JPH0354277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は障子が窓枠に対して反転可能な全回
転式窓に関するものである。

〔従来技術〕

従来図に示すような障子Ａが窓枠Ｂに対して反
転可能に取付けられた全回転式窓が開発されてい
る。すなわ障子Ａの左右いずれか一方の端部の上
下に突設した軸部Ｃを窓枠Ｂに沿つて水平に走行
可能で、かつ軸部Ｃを中心に障子Ａが回転可能に
取付けられている。障子Ａと窓枠Ｂはさらに腕部
Ｄによつて連結されている。腕部Ｄの一端は窓枠
Ｂに軸支されており、他端は障子Ａの横框の中間
に軸支されている。

施錠レバーＥによつて解錠して障子Ａを開けれ
ば、障子Ａは、腕部Ｄのリンク機能に案内され
て、室外側に回転するとともに軸部Ｃ、窓枠Ｂに
沿つて反対側の竪枠側に向つてスライドし、軸部
Ｃ側が反対側の竪枠近くに到達したとき障子Ａは
表裏面が略正反対となるものである。（第６図〜
第１０図） 〔この考案が解決すべき問題点〕 このような全回転式窓において問題となるの
は、障子Ａを一定角度以上開けると施錠レバーＥ
が取付けられた框側は室外側に大きく突出し、施
錠レバーＥを把んで障子Ａの開閉を行なおうとす
ると窓枠Ｂから身を大きく乗り出さねばならなず
危険であり、また障子Ａを反転させた状態では施
錠レバーＥを室外側に突出するため、把むことは
できずしたがつて施錠レバーＥを持つて開閉作業
ができるのは限られた範囲であることであつた。

したがつて障子Ａを一定以上回転した場合は何
も把むものがないため、窓枠Ｂに軸支した側の框
を把んで開閉するという不自然な作業を行つてい
た。

〔問題点を解決するための手段〕 この考案にかかる全回転式窓は、左右いずれか
一方の端部の上下に突設した軸部Ｃによつて、窓
枠Ｂに沿つて水平に走行可能でかつ軸部を中心に
回転可能となるよう障子Ａを取付け、障子Ａを窓
枠Ｂに対して反転可能にしてあり、軸部Ｃを設け
た側の竪框２の窓枠の竪枠５と向き合う面２ａ
に、円筒状をなし、その周面には上下に離間し、
互いに平行な案内孔１１，１１が形成されると共
に、この案内孔１１，１１に連続して室外側の一
端から上下方向の固定孔１２が形成された収納筒
８を固定し、収納筒８内には回転、摺動可能に摺
動部１３を収納するとともに、この摺動部１３側
面には案内孔１１，１１あるいは固定孔１２から
突出するコ字状の把手部６を突設し、かつ窓枠Ｂ
の竪枠５には竪框２と向き合う面５ａに上面１７
が室内側から室外側に向かつて徐々に高くなる押
し上げ片１６を障子Ａの閉鎖時に前記把手部６が
固定孔１２から案内孔１１，１１に移動可能な位
置に固定してあることによつて上記の問題点を解
消するものである。

〔実施例〕

以下図に示す一実施例に基づきこの考案を詳細
に説明する。

図においてＡは障子であつて、上下横框１，
１、左右竪框２，２が方形状に框組まれ、ガラス
板３が嵌め込まれている。

Ｂは窓枠であつて上下横枠４，４、左右竪枠
５，５が方形状に枠組みされている。

障子Ａは軸部Ｃと腕部Ｄ，Ｄによつて窓枠Ｂに
取付けられている。軸部Ｃは障子Ａの左右いずれ
か一方の端部の上下突設されている。軸部Ｃは窓
枠Ｂの上下枠４，４に対して摺動可能であつて、
実施例では軸部Ｃとして水平に回転可能に取付け
られた戸車が使用されている。腕部Ｄ，Ｄは棒状
の部材であつて、一端は障子Ａの上下横框１，１
の左右中間に回転可能に軸支され、他端は窓枠Ｂ
の上下横枠４，４の端部に回転可能に軸支されて
いる。

施錠レバーＥによつて解錠して障子Ａを開けれ
ば、レバーＥ側の框２が室外側に突出するが、軸
部Ｃの框２側が腕部Ｄ，Ｄに案内されて反対側の
竪枠５，５側へ移動する。

軸部Ｃが突設された側の竪框２には窓枠Ｂと向
き合う側面２ａに把手部６が側面２に沿つて収納
可能に取付けられている。

竪框２の室内側および室外側端に竪枠５に向つ
て突片７，７が形成されている。側面２ａには突
片７，７間に収納筒８がが固定されている。収納
筒８は円筒状で一側に翼板９が突出し、翼板９を
貫通したビス１０を竪框２に螺合して固定されて
いる。

収納筒８の側面には上下に離間し互いに平行な
案内孔１１，１１が水平に形成されている。案内
孔１１，１１に連続して室外側の一端から上下方
向の固定孔１２が形成されている。実施例では単
一の固定孔１２が上下に連続して形成されている
が、上下の案内孔１１，１１に各々固定孔１２を
設けてもよい。

