JPH0355486Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば自動車組立て工場において車
体を支持搬送したり、或いは各種工場において被
加工物を支持搬送したりするのに用いられる吊下
げ搬送装置、詳しくは、トロリ案内用レールに案
内されるトロリ装置と、このトロリ装置に吊下げ
たハンガ装置とからなる吊下げ搬送装置に関する
ものである。

従来例の構成とその問題点 上記構成の吊下げ搬送装置において、従来で
は、ハンガ装置による支持位置はトロリ案内用レ
ールなどの真下であり、したがつて吊下げ搬送装
置側からの塵芥、油などの落下物が車体や被加工
物に衝突、付着し、これら車体や被加工物を傷付
けたり汚したりすることになる。これを解決する
ために、特開昭58−224844号で見られるように、
ハンガ装置による支持中心を、トロリ案内用レー
ルなどの架設位置に対して側方に構成したものが
提供された。この構成によると、落下物による車
体や被加工物に対する汚損は防止できるが、例え
ば吊下げ搬送中において車体などの液処理を行な
う場合、油などが液処理槽内に落下したりハンガ
装置を伝わつて混入することになり、以つて液を
汚して所期の処理が確実に行なえなくなる。さら
に、吊下げ搬送装置側から塵芥や油などの異物が
床に落下して散乱し、床を広範囲にわたつて汚す
場合も生じ、このため床の清掃作業に手間がかか
つたり、歩行中の作業員が床に散乱した油などの
異物を踏んですべつたり負傷する恐れがある。

考案の目的 本考案の目的とするところは、トロリ装置など
からの異物が処理液槽に落下、混入するのを防止
し得るとともに、これら異物のほとんどが床へ落
下することを防止し得る吊下げ搬送装置を提供す
る点にある。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案における吊下
げ搬送装置は、トロリ案内用レールに案内される
トロリ装置と、このトロリ装置に吊下げたハンガ
装置とからなる吊下げ搬送装置において、前記ト
ロリ装置の移動経路位置を処理液槽の外側とし、
前記ハンガ装置のハンガフレームを、前記移動経
路に対して直交方向で且つ処理液槽の上方に延び
る上位横部材と、この上位横部材の端部から下方
に延びる縦部材と、この縦部材の端部から横方向
に延びる下位横部材とにより形成し、前記上位横
部材の処理液槽外対応部分に液切り体を設け、こ
の液切り体から前記トロリ装置の移動経路位置ま
でを含む範囲の下方に、前記移動経路に沿つたと
い部材を配設し、前記処理液槽の上方全体を覆う
カバーを、その一側端が前記移動経路に沿つて前
記とい部材の上方に位置するように設置してい
る。

かかる構成によると、トロリ案内用レールやト
ロリ装置などからの異物は被搬送物の側方で且つ
処理液槽外に落下することになり、またトロリ装
置側から上位横部材を伝わつてくる油などの液は
液切り体に受止められて処理液槽外に落下するこ
とになる。さらに、処理液槽の上方からの異物は
カバーに受止められて処理液槽外に落下すること
になる。そののち、上述したように処理液槽外に
落下した油などの異物のほとんどは、とい部材に
受止められる。

実施例と作用 以下に本考案の一実施例を第１図、第２図に基
づいて説明する。１は吊下げ搬送装置で、トロリ
案内用レール２と、その上方に架設された駆動装
置用レール３と、前記トロリ案内用レール２に案
内されるトロリ装置４と、このトロリ装置４に取
付けたハンガ装置５と、前記駆動装置用レール３
に案内されるトロリ駆動装置（チエンコンベヤな
ど）６とから構成される。前記トロリ装置４は、
フロントトロリ７と、前後一対のフリートロリ８
と、リヤトロリ９と、フロントトロリ７とフリー
トロリ８との間、ならびにフリートロリ８とリヤ
トロリ９との間を連結する連結杆１０と、フリー
トロリ８から夫々連設したトラニオン用ピン間に
設けた連結フレーム１１とからなる。前記ハンガ
装置５は、前後一対のハンガフレーム１２と、こ
れらハンガフレーム１２間を連結する前後方向の
連結フレーム１３と、両ハンガフレーム１２に
夫々左右一対づつ取付けた上向きの支持部１４と
からなる。前記トロリ装置４の移動経路１５の位
置を処理液槽１６の外面から或る距離Ｌだけ外方
としている。両ハンガフレーム１２は、前記移動
経路１５に対して直交方向で且つ処理液槽３１の
上方に延びる上位横部材１２Ａと、この上位横部
材１２Ａの端部から下方に延びる縦部材１２Ｂ
と、この縦部材１２Ｂの端部から横方向に延びる
下位横部材１２Ｃとにより形成される。前記上位
横部材１２Ａには液切り体３２が取付けられ、こ
の液切り体３２は円板状で上位横部材１２Ａに外
嵌固着され、そして処理液槽３１の外面から成る
距離ｌだけ外方としている。前記各トロリ７，
８，９は、案内用ホイール１６，１７，１８と横
振れ防止用ホイール１９，２０，２１とを介して
トロリ案内用レール２に支持案内される。前記フ
ロントトロリ７は、前記トロリ駆動装置６からの
駆動突起２２に対して係脱自在な受動ドツグ２３
を昇降自在に有すると共に、この受動ドツグ２３
に連動して上下揺動自在な動作レバー２４を前方
に延設している。他方のリヤトロリ９は、前記動
作レバー２４を上動させるカムテール２５を後方
に延設している。２６は被搬送物の一例である車
体を示す。前記連結フレーム１１からは、前記上
位横部材１２Ａ側とは反対側の横方向にブラケツ
ト２７が連結され、このブラケツト２７の端部に
ローラ２８が取付けられている。前記ローラ２８
が嵌合する横揺れ規制用レール２９は固定フレー
ム３０側に取付けてある。３３は処理液を示す。
とい部材３５が、トロリ装置４の移動経路１５に
沿つて、処理液槽３１の上部外面に配設されてい
る。前記とい部材３５の凹部は、前記液切り体３
２から前記トロリ装置４の移動経路１５までを含
む範囲、すなわち前記距離Ｌよりもさらに外側ま
で含んだ範囲の幅を有して、前記液切り体３２と
移動経路１５の下方に位置している。また断面〓
状のカバー３４が処理液槽３１の上方全体を覆う
ように設置され、カバー３４の、移動経路１５に
沿つた一側端が前記液切り体３２の外方でかつ前
記とい部材３５の上方に位置するとともに、他側
端は処理液槽３１の外方に位置する。以つて、前
記トロリ装置４の移動経路１５と、液切り体３２
および、カバー３４の一側端との真下方向にはと
い部材３５の凹部が位置している。

