JPH035459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、動力運搬車のフアイナルケース取付
構造に関するものである。

従来、動力運搬車のフアイナルケースの取付構
造は、例えば実開昭56−9972号公報に示す如く、
チエンケースに直線車軸が装着されている構造で
あつたから、チエンケースの地上高が低く構成さ
れ、したがつて、地面上を走行する際にチエンケ
ースが表面の凸部に乗り上げて機体の走行が不可
能となることがあつた。

本考案では、チエン伝動機構を有するチエンケ
ースに車軸を駆動する駆動軸を配設した動力運搬
車において、上記チエンケースの駆動軸取付位置
の外側面に、同チエンケースの上下幅よりも下側
方向に広幅状に構成した取付板を固着し、同取付
板を介して下部に車軸を有するフアイナルケース
を装着し、かつ、同取付板の上部には前記駆動軸
を挿通する挿通孔を設けた動力運搬車のフアイナ
ルケース取付構造を提供せんとするものである。

本考案の実施例を図面にもとづいて詳細に説明
すれば、Ａは動力運搬車を示しており、同運搬車
Ａは車体ａと同車体ａ後方に連結したダンプ式荷
台部ｂからなり、同車体ａは機体フレームｃの右
側に運転部ｄを配設し、左方後部に原動機部ｅを
配設し、同原動機部ｅ下方右側に前部デフ装置１
並びにミツシヨンケース２を一体に配設すると共
に前車軸を介して前車輪３を連設しており、また
同荷台部ｂ下方左右側に荷台部フレームを兼ねる
チエンケース４が連結装置５を介して機体フレー
ムｃに連設されており、チエンケース４前部には
中部デフ装置を軸ケース７を介して連設し、更に
同ケース４左右側前後部に中、後車輪８，９を
中、後フアイナルケース１０，１１を介して連設
し、ミツシヨンケース２と中部デフ装置をプロペ
ラシヤフト１２を介して連動連結すると共に、中
部駆動軸１３を介して中車輪８を駆動すると共
に、中部駆動軸１３と後部駆動軸１４間に懸架さ
れたチエン１５を介して後車輪を駆動して６輪駆
動の動力運搬車Ａを構成している。また、駆動軸
１３及びチエン１５並びびにスロケツト１５−１
などによりチエン伝動機構４−１を構成してい
る。

中、後フアイナルケース１０，１１は同形状、
同構造であり、中フアイナルケース１０は、外観
上一体形成のケースに形成されており、中車軸２
０方向から見て縦長の略長方形をなしており、同
ケース車輪側下部に中車軸挿通孔２０−３を、同
ケース取付側上部にピニオン軸挿通孔Ｎを設けて
あり、同挿通孔Ｎは横長の略長方形で横巾はフア
イナルギヤ１９の外径より大で、かつ縦巾は同ギ
ヤ１９厚さより大として同ギヤ１９の外形よりピ
ニオン軸挿通孔１８−１の開口を大とし、また同
ケース１０内部は、同ギヤ１９上部を内側に傾斜
させた状態で同ギヤ１９を同ケース１０内部に挿
入し、同ケース１０内部で同ギヤ１９を正立させ
ることができるように内部スペースが形成されて
おり、同ケース１０の外側板１０−１内面上部に
はピニオン軸受１８−２が配設されており、同外
側板１０−１下部には中車軸挿通孔２０−３が穿
設されており、同挿通孔２０−３には中車軸外側
軸受２０−４が配設されており、同ケース１０内
側板内面下部には、内側に向つて突出して軸受座
２０−１が形成されており、同軸受座２０−１に
は中車軸内側軸受２０−２が配設されている。ま
た同ケース１０の取付面１６′は平坦面に形成さ
れており、チエンケース４外側面に固設された取
付板１６にボルト１７によつて着脱自在に固定さ
れている。

