被覆させて強度をより高くした炭
素繊維とその製造方法に関するものである。
ここで高強度とは、゛ストランド法によって室温で測定
された2 00 kg/mrn2以上の平均引張り強度
(以下単に強度とする。
)あるいは単繊維法によるそれに対応する強度を意味し
、高弾性率とは18X 103kg/+a++s2以上
の平均引張り弾性率(以下単に弾性率とする。
)を意味するものとする。炭素繊維は比強度、比弾性率
が非常に高く、これを強化材に用いた炭素繊維強化プラ
スチック(CFRP)は、医療用機器、宇宙航空飛行物
体、陸上輸送用機器、スポーツ用具等の構造材料として
広く使用されており、また使用されようとしている。
現在製造されている高強度あるいは高弾性炭素繊維は、
以上のように高性能CFRPの強化材として使用されて
いるが、より高い性能の構造材料を製造するため、また
炭素繊維は破断歪が低いので、これを改善するために、
より一層高い強度の炭素繊維が要望されている。
炭素繊維はポリアクリロニトリル(PAN)、レーヨン
1.液晶ピッチ繊維等の有機繊維を加熱炭化して製造す
るものであるが、高強度あるいは高弾性の炭素繊維の製
造にあたっては、原料有機繊維の製造、その酸化前処理
、焼成等における条件を厳密に管理する必要がある。
特に炭素繊維はぜい性材料であるため、欠陥が強度の決
定的因子となるので、製造過程においては欠陥の発生を
極力抑制しなければならない。
また、製造された炭素繊維の表面に欠陥が存在するとき
は極力これを除去することが望ましい。
炭素繊維表面の欠陥を除去する方法としては、表面を酸
化させる方法が知られている○これには、1200℃以
下の温度で焼成して製造した炭素繊維を空気中で酸化さ
せて強度を増大させた例がある0また、湿式酸化によっ
て断面積を20%あるいはそれ以上減少させて強度を増
大させた例もある。
しかし、これらは多くのフィラメントからなる炭素繊維
糸を均一に酸化させることの困難性、あるいは断面積を
大きく減少させることの収率上あるいは時間上の不利益
性から実用にはなっていない。
現在製造されている炭素繊維にも酸化による表面処理は
施されているが、これは、炭素繊維がCFRPの強化材
に用いられるので、この際の炭素繊維表面の樹脂に対す
る接着性を向上させるために施されるものであって、繊
維強度の増大には役立つものではない。
炭素繊維一方向強化プラスチックの層間せん断強度は炭
素繊維表面の樹脂に対する接着性の尺度とみなされるが
、上記表面酸化処理によってCFRPの層間せん断強度
は100係あるいはそれ以上増大する。
しかし、炭素繊維の強度は僅かながら低下している。
表面酸化処理がより強く施される場合は、炭素繊維の強
度はさらに低下するのが一般である。
炭素繊維の表面処理としては、ほかに皮膜を表面に被覆
させる方法がある。
多くの場合、これは炭素繊維を金属等の強化に用いるた
めのものであって、皮膜も金属あるいは金属炭化物ある
いはその他のセラミックスである。
しかし、これらの場合も炭素繊維の強度は皮膜の被覆に
よって、多かれ少なかれ低下しており、繊維強度を向上
させた例はみられない。
被覆処理としては、炭素を被覆させた例もある。
しかし、これも炭素繊維の強度を改善させるためのもの
ではなく、高弾性炭素繊維の表面の樹脂に対する接着性
を改善するためのものであって、その効果は認められて
いるが、繊維強度の増大は認められていない。
これとは別に、炭素繊維に炭素を被覆させて強度を増大
させている例もある。
しかし、この場合は、高強度あるいは高弾性炭素繊維と
は異なって、強度の低い炭素繊維を用いており、皮膜被
覆後の強度も80あるいは451y/mri’と非常に
低く、高強度、高弾性炭素繊維の強度に対する炭素皮膜
被覆効果を推量させることのできるものではない。
加えて、高強度炭素繊維あるいは高弾性炭素繊維の表面
は、強度の低い炭素繊維の表面とは明らかに異なって、
表面処理によって除去できる大きさの欠陥は非常に少な
く、特に樹脂で接着させた炭素繊維を引張り試験片とす
るストランド法による強度を支配するような欠陥は表面
