JPH0352304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の技術分野） 本考案は用便後、肛門等の局部を洗浄する局部
洗浄装置に関する。

（従来の技術） 局部洗浄装置は洗浄水噴出ノズルから適温の湯
を噴出させ、この噴出された湯を肛門等の局部に
当てて該部を洗浄するものであるが、従来、洗浄
用の湯は電気ヒーターを用いて適温に加熱してお
り、加熱方式としては洗浄水噴出ノズルに供給さ
れる水をノズル手前で瞬間的に加熱してノズルに
流す、所謂瞬間型と、ノズル手前に貯湯槽を設け
てこの貯湯槽において洗浄水を適温に沸し上げて
おき、使用の都度この貯湯槽内の湯をノズルに供
給する、所謂貯湯型に大別される。

しかし乍ら、上記瞬間型のものは洗浄水の加熱
に多量の電気を必要とし、通常1KW程度におさ
えなければならないため複雑な制御機構が必要で
あり、また出湯量も制限されており出湯量を増加
しにくい為複数個の同時使用は困難である。

一方、貯湯型のものは、事前に沸し上げておく
ため出湯量の増減が可能であるが、出湯量を増加
したり長時間使用すると湯切れを生じる。そこ
で、湯切れの対策として貯湯量を増加することが
考えられるが、貯湯量を増加した場合、コンパク
トにならずデザイン上まとめにくいばかりでな
く、湯を使いきつた後の沸し上げに時間を要す
る。

（考案が解決しようとする問題点） 出湯量の増加を可能にし、しかも湯切れの恐れ
がなく、いつでも適温の湯を必要なだけ洗浄水と
して使用できるようにすると共にノズルには確実
に設定温度の湯を供給するようにし、且つ複数の
洗浄便座の同時使用を可能とする。

（問題を解決するための手段） 上記問題を解決するために本考案が講ずる技術
手段は、給湯機によつて加熱された湯と給水源か
らの水を導入可能とし、前記給湯機によつて加熱
された湯と給水源からの水を混合する湯水混合ミ
キシングバルブを備えた給湯用端末機を便所内部
に備え、上記湯水混合ミキシングバルブを便座に
備えた洗浄水噴出ノズルに連絡すると共にその混
合水出口と洗浄噴出ノズルとの間には、ノズルに
供給される混合水を加熱する補助加熱手段を設け
るものである。

（作用） 上記のように構成した局部洗浄装置にあつて
は、給湯用端末機に給湯機の湯が直接入り、この
湯は上記端末機において湯水混合用ミキシングバ
ルブで水と混合して適温とされて便座の洗浄水噴
出ノズルに供給される。

また、不使用時給湯用端末機より下流側の配管
で冷却した湯は、次回の使用に際し補助加熱手段
で加熱されて確実に適温にされてから洗浄水噴出
ノズルに供給される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。

図中Ｂは給湯端末機、１０はそのケーシング
で、箱状に形成されて前面にギヤラリ状の放熱口
１１を有し、内部には放熱板１２、熱媒循環管路
２、及び給湯用管路４を収容する。

放熱板１２は熱伝導性のよい金属板にて図示形
状に形成し、放熱面部１２ａをケーシング１０の
放熱口１１に近接状に沿わしめてケーシング１０
内に取付固定する。

熱媒循環管路２は、熱伝導性の良い金属管によ
り蛇行状に形成し、放熱板１２の放熱面部１２ａ
に沿つて横方向に蛇行するように放熱面部１２ａ
背面に接触せしめて設け、その往側端部２ａと戻
側端部２ｂを夫々ケーシング１０外に突出する。

給湯用管路４は、流入管部４ａと、熱交換部４
ｂと、貯湯部４ｃと、流出管部４ｄとからなり、
熱交換部４ｂは流入管部４ａと貯湯部４ｃとの間
にこれらを連絡して設けられ、流出管部４ｄは貯
湯部４ｃから取り出される。

また、給湯用管路４は貯湯部４ｃを大略円筒形
のタンク状に形成し、その軸心を略水平にしてケ
ーシング１０内上部に配置すると共に、流入管部
４ａをケーシング１０内下部に貯湯部４ｃと対向
して略水平に配管し、流入管部４ａの端部をケー
シング１０外側に突出し、流出管部４ｄの端部に
はサーモエレメントを備えた湯水混合用ミキシン
グバルブ６を接続する。

