JPH0351391B2 - - Google Patents

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JPH0351391B2
JPH0351391B2 JP57173969A JP17396982A JPH0351391B2 JP H0351391 B2 JPH0351391 B2 JP H0351391B2 JP 57173969 A JP57173969 A JP 57173969A JP 17396982 A JP17396982 A JP 17396982A JP H0351391 B2 JPH0351391 B2 JP H0351391B2
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JP
Japan
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pressure
retort
temperature
air
internal pressure
Prior art date
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JP57173969A
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JPS5966865A (ja
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Gakuo Watanabe
Hidekazu Nozawa
Tadamichi Yamaguchi
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP57173969A priority Critical patent/JPS5966865A/ja
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Publication of JPH0351391B2 publication Critical patent/JPH0351391B2/ja
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、比較的薄い壁を有する包装容器内に
密封された内容物、特に内部に空間を残して密封
された内容物を、容器の変形無しに加圧加熱殺菌
する方法に関する。 加圧加熱によつて包装容器内に密封された内容
物を殺菌する方法は、従来から缶詰、ビン詰食品
に多く用いられて来ており、近年紙を基材とした
酸素バリア性に優れたレトルト可能な容器、ラミ
コンカツプ(東洋製缶(株)登録商標)、ハイフレツ
クス(東洋製缶(株)商品)等に包装された食品や、
さらにプラスチツクビン詰医薬品等にも漸次使用
されるようになつて来た。しかしながら、紙を基
材とした酸素バリア性に優れたレトルト可能な容
器、ラミコンカツプ、ハイフレツクス等の比較的
変形し易い壁を有する包装容器や、プラスチツク
ビンのように加熱時変形の生じ易い包装容器は、
加圧加熱殺菌時容器の破壊乃至変形の問題がある
ためその使用には制限が多かつた。 加圧加熱殺菌時の包装容器の変形乃至破壊の原
因は、包装容器の内部圧力とレトルトの内部圧力
との差によるもので、このような包装容器の変形
は、内部に空間を残して内容物を密封した包装体
(以下含気包装体という)に特に発生し易い。こ
のような問題を解決するため、従来レトルト食品
等では殆んど脱気をした状態で包装することが行
なわれて来たが、商品によつては脱気包装を行う
ことが実際上困難なものが多かつた。 このような脱気包装を行うことが困難な含気包
装体の加圧加熱殺菌法としては、従来次のような
提案がある。特公昭54−38190号によれば、加圧
時と冷却時においてレトルト内圧力と容器内圧力
の適当なバランスを保つて加圧加熱殺菌を行う方
法が提案されているが、この方法によるときは加
圧加熱殺菌に時間がかかりすぎ大量生産に適しな
いという欠点があつた。また特公昭56−12100号
