JPH0354186B2 - - Google Patents
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- JPH0354186B2 JPH0354186B2 JP60116675A JP11667585A JPH0354186B2 JP H0354186 B2 JPH0354186 B2 JP H0354186B2 JP 60116675 A JP60116675 A JP 60116675A JP 11667585 A JP11667585 A JP 11667585A JP H0354186 B2 JPH0354186 B2 JP H0354186B2
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Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
この発明は、自動車用外板など良好なプレス加
工性とりわけ深絞り性と共に高耐食性が要求され
る用途に用いて好適な超深絞り加工用合金化溶融
亜鉛めつき鋼板の製造方法に関するものである。 (従来の技術) 耐食性にすぐれた表面処理鋼板として、従来か
ら合金化溶融亜鉛めつき鋼板が知られている(た
とえば特開昭58−107414号公報)。 しかしながら従来の合金化溶融亜鉛めつき鋼板
は、めつき層の加工性が充分とはいい難く、この
発明で対象とするような強加工に供した場合には
めつき層が素材の変形に追従できずに粉末状また
は箔状にはく離し、この部分の塗装後耐食性が劣
化するという問題があつた。 この点特開昭58−734998号公報において、合金
化めつき層中の鉄濃度を15〜27%とすることによ
つてめつき層の加工性の改善が図られたが、この
合金化溶融亜鉛めつき鋼板は、素材そのものの加
工性が劣るところに問題を残していた。 一方、良好なプレス成形性を有する鋼板につい
ては、従来から種々の研究がなされていて、とく
に良好な深絞り性を有するものとして、TiやNb
で鋼中の固溶Cを固定したTiキルド鋼板および
Nbキルド鋼板がある。 しかしながらこれらの鋼板では、耐食性につい
ては何らの考慮も払われていない。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、上記の現状に鑑みて開発されたも
ので、素材の成分組成のみならずめつき条件とく
に合金化処理条件に工夫を加えることによつて、
素材についてはいうまでもなくめつき層について
も加工性に富む、すなわち厳しい加工条件下であ
つてもめつき層のはく離が生じることのないいわ
ゆる耐パウダリング性に優れた超深絞り加工用合
金化溶融亜鉛めつき鋼板の有利な製造方法を提案
することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) すなわちこの発明は、C:0.0050wt%(以下単
に%で示す)以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%
以下、P:0.15%以下、S:0.010%以下、Al:
0.010〜0.10%およびN:0.0050%以下を含み、か
つTi:0.010〜0.050%およびNb:0.004〜0.030%
のうちいずれか一種又は二種を含有し、残部実質
的にFeの組成になる冷延鋼板を400〜550℃の温
度範囲に一旦加熱してから、溶融亜鉛めつき処理
を施し、ついで700〜850℃の温度範囲で再結晶焼
鈍を兼ねた合金化処理を施すことからなる、深絞
り性、延性および耐パウダリング性に優れた超深
絞り加工用合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法
である。 さらにこの発明は、上記の製造工程中、400〜
550℃への加熱処理に先立ち、所定の成分組成に
なる冷延鋼板を700〜A3変態点の温度範囲で再結
晶焼鈍する工程を付与してなる超深絞り加工用合
金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法である。 (作用) 以下この発明を具体的に説明する。 まずこの発明において鋼板素材の成分組成を上
記の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.0050%以下 加工用鋼板として最も重要な値および延性を
向上させるためには、C量は少ないほどよく、従
つてC含有量は0.0050%以下より好ましくは
0.0035%以下の範囲に限定した。Cが増加する
と、これを炭化物として固定させるために多量の
Ti、Nbを必要とするが、その結果生成するTiC
やNbCなどの析出強化によつて加工性が劣化す
