JPH0351310Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は１台のプレス成形機に２式のターンテ
ーブルを設け１組の駆動動力で各ターンテーブル
に配置された金型および加圧機構を相互に連続駆
動させるようにしたガラスのプレス成形機に関す
る。

（従来の技術） 一般に、ガラス器成形用のターンテーブル式プ
レス成形機にあつては金型の下型部分をターンテ
ーブルに複数個配置し上型部分をターンテーブル
の停止する特定位置にこれを上下動させるプレス
加圧機構とともに備えて、ターンテーブルの移動
停止運動と、ガラス塊供給時期とを連動させてプ
レス加圧成形が連続的になされるようにしてい
た。ところが、この場合の生産速度はガラス塊の
供給能力が過剰にあつてもターンテーブル移動時
間と、プレス加圧工程に要する時間とによつて決
定される。

したがつて、従来にあつては生産能率向上のた
め、たとえばプレス成形機を２台配置してガラス
塊を交互にプレス成形機に供給する取段、または
ターンテーブルの１つの下型取付け位置に２個の
下型を配置し、かつプレス加圧機構に２個の上型
を備えるようにして２個のガラス塊を同時に供給
し、同時にプレスする手段がある。しかしなが
ら、前者にあつてはプレス機を別に設けるため設
備費および作業者を要するためコストが上昇す
る。また後者にあつてはガラス塊の質量の変動が
大となり生産性が低下する。

（考案が解決しようとする問題点） 上述したように、ガラス塊の供給を２台のプレ
ス機へ交互に供給したり、あるいは２個の上型に
同時に供給したとしてもコストの上昇を招いた
り、生産性を損なわせる問題点を有していた。

本考案は上記問題点を除去するためなされたも
ので１台のプレス成形機でそれぞれ独立した２組
のプレス機構を作動させるようにしてガラス器の
連続生産を可能としたガラスのプレス成形機を提
供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） プレス成形機にガラス塊の供給口を共通とする
２個のターンテーブルを設け、各ターンテーブル
にそれぞれ複数個の下型およびターンテーブルが
停止する特定位置にガラス塊の供給位置と、これ
より少し離れて上型およびこの上型のプレス加圧
機構を配置するとともに、プレス成形機の駆動動
力で上記２個のターンテーブルを駆動させたこと
にある。

（作用） プレス成形機の駆動動力によつて２式のターン
テーブルは共通のガラス塊供給口を中心として一
方は反時計方向に、他方は時計方向に駆動され
る。そしてそれぞれに配置された複数個の下型は
交互に供給口に位置してガラス塊の供給を受け、
さらにそれぞれは特定の停止位置において上型の
プレス加圧を受ける。したがつて所定間隔で一定
量のガラス塊を連続的に受けることができるので
ガラス器を連続生産することができる。

（実施例） 以下、本考案の詳細を一実施例について第１図
ないし第３図を参照して説明する。

１はターンテーブル式プレス成形機を示し、
２，２′は２式のターンテーブルで、ガラス器の
プレス成形に必要な外面形状形成用の複数個、た
とえば７個の下型、ａ〜ｇ，a′〜g′を各周側に等
配設置しこの取り付け位置を軌道とする回転接線
上において各ターンテーブルが接する位置に溶融
したガラス塊の供給口３が共通するように設けら
れている。ターンテーブルの一方２は反時計方向
に、他方２′は時計方向に回転可能に構成されて
いる。また供給口３を中心とした左右のテーブル
２，２′にはそれぞれ独立してガラス器内面形状
形成用の上型およびこの上型を上下動させるプレ
ス加圧機構４，４′が配置されている。この加圧
機構は各ターンテーブル２，２′の回転中心軸と
もなるセンタコラム５と、サポートコラム６が取
り付けられた上部ヨーク７に設けられている。各
ターンテーブル２，２′の駆動はプレス成形機１
の１組の駆動動力８によつて行なわれる。この駆
動動力８は基台９の背面下部に配置されたモータ
１０およびこのモータに軸継手１１を介して連結
したクラツチブレーキ装置１２を有した駆動装置
部１３と、各ターンテーブル２，２′毎に配置さ
れた歯車減速機１４，１４′とからなり、この歯
車減速機は連結軸１５と、軸継手１６，１６で互
いに連結され一端側のプーリ１７と、クラツチブ
レーキ装置１２の出力軸端側のプーリ１８とはベ
ルト１９によつて連結している。２０はセンタコ
ラム５の軸受、２１はテーブル受、２２は平歯車
で、これに歯合する歯車減速機１４の下部出力軸
側の歯車２３によつて各ターンテーブル２，２′
は連動し回転可能となつている。

ガラス器の成形に際しては駆動動力８を作動さ
せ、まず一方のターンテーブル２の下型ｂが供給
口３に停止すると溶融炉の取り出し口から定量か
つ定時的に流出するガラス塊の供給を受ける。次
に両テーブルは共に移動し、つぎの停止位置で下
型ｂはプレス加圧機構４の作動により上型と組合
わされガラス器を形成することができる。この時
他方のテーブル２′の下型b′は供給口３に位置し
てガラス塊の供給を受ける。そして、つぎの停止
位置でプレス加圧機構４′の作動により上型と組
合わされる。またこれと同時にテーブル２の下型
ｃが供給口３に位置する。このように両ターンテ
ーブル２，２′は交互にガラス塊の供給とプレス
加圧とを繰り返すこととなり連続的にガラス器を
成形することができる。

ガラス器は取出口を示すＹから取り出すことが
できる。

なお、本実施例ではターンテーブルに７個の下
型を配置したが、本考案はこれに限らずガラス器
の形状と大きさならびに供給される溶融ガラス種
子の質量により下型の個数は限定されるものでは
なく第４図、第５図に示すごとく５個型の２ａ，
２a′、８個型の２ｂ，２b′、あるいは４個型、10
個型、11個型等であつてもよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上詳述したように、１台のプレス成
形機に複数個の下型を設け、かつガラス塊供給口
を共通とした２式のターンテーブルを設けるとと
もにこのテーブルが停止する特定の位置にガラス
塊の供給装置と、これと少し離れて上型を上下動
させるプレス加圧機構を配置し、成形機の駆動動
力でガラス器を連続成形できるようにしたガラス
のプレス成形機であるから、従来のようにコスト
の上昇や生産性の低下を招くおそれがなく能率が
向上し、しかも安価に得られる優れた利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図はプレス成
形機の上面図、第２図は第１図の右側面図、第３
図はプレス成形機のターンテーブル回動の駆動動
力を示す要部背面図であり、第４図および第５図
はターンテーブルの他の実施例を示す上面図であ
る。 １……プレス成形機、２，２′……ターンテー
ブル、３……ガラス塊供給口、ａ〜ｇ，a′〜g′…
…下型、４，４′……プレス加圧機構、８……駆
動動力。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガラス器の内面形状形成用上型および外面形状
   形成用下型からなる金型を配置したターンテーブ
   ル式プレス成形機において、ガラス塊供給口を共
   通とする２式のターンテーブルを設け、各ターン
   テーブル上にそれぞれ複数個の下型を配設し、か
   つターンテーブルが停止する特定位置に上型およ
   びこの上型を上下動させるプレス加圧機構をそれ
   ぞれ配置するとともにプレス成形機における１組
   の駆動動力で上記２式のターンテーブルを駆動さ
   せることによりガラス器の連続成形を可能とした
   ことを特徴とするガラスのプレス成形機。