によれば、昇温−殺菌−冷却時の包装容器の内圧
を検出し、レトルト圧を包装容器内圧により一定
の差圧だけ高く保たせながら加圧加熱殺菌を行う
方法が提供され、包装容器の内圧検出法として特
公昭55−6852号及び特公昭55−6853号が開示され
ている。 しかしながら、上記の包装容器の内圧を検出し
て、レトルトの内圧を制御する方法は優れた着想
ではあるが、実際問題としてなお包装体の変形が
屡々発生し十分問題を解決したものとはいい難い
ものであつた。その原因の一つは、含気包装体の
包装容器の内部圧力の検出が比較的熱容量の大き
い金属製剛体(特公昭55−6852参照)に内装され
たモデル包装容器について行なわれ、このように
して検出された圧力は必しも殺菌処理される他の
多くの包装容器内の圧力と一致しにくいためと推
定される。 本発明によれば、上記の従来法にみられたよう
な包装容器の変形が無く、しかも処理操作が極め
て簡便な加圧加熱殺菌法が提供される。 本発明は、レトルトの内部圧力を包装容器の内
部圧力と凡そ平衡に保つよう制御する包装内容物
の加圧加熱殺菌法において、包装容器の内部温度
を検出し、検出された温度に基いてレトルトの内
部圧力を制御する包装内容物の加熱殺菌法に関す
る。 本明細書で、レトルトの内部圧力を包装容器の
内部圧力と「凡そ平衡に保つ」とは、レトルトの
内部圧力を包装容器の内部圧力の+0.2Kg/cm2
−0.2Kg/cm2の範囲内に保つ意味で用いるもので
ある。レトルトの内部圧力が包装容器の内部圧力
の+0.2Kg/cm2を越えて高すぎたり、また−0.2
Kg/cm2未満と低すぎては包装容器に永久変形を生
じ易いので好ましくない。 本発明で包装容器の内部温度を検出する方法
は、熱電対、抵抗温度計、磁性温度計、電気容量
温度計、トランジスタIC温度計、弾性温度計、
放射温度計、熱雑音利用温度計、蛍光温度計等に
よる方法が用いられるが、中でも熱電対を用いる
方法が好ましい。 本発明では、熱電対等によつて測定された包装
容器の内部温度における包装容器の内部圧力を、
予め準備しておいた温度−圧力の変換曲線により
求め、この値にレトルトの内部圧力を保つもので
ある。このような変換曲線は、包装容器の種類、
包装内容物の種類及び内容物の充填率(内容物が
包装容器に占める容積占有率%)によつても異な
るので、加圧加熱殺菌が施される包装体毎に設定
される。 変換曲線の設定は、レトルトの内部圧力が包装
容器の内部圧力と凡そ平衡を保つものであれば、
どの様な方法によつて設定されてもよい。例え
ば、包装体の包装容器の一部(例えば蓋等、以下
変形部という)を可逆的に変形容易材料で構成し
たモデル包装体を、内部を肉眼観察できるレトル
ト内に入れ、20℃より5℃毎に昇温加熱し、各温
度において上記変形部が変形を起こさないレトル
ト圧を実測しその上限と下限の圧力の平均値を求
め、その温度に於ける包装容器の内部圧力(近似
値)とする。このようにして20℃〜160℃の間に
亙つて5℃毎に温度−圧力の変換曲線が求められ
る。 本発明の好適な実施態様においては、変換曲線
は上記のように実験的に求める必要は必しもな
く、次の様な変換曲線が好適に用いられる。即ち P=1.0332×{T/293×H/1−ρ293
ρT(1−H)+AW・PWT−1} ここでT:圧力制御用熱電対の検出温度(〓) P:温度Tにおけるレトルト釜内圧力
(Kg/cm2)、但しゲージ圧で1atmとの差圧
で表示される ρ293:293〓における水の密度 ρT:温度における水の密度 AW:充填内容品の水分活性 PWT:温度Tにおける飽和水蒸気圧(atm) H:包装容器の容量(1とする)に対する
ヘツドスペースの比率である で表わされる曲線によつて、包装容器の内部温度
Tに対応するレトルトの内部圧力Pが容易に求め
られる。 なお、上式で{……}内は、 T/293×H/1−ρ293/ρT(1−H)+AW・PWT で表されるヘツドスペースの内部圧力(atm)と
latmの大気圧との差圧をatm単位で表わし、
1.0332はatm単位のKg/cm2単位への変換係数であ
