JPH035465Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は自動車のメータ類及びスイツチ類取付
構造に関するものである。

従来の技術 自動車において、ハンドルが運転しながら操作
すべき各種スイツチ類をまとめて、ステアリング
ハンドルの前方に近接した両側又は一側部に位置
するよう計器盤前面部に突設し、ドライバがステ
アリングハンドルを握つたままで指にて上記スイ
ツチを操作することができるようにした装置は既
に開発され（例えば実開昭57−179547号公報参
照）一般に用いられている。

考案が解決しようとする問題点 近年、ステアリングハンドル位置を、ドライバ
の体格や好みに合せて上下及び前後に移動調整
し、自己に最適のポジシヨンとすることがでるよ
うにしたチルト・テレスコピツク・ステアリング
装置が採用されるようになつて来ているが、この
ようなチルト・テレスコピツク・ステアリング装
置を装備した自動車においては、上記のように各
種スイツチ類をまとめてステアリングハンドルの
前方部に近接した側部に位置するよう計器盤前面
部に突設しておいても、ステアリングハンドル位
置を上下及び前後に移動調節すると、該ステアリ
ングハンドルとスイツチ類との相対的位置関係が
変つて、ハンドルを握つたままでスイツチ操作を
行うことができなくなつてしまう。

本考案は上記のような問題に対処することをと
するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、ステアリングシヤフトを支持するス
テアリングコラムを上下方向に回動させてステア
リングハンドルの上下位置を調整できるよう構成
すると共に、ステアリングシヤフトをステアリン
グコラムに対し前後方向に摺動移動させてステア
リングハンドルの前後方向位置を調整できるよう
にしたチルト・テレスコピツク・ステアリング装
置を装備した自動車において、上記ステアリング
コラムにスピードメータ、タコメータ等の各種メ
ータ類を取付けると共に、ステアリングコラムの
後端部にスライド可能なるよう嵌装されステアリ
ングシヤフトの軸方向移動時ステアリングシヤフ
トと一体となつて移動してステアリングコラム後
端部とステアリングハンドルとの間のステアリン
グシヤフトの外周部を覆うカバーに、各種スイツ
チ類をまとめたスイツチボツクスを、ステアリン
グハンドルの前方に近接した両側又は一側部に位
置するよう取付けたことを特徴とするものであ
る。

作 用 上記のように構成したことにより、ステアリン
グコラムを上下方向に移動調整するとメータ類が
ステアリングコラムと一体的に上下方向に移動
し、ステアリングハンドルとメータ類の相対位置
が不変でドライバのメータ類視認性の向上をはか
り得ると共に、スイツチボツクスも上記ステアリ
ングコラムと共に上下動し且つステアリングシヤ
フトを軸方向に摺動させてステアリングハンドル
の前後方向位置を調整しても該スイツチボツクス
を取付けたカバーがステアリングシヤフトと共に
ステアリングコラムに対し前後方向に摺動し、ス
テアリングハンドルとスイツチボツクスの相対位
置はあらゆるステアリングハンドル調整位置にお
いて不変であり、常にハンドルを握つたままでス
イツチ操作を行い得るものである。

実施例 以下本考案を附図実施例を参照して説明する。

図において１はステアリングハンドル、２はス
テアリングシヤフト、３はステアリングコラムで
あり、該ステアリングコラム３は図示しないチル
ト機構により第２図に示すように前端支持部Ａを
中心として上下方向位置の調整を行うことができ
るよう車体部分に支持されている。

又ステアリングシヤフト２は図示しない操作機
構の操作によりロツクが解除されてステアリング
コラム３に対し軸方向摺動が可能となり、第３図
に示すようにステアリングハンドル１の前後方向
位置を調整することができるむうになつている。