る。 Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下 SiおよびMnはいずれも、鋼板の強度向上に有
効に寄与するが、過度の添加は溶接性の劣化を招
くので、それぞれSi≦0.5%、Mn≦1.0%の範囲
で添加することにした。 P:0.15%以下 PもSiやMnと同様に、鋼板の高強度化に有効
に寄与するが、含有量が0.15%を超えるとやはり
溶接性の劣化を招くので0.15%以下の範囲に限定
した。 S:0.010%以下 Sが多量に含有されるとMnやTiで固定されな
くなり、熱間圧延時における割れの発生原因とな
るので、S含有量は0.010%以下の範囲に限定し
た。 Al:0.010〜0.10% Alは鋼中のOを固定して、Oとの結合による
TiやNbの有効量の低下を回避するのに有用な元
素であるが、0.010%未満ではその添加効果に乏
しく、一方0.10%を超えて添加してもその効果は
飽和に達するので、0.010〜0.10%の範囲とした。 N:0.0050%以下 NはCと同様、多量に含有されると値や延性
の劣化を招くので、0.0050%以下の範囲に限定し
た。 Ti:0.010〜0.050%、Nb:0.004〜0.030% TiおよびNbはいずれも、鋼中に固溶して深絞
り性や延性に悪影響を及ぼすCやNを固定し、加
工性さらには耐時効性を向上させる有用な元素で
ある。しかしながらTi、Nbがそれぞれ、0.010
%、0.004%に満たないとCやNの十分な固定が
難しくて満足のいく加工性が得られず、一方
0.050%、0.030%を超えるとTiやNbの炭窒化物
が増加してやはり加工性の劣化を招くので、Ti
およびNbはそれぞれ上記の範囲で添加すること
とした。 上記の如き成分組成とすることによつて、素材
鋼板は、優れた深絞り性と延性とを有するように
なる。 次に、めつき層の加工性すなわち耐パウダリン
グ性については、合金化めつき層中の鉄濃度が重
要な意味をもつことが判明した。 第1図に、この発明範囲の鋼を用い、めつき後
の合金化温度を変えることによつてめつき層中の
鉄濃度を変化させた場合の、鉄濃度が耐パウダリ
ング性に及ぼす影響について調べた結果を、めつ
き層中鉄濃度とめつき層加工性指数との関係で示
す。ここにめつき層加工性指数とは、試験面を圧
縮面として90゜曲げ加工を実施し、曲げ加工部に
セロテープを接着したのち、これをはがして、テ
ープに付着したはく離めつき量を下記の5段階評
価基準によつて評価したものである。 1…はく離量大 2…はく離量中 3…はく離量小 4…はく離量極く少量 5…はく離全くなし まためつき層中の鉄濃度は、X線回折によつて
求めた。 同図より明らかなように、合金化めつき層中の
鉄濃度が15〜35%の範囲で、めつき層加工性指数
5という、極めて優れた耐パウダリング性を示し
た。 次にこの発明に従う製造方法について説明す
る。 製造工程は、溶融亜鉛めつきの前処理工程およ
び合金金化処理工程以外は、とくに規制されるこ
とはなく、常法に従い転炉または電気炉で溶製し
た鋼を、造塊−分塊法または連続鋳造法にてスラ
ブとしたのち、必要に応じて真空脱ガス処理後、
通常の熱間圧延、冷間圧延を施して冷延板とす
る。 ついで前処理を施したのち、溶融亜鉛めつき、
合金化処理を施すわけであるが、この発明におい
てはこれらの処理条件がとくに重要であり、次に
示す(a)、(b)2つの熱サイクルがある。 (a) 冷延板を、一旦400〜500℃に加熱してから、
溶融亜鉛めつき処理を施し、ついで700〜850℃
の温度範囲で再結晶焼鈍を兼ねる合金化処理を
施すサイクル。 ここに冷延板を、めつき処理に先立つて400
〜550℃の温度に加熱するのは、鋼板の温度を
めつき浴温と同程度にしておくことが、めつき
密着性の点で必要だからであり、上記の範囲の
温度で1秒以上で処理することが好ましい。 そして後続の合金化処理条件が、この発明鋼
のプレス成形性、焼付硬化性および耐パウダリ
ング性を支配するとくに重要な因子である。す
なわちこの発明では、溶融亜鉛めつき後、従来
よりも高い700℃以上の温度で再結晶焼鈍を兼
ねた合金化処理を施すことによつて、鋼板素材
の再結晶を完了させると共に合金化めつき層中
の鉄濃度を高めるところに特徴があり、かくし
てて値や延性など材質の向上に併せて耐パウ
ダリング性の改善が達成されるのである。 第2図に、再結晶・合金化焼鈍処理における
焼鈍温度と値、伸びおよびめつき層加工性と
の関係について調べた結果を示す。 同図から明らかなように、素材鋼板の材質お
よびめつき層加工性とも良好ならしめるために
は、合金化温度は少なくとも700℃は必要であ
る。一方850℃を超えると、材質は良好ではあ
るけれども、合金化が過度に促進され、めつき
層中の鉄濃度が35%以上となつて、めつき層加
工性の劣化を招くので、850℃を上限とした。 なお、上記の温度における保持時間および冷