また、同取付板１６はチエンケース４の上下幅
よりも下側方向に広幅に構成されている。１６−
１は取付板１６の上部に設ける駆動軸１３用挿通
孔である。また、同取付板１６上部から駆動軸１
３先端に同軸１３と一体に形成されたフアイナル
ピニオン１８が突出しており、同ピニオン１８外
端はピニオン軸受１８−２により軸支されてお
り、同ピニオン１８はフアイナルギヤ１９と噛合
しており、同ギヤ１９には中車軸２０内端がスプ
ライン嵌合しており、同軸２０内端は中車軸内側
軸受２０−２によつて軸支されており、同軸２０
外端は中車軸挿通孔２０−３から外方に突出し、
同軸２０外端に固設されたホイルフランジ８′を
介して中車軸８が配設されており、同軸２０中途
部は中車軸外側軸受２０−４で軸支されており、
同軸受２０−４は軸受カバー２１によつて蓋われ
ている。図中、２１−１は軸受カバー取付ボル
ト、２２はドレンプラグ、２０−５はパイプ状の
スペーサーで中車軸外側軸受２０−４とフアイナ
ルギヤ１９間に介在して同軸受２０−４と同ギヤ
１９の軸方向の摺動を防止している。２０−６は
中車軸２０に環装したスラストワツシヤー、２０
−７は中車軸２０の軸方向の摺動を防止する止め
輪である。

本考案の実施例は上記のように構成されてお
り、中フアイナルケース１０を組立てる際は、ピ
ニオン軸受１８−２をピニオン軸挿通孔１８−１
から同ケース１０内に挿入して取付位置に圧入
し、中車軸内側軸受２０−２を同ケース外側板２
０−４の中車軸挿通孔２０−３から同ケース１０
内に挿入し軸受座２０−１に圧入しておき、フア
イナルギヤ１９を同ケース内側板２０−２のピニ
オン軸挿通孔１８−１から、同ギヤ１９上部を内
方に傾斜させた状態で挿入し、同ケース１０内で
同ギヤ１９を正立させ取付位置に仮固定してお
く。一方中車軸２０に軸受カバー２１、中車軸外
側軸受２０−４、スペーサー２０−５の順で嵌合
させておき、同中車軸２０を中車軸挿通孔２０−
３から中フアイナルケース１０内に挿入し、同中
車軸２０をフアイナルギヤ１９にスプライン嵌合
させつつ同軸２０内端を中車軸内側軸受２０−２
に嵌合させ、同軸受２０−２外部に突出した中車
軸２０内端にスラストワツシヤー２６−６、止め
輪２０−７を環装することによつて、中フアイナ
ルケース１０内にフアイナルギヤ１９及び中車軸
２０を組付けておき、チエンケース４外側に配設
された取付板１６に同フアイナルケース１０を、
フアイナルピニオン１８とフアイナルギヤ１９を
噛合させつつ、同時にピニオン１８軸端をピニオ
ン軸受１８−２に嵌合させつつ取付け、同ケース
１０周囲のボルト１７によつて同ケース１０を取
付板１６に固定し、軸受カバー２１を同ケース外
側板１０−１にボルト２１−１で固定してフアイ
ナルケース１０の組立及び取付を行う。

本考案によれば、チエン伝動機構を有するチエ
ンケースに車軸を駆動する駆動軸を配設し、上記
チエンケースの駆動軸取付位置の外側面に、同チ
エンケースの上下幅よりも下側方向に広幅状に構
成した取付板を固着し、同取付板を介して下部に
車軸を有するフアイナルケースを装着したもので
あるから、フアイナルケースをチエンケースに対
して強固に装着することができると共に、チエン
ケースに対して車軸位置を下方に取付けることが
でき、したがつて、チエンケースの最低地上高を
高くすることができて、機体の走行が常時円滑に
行なわれるものである。

また、チエンケースが地表面の凸部に乗り上げ
るようなことがなく、安全に走行することができ
るものである。

また、本考案はフアイナルケースを装着する取
付板の上部に駆動軸を挿通する挿通孔を設けてお
り、したがつて、チエンケース内に潤滑油を貯溜
することができてチエンの寿命を長くすることが
できるものである。

また、全体としてフアイナルケースの取付構造
が簡単であると共に、フアイナルケースの取付及
び取外し作業を能率的に行うことができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は動力運搬車の全体側面図、第２図は本
考案の要部の側断面図である。 ４……チエンケース、４−１……チエン伝動機
構、１０……フアイナルケース、１３……駆動
軸、１６……取付板、１６−１……挿通孔、２０
……車軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 チエン伝動機構４−１を有するチエンケース４
   に、車軸２０を駆動する駆動軸１３を配設した動
   力運搬車において、 上記チエンケース４の駆動軸１３取付位置の外
   側面に、同チエンケース４の上下幅よりも下側方
   向に広幅状に構成した取付板１６を固着し、同取
   付板１６を介して、下部に車軸２０を有するフア
   イナルケース１０を装着し、かつ、同取付板１６
   の上部には前記駆動軸１３に挿通する挿通孔１６
   −１を設けたことを特徴とする動力運搬車のフア
   イナルケース取付構造。