JPH0315975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は浴用水の給水温度、給水量及び給水後
における浴用水の温度を自動的に管理する装置に
関するものである。

（従来の技術） 従来の浴用水の給水装置は給湯機で沸し上げた
湯と、水道からの水を給湯管や給水管を介して浴
室まで導き、そこでバルブ混合栓やサーモスタツ
ト式混合栓等により混合して使用していた。

ところが前記バルブ混合栓により定温の浴用水
を給水するには給湯栓と給水栓の双方を手動操作
しなければならず、又サーモスタツト式混合栓の
場合も前記同様に、バルブの手動操作が必要であ
り、手間がかかつた。

さらに操作後における浴用水温度の確認も手の
感覚か、あるいは温度計で行わなければならず二
重の手間を招いていた。

そこで以上の欠点を解消するために、給湯機に
温度調節機能を具備させて、該給湯機で設定温度
まで沸し上げ、それを使用する方法がとられた。

ところが、この方法は給湯機から数箇所に温度
を夫々異ならせて給水することが困難であるため
使用が限定され、しかも給湯機の圧損により使用
量が制限されるという欠点があつた。

一方浴槽内の浴用水が所定量に達した時点で給
湯機からの給水を停止させる方法は、浴槽外に設
け、しかも浴槽とは湯でつながるように取り付け
られたレベルスイツチを給湯機に電気的に連絡
し、水面レベルを検知するというものがある。

ところが、これは浴槽内への給水が正常に行わ
れているときは問題ないが、給水に異常が起きた
場合、例えば蓋をしたままで給水が行われると、
浴槽内に給水がされないためレベルスイツチが作
動せず無駄な給水が長時間にわたつて行われると
いう惧れがあつた。

以上の蓋の有・無の問題を解消するために浴槽
内の汚水逆流防止用ホツパーを備えて浴槽側面に
給湯口を設けて給水し、レベルスイツチで給水量
の確認をする方法がとられた。

しかし、この方法も汚水の逆流防止のため前記
浴槽と給湯機とホツパーとを同一レベルで施工し
なければならず、このため給湯機及び浴槽の設置
場所が限定されるという欠点があつた。

また、従来から上記給湯機に追焚き用の熱交換
器を備え、該交換器を浴槽外壁のバスヒーターに
配管を介して連絡させ、給水後における浴用水の
追焚きを行うようにしたものがある。

しかして、このものは追焚き用の配管を介して
浴槽と接続されるため、その配管の取り回しの都
合上設置場所が浴室の近傍に制限されてしまうも
のである。また、追焚きを行う際は操作スイツチ
による手動操作によつて追焚き用の熱交換器をバ
ーナーで加熱しており、追焚きを浴用水の水温低
下に応じて自動的に行うことができず、浴用水を
所定の温度に維持できないものであつた。更に、
浴用水の加熱が自然循環式のバスヒーターで行わ
れるため、浴槽内の上下で浴用水の温度差が大き
くなるものであつた。

（考案が解決しようとする技術的課題） 本考案が解決しようとする技術的課題は次の各
点にある。

(1) 従来の追焚き用熱交換器を備えた給湯機をそ
のまま使用して、浴用水の定温定量給水及び追
焚きを自動的に行えるようにすること。

(2) 給湯機の設置場所の自由度を増大させるこ
と。

(3) 浴用水の給水温度及び給水量の設定を浴室内
と、給湯機の設置場所より手近な浴室外とで行
えるようにすること。

(4) 浴槽内の水面レベルを検知する手段に風呂蓋
の有無を感知する機能を保持させること。

(5) 追焚き時における浴用水の循環を強制循環と
すること。

「考案の構成」 （技術的課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本考案が講じた手段は、
給湯機の給湯用熱交換器に接続する給湯管路と、
給水源に接続する給水管路とに接続され、電気的
に作動して両管路からの湯及び水を所定の割合で
混合する混合機能部と、浴槽の上方位置にあつて
前記混合機能部の二次側に混合水管路を介して接
続される吐水金具と、前記混合水管路に設けられ
混合水の温度を感知するサーミスタと、前記吐水
金具に設けられ浴槽内の水面レベルを検知する水
面レベルセンサーと、上記給湯機の追焚き用熱交
換器に接続する湯の循環路と浴槽に接続する浴用
水の循環路とが導かれる加熱器と、前記浴用水の
循環路に設けられ浴用水の温度を感知するサーミ
スタと、同循環路に設けられる浴用水の循環ポン
プとを備え、上記混合機能部、サーミスタ、水面
レベルセンサー、追焚き用熱交換器、循環ポンプ
を制御盤に電気的に接続し、且つ該制御盤に浴用
水の水温及び水量設定用の信号を入力させる操作
部を前記吐水金具と浴室外とに夫々別途に独立さ
せて設けたものである。