上記実施例において、通常、トロリ装置４の走
行は、駆動突起２２が受動ドツク２３に係合する
ことにより行なわれ、その際にローラ２８が横揺
れ規制用レール２９に案内されていることから、
ハンガ装置５で支持してなる車体２６は横揺れす
ることなく搬送経路１５上で搬送される。搬送経
路１５中の所定場所において、車体２６はハンガ
フレーム１２と共に処理液３３内に浸けられ、所
期の液処理が遂行される。処理作業中に例えばハ
ンガ装置４側から油などの異物が滴下するが、こ
れは処理液槽３１の外側で落下し且つとい部材３
５に受止められる。また油や処理液などハンガ装
置４から上位横部材１２Ａを伝わつてくる液は液
切り体３２に受止められ、そして液切り体３２を
下方に伝わつて行つたのちとい部材３５内に落下
する。さらに、処理液槽３１の上方から異物が落
下した場合、それらはカバー３４に受止められ、
その一部は処理液槽３１の外側へ落下しかつとい
部材３５に受止められる。このとき、前記カバー
３４に落下する異物が多数の場合は、カバー３４
の一側端だけでなく他側端の下方にもとい部材３
５を併設しても良いし、あるいは他側端が上位に
なるようにカバー３４を傾斜させて設置し、異物
がカバー３４の他側端から落下するのを阻止して
も良い。またカバー３４の一側端が液切り体３２
よりも外方に位置するため、カバー３４に受止め
られた油などがさらに落下して、上位横部材１２
Ａに付着し伝わつても、液切り体３２によつて受
止められる。

上記実施例では各上位横部材１２Ａに夫々円板
状の液切り体３２を取付けたが、これは第１図仮
想線に示すように一枚板状であつてもよい。

第３図は別の実施例を示す。すなわちブラケツ
ト２７を上向きとし、それに対応してローラ２８
ならびに横揺れ規制用レール２９を配設してい
る。なお仮想線に示すように液切り体３２を、下
端が外方となるように傾斜させてもよい。

例えば第１図、第２図に示すローラ２８などの
配置に加えて、連結フレーム１１の中間部から第
３図に示すローラ２８を配置した組合わせ形式も
可能である。

考案の効果 上記構成の本考案における吊下げ搬送装置によ
ると、トロリ案内用レールやトロリ装置などから
の異物は被搬送物の側方で且つ処理液槽外に落下
することになり、またトロリ装置側から上位横部
材を伝わつてくる油などの液は液切り体に受止め
られて処理液槽外に落下する。さらに処理液槽の
上方より落下した異物はカバーによつて受止めら
れ処理液槽外に落下する。したがつて落下物によ
る被搬送物の汚損を防止できると共に、処理液へ
の混入を防止できて常に確実な液処理を行なうこ
とができる。そして上述のように、処理液槽外に
落下した異物のほとんどはとい部材に受止めら
れ、床まで落下することを阻止され得る。これに
より、油などの異物が床に落下して散乱し床を広
範囲にわたつて汚すのを防止し得、床の清掃作業
が容易になる。また歩行中の作業員が床に散乱し
た油などの異物を踏んですべつたり負傷するとい
つた事故を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の一実施例を示し、第
１図は側面図、第２図は正面図、第３図は別の実
施例を示す正面図である。 １……吊下げ搬送装置、２……トロリ案内レー
ル、４……トロリ装置、５……ハンガ装置、１２
……ハンガフレーム、１２Ａ……上位横部材、１
２Ｂ……縦部材、１２Ｃ……下位横部材、１４…
…支持部、１５……移動経路、２６……車体（被
搬送物）、２８……ローラ、２９……横揺れ規制
用レール、３１……処理液槽、３２……液切り
体、３３……処理液、３４……カバー、３５……
とい部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トロリ案内用レールに案内されるトロリ装置
   と、このトロリ装置に吊下げたハンガ装置とから
   なる吊下げ搬送装置において、前記トロリ装置の
   移動経路位置を処理液槽の外側とし、前記ハンガ
   装置のハンガフレームを、前記移動経路に対して
   直交方向で且つ処理液槽の上方に延びる上位横部
   材と、この上位横部材の端部から下方に延びる縦
   部材と、この縦部材の端部から横方向に延びる下
   位横部材とにより形成し、前記上位横部材の処理
   液槽外対応部分に液切り体を設け、この液切り体
   から前記トロリ装置の移動経路位置までを含む範
   囲の下方に、前記移動経路に沿つたとい部材を配
   設し、前記処理液槽の上方全体を覆うカバーを、
   その一側端が前記移動経路に沿つて前記とい部材
   の上方に位置するように設置したことを特徴とす
   る吊下げ搬送装置。