る。 そして、 T/293×H/1−ρ293/ρT(1−H) は、ヘツドスペースにおいて、温度差によるエア
ーの膨張圧、及び被包装液体の温度差に基づく膨
張によりヘツドスペースが圧縮されて発生する圧
力、の合計(atm)を表わし、AW・AWTは被包装
液体から発生するヘツドスペースにおける飽和水
蒸気圧(atm)を表わす。 本発明で包装容器の内部温度の測定は、包装内
容物(固体或いは液体)の温度の測定又は容器内
のヘツドスペースの温度の測定によつてもよい
が、好ましくは、容器内のヘツドスペースの温度
の測定による。ヘツドスペース内の気体によつて
測定した温度に基づき、変換曲線によりレトルト
内部圧力を制御した方が、包装容器の変形がより
有効に防止される故である。 次に本発明の加圧加熱殺菌法の操作の一例を第
1図及び第2図を用い具体的に説明する。 内容物を包装容器に密封した包装体19を、レ
トルト本体1に入れ、レトルトを密封した後、蒸
気弁3を開いて加圧蒸気を蒸気導入管2からレト
ルト本体1に導入して、殺菌棚18に置かれた被
殺菌包装体19の加熱を開始する。熱電対20を
ヘツドスペースに装着したモデル被殺菌包装体2
2の温度上昇が始まつたならば、熱電対の検出端
に発生した電圧を変換器21により変換曲線(包
装容器の内温−レトルトの内圧の変換曲線)に基
づいたレトルト本体1の内圧を指示する電圧に変
換する。昇温工程ではレトルト内圧が所定内圧よ
り高くなりすぎると減圧弁7が自動的に作動して
減圧管6から排気が行なわれ、一方レトルト内圧
が所定内圧より低すぎると加圧弁5が自動的に作
動して空気加圧管4から圧搾空気が供給されレト
ルト内圧を上昇させる。この様な操作が自動的に
繰り返されることにより、昇温工程及び殺菌工程
におけるレトルト内圧が包装容器内圧に凡そ平衡
するように自動的に制御される。なお、レトルト
内の温度の均一性を向上させるために蒸気撹拌用
フアン8が設置されており、昇温工程及び殺菌工
程で好適に用いられる。 殺菌工程は所定温度で所定時間、例えば120℃
で15分間行なわれる。殺菌工程を終ると、蒸気弁
3が閉じて、一次給水弁10が開き一次給水弁9
から冷却水が側壁冷却管11に供給され、冷却水
はシヤワー状にレトルト本体の側壁のみを主に冷
却する。レトルト本体の底部に溜つた冷却水の水
位が水位センサー12に達したとき、一次給水弁
10が自動的に閉じて二次給水弁14が自動的に
開き二次給水管13から冷却水がシヤワー冷却管
15に供給され、冷却水はシヤワー状に降下して
被殺菌包装体19を均一に冷却する。この際レト
ルト底部に溜つた冷却水位センサーによつて水位
センサー12の位置に保つよう、排水弁17が自
動的に開閉を繰り返す。 この冷却工程においても、熱電対20の検出端
に発生する電圧は、変換器21により変換曲線
(包装容器の内温−レトルト内圧の変換曲線)に
基づくレトルト本体1の内圧を指示する電圧に変
換される。レトルト内圧が所定内圧より低すぎる
と、加圧電磁弁5が自動的に作動して空気加圧管
4から圧搾空気が送り込まれ、レトルト内圧が所
定内圧より高すぎると減圧電磁弁7が自動的に作
動して減圧管6から排気されて減圧される。この
ような操作が繰り返されて冷却工程中レトルト本
体1の内圧は包装容器1の内圧に凡そ平衡に保た
れる。 上記変換器21は、次のような原理に基づくも
のである。 熱電対式温度測定センサー(銅−コンスタンタ
ン)からの温度信号(起電力、DCmV)は起電
力伝送器によりDC電圧信号に変換され伝送され
る。このDC電圧信号を特性変換器で入出力信号
間の非直線特性をリニアライズする。すなわち温
度−圧力変換を行う。この出力信号を、温度−圧
力変換曲線をm倍して使用する場合は、感度調節
付増幅器でm倍増幅し、かつ、または、差圧力を
加減する場合は、演算器にて加減算を行う。ここ
で得られた信号が設定圧力信号となり、通常の電
子式PID圧力調節装置を経て、操作量が電−空変
換され、空気圧式操作バルブを操作する。 なお、本発明の加圧加熱殺菌法の操作は、特公
昭54−38190号第4頁第1図に示されるレトルト
を用いても有効に実施することが出来る。 本発明の加圧加熱殺菌法が好適に応用される包
