JPH0351359Y2

JPH0351359Y2 -

Info

Publication number: JPH0351359Y2
Application number: JP1990011590U
Authority: JP
Priority date: 1989-02-13
Filing date: 1990-02-09
Publication date: 1991-11-01
Also published as: DE69002107D1; ES2043337T3; US4947636A; BR9000595A; DE69002107T2; JPH02106494U; EP0383716B1; EP0383716A1

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本考案はタイヤのような弾性体を補強するため
の金属コードに関する。〔従来の技術〕従来技術にも慣例的に用いられ、かつ本願書に
も用いられているように、術語「ストランド」は
単位製品を形成するための結合された個々の「ワ
イヤ」または「フイラメント」の一つの集合体を
指す。「ストランデイング」とは、多くのフイラ
メントが一つの中心フイラメントの回りにらせん
状に撚られることである。中心フイラメントの周
りを360゜回転させるためフイラメントに対し要求
される軸方向距離は、「撚りの長さ」あるいは
「撚り長」である。撚りの方向は右回り（Ｚ）あ
るいは左回り（Ｓ）のいずれでもよい。術語「コ
ード」は補強目的の最終製品を指し、ＳまたはＺ
方向のいずれかに単一または複数のストランドが
「撚り」または「ケーブル撚り」されたものであ
る。「通常の撚り」を有している一つのコードは、
個々のストランドのフイラメントが一方向に撚ら
れていて、コードを構成するストランドがそれと
反対方向に撚られている。「ラング（Lang）の撚
り」を有するコードは、ストランドの中における
フイラメントとコードの中におけるストランドと
が同一方向に撚られているコードである。弾性体
補強用に採用される「コード」という術語は他業
種における同様の構造のものに採用される「ケー
ブル」や「ロープ」という術語と同義語であると
一般に考えられている。タイヤの補強用や類似の応用などに、指定され
た撚りの長さで撚られた多層のストランドをケー
ブル撚りすることにより多重ストランドワイヤコ
ードを製造することは、従来からの慣例である。
例えば、土砂移動車用のタイヤの補強用の１本の
ストランド１＋６＋12×．20は、最初に撚りに一
本の中心フイラメントすなわちコアフイラメント
の周りにらせん状に、６本のフイラメント（例え
ば各直径0.20mmの６本の鋼線）を撚り、それから
第２の操作においてその６本の中間のフイラメン
トの周りに12本のフイラメントを撚ることによつ
て従来から製造されている。この６本の中間のフ
イラメントと外層の12本のフイラメントは、撚り
の方向が同じであるが撚りの長さが異なつてい
る。次に、上記により19本のフイラメントが撚ら
れてできたストランド複数本が、次の層になる撚
り方向が反対のストランドによつてケーブル撚り
されてコードに形成される。そして、単一のフイ
ラメントがコードの周りにらせん状に巻かれて、
コードがタイヤの補強用に使用できるようにな
る。〔考案が解決しようとする課題〕製造工程および関連コストを消滅するため、ほ
ぼ同じ直径を持つフイラメントが同一方向に同時
に撚り合わされて、同じ撚りの長さにする一つの
単純な操作において、いわゆる「束ね」または
「詰まつた」ワイヤストランドを造ることが、従
来、目的とされてきた。でき上がつたストランド
は、六角形状で緊密にまとめられた多角形断面を
保持し、その形状はストランドの全長にわたつて
ほぼ均一である。ストランドの断面中のフイラメ
ントは、同心の複数の層に配置され、そこでは、
各々のフイラメントが周囲に隣合つているすべて
のフイラメントに接している。本考案の総合的目的は、タイヤおよび他の弾性
体の補強とともに、コードの強度と耐久特性を保
持し、改善し、かつ、従来当業者によつて提供さ
れた類似の特性を有するコードと比較して、経済
的に製造できる多重ストランドの金属コードを提
供することである。〔課題を解決するための手段〕本考案に関して、土砂移動車用タイヤのような
