JPH0354370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は入水タンクと出湯タンクを備えたセミ
貯湯式給湯装置に関し、入水タンクと出湯タンク
との間の循環を良好にしたセミ貯湯式給湯装置に
関する。

＜従来技術とその問題点＞ 入水タンクと出湯タンクとの間で湯を循環させ
つつ加熱するセミ貯湯式給湯装置において、従来
出湯タンクから入水タンクへのリターン水の返水
は該リターン水専用のリターンパイプを別に設け
て行われていた。がこの方法では温度の低いリタ
ーンパイプが温度の高い他のパイフと一緒に入水
タンクと出湯タンク間に接続されるため、熱膨張
の差によりタンクやパイプの接続部等に応力が発
生しやすい欠点があつた。このため最近は、実開
昭57−180256号公報、実開昭60−25844号公報に
も開示されているように、入水タンクと出湯タン
クとの間に２重管を接続し、その外管を通して加
熱された水を出湯タンクへ送り、内管を通して出
湯タンクから入水タンクへ水をリターンさせる構
成のものが提案されている。

ところが２重管式の従来の装置では、例えば前
記実開昭57−180256号公報に見られるように、出
湯タンクへの水の出口と出湯タンクからリターン
パイプへの水の入口とが同心上にあることから、
水の出入りが悪く、循環性の悪い欠点があつた。

また前記実開昭60−25844号公報に示すように、
リターンパイプを出湯タンク内に突出させた形で
下方に屈曲させ、これにより循環性を向上させる
よう構成したものも提案されているが、屈曲され
たリターンパイプを用いる必要があるなど、構造
上や組立上の問題を残している。

＜目的＞ そこで本考案は上記従来技術の欠点を解消し、
簡単で良好な循環が確保できるセミ貯湯式給湯装
置の提供を目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、入水タンクと出湯タンクとの間に吸
熱フイン付の循環用２重管を連通させると共に該
循環用２重管を熱交換缶体内を貫通して設けるこ
とにより、前記２重管の外管を通る水が前記熱交
換缶体内で加熱されて出湯タンクへ送られると共
に出湯タンク内の水が前記２重管の内管であるリ
ターンパイプを通つて入水タンクへ戻ることを繰
り返すよう構成されたセミ貯湯式給湯装置であつ
て、前記出湯タンクに接続される外管の接続開口
部の該外管と前記リターンパイプとの間に嵌まり
込んで固定されることにより、前記リターンパイ
プを前記接続開口部の片側へ寄せる形に支持する
位置規制部と、前記接続開口部から出湯タンク内
へ突出した形で保持されることにより、出湯タン
ク内へ流入する水と出湯タンクからリターンパイ
プへ流入するリターン水との流域を区分すると共
に前記リターン水をリターンパイプ内へ案内する
隔壁部とからなる支持案内具を備えたことを特徴
としている。

＜作用＞ 支持案内具の位置規制部により、外管の出湯タ
ンクへの接続開口部におけるリターンパイプを、
前記接続開口部の片側へ寄せる形で支持すること
ができるので、２重管における出湯タンクへの出
水と出湯タンクからの入水とにおける流域がある
程度区分され、水の流出入がスムーズとなる。リ
ターンパイプは前記支持案内具の位置規制部によ
り支持されるので、そのリターンパイプ自体は固
着されることがなく、熱膨張に対してフリーであ
る。また２重管の組立構成が容易である。

さらに支持案内具の隔壁部により、２重管から
出湯タンク内への出水と出湯タンクから２重管へ
の入水との流域区別が確実となり、また隔壁部に
より出湯タンク内の水がリターンパイプ内へ案内
されやすくなるので、全体として入水タンクと出
湯タンクとの間の循環が良好となり、加熱効率の
向上、貯湯温度の均一化等の効果を奏する。

＜実施例＞ 第１図は本考案実施装置の全体概略構成図、第
２図は要部の部分断面構成図、第３図は要部の斜
視図、第４図は支持案内具の斜視図である。

熱交換缶体１内の燃焼室２にバーナノズル２ａ
から燃料、例えばオイル燃料が吹込まれ、燃焼さ
れる。この燃焼室２にフイン１３付きの循環用２
重管１０が貫通される。循環用２重管１０は外管
１１と内管であるリターンパイプ１２とからな
り、外管１１の一端が入水タンク３に溶接等によ
り接続され、他端が出湯タンク４に溶接等に接続
され、両者３，４間を貫通させている。

