JPH0353938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、自動車用前照灯の横側に並列設置さ
れるクリアランスランプ等の自動車用灯具の取付
け構造に関するものである。

＜従来の技術＞ 前照灯の横側にクリアランスランプ等の灯具を
並列設置する場合、特にその前照灯がランプユニ
ツト可動タイプである場合、前照灯のエイミング
動作を損なわないようにするために、従来ではそ
の前照灯と灯具（クリアランスランプ）とを各々
全く独立させて車体に取付けていた。その為に、
取付けスペースの関係上特に灯具の取付け作業が
しずらいと共に、前照灯のエイミング動作に伴な
い前照灯と灯具との間に広い隙間を生じ見映えを
損なつたり、逆に前照灯が灯具に当接してエイミ
ング不能となる不具合があつた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案はこの様な従来の不具合に鑑みてなされ
たものであり、前照灯がランプユニツト可動タイ
プであつてもその横側に並列設置する灯具を前照
灯に連繋支持させることが出来ると共に、その前
照灯のエイミング動作に何等の支障も及ぼす虞れ
がなく、しかも前照灯と灯具との間の隙間を容易
に小さく押えることが出来る自動車用灯具の取付
け構造を提供せんとするもである。

＜問題点を解決するための手段＞ 斯る目的を達成する本考案自動車用灯具の取付
け構造は、前照灯の横側に並列設置される灯具で
あつて、該灯具に突設された取付用ステーに取付
穴を開口形成し、該取付穴内にボルト挿通用リン
グを弾性材でもつて周方向移動可能に支持させた
スペーサ具を嵌着し、前記ボルト挿通用リングに
取付ボルトを挿通させて前照灯の支持ステーに締
結した事を特徴としたものである。

＜実施例＞ 以下、本考案実施の一例を図面に基づいて説明
する。

図中Ａはランプユニツト可動タイプの前照灯で
あり、Ｂは前照灯Ａの横側に並列設置されるクリ
アランスランプ等の灯具を示す。

前照灯Ａは従来と同様、車体Ｃに２本のエイミ
ングスクリユと１つのエイミング支点（図示せ
ず）とによつてエイミング自在に取付けられる。

そして、灯具Ｂは前照灯Ａに近い部分を前照灯
Ａに相互に少し動き得るように連繋支持させると
共に、前照灯Ａより遠い部分は車体Ｃに若干動き
得るように取付け支持させる。即ち、灯具Ｂを構
成する灯体１の前照灯Ａに近い部分に取付用ステ
ー２を一体に突設せしめ、その取付用ステー２と
前照灯Ａの支持ステー３とを取付ボルト４で相互
に少し動き得るように締結して連繋支持させ、前
照灯Ａより遠い端部は第４図に示す如く灯体１の
フランジ１ａとレンズ１０のフランジ１０ａとで
車体Ｃの端辺C₁を挾持するように連繋支持させ、
中央下部部分は第５図に示す如く灯体１に突設し
たピボツト様係合突起５にフアスナー６でもつて
車体Ｃに取付け支持するもである。

灯具Ｂの取付用ステー２は灯体１と同一体に突
出形成せしめ、その先端部に取付穴７を貫通状に
開口形成し、取付穴７内にボルト挿通用リング８
を弾性材９ａでもつて周方向移動可能に支持させ
たスペーサ具９を嵌着し、上記ボルト挿通用リン
グ８と前照灯Ａの支持ステー３とに渡つて取付ボ
ルト４を締結させて前照灯Ａに連繋支持させるも
のである。

スペーサ具９は取付ボルト４を挿通させるため
のボルト挿通用リング８と、そのボルト挿通用リ
ング８を周方向（水平方向）に移動可能に支持す
るための弾性材９ａ及び弾性材９ａを包持するた
めのリング状カラー９ｂとで構成される。即ち、
ボルト挿通用リング８は金属材等を用いて取付ボ
ルト４の外径とほぼ同径のリング状に形成し、リ
ング状カラー９ｂはボルト挿通用リング８の外径
より十分に大径な円形又はボルト挿通用リング８
の移動方向に長い楕円形状に形成し、このリング
状カラー９ｂの中心にボルト挿通用リング８を設
置させカラー９ｂとボルト挿通用リング８との間
にゴム材又は樹脂材等からなる弾性材９ａを充填
させスペーサ具９を構成するものである。尚、弾
性材９ａを包持するためのリング状カラー９ｂは
弾性材９ａを取付用ステー２の取付穴７に適合さ
せれば必ずしもなくてよい。そして、このスペー
サ具９は取付用ステー２の取付穴７内に固定状に
嵌着される。