却条件は、とくに規制されないが、処理時間は
再結晶する範囲で短時間のたとえば1s〜2min
程度が好ましく、また冷却処理は30℃/s以上
程度の急冷が好ましい。 (b) 冷延板を、700〜A3変態点の温度で再結晶焼
鈍したのち、400〜550℃の温度に一旦降温して
から溶融亜鉛めつきを施し、ついで700〜850℃
の温度範囲で合金化処理を施すサイクル。 この系統は、上掲(a)のサイクルにめつき処理
前における700〜A3変態点の範囲の温度での再
結晶焼鈍工程を加えたものであり、このように
再結晶焼鈍を2回繰返すことによつて粒成長を
促進させ、その結果前掲第2図にも示したよう
に、より一層の材質の向上が達成されるのであ
る。 ここにかような再結晶焼鈍の処理時間はIs〜
2min程度が好ましく、また延性の向上のため
にはより高温での処理が望ましい。 以上(a)、(b)いずれでも、この発明の効果は達成
できるけれども、とくに(a)は省プロセス、省エネ
ルギーの点で、また(b)は一層の特性向上の面で有
利である。 (実施例) 表1に示す種々の組成になる鋼(A〜H)をそ
れぞれ、転炉にて溶製し、RH脱ガス処理後、連
続鋳造によつてスラブとした。ついで加熱温度:
1200℃、仕上げ温度:910℃、巻取り温度:600℃
の条件下に熱間圧延を施して2.8mm厚の熱延板と
し、酸洗後、冷間圧延を施して0.7mm圧の冷延板
とした。 次にかかる冷延板を、一部(鋼種GおよびH)
については表2に示した条件で再結晶焼鈍を施し
たのち、400〜550℃の温度としてから、溶融亜鉛
めつき(めつき浴温:480℃、めつき時間:2s)
を施し、ついでやはり表2に示した温度で再結晶
焼鈍・合金化処理を施した。その後5〜30℃/s
の温度で冷却してから、0.5%程度の調質圧延を
施した。 かくして得られた各合金化溶融亜鉛めつき鋼板
の種々の機械的性質、AI値、めつき層中鉄濃度
および耐パウダリング性について調べた結果を表
2に併記する。
工性とりわけ深絞り性と共に高耐食性が要求され
る用途に用いて好適な超深絞り加工用合金化溶融
亜鉛めつき鋼板の製造方法に関するものである。 (従来の技術) 耐食性にすぐれた表面処理鋼板として、従来か
ら合金化溶融亜鉛めつき鋼板が知られている(た
とえば特開昭58−107414号公報)。 しかしながら従来の合金化溶融亜鉛めつき鋼板
は、めつき層の加工性が充分とはいい難く、この
発明で対象とするような強加工に供した場合には
めつき層が素材の変形に追従できずに粉末状また
は箔状にはく離し、この部分の塗装後耐食性が劣
化するという問題があつた。 この点特開昭58−734998号公報において、合金
化めつき層中の鉄濃度を15〜27%とすることによ
つてめつき層の加工性の改善が図られたが、この
合金化溶融亜鉛めつき鋼板は、素材そのものの加
工性が劣るところに問題を残していた。 一方、良好なプレス成形性を有する鋼板につい
ては、従来から種々の研究がなされていて、とく
に良好な深絞り性を有するものとして、TiやNb
で鋼中の固溶Cを固定したTiキルド鋼板および
Nbキルド鋼板がある。 しかしながらこれらの鋼板では、耐食性につい
ては何らの考慮も払われていない。 (発明が解決しようとする問題点) この発明は、上記の現状に鑑みて開発されたも
ので、素材の成分組成のみならずめつき条件とく
に合金化処理条件に工夫を加えることによつて、
素材についてはいうまでもなくめつき層について
も加工性に富む、すなわち厳しい加工条件下であ
つてもめつき層のはく離が生じることのないいわ
ゆる耐パウダリング性に優れた超深絞り加工用合
金化溶融亜鉛めつき鋼板の有利な製造方法を提案
することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) すなわちこの発明は、C:0.0050wt%(以下単
に%で示す)以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%
以下、P:0.15%以下、S:0.010%以下、Al:
0.010〜0.10%およびN:0.0050%以下を含み、か
つTi:0.010〜0.050%およびNb:0.004〜0.030%
のうちいずれか一種又は二種を含有し、残部実質
的にFeの組成になる冷延鋼板を400〜550℃の温
度範囲に一旦加熱してから、溶融亜鉛めつき処理
を施し、ついで700〜850℃の温度範囲で再結晶焼
鈍を兼ねた合金化処理を施すことからなる、深絞
り性、延性および耐パウダリング性に優れた超深
絞り加工用合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法
である。 さらにこの発明は、上記の製造工程中、400〜
550℃への加熱処理に先立ち、所定の成分組成に
なる冷延鋼板を700〜A3変態点の温度範囲で再結