装容器としては、プラスチツクカツプ状容器、紙
を主体とした成形容器、プラスチツクトレイ、ラ
ミネートトレイ、プラスチツクビン、プラスチツ
クチユーブ、薄肉金属缶、アルミ蓋金属缶等であ
り、内容物としては、おしるこ、コーヒー、ゼリ
ー、プリン等の嗜好品類;スープ、みそ汁等の汁
もの類;チヤーハン、チキンライス、赤飯等の米
飯類;焼そば、マカロニ、日本そば等の麺類;野
菜うまに、魚大和煮、茶わんむし、春巻等の惣菜
類;蒲焼き、若鶏ももやき、ミートボール、ハン
バーグ等の魚の肉加工品類;みかん、桃等の加工
果物類、貝の煮付け、焼きとり等の酒肴類;及び
上記食品の外に、リンゲル液、ぶどう糖、フラク
トース等の糖液、アミノ酸液、デキストラン液等
の医薬用液等がある。 以下に、実施例及び比較例によつて、本発明の
実施態様の一例を具体的に説明する: 比較例 1 内容積250ml、高さ85mmのポリプロピレンとエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の積層体より
なる円錐台形薄肉容器(東洋製缶(株)製、商品名ラ
ミコンカツプ)にコーンポタージユスープ200ml
充填し、ポリエステル−アルミフオイル−ポリプ
ロピレンのラミネート成形落し蓋(東洋製缶(株)製
品)を熱圧着シールした。該包装体を80個調製
し、そのうち40個は特公昭56−12100記載の実施
例と同じく剛体容器に外に包装体を収納し、この
圧力をレトルト釜外部で検知することにより圧力
制御を行う加圧加熱殺菌処理[比較例1]に、残
りの40個は従来の一定圧力方式のレトルト処理
[比較例2]に供した。 特公昭56−12100記載のレトルト処理を行つた。
貯湯タンクを上部に備え、レトルト本体と給湯管
と環湯管で連絡してなり、本体には加圧蒸気管、
給水管、排水管、加圧管、減圧管を有するレトル
トで、黄銅製の剛体容器に包装体を収納し、この
圧力をレトルト釜外部で検知する如き圧力検知装
置を備えたレトルトに該包装体を収納した。 レトルトを密閉後、予め100℃に熱した熱水を
貯湯タンクからレトルト本体へ給湯した。給湯終
了後のレトルト内の熱水の温度は85℃となつた。
その後加圧蒸気管により加圧蒸気を導入して設定
温度まで上昇させた。圧力制御は圧力検知装置よ
り検知した圧力に0.5Kg/cm2を加えて行つた。ち
なみに包装食品の温度が100℃のときのレトルト
釜内の圧力は2.1Kg/cm2であつた。 120℃、40分の殺菌工程終了後、レトルト釜内
の熱水を一部環湯管で貯湯タンクに充し、給水管
を通してレトルト釜内に冷却水を送り込んだ。こ
のとき、釜内の温度は急速に低下し、それにとも
ない包装体内の温度も低下した。しかしながら、
圧力検知装置より検知された圧力はそれほど低下
を示さなかつた。冷却を引続き行い包装体内の温
度が30℃以下になつても釜内の圧力は0.5Kg/cm2
にまで低下しなかつた。冷却水を排水し、全レト
ルト工程を終了し、包装体をレトルト釜内より取
り出し検査した。包装容器の変形の状況を第3図
に示した。xは蓋部の膨み(mm)を示し、yは側
壁部のへこみ(mm)を示す。検査結果は下表のよ
うであつた。
【表】 比較例 2 次に従来の一定圧力方式のレトルト処理を行つ
た。前記包装体40個をレトルト本体に収納し、レ
トルトを密閉後、加圧蒸気をレトルト本体に導入
した。レトルト釜内の温度が90℃に到達した時点
で減圧弁を閉じて、加圧管より空気加圧を開始し
た。加圧条件は1.5Kg/cm2である。温度−時間条
件は120℃、40分で処理を行つた。殺菌工程終了
後、加圧蒸気弁を閉じて冷却工程へと移行した。
冷却工程は冷却効率を良くするために1次冷却と
してレトルト内上部よりシヤワー状に給水し残存
蒸気を完全に凝縮させた。このときレトルト圧力
の急激な低下が観察されたが瞬時に1.5Kg/cm2
復帰した。 続いて2次冷却を行つた。レトルト内下部より
給水を迅速に行つて冷却した。包装体内温度が充
分に冷却されたのを確認したのち排水を開始し
た。このときレトルト釜圧力も急速に低下し、0