にはほとんどないと一般に考えられている。
したがって、高強度あるいは高弾性の炭素繊維では、炭
素皮膜を被覆させることによって強度が増大するとは従
来者えられなかったことである。
本発明者らは、種々の皮膜を被覆させて炭素繊維を改質
させる研究の過程で、高強度あるいは高弾性炭素繊維表
面に炭素を主成分とする皮膜を被覆させることによって
、繊維強度を10〜30%あるいはそれ以上増大させる
ことができることを発見した。
本発明はこのような炭素皮膜の被覆によって強度を増大
させた炭素繊維とその製造方法を提出するものである。
本発明では、PAN、 レーヨン、液晶ピッチ繊維あ
るいはその他の繊維から製造された、炭化段階あるいは
黒鉛化段階の炭素繊維が原料繊維として用いられる。
それらは、構造的には黒鉛層平面が繊維軸に平行になる
ように配向しており、多くの炭素繊維は18 X 10
3kg/mm2以上の弾性率をそなえている。
強度は200kg/mrn”以上であるが、300kg
/rnm2以上の強度の炭素繊維の使用が望ましい。
さらに、400kg/mrn2あるいはそれ以上の強度
の炭素繊維にも本発明を効果的に適用することができる
また、原料炭素繊維の強度が300kg/耶2以下であ
っても、弾性率が35X103kg/is”以上の場合
は、それより低い場合よりも、炭素皮膜被覆による強度
増大効果はより高く評価される。
また、酸化的あるいは還元的に表面処理された炭素繊維
をも原料繊維として用いることができる。
本発明における炭素皮膜は、炭素を主成分とする皮膜で
あって、重量で93多以上の炭素を含むことが望ましい
が、低い場合は85饅までは許される。
しかし、炭素以外の物質が金属あるいは金属化合物であ
る場合は、その含有率は11係以下であって、さらに7
φ以下であることがより一層適している。
本発明の実施における炭素皮膜の厚さは1μmまでであ
り、0.005μm以下でも適用される。
皮膜の厚さは皮膜析出による炭素繊維の重量増加と横断
面の円周、皮膜の密度から評価することができる。
また、直接測定できる場合もある。皮膜の形成は化学気
相析出法(CVD法)によるのが最も便利である。
たとえば、数百ないし数千あるいはそれ以上のフィラメ
ントの束を、外気が接触することを排除した反応容器中
で750’C以上の温度で炭素繊維に炭素化合物のガス
を接触させることによって皮膜を形成させることができ
る。
反応容器中の温度はガスの種類、濃度によって異なるが
、高い場合は2000 ’Cの温度も許される。
しかし、多くの場合1000°C〜1400°Cの間が
最も適当である。
炭素化合物はアセチレン、メタン、プロパン、ベンゼン
その他の多くの炭化水素を使用することができる。
また、窒素、酸素あるいはハロゲンを含む炭素化合物を
用いることもできる。
また、水素、ホウ素化合物、ケイ素化合物を混入させる
こともできる○また、有機金属化合物、たとえばモノメ
チルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリ
メチルモノクロロシラン、テトラメチルシラン等の有機
ケイ素化合物のガスあるいは蒸気をも用いることができ
る。
反応ガスはまた、たとえばアルゴン、窒素等の不活性ガ
スで稀釈することができる。
稀釈はたとえば0.1〜20容量饅である。
また、反応ガスを1気圧以下に減圧することもできる。
有機金属化合物を含んだ反応ガス、金属化合物と炭素化
合物を含んだ反応ガスを用いる場合は、金属炭化物が皮
膜に混入する。
たとえば有機ケイ素化合物では重量7饅以下の炭化ケイ
素を含んだ皮膜が生成する。
皮膜形成速度、すなわち被覆速度は反応ガスの種類、濃
度、反応の温度に依存するので、これを厳密に規定する
ことは困難である。
しかし、被覆速度が速過ぎるときはカーボンブラックが
副生じて、望ましい結果は得られない。
過度に遅いときは炭素繊維表面にかえって欠陥が生成し
て、強度が低下することになりがちである。
したがって、被覆速度は0.01〜0.1μm/min
の範囲が最も望ましい。
被覆処理は炭素繊維を反応容器内で移動させながら連続