晶焼鈍する工程を付与してなる超深絞り加工用合
金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法である。 (作用) 以下この発明を具体的に説明する。 まずこの発明において鋼板素材の成分組成を上
記の範囲に限定した理由について説明する。 C:0.0050%以下 加工用鋼板として最も重要な値および延性を
向上させるためには、C量は少ないほどよく、従
つてC含有量は0.0050%以下より好ましくは
0.0035%以下の範囲に限定した。Cが増加する
と、これを炭化物として固定させるために多量の
Ti、Nbを必要とするが、その結果生成するTiC
やNbCなどの析出強化によつて加工性が劣化す
る。 Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下 SiおよびMnはいずれも、鋼板の強度向上に有
効に寄与するが、過度の添加は溶接性の劣化を招
くので、それぞれSi≦0.5%、Mn≦1.0%の範囲
で添加することにした。 P:0.15%以下 PもSiやMnと同様に、鋼板の高強度化に有効
に寄与するが、含有量が0.15%を超えるとやはり
溶接性の劣化を招くので0.15%以下の範囲に限定
した。 S:0.010%以下 Sが多量に含有されるとMnやTiで固定されな
くなり、熱間圧延時における割れの発生原因とな
るので、S含有量は0.010%以下の範囲に限定し
た。 Al:0.010〜0.10% Alは鋼中のOを固定して、Oとの結合による
TiやNbの有効量の低下を回避するのに有用な元
素であるが、0.010%未満ではその添加効果に乏
しく、一方0.10%を超えて添加してもその効果は
飽和に達するので、0.010〜0.10%の範囲とした。 N:0.0050%以下 NはCと同様、多量に含有されると値や延性
の劣化を招くので、0.0050%以下の範囲に限定し
た。 Ti:0.010〜0.050%、Nb:0.004〜0.030% TiおよびNbはいずれも、鋼中に固溶して深絞
り性や延性に悪影響を及ぼすCやNを固定し、加
工性さらには耐時効性を向上させる有用な元素で
ある。しかしながらTi、Nbがそれぞれ、0.010
%、0.004%に満たないとCやNの十分な固定が
難しくて満足のいく加工性が得られず、一方
0.050%、0.030%を超えるとTiやNbの炭窒化物
が増加してやはり加工性の劣化を招くので、Ti
およびNbはそれぞれ上記の範囲で添加すること
とした。 上記の如き成分組成とすることによつて、素材
鋼板は、優れた深絞り性と延性とを有するように
なる。 次に、めつき層の加工性すなわち耐パウダリン
グ性については、合金化めつき層中の鉄濃度が重
要な意味をもつことが判明した。 第1図に、この発明範囲の鋼を用い、めつき後
の合金化温度を変えることによつてめつき層中の
鉄濃度を変化させた場合の、鉄濃度が耐パウダリ
ング性に及ぼす影響について調べた結果を、めつ
き層中鉄濃度とめつき層加工性指数との関係で示
す。ここにめつき層加工性指数とは、試験面を圧
縮面として90゜曲げ加工を実施し、曲げ加工部に
セロテープを接着したのち、これをはがして、テ
ープに付着したはく離めつき量を下記の5段階評
価基準によつて評価したものである。 1…はく離量大 2…はく離量中 3…はく離量小 4…はく離量極く少量 5…はく離全くなし まためつき層中の鉄濃度は、X線回折によつて
求めた。 同図より明らかなように、合金化めつき層中の
鉄濃度が15〜35%の範囲で、めつき層加工性指数
5という、極めて優れた耐パウダリング性を示し
た。 次にこの発明に従う製造方法について説明す
る。 製造工程は、溶融亜鉛めつきの前処理工程およ
び合金金化処理工程以外は、とくに規制されるこ
とはなく、常法に従い転炉または電気炉で溶製し
た鋼を、造塊−分塊法または連続鋳造法にてスラ
ブとしたのち、必要に応じて真空脱ガス処理後、
通常の熱間圧延、冷間圧延を施して冷延板とす
る。 ついで前処理を施したのち、溶融亜鉛めつき、
合金化処理を施すわけであるが、この発明におい
てはこれらの処理条件がとくに重要であり、次に
示す(a)、(b)2つの熱サイクルがある。 (a) 冷延板を、一旦400〜500℃に加熱してから、
溶融亜鉛めつき処理を施し、ついで700〜850℃
の温度範囲で再結晶焼鈍を兼ねる合金化処理を
施すサイクル。 ここに冷延板を、めつき処理に先立つて400
〜550℃の温度に加熱するのは、鋼板の温度を
めつき浴温と同程度にしておくことが、めつき
密着性の点で必要だからであり、上記の範囲の
温度で1秒以上で処理することが好ましい。 そして後続の合金化処理条件が、この発明鋼
のプレス成形性、焼付硬化性および耐パウダリ
ング性を支配するとくに重要な因子である。す
なわちこの発明では、溶融亜鉛めつき後、従来
