JPH0352618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の後部車体構造の改良に関す
る。

（従来技術） 従来、自動車の後部車体構造としては、車体後
部の両側で車体前後方向に延設されるリヤサイド
フレームの前方側をＹ型に形成して、リヤサイド
フレームの強度向上を図つたものが提案されてい
る（実開昭55−124369号公報参照）。

ところで、第４図に示すように、サイドフレー
ム１に、サスペンションアーム２やダンパー３等
を介して後輪４を支持するリヤサスペンション５
が取付けられ、該リヤサスペンション５のスプリ
ング６を、リヤサイドフレーム１の下面に配設す
るようにしたものでは、スプリング長さを充分に
確保するために、スプリング６が配設される部分
を、他の部分よりも高さ方向の厚みを薄く形成す
る必要があるが、これにより、リヤサイドフレー
ム１の強度が低下するという問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来の問題を解決するためにな
されたもので、リヤサイドフレームに設けられた
リヤサスペンションスプリング配設用の薄肉部を
補強して、リヤサイドフレームの強度を向上させ
ることを目的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、上記の目的を達成するた
め、車体後部の両側で車体前後方向に延設される
リヤサイドフレームの下面にリヤサスペンション
スプリングが配設される後部車体構造であつて、
上記リヤサイドフレームが、車体前後方向と直交
する平面で切断すれば略Ｕ字形の断面形状をもつ
ように形成され、かつ上記リヤサイドフレームの
リヤサスペンションスプリングが配設される部分
には、他の部分よりも高さ方向の厚みが薄く形成
されてなる薄肉部が設けられ、上記薄肉部付近に
おいて、車体前後方向にみて薄肉部より前側から
後側にわたつてリヤサイドフレームの外周面の一
部に固着され、かつリヤサイドフレームを覆うよ
うに形成されてリヤサイドフレームを補強する補
強部材が設けられ、上記補強部材が、薄肉部の前
側と後側とでは、車体前後方向と直交する平面で
切断すれば略Ｕ字形の断面形状をもつように形成
され、かつ上記補強部材には、リヤサイドフレー
ムの薄肉部と対応する部分において、その高さ方
向の厚みが、リヤサイドフレームの薄肉部以外の
部分の高さ方向の厚みと略等しい厚みで薄肉部を
迂回して側方へ膨出する膨出部が設けられ、車体
前後方向にみて、上記薄肉部より前側のリヤサイ
ドフレームと補強部材との重なり部に、リヤサス
ペンションの一部をなすサスペンションアームの
取付部が設けられるとともに、薄肉部より後側の
リヤサイドフレームと補強部材との重なり部に、
リヤサスペンションの一部をなすダンパの取付部
が設けられていることを特徴とする自動車の後部
車体構造を提供する。

（考案の効果） 本考案によれば、リヤサイドフレームの薄肉部
が、補強部材の膨出部によつて補強されるので、
リヤサイドフレームの強度が高められる。

また、薄肉部の強度を高めるための膨出部を、
リヤサイドフレームに固着される補強部材に形成
しているので、膨出部の製造が容易となる。

さらに、リヤサスペンションのサスペンション
アームの取付部とダンパの取付部とが、剛性の高
いリヤサイドフレームと補強部材の重なり部に設
けられているので、リヤサスペンションの取り付
け強度が高められる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図及び第２図に示すように、車体後部の両
側（左側のみ図示）で、車体前後方向に延設され
るリヤサイドフレーム１０には、後輪４（第４図
参照）のリヤサスペンションが取付く部位が上方
へ屈曲されてキツクアツプ部１０ａに形成されて
いる。

該リヤサイドフレーム１０は、略Ｕ字状の断面
形状でなり（第３図ａ〜ｃ参照）、上部両端に設
けられた外向きのフランジ１０ｂ，１０ｃにはフ
ロアパネル１１の下面が固着されている。

該リヤサイドフレーム１０のキツクアツプ部１
０ａの高さ方向の厚みt₁は、他の部分の厚みt₂よ
りも薄い（約1/2）薄肉部１０ｄ（第３図ｂ参照）
に形成されている。

このように、キツクアツプ部１０ａに薄肉部１
０ｄを形成することにより、リヤサスペンション
５（第４図参照）のスプリング６の長さを充分に
確保できるようになる。

一方、上記リヤサイドフレーム１０の薄肉部１
０ｄを中心にして、リヤサイドフレーム１０と略
相似形状でリヤサイドフレーム１０を内包しなが
ら前後方向に伸長する補強部材１２を設ける。