上記のステアリングハンドルの上下方向位置調
整機構及び前後方向調整機構は既に従来より公知
であるので詳しい機構説明は省略する。

４はステアリングコラム３の後端部外周に軸方
向スライド可能なるよう嵌装されると共にステア
リングシヤフト２に軸方向には相対的移動ができ
ないよう係止されステアリングシヤフトの転舵方
向回転に対してはフリーなるよう結合されステア
リングコラム３の後端部からステアリングハンド
ル１のボス部に至る間のステアリングシヤフト外
周を覆うカバーである。

上記ステアリングコラム３にはスピードメー
タ、タコメータ、其の他の各種メータ類をまとめ
たメータボツクス５がブラケツトを介して固着さ
れ、又上記カバー４の両側部又は一側部には各種
スイツチ類をまとめたスイツチボツクス６が、ス
テアリングハンドルの前方に近接した両側又は一
側部に位置するよう固着されている。

上記において、ステアリングコラム３を上下角
度変位させステアリングハンドル１の上下方向位
置を変更調整すると、第２図に示すようにメータ
ボツクス５とスイツチボツクス６とはステアリン
グコラムと一緒に移動し、これらメータボツクス
５及びスイツチボツクス６とステアリングハンド
ル１との相対的位置は不変であり、メータ表示部
の視認性を損なうことがないと共にハンドルを握
つたままでスイツチ類の操作ができスイツチ操作
性を損なうこともまつたくない。

又ステアリングシヤフト２を軸方向に摺動させ
ステアリングハンドル１の前後方向位置を調整す
る場合は、第３図に示すようにステアリングシヤ
フト２の軸方向摺動に伴ないカバー４も一体とな
つてステアリングコラム３に対して軸方向に摺動
移動し、該カバー４に固設されたスイツチボツク
ス６も前後方向に移動し、ステアリングハンドル
１に対するスイツチボツクス６の相対位置関係は
不変であり、スイツチ操作性はいささかも損なわ
れることがない。

尚ステアリングハンドルの前後方向位置の調整
時メータボツクス５は移動せず該メータボツクス
５とステアリングハンドル１との距離は変化する
が、ステアリングハンドル１とメータボツクス５
の相対的角度関係は変化しないので、ステアリン
グハンドルがメータ表示部にかかりメータ視認性
が悪くなるようなことは全くない。

考案の効果 以上のように本考案によれば、チルト・テレス
コピツク・ステアリング装置を装備した自動車に
おいて、ステアリングハンドルのあらゆる調整位
置にてもメータ視認性を的確に保持し得ると共
に、各種スイツチ類の操作性をも確実に良好状態
に保持することができるもので、構成が簡単で安
価なること、室内美感上も好ましいこと等と相俟
つて実用上多大の効果をもたらし得るものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す外観斜視図、第
２図及び第３図は第１図装置の要部を断面にて示
す側面図で、第２図はステアリングハンドル位置
の上下調整状態、第３図はステアリングハンドル
位置の前後調整状態をそれぞれ示している。 １……ステアリングハンドル、２……ステアリ
ングシヤフト、３……ステアリングコラム、４…
…カバー、５……メータボツクス、６……スイツ
チボツクス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングコラムを上下方向に回動させてス
   テアリングハンドルの上下位置を調整し、ステア
   リングシヤフトを軸方向に摺動させてステアリン
   グハンドルの前後位置を調整するチルト・テレス
   コピツク・ステアリング装置を装備した自動車に
   おいて、上記ステアリングコラムにメータ類を取
   付けると共に、ステアリングコラムの後端部にス
   ライド可能に嵌装されステアリングシヤフトの軸
   方向移動時ステアリングシヤフトと一体となつて
   移動してステアリングコラム後端部からステアリ
   ングハンドルに至る間のステアリングシヤフトの
   外周を覆うカバーに、各種スイツチ類をまとめた
   スイツチボツクスを、ステアリングハンドルの前
   方に近接した両側又は一側部に位置するよう取付
   けたことを特徴とする自動車のメータ類及びスイ
   ツチ類取付構造。