熱交換部４ｂは流入管部４ａと貯湯部４ｃの底
部を熱伝導性の良い金属製の相互に平行な複数の
管で連絡して構成する。

そして、この熱交換部４ｂは熱媒循環管路２の
蛇行状に形成されて上下方向に延びる部分に沿つ
て該部分と接触するように熱媒循環管路２の背後
に配設する。

上記ミキシングバルブ６はサーモエレメントを
備え、導入される湯と水の混合水温度が設定温度
より高くなると湯側を絞つて水側を開き、低くな
ると水側を絞つて湯側を開き、常時所定温度の温
水を混合水出口８から送り出す従来周知のサーモ
エレメント付きミキシングバルブで、放熱板１２
またはケーシング１０内面に取着する。

この給湯端末機Ｂは便所内に設置して熱媒循環
管路２を熱媒加熱回路１を有する給湯機Ａの上記
熱媒加熱回路１に、給湯用管路４を上記給湯機Ａ
の給湯回路３に夫々接続すると共にミキシングバ
ルブ６の水入口を給水管７を介して給水源に、混
合水出口８を連絡管路１３を介して便座Ｃの洗浄
水噴出ノズル５に夫々接続し、上記連絡管路１３
には後述の補助加熱手段９を設ける。

給湯機Ａは別系統になつた給湯回路３と熱媒加
熱回路１を備え、ガスまたは石油バーナーで加熱
した湯を建物内の所要箇所に設けた各水栓に供給
すると共に熱媒加熱回路１を建物内の所用箇所に
設置した暖房用端末機の熱媒循環管路２に接続し
て加熱した熱媒（例えば不凍液）を該管路２に循
環流動せしめるようにした従来周知の給湯機であ
り、給湯回路３は中途部で分岐して各水栓に連絡
するようになつており、その分岐した１本が上記
給湯端末機Ｂの給湯管路４に連絡し、熱媒加熱回
路１は中途部で複数の往管１ａと戻管１ｂに分岐
して、この往管１ａと戻管１ｂが１対となつて各
暖房用端末器に連絡するようになつており、それ
ら往管１ａと戻管１ｂのうちの１対が上記給湯端
末機Ｂの熱媒循環管路２の両端に夫々接続する。

洗浄水噴出ノズル５は、非使用時には用便によ
る汚物がかからない便座Ｃの裏側等に収納されて
おり、使用時には便座Ｃ裏側等から引き出して先
端を使用者の局部に臨ませることができるように
便座Ｃに対して伸縮自在または回動自在に設ける
か、便座Ｃの汚物がかからない位置に、該位置か
ら使用者の局部に直接臨むように便座Ｃに一体に
設け、その基部を上記給湯端末機Ｂの湯水混合用
ミキシングバルブ６の混合水出口８に連絡管路１
３を介して連絡する。

そして、上記連絡管路１３には便座Ｃの側部な
ど、操作し易い場所に設けた操作スイツチ１４の
操作により開閉する電磁弁１５と、補助加熱手段
９を設ける。

上記操作スイツチ１４は洗浄水噴出ノズル５が
伸縮または回動するものである場合、これを伸縮
または回動せしめる駆動装置を作動せしめるため
の操作スイツチを兼用せしめることができる。

補助加熱手段９は一方を開口した有底円筒状を
呈する加熱缶１６の開口部を蓋体１７で被蓋し
て、その蓋体１７に両端を開口した円筒状のセラ
ミツクヒーター１８を貫通せしめてその内端が加
熱缶１６の内底部近傍まで延びるように装着する
と共に蓋体１７近くの加熱缶１６周面に出口１９
を開設して形成し、上記ヒーター１８の加熱缶１
６外方へ突出した端部の開口を連絡管路１３の上
流側に、出口１９を下流側に連絡する。

従つて、連絡管部１３を流れる湯はヒーター１
８内部を通つて加熱缶１６内に入り、ヒーター１
８外面に沿つて加熱缶１６内を出口１９に向かつ
て流れ、出口１９を出て洗浄水噴出ノズル５に達
する。

この際ヒーター１８に通電されていれば、加熱
缶１６内において追焚き加熱される。

そして、上記ヒーター１８の通電は加熱缶１６
内に設けた温度センサー２０により制御する。即
ち加熱缶１６内に流入する洗浄水の温度を温度セ
ンサー２０が検知し、その温度が予め設定された
洗浄水温度より低いときに制御部を介してヒータ
ー１８に通電し、高くなるとヒーター１８への通
電を停止するように構成する。