よりも高い700℃以上の温度で再結晶焼鈍を兼
ねた合金化処理を施すことによつて、鋼板素材
の再結晶を完了させると共に合金化めつき層中
の鉄濃度を高めるところに特徴があり、かくし
てて値や延性など材質の向上に併せて耐パウ
ダリング性の改善が達成されるのである。 第2図に、再結晶・合金化焼鈍処理における
焼鈍温度と値、伸びおよびめつき層加工性と
の関係について調べた結果を示す。 同図から明らかなように、素材鋼板の材質お
よびめつき層加工性とも良好ならしめるために
は、合金化温度は少なくとも700℃は必要であ
る。一方850℃を超えると、材質は良好ではあ
るけれども、合金化が過度に促進され、めつき
層中の鉄濃度が35%以上となつて、めつき層加
工性の劣化を招くので、850℃を上限とした。 なお、上記の温度における保持時間および冷
却条件は、とくに規制されないが、処理時間は
再結晶する範囲で短時間のたとえば1s〜2min
程度が好ましく、また冷却処理は30℃/s以上
程度の急冷が好ましい。 (b) 冷延板を、700〜A3変態点の温度で再結晶焼
鈍したのち、400〜550℃の温度に一旦降温して
から溶融亜鉛めつきを施し、ついで700〜850℃
の温度範囲で合金化処理を施すサイクル。 この系統は、上掲(a)のサイクルにめつき処理
前における700〜A3変態点の範囲の温度での再
結晶焼鈍工程を加えたものであり、このように
再結晶焼鈍を2回繰返すことによつて粒成長を
促進させ、その結果前掲第2図にも示したよう
に、より一層の材質の向上が達成されるのであ
る。 ここにかような再結晶焼鈍の処理時間はIs〜
2min程度が好ましく、また延性の向上のため
にはより高温での処理が望ましい。 以上(a)、(b)いずれでも、この発明の効果は達成
できるけれども、とくに(a)は省プロセス、省エネ
ルギーの点で、また(b)は一層の特性向上の面で有
利である。 (実施例) 表1に示す種々の組成になる鋼(A〜H)をそ
れぞれ、転炉にて溶製し、RH脱ガス処理後、連
続鋳造によつてスラブとした。ついで加熱温度:
1200℃、仕上げ温度:910℃、巻取り温度:600℃
の条件下に熱間圧延を施して2.8mm厚の熱延板と
し、酸洗後、冷間圧延を施して0.7mm圧の冷延板
とした。 次にかかる冷延板を、一部(鋼種GおよびH)
については表2に示した条件で再結晶焼鈍を施し
たのち、400〜550℃の温度としてから、溶融亜鉛
めつき(めつき浴温:480℃、めつき時間:2s)
を施し、ついでやはり表2に示した温度で再結晶
焼鈍・合金化処理を施した。その後5〜30℃/s
の温度で冷却してから、0.5%程度の調質圧延を
施した。 かくして得られた各合金化溶融亜鉛めつき鋼板
の種々の機械的性質、AI値、めつき層中鉄濃度
および耐パウダリング性について調べた結果を表
2に併記する。
【表】
*印は比較鋼
【表】
【表】
加工性ともに良好
(発明の効果) かくしてこの発明法によれば、鋼板素材につい
てはいうまでもなく、合金化めつき層の加工性
が、従来の比べて格段に向上した合金化溶融亜鉛
めつき鋼板を得ることができ、従つてかような鋼
板は厳しい加工条件の用途に供しても、めつき層
がはく離するおそれはない。 またこの発明法によれば、従来不可欠とされた
めつき処理前における再結晶焼鈍を省略すること
もでき、省エネルギーにも寄与する。
(発明の効果) かくしてこの発明法によれば、鋼板素材につい
てはいうまでもなく、合金化めつき層の加工性
が、従来の比べて格段に向上した合金化溶融亜鉛
めつき鋼板を得ることができ、従つてかような鋼
板は厳しい加工条件の用途に供しても、めつき層
がはく離するおそれはない。 またこの発明法によれば、従来不可欠とされた
めつき処理前における再結晶焼鈍を省略すること
もでき、省エネルギーにも寄与する。
第1図はめつき層中の鉄濃度とめつき層加工性
との関係を示した線図、第2図は、再結晶焼鈍・
合金化処理における焼鈍温度と値、めつき層加
工性との関係を示したグラフである。
との関係を示した線図、第2図は、再結晶焼鈍・
合金化処理における焼鈍温度と値、めつき層加
工性との関係を示したグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.0050wt%以下、 Si:0.5wt%以下、 Mn:1.0wt%以下、 P:0.15wt%以下、 S:0.010wt%以下、 Al:0.010〜0.10wt%および N:0.0050wt%以下、 を含み、かつ Ti:0.010〜0.050wt%および Nb:0.004〜0.030wt% のうちいずれか一種又は二種を含有し、残部実質
的にFeの組成になる冷延鋼板を400〜550℃の温
度範囲に一旦加熱してから、溶融亜鉛めつき処理
を施し、ついで700〜850℃の温度範囲で再結晶焼
鈍を兼ねた合金化処理を施すことから成る、深絞