（作用） 上記手段によれば、浴室内の吐水金具及び浴室
外に設けた操作部で設定した設定温度に基づき制
御盤が混合機能部の作動を制御し、該機能部にお
いて給湯機からの湯と給水源からの水とが所定の
割合で混合し、設定温度の混合水が吐水金具より
浴用水として浴槽内へ給水されると共に、前記混
合水の温度を常にサーミスタが感知してその信号
を制御盤へ送り、混合水温度が設定温度に対して
上下に変化した場合には、制御盤がサーミスタか
らの信号を受けて混合機能部における湯と水の混
合割合を調整し、混合水温度を設定温度に戻して
保持するものである。また、浴槽内の水面レベル
を常に吐水金具の水面レベルセンサーが検知して
その信号を制御盤へ送り、水面レベルが操作部で
設定した設定水量に対応するレベルに達すると、
制御盤が水面レベルセンサーからの信号を受けて
給水を停止すると共に、浴槽への給水時において
浴槽が風呂蓋で覆われている場合には、その風呂
蓋の存在が水面レベルセンサーにより浴槽よりも
高い水面レベルとして検知され、給水が行われな
いものである。

浴用水の給水終了後において浴槽内における浴
用水の温度が低下した際には、その水温低下を浴
用水の循環路に設けたサーミスタが感知し、該サ
ーミスタの信号を制御盤が受けて給湯機における
追焚き用熱交換器の加熱を促し、この熱交換器と
加熱器との間を湯が循環して、加熱器において循
環ポンプにより導かれた浴用水が加熱され、追焚
きが行われる。

（実施例） 本実施例における浴用水の自動管理装置は、図
面に示す如く浴用水の給水系及び追焚き系と、こ
れら２系統を管理し制御する制御系とからなり、
前記給水系に混合機能部１、吐水金具２、サーミ
スタ３、水面レベルセンサー４を備え、追焚き系
に加熱器５、湯の循環路６、浴用水の循環路７、
サーミスタ８を備え、制御系として制御盤９及び
その操作部１０，１１を備えている。

先ず、浴用水の給水系について説明すると、混
合機能部１は給湯機ａからの湯と給水源即ち水道
ｃからの水を所定の割合で混合させ所定温度の混
合水を作るもので、夫々電動弁からなる湯量弁１
ａと水量弁１ｂとを備え、その湯量弁１ａが給湯
機ａの給湯用熱交換器a₁に接続する給湯管路１２
と接続され、水量弁１ｂが水道ｃに接続する給水
管路１３と接続されている。尚、混合機能部１は
モータで作動するサーモスタツトミキシングバル
ブで構成することも任意である。

吐水金具２は前記混合機能部１からの混合水を
浴用水として浴槽ｂへ給水するもので、浴槽ｂの
上方位置にあつて浴室内の壁面ｄに取付けられ、
混合機能部１の二次側に混合水管路１４を介して
接続されている。

前記混合水管路１４には電磁弁からなる開閉弁
１５が設けられており、この開閉弁１５によつて
混合水管路１４が開閉され、混合水即ち浴用水の
給水及びその停止が行われるものである。

サーミスタ３は混合機能部１からの混合水の温
度を感知するもので、前記混合水管路１４に設け
られている。

水面レベルセンサー４は浴槽ｂ内の水面レベル
を検知するもので、超音波センサーからなり、前
記吐水金具２の下面に取付けられて浴槽ｂ底面と
対面している。

次に、追焚き系について説明すると、加熱器５
は給湯機ａからの湯を熱源として浴用水を加熱す
るもので、給湯機ａの追焚き用熱交換器a₂に接続
する湯の循環路６と、浴槽ｂに接続する浴用水の
循環路７とが導かれている。

浴用水の循環路７には浴用水を強制循環させる
ための循環ポンプＰと、サーミスタ８及びフロー
スイツチ１６が設けられている。

前記循環ポンプＰは常時作動しており、浴用水
を浴槽ｂ内で循環させその温度を均一にするもの
である。

サーミスタ８は浴用水の温度を感知してその信
号を制御盤９へ送るもので、この信号に基づいて
制御盤９が前記追焚き用熱交換器a₂の加熱及びそ
の停止を指令するものである。

フロースイツチ１６は空焚きを防止するための
もので、このフロースイツチが開放されている状
態、即ち浴用水の水量が不足して循環路７を浴用
水が正常に流れていない状態では、追焚き用熱交
換器a₂の加熱が禁止されるようになつている。

次に、制御系について説明すると、制御盤９は
浴用水の給水温度と給水量及び給水後における浴
用水の温度を集中管理するもので、上記混合機能
部１、サーミスタ３，８、開閉弁１５、水面レベ
ルセンサー４、追焚き用熱交換器a₂、循環ポンプ
Ｐ、フロースイツチ１６と電気的に接続されてい
る。

操作部１０，１１は前記制御盤９に電気的に接
続され、浴用水の水温及び水量設定用の信号を制
御盤９に入力させ、且つ電源の投入及び遮断を行
うもので、浴室内の吐水金具２上面と、浴室外例
えば台所とに夫々別途に独立して設けられ、給水
温度及び給水量設定用の操作レバー及び電源スイ
ツチを備えている。