Kg/cm2となつた。排水が終わりレトルト処理が完
了し、包装体をレトルトから取り出したところ包
装体40個の全数に著しい永久変形が見られた。検
査結果を下表に示す。
【表】 実施例 1 内容積710mlのポリプロピレンとエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体の積層体よりなる瓶にリ
ンゲル液530ml充填し、ゴムキヤツプで栓をして
アルミシールした。該包装体を40個調整し、その
うち1つには温度−圧力変換制御を行うための温
度測定を用いる熱電対固定用パツキンググランド
(エラブ社製造、商品名、TCG31−1.2)の熱電
対の温度測定部位が液相になるよう装着し、又、
もう1つには加熱殺菌に必要な温度履歴曲線を得
るための熱電対固定用パツキンググランドを熱電
対の温度測定部位がリンゲル液部になるように装
着した。 該包装体を温度−圧力変換圧力制御装置を備え
たレトルトに収納した。熱電対固定用パツキング
グランドを装着した包装体には、圧力制御用熱電
対(銅−コンスタンタン:エラブ社製、商品名、
DCK33−1.2)と温度測定用熱電対(銅−コンス
タンタン:エラブ社製、商品名、DCK33−1.2)
を挿入固定した。熱電対はシリコンゴムで被覆さ
れたリード線でレトルトの外に出し、圧力制御装
置と温度記録計(エラブ社製、商品名、Z4FD)
に接続した。 該包装体を、温度−圧力変換曲線を P=1.0332×{T/293×H/1−ρ293
ρT(1−H)+AW・PWT−1} ここでT:圧力制御用熱電対の検出温度(〓) P:温度Tにおけるレトルト釜内圧力
(Kg/cm2)。但しゲージ圧で1atmとの差圧
で表示される ρ293:0.998 ρT:温度における水の密度 AW:1.0 PWT:温度Tにおける飽和水蒸気圧(atm) H:0.25 で表わされる曲線(第4図)で圧力制御を行い、
115℃で60分の滅菌処理を下記のように行つた。
すなわち、レトルトを密閉したのち、加圧蒸気を
レトルト本体に導入し、蒸気撹拌用フアンを回転
させ、加圧加熱殺菌を開始した。殺菌工程は115
℃、60分行つた。殺菌工程終了後、加圧蒸気の導
入と蒸気撹拌用フアンの回転を停止し冷却工程に
移行した。冷却はまず1次冷却として、冷却水の
レトルト本体への導入により生ずる圧力制御系の
蒸気凝縮に起因の急激な圧力降下を防止するため
に、レトルト本体の内側壁のみ冷却した。次に2
次冷却としてレトルト上部の給水管よりシヤワー
状に給水し被殺菌包装体を均一に冷却した。 このレトルト処理時におけるレトルト釜内温度
(第5図曲線1)と包装体内温度(第5図曲線2)
は第5図に示す如く終始し、又、レトルト釜内圧
力は第6図の示す如き圧力変化(曲線3)を示し
た。 レトルト圧力が0Kg/cm2になり、包装体内温度
も充分冷却された時点で冷却を終了して、排水工
程を経て全レトルト処理工程を完了した。レトル
ト内部圧力は、包装体内圧力の±0.2Kg/cm2の範
囲内に制御されていた。 全レトルト処理工程完了後、レトルト釜より取
り出した包装体40個は全数処理前と同じであつ
た。 実施例 2 内容積100ml高さ20mmのポリプロピレンとエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の積層体よりな
る薄肉トレー(東洋製缶(株)製;商品)に、メンマ
45g充填して、ポリエステル、アルミフオイル、
ポリプロピレンのラミネート成形落し蓋(東洋製
缶(株)製;商品)を熱圧着シールした。該包装体の
充填率は30%であつた。前記の包装体を128個調
製し、そのうち1個は圧力制御用熱伝対の固定用
パツキンググランド(エラブ社製;商品名、
TCG31−1.2)を熱伝対の温度測定部位がヘツド
スペースになるよう装着した。 該包装体を内部を肉眼観察できるレトルト内で
可逆的に変形するモデル包装体を用いて実験的に
求めた温度−圧力変換曲線(第7図)で圧力の制
御を行い、120℃、20分の殺菌処理を実施例1の
本発明による温度−圧力変換圧力制御方式のレト
ルト処理と同様に処理を行つた。レトルト内部圧