前記リターンパイプ１２は入水タンク３側では
外管１１の内壁等に固定することができる。一方
リターンパイプ１２の出湯タンク４側の端部は外
管１１及び出湯タンク４に対してフリーとされ、
自由に熱伸縮できるように構成される。入水管５
を通つて入水タンク３内に入つた水は外管１１を
通つて加熱されつつ出湯タンク４内に入り、また
出湯タンク１１内の水がリターンパイプ１２を通
つて入水タンク３に戻ることを繰り返して循環さ
れる。出湯は出湯タンク４から出湯管６を通して
行われる。入水の一部は熱交換缶体内２を巻回す
るコイル７を通つて入水管５に入ることができ
る。

出湯タンク４と２重管１０との接続関係を第２
図から第４図に沿つてさらに詳述する。

循環用２重管１１が出湯用タンク４に接続する
接続開口部２０に支持案内具３０が嵌め込まれて
固定される。支持案内具３０は、その具体例とし
て第４図に示すように、位置規制部３１と隔壁部
３２とからなる。隔壁部３２は例えば前記リター
ンパイプ１２の外側周に沿う形の断面が半円形な
いしＵ字状等の湾曲板からなり、取付状態におい
てその隔壁部３２が前記接続開口部２０から出湯
タンク４内に突出し、且つ前記リターンパイプ１
２の先端開口１２ａよりも突出した形となる。一
方前記位置規制部３１は、それが接続開口部２０
内へ嵌め込まれ、溶接等で固定されることによ
り、リターンパイプ１２を接続開口部２０の片側
へ寄せる形で支持する一種のスペーサの役割をな
すものである。この位置規制部３１と隔壁部３２
とでリターンパイプ１２が接続開口部２０の片側
へ熱伸縮自在に位置決めされる。リターンパイプ
１２は出湯タンク４の底に近い側に寄せられて支
持されることになる。

以上のように支持案内具３０を設けることによ
り、外管１１を通つて出湯タンク４内へ流出する
水Ａと出湯タンク４からリターンパイプ１２へ流
入する水Ｂとの流域が前記隔壁部３２で区分さ
れ、接続開口部２０付近での流出入水の混乱が解
消される。また出湯タンク４内における水の流れ
もスムーズになり流出入水の交換が円滑に行われ
る。またリターンパイプ１２への流入水も隔壁部
３２に案内されてスムーズにリターンパイプ１２
内に流入せられる。よつて以上の総合より、循環
が良好となり、加熱効率と湯温均一化が向上し、
また沸上げ異音や循環異音の発生が解消される。

＜効果＞ 本考案は以上の構成よりなり、位置規制部と隔
壁部とからなる支持案内具を接続開口部に設ける
ようにしたので、２重管から出湯タンクへの流出
入水の流域がうまく区分され、流出入が非常にス
ムーズになつて循環が効果的に行われる。よつて
加熱効果の向上が図られ、湯温の均一化が促進さ
れ、また沸上げ異音や循環異音の発生が解消され
る。勿論支持案内具を兼用した形でリターンパイ
プを熱伸縮自在に支持しているので、２重管にお
ける外管と内管の加熱差等による熱ひずみ等が発
生しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施装置の全体概略構成図、第
２図は要部の部分断面構成図、第３図は要部の斜
視図、第４図は支持案内具の斜視図である。 １：熱交換缶体、３：入水タンク、４：出湯タ
ンク、１０：循環用２重管、１１：外管、１２：
リターンパイプ、２０：接続開口部、３０：支持
案内具、３１：位置規制部、３２：隔壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 入水タンクと出湯タンクとの間に吸熱フイン付
   の循環用２重管を連通させると共に該循環用２重
   管を熱交換缶体内を貫通して設けることにより、
   前記２重管の外管を通る水が前記熱交換缶体内で
   加熱されて出湯タンクへ送られると共に出湯タン
   ク内の水が前記２重管の内管であるリターンパイ
   プを通つて入水タンクへ戻ることを繰り返すよう
   構成されたセミ貯湯式給湯装置であつて、前記出
   湯タンクに接続される外管の接続開口部の該外管
   と前記リターンパイプとの間に嵌まり込んで固定
   されることにより、前記リターンパイプを前記接
   続開口部の片側へ寄せる形に支持する位置規制部
   と、前記接続開口部から出湯タンク内へ突出した
   形で保持されることにより、出湯タンク内へ流入
   する水と出湯タンクからリターンパイプへ流入す
   るリターン水との流域を区分すると共に前記リタ
   ーン水をリターンパイプ内へ案内する隔壁部とか
   らなる支持案内具を備えたことを特徴とするセミ
   貯湯式給湯装置。