該補強部材１２は、薄肉部１０ｄの前側と後側
とでは略Ｕ字状の断面形状でなり（第３図ａ，ｃ
参照）、上部両端に設けられた外向きのフランジ
１２ａ，１２ｂの内側フランジ１２ｂが上記フロ
アパネル１１の下面に固着され、外側フランジ１
２ａが上記リヤサイドフレーム１０の外側フラン
ジ１０ｂに重ね合わせて固着されている。

該補強部材１２は、前部側（第３図ａ参照）と
後部側（第３図ｃ参照）において、外側壁１２ｃ
がリヤサイドフレーム１０の外側壁１０ｅに固着
され、底壁１２ｄの一部がリヤサイドフレーム１
０の底壁１０ｆに固着されている。

該補強部材１２の中間部には、内側壁１２ｅが
上記リヤサイドフレーム１０の薄肉部１０ｄを迂
回するように内側方へ湾曲状に膨出する膨出部１
２ｆが設けられている。

該補強部材１２の膨出部１２ｆは、第３図ｂに
も示すように、薄肉部１０ｄに対向する底壁１２
ｄの一部がリヤサイドフレーム１０の底壁１０ｆ
に固着されるとともに、薄肉部１２ｄに対向しな
い迂回部分の高さ方向の厚みt₃が、他の部分の厚
みt₄と略等しい厚みに設定されている。

このように、リヤサイドフレーム１０の薄肉部
１０ｄの内側方の周囲が、補強部材１２の膨出部
１２ｆで補強されるので、リヤサイドフレーム１
０の強度が向上するのである。

なお、リヤサイドフレーム１０の薄肉部１０ｄ
部分のフロアパネル１１の端部１１ａは下方へ立
下げられ、補強部材１２の外側フランジ１２a′も
下方へ立下げられて、それぞれタイヤハウス１３
の内面に固着されている。

上記の構成において、補強部材１２の前部にサ
スペンションアーム等の取付部１４ａ，１４ｂを
設け、補強部材１２の後部にダンパーの取付部１
４ｃを設けると、各部品が補強部材１２を介して
リヤサイドフレーム１０に取付けられることにな
るので、取付け強度も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリヤサイドフレームの側
面図、第２図は第１図の平面図、第３図ａは第１
図のＡ−Ａ断面図、第３図ｂは第１図のＢ−Ｂ断
面図、第３図ｃは第１図のＣ−Ｃ断面図、第４図
は自動車の後部車体構造を示す側面図である。 ６……サスペンションスプリング、１０……リ
ヤサイドフレーム、１０ａ……キツクアツプ部、
１０ｄ……薄肉部、１２……補強部材、１２ｆ…
…膨出部、t₁〜t₄……厚み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体後部の両側で車体前後方向に延設されるリ
   ヤサイドフレームの下面にリヤサスペンションス
   プリングが配設される後部車体構造であつて、 上記リヤサイドフレームが、車体前後方向と直
   交する平面で切断すれば略Ｕ字形の断面形状をも
   つように形成され、かつ上記リヤサイドフレーム
   のリヤサスペンションスプリングが配設される部
   分には、他の部分よりも高さ方向の厚みが薄く形
   成されてなる薄肉部が設けられ、 上記薄肉部付近において、車体前後方向にみて
   薄肉部より前側から後側にわたつてリヤサイドフ
   レームの外周面の一部に固着され、かつリヤサイ
   ドフレームを覆うように形成されてリヤサイドフ
   レームを補強する補強部材が設けられ、 上記補強部材が、薄肉部の前側と後側とでは、
   車体前後方向と直交する平面で切断すれば略Ｕ字
   形の断面形状をもつように形成され、かつ上記補
   強部材には、リヤサイドフレームの薄肉部と対応
   する部分において、その高さ方向の厚みが、リヤ
   サイドフレームの薄肉部以外の部分の高さ方向の
   厚みと略等しい厚みで薄肉部を迂回して側方へ膨
   出する膨出部が設けられ、 車体前後方向にみて、上記薄肉部より前側のリ
   ヤサイドフレームと補強部材との重なり部に、リ
   ヤサスペンションの一部をなすサスペンションア
   ームの取付部が設けられるとともに、薄肉部より
   後側のリヤサイドフレームと補強部材との重なり
   部に、リヤサスペンションの一部をなすダンパの
   取付部が設けられていることを特徴とする自動車
   の後部車体構造。