力は、包装体の内部圧力の±0.2Kg/cm2の範囲に
制御されていた。全レトルト工程終了後、レトル
ト釜より取り出した包装体128個は全数処理前と
全く同じ状態であつた。 比較例 3 内容積100ml、高さ20mmのポリプロピレンとエ
チレン−ビニルアルコール共重合体の積層体より
なる薄肉トレー(東洋製缶(株)製:商品名、ラミコ
ンカツプ)に、メンマ45gを充填して、ポリエス
テル、アルミフオイル、ポリプロピレンのラミネ
ート成形落し蓋(東洋製缶(株)製品)を熱圧着シー
ルした。該包装体の充填率は30%であつた。前記
の包装体を128個調製し、そのうち1個は圧制御
用熱電対の固定用パツキンググランド(エラブ社
製:商品名、TCG31−1.2)を熱電対の温度測定
部位が食品(メンマ)内になるよう装着した。 該包装体を、特開昭53−118536の発明による加
圧加熱殺菌装置、すなわち上部に排気弁を設けた
排気管および下部に蒸気弁を設けた蒸気管をそれ
ぞれ接続した貯湯タンク、および上部に加圧空気
弁を設けた空気管、オーバーフロー弁を設けたオ
ーバーフロー管および排気弁を設けた排気管をそ
れぞれ接続し、また下部に蒸気弁を設けた蒸気
管、排水弁を設けた排水管および給水弁を設けた
給水管を接続した殺菌釜からなる装置に収納し
た。この貯湯タンクおよび殺菌釜は、中間に連結
弁を設けた連結管により連結されている。次いで
熱電対固定用パツキンググランドが接着されてい
る包装体に熱電対を固定した。この温度測定用熱
電対は、信号変換器に、この信号変換器はさらに
圧力指示調節計に接続されている。この圧力指示
調節計は、釜内圧力計に接続されている。この釜
内圧力計は、加圧空気弁、オーバーフロー弁、排
気弁および連結弁にそれぞれ接続されていて、温
度測定検知端により感知した温度により調節され
るようになつている。 殺菌装置を閉じ、まず貯湯タンクに入つている
水に蒸気弁を開放し、蒸気を送り込み加熱水の温
度を100〜110℃とした。 次に貯湯タンク中の加熱水を連結管を通して殺
菌釜に送つた。この時排気弁は開放していた。釜
内に加熱水が満されたとき、加熱水の温度は95℃
であつた。その後蒸気弁を開き、蒸気管より蒸気
を送り釜内の熱水を所定温度まで上昇させた。圧
力制御は全工程を通じて温度測定用食品の温度の
水の飽和蒸気圧に対し1.0Kg/cm2高い条件で行な
つた。ちなみに釜内の圧力は加熱水供給終了時
1.0Kg/cm2、食品の温度が100℃のとき2.0Kg/cm2
であつた。 120℃、20分の殺菌終了後加熱水を貯湯タンク
に戻し、給水弁を開き給水管より冷却水を殺菌釜
に送り込んだ。この時急激な圧力降下が観察され
たが、瞬時にオーバーシユートを経て設定圧に復
帰した。冷却時の殺菌釜の圧力は、圧力指示調節
計の作動により連結弁を開閉することにより、調
節した。そして貯湯タンクが満水となつた時点で
連結弁のかわりにオーバーフロー弁を開閉させて
圧力を調節した。このようにして包装体が充分に
冷却されたならば、給水弁を閉じ、給水を停止
し、排水弁を開き排水を行い加圧加熱殺菌は終了
した。 終了後包装体をレトルト釜内より取り出し検査
した。包装容器の変形の状況を第8図及び第9図
に示した。検査の結果は、第8図のxが1mm以上
で且つyが1mm以上の変形した包装体が95個、第
9図のzが1mm以上の変形した包装体が32個であ
つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の加圧加熱殺菌法に用いられる
蒸気式レトルトの横断面模式図であり、第2図は
同レトルトの縦断面模式図である。 1:レトルト本体、2:蒸気導入管、4:空気
加圧管、9:一次給水管、11:側壁冷却管、1
2:水位センター、13:二次給水管、15:シ
ヤワー冷却管、16:排水管、19:被殺菌包装
体、20:熱電対、21:変換器、第3図は、比
較例1及び2のレトルト処理後の包装容器の断面
図で、点線は、蓋部及び側壁部の変形の状況を示
す。第4図は、実施例1で用いた温度−圧力変換
曲線を示す。第5図は、実施例1におけるレトル
ト釜内温度と包装体内温度の時間的変化の経過を