上記追焚きヒーター部９及び制御部は、便座Ｃ
後部に設けた収納ボツクス２１に収納配備する。

尚、図中２２は手洗用の水栓であり、給湯端末
機Ｂの湯水混合用サーモスタツトミキシングバル
ブ６の混合水出口８直後において連絡管路１３か
ら分岐せしめた手洗用給湯管２３に接続されて手
洗器２４に臨んでいる。

手洗器２４は第２図に示すように便所の適当な
場所に設けても勿論良いが給湯端末機Ｂ上面に設
けることも可能である。

而して、給湯機Ａから給湯回路３を介して給湯
端末機Ｂの給湯管路４に供給された湯は給湯管路
４の一部を構成する貯湯部４ｃに貯溜されるが、
給湯機Ａから熱媒加熱回路１を介して上記端末器
Ｂの熱媒循環管路２に導入されて循環流動する熱
媒を熱源として熱交換部４ｂで加熱される。

従つて、貯湯部４ｃ内の湯は常に熱媒とほぼ同
じ温度（約80℃）に維持される。

そして、用便後便座Ｃ側部等に設けた操作スイ
ツチ１４が操作されて電磁弁１５が開くと、貯湯
部４ｃの湯は湯水混合用ミキシングバルブ６で水
と混合され、予め設定された所定湯温（約40℃前
後）の温水となり連絡管路１３を介して洗浄水噴
出ノズル５に供給され、該ノズル５から噴出して
使用者の局部を洗浄する。

そして、不使用時において、給湯端末機Ｂの給
湯管路４の出口と連絡管路１３の電磁弁１５との
間で冷めてしまつた湯は次回の使用のとき補助加
熱手段９で適温に加熱されて洗浄水噴出ノズル５
に供給される。

また夏場など暖房が使用されないなどの理由に
より、給湯端末機Ｂの熱媒循環管路２内の熱媒循
環がなく給湯端末器内において給湯管路の水を高
温に維持することが困難になり、上記端末器を出
てノズルに供給される洗浄水が設定された洗浄水
温度より低くなつたときも補助加熱手段が作動し
て洗浄水を設定温度まで追焚き加熱した上でノズ
ルに供給する。

（効果） 本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

(1) 給湯用端末機、と洗浄水噴出ノズルを備える
便座が近接しており、端末機で給湯機からの湯
と給水源からの水を適温に混合して即座にノズ
ルから出湯することができ、洗浄水の出湯温度
の立上がりが素早い。

(2) 給湯端末機へ給湯機の湯が直接入り、更に便
座の洗浄水噴出ノズルへ供給されるため、連続
使用及び頻度の高い使用が可能である。

(3) 給湯端末機の給湯管路出口と洗浄水噴出ノズ
ルとの間に、ノズルに供給される湯が設定され
た洗浄水温度より低温のときに作動する補助加
熱手段を設けたので、端末器からの給湯温度と
設定された洗浄水温度が異なる場合や、不使用
時に端末器の下流側配管中の湯が冷却した場合
の温度調整が容易である。

(4) 複数の洗浄便座の同時使用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す局部洗浄装置
のシステム図、第２図は便所内の設置状態の一例
を示す平面図、第３図は本考案の主要な構成要素
の１つである給湯端末機の一部切欠して示す正面
図、第４図は第３図の−線断面図、第５図は
補助加熱手段の断面図で、洗浄水噴出ノズルに連
絡する状態を示す。 Ａ……給湯機、Ｂ……給湯端末機、Ｃ……便
座、１……熱媒加熱回路、２……熱媒循環管路、
３……給湯回路、４……給湯管路、５……洗浄水
噴出ノズル、６……サーモエレメント付き湯水混
合用ミキシングバルブ、７……給水管、８……混
合水出口、９……補助加熱手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 給湯機によつて加熱された湯と給水源からの水
   を導入可能とし、前記給湯機によつて加熱された
   湯と給水源からの水を混合する湯水混合ミキシン
   グバルブを備えた給湯用端末機を便所内部に備
   え、上記湯水混合ミキシングバルブを便座に備え
   た洗浄水噴出ノズルに連絡すると共にその混合水
   出口と洗浄水噴出ノズルとの間には、ノズルに供
   給される混合水を加熱する補助加熱手段を設けて
   なる局部洗浄装置。