弾性製品の補強用のコードは、一本の中心ストラ
ンドと、該中心ストランドの周りを同心に取巻い
ている多数の周囲ストランドとを含むストランド
の一つの複合体からなつている。中心ストランド
と周囲ストランドの各々は、同一撚り方向のスト
ランドであり、かつ長手方向一杯に六角形状に緊
密にまとめられている。ほぼ同じ直径の個々のフ
イラメントを多数含んでいる。各ストランドは、
軸方向にほぼ同一の六角形状の断面輪郭を保持し
ている。各ストランドは、同心円をなす層上にフ
イラメントを有しており、個々のフイラメント
は、各ストランド内で周囲に隣合つているすべて
のフイラメントに接しており、すべてのフイラメ
ントは、ストランドが束ねられた状態にあるとい
える。周囲ストランドは、中心ストランドに接し
ており、中心ストランドに対し、同一のコードの
撚り方向および所定の撚りの長さを有する。本考案の好適実施例において、全てのストラン
ドは同数のフイラメントを有し、そのフイラメン
トは約0.175〜0.30mmの範囲内の直径を有する。
ストランドの撚りの長さは、約10〜18mmの範囲に
あるのが望ましく、コードの撚りの長さはストラ
ンドの撚りの長さよりも長く、かつ、約18〜30mm
の範囲にあるのが望ましい。本考案の一実施例に
おいて、中心ストランドのフイラメントは、周囲
ストランドのフイラメントよりも直径が大きい。
一方、本考案のその他の実施例においてはすべて
のフイラメントは同一サイズである。コードの撚
り方向は、コードとストランドの撚り方向が同一
であるラングの撚り方向か、またはコードの撚り
の方向がストランドの撚り方向と反対であるいわ
ゆる通常撚り方向かである。ラングの撚り方向を
もつた本考案どおりのコードは、本考案どおりで
撚り方向が反対の通常撚りコード、および、従来
技術どおりのコードと比較して強化された性質、
特徴を示す。〔実施例〕本考案についての追加的な目的、利点が下記の
詳細な説明、前記請求範囲および添付図によつて
最もよく理解されよう。第１図は本考案の弾性体補強用の金属コードの
一実施例の概略横断面図、第２図〜第８図はそれ
ぞれ本考案の改変された実施例である。第１図は本考案の現在の好適実施例による１本
の金属コード１０を示し、この金属コード１０
は、外側のすなわち周囲ストランド１４〜２４に
よつて同心、かつ接触して周りを囲まれている１
本の中心ストランド１２を含んでいる。多数のス
トランド１４〜２４は同一構成品であつて、おの
おのは同一直径の個々のフイラメント２６を多数
含み、かつストランド撚りの方向および撚りの長
さが同一である。各ストランドは、ストランド全
長にわたりほぼ一律になつている六角形状に緊密
にまとめられた多角形輪郭を保持している。各ス
トランド内の多数のフイラメント２６は一つの中
心フイラメントの周りに同心円をなす層上に配置
され、その際、個々のフイラメントは周囲の隣合
つているすべてのフイラメントに接している。最
も好ましくは個々のストランド１４〜２４は米国
特許第4608817号に述べられた特徴をもつたいわ
ゆる束ね構造からなつており、その構造の発表内
容は本考案の背景に関するものである。周囲スト
ランド１４〜２４は中心ストランド１２に接して
おり、第１図の実施例において、個々のストラン
ドと同じ撚り方向を有しており、すなわち金属コ
ード１０はラングの撚り方向の各ストランド１４
〜２４の撚り合わせによつて構成されている。第２図は、コード撚り方向を除いてはすべての
点において金属コード１０（第１図）と一致して
いる一つの金属コード２８を示す。特に、金属コ
ード２８における個々のストランド１４〜２４
は、個々のストランドの撚り方向と反対の方向、
すなわち通常撚り方向に撚られる。一群の７×19×．20のテストケーブルＡ〜Ｆが
異なつた撚りと撚りの長さに分けて第１図と第２
図に示されている本考案の実施例にしたがつて準
備されている。それらのテストケーブルは炭素含
有量が重量比0.7〜0.9％の範囲内にあつて平均引
張り強さが、0.20mm径のワイヤで3400メガパスカ
ル（Ｍ／Pa）である高張力鋼によつて造られて
いる。種々の強さおよび耐久テストに基づいてこ
れらのケーブルおよびその結果が次の第１表に、
前述の多工程の従来技術によつて製造され“限
定”されたケーブルＧのテスト結果とともに示さ
れている。