収納筒８内には円柱状の摺動部１３が上下に摺
動可能かつ回転可能に収納されている。摺動部１
３の側面には略コ字状の把手部６が突設されてい
る。把手部６は案内孔１１，１１もしくは固定孔
１２から突出している。収納筒８から最も突出し
た部分は、把手部６を側面２ａに沿わせたときに
竪枠５側に若干突出するよう先端が屈曲してい
る。

竪框２の突片７，７のうち室内側の突片７の室
外側面には収納筒８と対応する位置に板バネ１５
が取付けられている。

竪枠５の竪框２と向き合う面５ａには合成樹脂
製等の押し上げ片１６が収納筒８の略下端に対応
する高さに固定されている。押し上げ片１６の上
面１７は室内側から室外側に向つて徐々に高くな
つており、押し上げ片１６は障子Ａの閉鎖時に前
記把手部６が固定孔１２から案内孔１１，１１に
移動可能な位置に固定してある。また竪框２側の
側面１８は室内側から室外側に向つて徐々に竪框
２から離隔する円弧状面に形成されている。

以上のような構成の全回転式窓の開閉作業につ
き説明する。

施錠レバーＥによつて解錠して一定角度障子Ａ
を開くと、施錠レバーＥは室外側に大きく飛び出
すため、手が届かなくなる。このとき竪框２の側
面２ａに沿つて収納された把手部６を、板バネ１
５から外して収納筒８を中心に回転する。案内孔
１１，１１を通つて把手部１４は固定孔１２内に
落下して回転が阻止される。この状態で把手部６
を握つて障子Ａを開閉すればよい。

障子Ａを閉める場合、把手部６は押し上げ片１
６によつて自動的に収納される。障子Ａの竪框２
が竪枠５に近接すると、把手部６は押し上げ片１
６の上面に乗り上げ、さらに竪框２が竪枠５に近
づくと竪框２は軸部Ｃを中心に回転するため、把
手部６は押し上げ片１６の室外側に移動する。把
手部６が室外側に徐々に移動すると、押し上げ片
１６の上面はに高くなつているため押し上げられ
る。やがて把手部６は竪枠５の側面図５ａに当接
して、固定孔１２から案内孔１１，１１内に移動
した把手部６は竪框２の側面２ａ側に折り畳まれ
る。把手部６は板バネ１５に当接して、板バネ１
５の弾性によつて押圧されて、側面２ａに沿つて
収納されることになる。

〔考案の効果〕

この考案は以上のような構成を有するため以下
のような効果を得ることができる。

○イ 把手部を竪框の窓枠と向き合う面に収納可能
に取付けたため、必要なとき把手部を突出せし
めて開閉作業を行えばよい。

○ロ 竪框側面に沿つて収納したときは把手部は室
内側から見えず、外観体裁が良好である。

○ハ 窓枠に上面が室内側から室外側に向けて徐々
に高くなる押し上げ片を障子の閉鎖時に、その
把手部が固定孔から案内孔に移動可能な位置に
固定したため、把手部は障子を閉めると同時に
収納されるため、把手部を収納し忘れて破損せ
しめるようなことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる全回転式窓の一実施
例の斜視図、第２図は竪框から突出せしめられた
把手部の斜視図、第３図は押し上げ片の斜視図、
第４図は竪枠と竪框の横断面図、第５図は押し上
げ片によつて把手部を収納する状態の説明図、第
６図〜第１０図は障子の開閉順序の説明図であ
る。 Ａ……障子、Ｂ……窓枠、Ｃ……軸部、Ｄ……
腕部、Ｅ……施錠レバー、１……横框、２……竪
框、２ａ……向い合う面、３……ガラス板、４…
…横枠、５……竪枠、６……把手部、７……突
片、８……収納筒、９……翼板、１０……ビス、
１１……案内孔、１２……固定孔、１３……摺動
部、１５……板バネ、１６……押し上げ片、１７
……上面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右いずれか一方の端部の上下に穿設した軸部
   Ｃによつて、窓枠Ｂに沿つて水平に走行可能でか
   つ軸部Ｃを中心に回転可能となるよう障子Ａを取
   付け、障子Ａを窓枠Ｂに対して反転可能にした全
   回転式窓において、軸部Ｃを設けた側の竪框２の
   窓枠の竪枠５と向き合う面２ａに、円筒状をな
   し、その周面には上下に離間し、互いに平行な案
   内孔１１，１１が形成されるとともに、この案内
   孔１１，１１に連続して室外側の一端から上下方
   向の固定孔１２が形成された収納筒８を固定し、
   収納筒８内には回転、摺動可能に摺動部１３を収
   納するとともに、この摺動部１３側面には案内孔
   １１，１１あるいは固定孔１２から突出するコ字
   状の把手部６を穿設し、かつ窓枠Ｂの竪枠５には
   竪框２と向き合う面５ａに上面１７が室内側から
   室外側に向かつて徐々に高くなる押し上げ片１６
   を障子Ａの閉鎖時に前記把手部６が固定孔１２か
   ら案内孔１１，１１に移動可能な位置に固定して
   あることを特徴とする全回転式窓。