以上の様な本実施例における浴用水の自動管理
装置は、操作部１０又は１１による電源の投入に
よつて開閉弁１５が開き、且つ同操作部１０又は
１１による給水温度及び給水量の設定に伴いその
設定信号を受けた制御盤９が設定温度及び設定水
量を記憶する。そして、制御盤９が設定温度に基
づき混合機能部１の作動を制御し、該機能部１に
おいて給湯機ａからの湯と水道ｃからの水が所定
の割合で混合され、設定温度の混合水が混合水管
路１４を介して吐水金具２より浴用水として浴槽
ｂ内へ給水される。前記混合水の温度は常にサー
ミスタ３により感知され、その信号が制御盤９へ
送られており、従つて混合水の温度が設定温度に
対して上下に変化した場合には、制御盤９がサー
ミスタ３からの信号を受けて記憶している設定温
度と比較し、その温度差に応じて混合機能部１に
おける湯と水の混合割合を調整し、混合水温度を
設定温度に戻して保持する。

浴用水の給水による浴槽ｂ内の水面レベルの上
昇は水面レベルセンサー４で常に検知され、その
検知信号が制御盤９へ送られており、給水の進行
に伴つて浴槽ｂ内の水面レベルが設定水量に対応
するレベルまで達すると、制御盤９が水面レベル
センサー４の信号を受けて記憶している設定水量
に給水量が達したことを確認し、開閉弁１５を閉
じて給水を停止させる。

また、浴用水の給水時において浴槽ｂが風呂蓋
により覆われている場合には、その風呂蓋の存在
が水面レベルセンサー４によつて浴槽ｂ上面より
も高い水面レベルとして検知され、給水は行われ
ない。

浴槽ｂ内へ浴用水が所定量給水され、給水が停
止された後浴用水の温度が低下すると、その水温
低下をサーミスタ８が感知して制御盤９へ信号を
送り、制御盤９がその信号を受けて追焚き用熱交
換器a₂の加熱を促し、加熱器５と熱交換器a₂との
間を循環路６によつて湯が循環され、同加熱器５
において循環路７及びその循環ポンプＰにより導
かれた浴用水が加熱され、追焚きが行われるもの
である。

「考案の効果」 以上の様な本考案の構成によれば次の様な効果
を奏する。

従来の追焚き用熱交換器を備えた給湯機をそ
のまま使用して、浴用水の定温定量給水及び追
焚きを自動的に行うことができる。

給湯機の追焚き用熱交換器に接続する湯の循
環路が加熱器へ導かれ、該加熱器と浴槽との間
で浴用水の循環路用配管の取り回しが行われる
ので、給湯機の設置場所が浴室の近傍に制限さ
れることがなく、給湯機の設置場所の自由度を
増大させることができる。

浴用水の給水温度及び給水量の設定を、浴室
内と給湯機の設置場所より手近な浴室外とで操
作部による遠隔操作によつて簡単に行うことが
できると共に、給水温度及び給水量を正確に管
理することができる。

浴槽の上方位置にある吐水金具に水面レベル
センサーが設けられているので、風呂蓋の存在
を水面レベルセンサーで感知して、無駄な給水
を防止できる。

浴室内における操作部の設置場所として吐水
金具を選定したので、吐水金具の配管と一緒に
操作部の配線工事を行うことができ、施工を簡
単に行える。

追焚き時に浴用水が強制循環されるので、浴
槽内において浴用水を均一温度にすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示す系統図であ
る。 尚図中、ａ……給湯機、a₁……給湯用熱交換
器、a₂……追焚き用熱交換器、ｂ……浴槽、ｃ…
…水道（給水源）、１……混合機能部、２……吐
水金具、３，８……サーミスタ、４……水面レベ
ルセンサー、５……加熱器、６……湯の循環路、
７……浴用水の循環路、９……制御盤、１０，１
１……操作部、Ｐ……循環ポンプ、１２……給湯
管路、１３……給水管路、１４……混合水管路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 釜付給湯機の給湯用熱交換器に接続する給湯管
   路と、給水源に接続する給水管路とに接続され、
   電気的に作動して両管路からの湯及び水を所定の
   割合で混合する混合機能部と、浴槽の上方位置に
   あつて前記混合機能部の二次側に混合水管路を介
   して接続される吐水金具と、前記混合水管路に設
   けられ混合水の温度を感知するサーミスタと、前
   記吐水金具に設けられ浴槽内の水面レベルを検知
   する水面レベルセンサーと、上記給湯機の追焚き
   用熱交換器に接続する湯の循環路と浴槽に接続す
   る浴用水の循環路とが導かれる加熱器と、前記浴
   用水の循環路に設けられ浴用水の温度を感知する
   サーミスタと、同循環路に設けられる浴用水の循
   環ポンプとを備え、上記混合機能部、サーミス
   タ、水面レベルセンサー、追焚き用熱交換器、循
   環ポンプを制御盤に電気的に接続し、且つ該制御
   盤に浴用水の水温及び水量設定用の信号を入力さ
   せる操作部を前記吐水金具と浴室外とに夫々別途
   に独立させて設けた浴用水の自動管理装置。