而して、灯具Ｂの取付用ステー２の先端部を前
照灯Ａの支持ステー３の先端部に重ね合わせ、取
付用ステー２の取付穴７内に嵌着したスペーサ具
９のボルト挿通用リング８と前照灯Ａの支持ステ
ー３に形成した取付穴１１とに渡つて取付ボルト
４を挿通させ、ナツト１２で締結させて灯具Ｂを
前照灯Ａに連繋支持させる。然る後、前照灯Ａの
エイミング調整を行なうと前照灯Ａと同一体に支
持ステー３及び取付ボルト４が動こうとするの
で、それに伴なつてスペーサ具９のボルト挿通用
リング８が弾性材９ａの伸縮により取付用ステー
２の取付穴７に対して周方向（水平方向）に移動
し、その位置で灯具Ｂの取付用ステー２と前照灯
Ａの支持ステー３との連結関係を維持するように
なる。この時、前照灯Ａのエイミング動作が灯具
Ｂから離れる方向にスペーサ具９のボルト挿通用
リング８の移動可能範囲以上に動くと灯具Ｂは前
照灯Ａの支持ステー３で引張られて若干動き、逆
に灯具Ｂに近付く方向に動くと灯具Ｂは前照灯Ａ
に押されて若干動くが、いずれの場合も灯具Ｂは
前述した係合突起５とフアスナー６とによつて車
体Ｃに対しては位置固定されており、灯具Ｂは係
合突起５を中心にして若干動くことになる。

＜考案の効果＞ 本考案自動車用灯具の取付け構造は斯様に構成
したので、前照灯がランプユニツト可動タイプで
あつてもその横側に並列設置する灯具を前照灯に
連繋支持させることが出来ると共に、前照灯のエ
イミング動作に何等の支障も来たす虞れがない。
即ち、前照灯の支持ステーと灯具の取付用ステー
とを締結する取付ボルトは、取付用ステーの取付
穴内に嵌着したスペーサ具のボルト挿通用リング
に挿通支持され、そのボルト挿通用リングはスペ
ーサ具を構成する弾性材でもつて周方向（水平方
向）に移動可能に支持されているので、前照灯の
エイミング動作に伴なつて支持ステー及び取付ボ
ルトが灯具の取付用ステーに対して移動可能とな
り、従つて前照灯のエイミング動作に何等の支障
も及ぼす虞れがなく、尚且つ灯具を車体に対して
不動状態に設置することが出来る。

しかも、灯具を前照灯に連繋支持させるように
したので、灯具を車体に組付ける際に前照灯に近
い側は車体に取付ける必要がなくなり、その分前
照灯及び灯具の取付スペースを広く取れ、前照灯
及び灯具が車体に組付けやすくなると共に、前照
灯と灯具との間の隙間を小さく押えることが容易
となる。

よつて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の一例を示し、第１図は斜視
図、第２図は第１図の２−２線拡大断面図、第３
図は第２図の平面図、第４図は第１図の４−４線
拡大断面図、第５図は底面図である。 図中、Ａは前照灯、Ｂは灯具、Ｃは車体、２は
取付用ステー、３は支持ステー、４は取付ボル
ト、７は取付穴、８はボルト挿通用リング、９は
スペーサ具、９ａは弾性材、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前照灯の横側に並列設置される灯具であつて、
   該灯具に突設された取付用ステーに取付穴を開口
   形成し、該取付穴内にボルト挿通用リングを弾性
   材でもつて周方向移動可能に支持させたスペーサ
   具を嵌着し、前後ボルト挿通用リングに取付ボル
   トを挿通させて前照灯の支持ステーに締結した事
   を特徴とする自動車用灯具の取付け構造。