示し、第6図は、実施例1のおけるレトルト釜内
圧力の時間的変化の経過を示す。第7図は、実施
例2で用いた温度−圧力変換曲線を示す。第8図
及び第9図は、比較例3でのレトルト処理後の包
装容器の断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 含気包装体の内部温度とレトルトの内部圧力
    との関係を示す変換曲線を該含気包装体の加圧加
    熱殺菌処理に先立つて予め設定しておき、検出さ
    れた含気包装体の内部温度に対応するレトルトの
    内部圧力を該変換曲線より求め、求められた内部
    圧力にレトルトの内部圧力を保つことにより、レ
    トルトの内部圧力を含気包装体の内部圧力の+
    0.2Kg/cm2〜−0.2Kg/cm2の範囲内に保つよう制御
    する含気包装体の加圧加熱殺菌法であつて、 該変換曲線が式 P=1.0332×{T/293×H/1−ρ293
    ρT(1−H)+AW・PWT−1} ここでT:圧力制御用熱電対の検出温度(〓) P:温度Tにおけるレトルト釜内圧力
    (Kg/cm2)、但しゲージ圧で1atmとの差圧
    として表示される ρ293:293〓における水の密度 ρT:温度Tにおける水の密度 AW:充填内容品の水分活性 PWT:温度Tにおける飽和水蒸気圧(atm) H:包装容器の容量(1とする)に対する
    ヘツドスペースの比率である で表わされる曲線である加圧加熱殺菌法。 2 該内部温度の検出が、含気包装体のヘツドス
    ペースで温度測定を行うことによる特許請求の範
    囲第1項に記載の加圧加熱殺菌法。 3 含気包装体の内部温度とレトルトの内部圧力
    との関係を示す変換曲線を該含気包装体の加圧加
    熱殺菌処理に先立つて予め設定しておき、検出さ
    れた含気包装体の内部温度に対応するレトルトの
    内部圧力を該変換曲線より求め、求められた内部
    圧力にレトルトの内部圧力を保つことにより、レ
    トルトの内部圧力を含気包装体の内部圧力の+
    0.2Kg/cm2〜−0.2Kg/cm2の範囲内に保つよう制御
    する含気包装体の加圧加熱殺菌法であつて、 該変換曲線が、変形容易なモデル包装体と内部
    観察可能なレトルトを用い、特定温度において包
    装容器に変形を生じないレトルト内部圧力を実験
    的に逐次求めたものである加圧加熱殺菌法。 4 該内部温度の検出が、含気包装体のヘツドス
    ペースで温度測定を行なうことによる特許請求の
    範囲第3項に記載の加圧加熱殺菌法。 5 加熱用の蒸気導入手段、加圧用の空気導入手
    段、減圧用の排気手段及び冷却用の水導入手段を
    有する加圧加熱殺菌用レトルトにおいて、被殺菌
    含気包装体の容器内の内部温度を検出する手段と
    検出された内部温度を式 P=1.0332×{T/293×H/1−ρ293
    ρT(1−H)+AW・PWT−1} ここでT:圧力制御用熱電対の検出温度(〓) P:温度Tにおけるレトルト釜内圧力
    (Kg/cm2)、但しゲージ圧で1atmとの差圧
    として表示される ρ293:293〓における水の密度 ρT:温度Tにおける水の密度 AW:充填内容品の水分活性 PWT:温度Tにおける飽和水蒸気圧(atm) H:包装容器の容量(1とする)に対する
    ヘツドスペースの比率である で表わされる変換曲線または変形容易なモデル包
    装体と内部観察可能なレトルトを用い特定温度に
    おいて包装容器に変形を生じないレトルト内部圧
    力を実験的に逐次求めた変換曲線によりレトルト
    内部圧力に変換する変換手段とによつて、該内部
    温度に基いてレトルトの内部圧力を含気包装体の
    内部圧力の+0.2Kg/cm2〜−0.2Kg/cm2の範囲内に
    保つよう制御することを特徴とする含気包装体用
    の加圧加熱殺菌用レトルト。
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