り性、延性および耐パウダリング性に優れた超深
絞り加工用合金化溶融亜鉛めつき鋼板の製造方
法。 2 C:0.0050wt%以下、 Si:0.5wt%以下、 Mn:1.0wt%以下、 P:0.15wt%以下、 S:0.010wt%以下、 Al:0.010〜0.10wt%および N:0.0050wt%以下、 を含み、かつ Ti:0.010〜0.050wt%および Nb:0.004〜0.030wt% のうちいずれか一種又は二種を含有し、残部実質
的にFeの組成になる冷延鋼板を700〜A3変態点の
温度で再結晶焼鈍したのち、400〜550℃の温度範
囲に一旦降温してから溶融亜鉛めつき処理を施
し、ついで700〜850℃の温度範囲で合金化処理を
施すことからなる、深絞り性、延性および耐パウ
ダリング性に優れた超深絞り加工用合金化溶融亜
鉛めつき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11667585A JPS61276961A (ja) | 1985-05-31 | 1985-05-31 | 超深絞り加工用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11667585A JPS61276961A (ja) | 1985-05-31 | 1985-05-31 | 超深絞り加工用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61276961A JPS61276961A (ja) | 1986-12-06 |
JPH0354186B2 true JPH0354186B2 (ja) | 1991-08-19 |
Family
ID=14693098
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11667585A Granted JPS61276961A (ja) | 1985-05-31 | 1985-05-31 | 超深絞り加工用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61276961A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0324234A (ja) * | 1989-06-22 | 1991-02-01 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 成形性に優れた冷延鋼板の製造方法 |
JP2697771B2 (ja) * | 1990-07-07 | 1998-01-14 | 株式会社 神戸製鋼所 | 密着性に優れたメッキ皮膜を有する深絞り用合金化溶融亜鉛メッキ冷延鋼板及びその製造方法 |
JP2616257B2 (ja) * | 1991-01-07 | 1997-06-04 | 日本鋼管株式会社 | 成形性の優れた合金化亜鉛メッキ鋼板およびその製造方法 |
CN102660710A (zh) * | 2012-05-09 | 2012-09-12 | 河北钢铁股份有限公司邯郸分公司 | 一种Nb、Ti复合超深冲用镀锌板及生产方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58107414A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-06-27 | Nippon Steel Corp | 超深絞り用鋼板の製造方法 |
JPS58130264A (ja) * | 1982-01-28 | 1983-08-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 合金化処理亜鉛メツキ鋼板 |
-
1985
- 1985-05-31 JP JP11667585A patent/JPS61276961A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58107414A (ja) * | 1981-12-22 | 1983-06-27 | Nippon Steel Corp | 超深絞り用鋼板の製造方法 |
JPS58130264A (ja) * | 1982-01-28 | 1983-08-03 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 合金化処理亜鉛メツキ鋼板 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61276961A (ja) | 1986-12-06 |
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