的に行なうこともできる。
本発明方法は、高強度炭素繊維を原料にして、40 $
/mm2あるいはそれ以上の超高強度を有する炭素繊維
を短時間で製造することのできる利点をそなえており、
また、本発明の炭素繊維は、酸化法による表面処理を施
されることがなくとも、樹脂に対して高い接着性を示す
長所をそなえている0 以下に実施例を示す。
実施例 1 1400’Cに加熱したアルミナ管中に吊るした、強度
314kg/1n1rL2、弾性率25 x 10”k
y/朋2の3000本のフィラメントからなるPAN系
炭素繊維糸に、容量比1 : 500の、メタンとアル
ゴンの混合ガスを、200 m137 m inの流量
で流して、各フィラメントに1μm厚の均一な炭素皮膜
を生成させた。
炭素繊維の横断面では、皮膜の黒鉛層平面が原料炭素繊
維表面に平行に配向していることを、偏光顕微鏡下に認
めた。
実施例 2 1200℃に加熱したアルミナ管中に、容量比1 :
1000のプロパンとアルゴンの混合ガスを250al
/minで流しながら、実施例1に用いたと同一の炭素
繊維糸を22mm/minで移送させた。
各フィラメント上に0.06μm厚の均一な皮膜が生成
した。
炭素皮膜被覆炭素繊維の強度は、ゲージ長さ25朋のス
トランド法で測定したとき417kg/mm2であった
33φの強度増大である。実施例 3 1000°Cの反応管中で、強度329kg/朋2、弾
性率37×103kg/TnrIL2、フィラメント数
6000のPAN系炭素繊維糸に、容量比1:1000
の、アセチレンと窒素の混合ガスで、連続的に被覆処理
を施した。
炭素皮膜の厚さ0.11μm、強度388kg/mm2
であった。
実施例 4 強度241 kg/mm”、弾性率42 X 103k
g/mm”、フィラメント数6000のPAN系炭素繊
維糸に、1300℃の反応管中で、容量比2:1000
の、プロパンとアルゴンの混合ガス気流中で、30朋/
I”111 nの速度で連続的に被覆を行なった。
炭素皮膜の厚さ0.006μm1強度271kg/mm
”であったO 実施例 5 強度220 kg/mrn”、弾性率40 X 103
に9/am”、フィラメント数1440のレーヨン系炭
素繊維糸を、容量比1.4:250のメチルトリクロロ
シランとアルゴンの混合ガス気流中で、1200℃で連
続的に加熱した。
厚さ0.13μm、炭素94饅、炭化ケイ素6斜の皮膜
がフィラメント上に均一に生成した。
強度は263 kg/ mrn2であった。実施例 6 強度218kg−/關2、弾性率42 X 10”kg
/朋2、フィラメント数2000の液晶ピッチ系炭素繊
維糸に、1200℃で、容量比1 : 1000の、プ
ロパンとアルゴンの混合ガス気流中で、連続的に被覆処
理を施した。
炭素皮膜の厚さ0.003μm、強度264kg/WL
rIL2であった。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 強度200に97ax2以上の炭素繊維に、炭素8
    5φ以上含有する皮膜を被覆させることによって1o%
    以上強度を増大させた炭素繊維。 2 皮膜の厚さが0.005〜1.0μmである特許請
    求範囲1項記載の炭素繊維。 3 皮膜が93φ以上の炭素を含む特許請求範囲1項記
    載の炭素繊維。 4 皮膜を被覆させる前の強度が300 kg/mrr
    c2以上である特許請求範囲1項記載の炭素繊維05
    皮膜を被覆させる前の弾性率が35X103kg/1L
    112以上である特許請求範囲1項記載の炭素繊維0 6 炭素を含む化合物の気体を熱分解させて、強度20
    0kg/am2以上の炭素繊維上に、炭素85φ以上含
    む皮膜を被覆させることを特徴とする炭素繊維の製造方
    法0
JP16060580A 1980-11-13 1980-11-13 炭素皮膜被覆炭素繊維及びその製造方法 Expired JPS5831430B2 (ja)

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