【表】＊＊ケーブル効率は、ケーブルの強度の損失に対す
るフイラメント強度の測定値
計算式(ケーブル破壊強度／(7×ストランド破
壊強度))×0.95(ストランド破壊強度効率)
第１図に示すとおりの横断面輪郭を有するラン
グの撚りケーブルＢ，ＣおよびＥは従来技術限定
ケーブルＧに比較し、また、第２図の輪郭を有す
る本考案の通常撚り方向ケーブルＡ，ＤおよびＦ
に比較して平均20％の破壊強度の増加を示すこと
は注目に値しよう。このような改善された破壊強
度が得られ、かつ他の主なワイヤの品質のすべて
は保持される。このために引張試験においてほぼ
すべてのストランド（すなわち第１図の形態にお
ける６ないし７個のストランドに対して第２図の
形態においては５ないし６個のストランド）が一
律に破壊される。ケーブルＥは本考案中の好適な
実施例の代表であつて、ストランドの撚り長さが
14mm、コードの撚り長さが22mmである。第３図〜第８図は、本考案の改変された実施例
でありその構成は次の表に要約することができ
る。

【表】

【表】第３図および第４図の実施例において、中心ス
トランド１２ａは、外側の周囲ストランド１２〜
２４のフイラメントよりも大きな直径のフイラメ
ントからできていることは注目されべきことであ
る。この構成は、最終横断面におけるストランド
間に増強用ゴムの浸透のために隙間と改良された
耐久特性を提供する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の弾性体補強用の金属コードの
一実施例の概略横断面図、第２図〜第８図はそれ
ぞれ第１図の改変された実施例である。１０，２８……金属コード、１２，１２ａ……
中心ストランド、１４，１６，１８，２０，２
２，２４……周囲ストランド、２６……フイラメ
ント。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１中心ストランド１２，１２ａと、該中心スト
ランドの周囲を同心に取巻いている複数の周囲
ストランド１４〜２４を有するストランドの複
合体からなる弾性体補強用の金属コードであつ
て、前記中心ストランドと周囲ストランドの各ス
トランドは、ほぼ同一直径の多数のフイラメン
トからなり、同一の撚り方向と撚りの長さを有
し、六角形状に緊密にまとめられて軸方向に一
様な多角形の断面をなす輪郭を有し、前記フイラメントは同心円をなす層上にあつ
て周囲の隣合つている全てのフイラメントと接
しており、前記各周囲ストランドは、前記中心ストラン
ドに接しており、該中心ストランドに対して同
一のコードの撚りの撚り方向と予め決められて
いる撚りの長さを有し、前記中心ストランドを同心に取巻く６個の周
囲ストランドからなり、それら周囲ストランド
が撚られるコードの撚りの長さが前記ストラン
ド自体の撚りの長さよりも長い弾性体補強用の
金属コード。２前記コードの撚りの長さが約18〜30mmの範囲
内にあつて、前記ストランドの撚りの長さが約
10〜18mmの範囲内にある請求項１記載の弾性体
補強用の金属コード。３前記コードの撚りの長さが22mmにほぼ等し
く、前記ストランドの撚りの長さが14mmにほぼ
等しい請求項２記載の弾性体補強用の金属コー
ド。４すべての前記ストランドが同数のフイラメン
トからなる請求項１ないし３のいずれか１項に
記載の弾性体補強用の金属コード。５前記フイラメント数が１２，１９および２７
の中から選ばれたものである請求項４記載の弾
性体補強用の金属コード。６前記フイラメントの直径が約0.175〜0.30mm
の範囲内である請求項１ないし５のいずれか１
項に記載の弾性体補強用の金属コード。７すべての前記フイラメントがほぼ0.20mmの直
径を有する請求項６記載の弾性体補強用の金属
コード。８前記中心ストランドのフイラメントが約0.22
mmの直径を有し、かつ前記周囲ストランドのフ
イラメントが約0.20mmの直径を有する請求項６
記載の弾性体補強用の金属コード。９前記コードの撚りと前記ストランド撚りとが
反対方向である請求項１ないし８のいずれか１
項に記載の弾性体補強用の金属コード。 10 前記フイラメントが、炭素含有量が重量比で
ほぼ0.82％の組成の高張力鋼でできている請求
項１ないし９のいずれか１項に記載の弾性体補
強用の金属コード。