JPH0356889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、情報信号がらせん状に配列されたピ
ツトによつて記録され、レーザ光などの光学的再
生手段にて読み書きが行なわれるエアーサンドイ
ツチ型の情報記録基板を製造するための接着装置
に関するものである。

（従来技術とその問題点） 一般に光ビデイオデイスク、光フアイルメモリ
などに用いられる円盤状の情報記録基板は、光信
号を透過する透明なプラスチツク材料例えばアク
リル樹脂（ポリメチルメタクリレート）やポリカ
ーボネート樹脂などの表面に薄膜記録層が形成さ
れたデイスクを、記録層が互いに対向しかつその
記録層間に中空部が形成されるように互いに内周
および外周縁部で接合したエアーサンドイツチ型
構造が採用されている。

このエアーサンドイツチ型情報記録基板は、記
録層が外部と遮断されているため取扱いによつて
発生する破損やキズがなく空気中の塵埃の付着に
よる化学反応や劣化がないなどの特長があり、耐
久性の優れた性質を持つている。

このようなエアーサンドイツ構造の情報記録基
板の製造方法としては、常温硬化型、熱硬化型、
紫外線硬化型の接着剤を用いて貼合せる方式が一
般的に行なわれている。

しかし、従来の情報記録基板を製造するための
接着装置は、第２図に示した如く、デイスクの内
外周部を剛体で作られた基台や押圧板で両側から
挟んで、両デイスクを貼合せる方式が採られてい
る。

Ａは、中心に丸穴を有する円板状の情報記録基
板で、透明な第一デイスク１と第二デイスク１１
の二枚から構成されており、第一デイスク１と第
二デイスク１１は、それぞれ情報信号が記録され
る層２および１２とレーザ光の投射面部３および
１３を有し、この両デイスク１と１１は、例えば
アクリル樹脂で製作されている。

また第一デイスク１と第二デイスク１１は、そ
れぞれ内外周部に前記記録層２および１２より突
出した内周縁部４および１４と外周縁部５および
１５を有している。すなわち前記情報記録基板Ａ
は、第一デイスク１と第二デイスク１１を互いに
前記内周縁部４および１４と前記外周縁部５およ
び１５で結合し、前記記録層２および１２間に中
空部を形成した構造の光デイスクである。

６は、二枚のデイスク１と１１の中心の位置合
せを行うピン７が中央に設けられ、デイスク１１
のレーザ光の投射面部に対応する部分が環状凹部
に形成された円板状の基台、８はピン７と合致す
る穴が中心に明られており、デイスク１のレーザ
光の投射面部に対応する部分に環状凹部が形成さ
れた円板状の押圧板である。基台６は例えばアル
ミ合金や黄銅などの金属で、押圧板は透明ガラス
で製作されている。

情報記録基板の貼合せ作業は、第２図のように
基台６の上にデイスク１１を設置し、内外周縁部
に接着剤を塗布した後デイスク１と押圧板８を載
せて組立てることにより行われる。この時、接合
面の接着剤厚さや塗布むらをなくすためデイスク
同士を摺動回転させる必要があり、デイスクと基
台および押圧板の間ですべりが生ずる。

従つて、このような接着装置においては、デイ
スク１および１１の内外周部表面が剛体である基
台６や押圧板８と直接接触しているため、アクリ
ル製デイスク面上にスクラツチやキズなどが発生
する欠点があり、貼合されたデイスクの美観が損
われ、商品価値が減少する。また、紫外線硬化型
の接着剤を用いて接合する場合には接合面だけで
なく、記録層２および１２に対しても紫外線が照
射されることになるため、紫外線によつて記録層
が損傷を受けたり、デイスクの温度上昇によるそ
りの増大などの欠点がある。

（考案の目的） 本考案は、このような従来の欠点を除去せしめ
てデイスク表面や記録層に損傷を与えることなく
良好な接着が可能となるエアーサンドイツチ型情
報記録基板の接着装置を提供することにある。

（考案の構成） 本考案によれば、載物台と加圧板表面にデイス
ク材質より軟かい熱可塑性樹脂又はゴムなどの薄
い保護層を設け、かつ加圧板の環状凹部に紫外線
の遮蔽体を形成することにより、デイスク表面や
記録層の損傷が解消されることを特徴とするエア
ーサンドイツチ型情報記録基板の接着装置が得ら
れる。

（構成の詳細な説明） 本考案は、上述の構成をとることにより、従来
技術の問題点を解決した。まず二枚のデイスクの
内外周縁部に接触する剛性の大きな載物台と加圧
板の表面に軟質の熱可塑性樹脂又はゴムなどの保
護層を設けることにより、従来の金属やガラスで
作られた載物台や加圧板の場合に発生したデイス
ク表面のスクラツチやキズなどが皆無となる利点
がある。たとえ、デイスクを回転させて載物台や
加圧板と摺動させても保護層がクツシヨン材とし
て作用し、デイスク表面の損傷はない。次に紫外
線硬化型の接着剤を用いて接合する場合におい
て、加圧板の環状凹部に紫外線を遮断する薄膜を
形成することにより、接合面にのみ紫外線が照射
されるため、従来のデイスク全面を紫外線照射し
た時に発生した記録層の劣化やデイスク全体の温
度上昇によるそり増大現象の問題が全く無くな
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例について図面を参照して
詳細に説明する。第１図は、本考案のエアーサン
ドイツチ型情報記録基板の接着装置の一実施例を
説明するための図である。

Ｂは、中心に丸穴を有する円板状の情報記録基
板で、透明な二枚のデイスク１′と１１′から構成
されており、２′と１２′は情報信号の記録層、
３′と１３′はデイスク１′と１１′のレーザ光投射
面部、４′および５′はデイスク１′の内外周縁部、
１４′および１５′はデイスク１１′の内外周縁部
を示す。１６はデイスク１１′のレーザ光投射面
部に対応する部分が環状凹部に形成されており、
デイスク１１′の内外周部と接する表面に保護層
１８を付与した円板状の載物台で中央にガイドピ
ン１７が取付けられている。１９はガイドピン１
７と合致する穴を中心に有し、デイスク１′のレ
ーザ光投射面部に対応する部分に環状凹部が形成
された円板状の加圧板で、環状凹部に紫外線の遮
蔽体２０が形成され、さらにデイスク１′の内外
周部に接する表面に保護層が設けられている。

保護層は、熱可塑性樹脂またはゴムなどの薄層
を剛性を有する載物台や加圧板の表面にコーテイ
ングや接着により形成され、アクリル製デイスク
に接触しても損傷を与えない性質すなわちデイス
クよりも軟かく表面が滑らかであることが必要
で、例えばデユポン社の商標「テフロン」、弗素
ゴム、プラスチツク製の各種粘着テープなどがあ
る。

紫外線硬化型接着剤を用いる場合には、加圧板
の保護層として紫外線を透過する透明なプラスチ
ツクテープが適している。

また紫外線の遮蔽体としては、ガラス製加圧板
に溝加工を行なうのが困難なため、例えばアルミ
ニウムや金などの蒸着膜が適している。なお、加
圧板や載物台全体をデイスクに損傷を与えない軟
らかい材質で作ることも考えられるが、剛性が弱
く変形してしまうため良好な接着が達成されな
い。

本考案による情報記録基板の貼合せ作業は、第
１図に示すように載物台１６の上にデイスク１
１′を設置し、デイスク１１′の内外周縁部に接着
剤を塗布した後、デイスク１′と加圧板１８を上
方から載せて組立てることにより行なわれる。本
実施例では紫外線遮蔽体を加圧板の凹部に設ける
場合について述べたが記録層に紫外線が照射され
ない方法であればどんな構造でもよい。なお記録
層として二面記録の可能なエアーサンドイツチ型
デイスクについて説明したがいずれか一方のみの
記録面を有するものであつてもよいことは言うま
でもない。

（考案の効果） 本考案の情報記録基板の接着装置によれば、デ
イスクと接触する部分に保護層を形成した載物台
と加圧板を用いてデイスク同士の貼合せを行うこ
とにより、従来の問題点であるデイスク表面への
キズの発生による美観を損なうことが全く解消さ
れる。また、紫外線の遮蔽体を設けることにより
紫外線照射による記録層の劣化やデイスクのそり
を防止できる利点があり、良好な接着が達成でき
るエアーサンドイツチ型情報記録基板の接着装置
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のエアーサンドイツチ型情報記
録基板の接着装置の一実施例を説明する図、第２
図は、従来のエアーサンドイツチ型情報記録基板
の接着装置の一例を説明する図である。 図において、１と１′と１１と１１′はデイス
ク、２と２′と１２と１２′は記録層、３と３′と
１３と１３′はレーザ光投射面部、４と４′と１４
と１４′は内周縁部、５と５′と１５と１５′は外
周縁部、６は基台、８は押付板、１６は載物台、
１８は加圧板を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 光によつて情報の読み書きが行われる記録面
   を有する二枚のデイスクを光の投射面部に触れ
   ないように環状凹部を設けた載物台と加圧板を
   用いてエアーサンドイツチ型情報記録基板に貼
   合せる方式の接着装置において、前記載物台と
   前記加圧板のデイスクとの接触部にデイスクよ
   りも軟かい保護層を形成したことを特徴とする
   情報記録基板の接着装置。 ２ 前記加圧板の環状凹部に紫外線の遮蔽体を付
   与してなる実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の情報記録基板の接着装置。