JPH0350743B2 - - Google Patents

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JPH0350743B2
JPH0350743B2 JP59084152A JP8415284A JPH0350743B2 JP H0350743 B2 JPH0350743 B2 JP H0350743B2 JP 59084152 A JP59084152 A JP 59084152A JP 8415284 A JP8415284 A JP 8415284A JP H0350743 B2 JPH0350743 B2 JP H0350743B2
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extraction
extract
copper
aromatic
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Naoki Ando
Hideetsu Fujiwara
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な抽剤による抽出と抽出液の洗浄
を組合わせた芳香族アミンの回収方法に関する。
従来、芳香族アミンの製造方法としては、芳香
族ニトロアミンを還元する還元法、芳香族ジハラ
イドなどの芳香族ハライド類とアンモニアとを水
の存在下、銅化合物を主体とする触媒を用いて反
応せしめるアミノ化法などが知られている。
しかしながら特にアミノ化法の場合、このよう
にして得られた芳香族アミンを含む反応生成液、
倒えば芳香族ハライドとしてジクロルベンゼンを
用いてフエニレンジアミンを製造する場合の反応
生成液は、目的物質であるフエニレンジアミンの
他、ジルロルベンゼン、アンモニアなどの末反応
物、クロルアニリンなどの中間生成物、クロルベ
ンゼン、アニリン、フエノール、塩化アンモニウ
ム、重質物などの副生物、触媒として使用された
銅化合物を含む水溶液あるいは水性懸濁液とな
る。しかもかかる反応生成液から芳香族アミンを
分離するに先立ち、銅化合物からなる触媒を分離
するためにアルカリ金属水酸化物あるいはアルカ
リ土類金属水酸化物を添加し、銅化合物を析出さ
せる場合は、反応生成液は前記したものの他、ハ
ロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類
金属などを含む極めて複雑な組成の水溶液あるい
は水性懸濁液となる。これらの複雑な反応生成液
から目的物質である芳香族アミンを分離する方法
としては、抽出が一般的な方法である。
しかし芳香族アミンは極性の強い溶剤にしか溶
解せず、またそのような溶剤は水に対する溶解度
も高いことから抽剤としては不向きなものが多
く、抽剤の選定には種々の研究が必要である。
これらの研究の成果として、倒えば特開昭51−
59824号公報では、反応生成液に抽剤としてアニ
リン、o−クロルアニリン、o−トルイジンなど
の芳香族アミンを用いてフエニレンジアミンの抽
出分離する方法が開示されている。しかしながら
アニリンおよびo−トルイジンは比重が水に近
く、抽出液と抽残液とに分離するに時間がかか
り、一方o−クロルアニリンは、o−フエニレン
ジアミンの中間体であり、o−フエニレンジアミ
ンの製造には向いているが、m,p−フエニレン
ジアミンの製造時に抽剤として使用するのは好ま
しくない。
また特公昭55−33707号公報、同55−33708号公
報および同55−33709号公報には、反応生成液か
らフエニレンジアミンを炭素数3〜4の脂肪族ア
ルコールで抽出する方法が開示されており、かか
る方法は前記の如き欠点はないが分配率〔抽出液
中の芳香族アミンの濃度(重量%)/抽残液中の
芳香族アミンの濃度(重量%)〕が未だ充分高い
とは云えず、また抽出液から抽剤を回収する蒸溜
工程で重質物の増加をもたらし、かつ抽出液から
抽剤を除去した後に精留によつてフエニレンジア
ミンを回収すると、回収したフエニレンジアミン
が空気中で黒変するという問題を有する。
さらに米国特許第4193938号明細書では、反応
生成液からフエニレンジアミンを回収するにあた
り、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化
炭素などの炭素数1の塩素化炭素溶媒を用いて抽
出する方法が提案されており、かかる方法はなる
ほどメチレンクロライドの場合は分配率は比較的
高いが、これらの溶媒を用いて抽出した抽出液を
蒸溜して抽剤を除く工程において分解反応を伴
い、未確認の多数の副生成を生ずる場合がある。
これは恐らくメチレンクロライドなどの塩素化炭
素溶媒がこの工程において加水分解され、その生
成物が二次的反応を引き起こすののと思慮され
る。
本発明は以上の背景の下になされたもので、芳
香族アミンを含む水溶液または水性懸濁液から芳
香族アミンを回収するに際し、芳香族アミンに対
し高度の分配率を有しかつ抽剤の回収も容易であ
る新規な抽剤による抽出と、抽出液の洗浄を組合
わせた芳香族アミンの回収方法を提供することを
目的とする。
即ち、本発明は、芳香族アミンを含む水溶液ま
たは水性懸濁液から芳香族ジアミンを回収するに
際し、該水溶液または水性懸濁液中にアンモニア
および/または電解質を存在させ、テトラビトロ
フランを主成分とする抽剤を用いて抽出した後、
得られた抽出液をアンモニア水で洗浄することを
特徴とする芳香族アミンの回収方法を提供するも
のである。
本発明の回収方法に用いられる抽料は、芳香族
アミンを含む水溶液または懸濁液であり、例えば
前記のように芳香族ハライドとアンモニアとを水
の存在下において銅化合物を主体とする触媒を用
いて反応せしめるアミノ化法により得られる。
かかるアミノ化法における芳香族ハライドとし
ては、例えば、クロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン、トリクロルベンゼン、クロルアニリン、ジク
ロルアニリン、クロルニトロベンゼン、ジクロル
ニトロベンゼンなどを挙げることができ、好まし
い芳香族ハライドとしては、クロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン、クロルアニリン、トリクロルベ
ンゼンを挙げることができる。これらの芳香族ハ
ライドは併用することがでる。
またアンモニアの使用量は、芳香族ハライドの
アミノ化を必要とするハロゲン1グラム−原子に
対して好ましくは2〜25モル、特に好ましくは4
〜20モルである。
さらに水の使用量は、アンモニアと水の双方の
重量和に対して好ましくは30〜70重量%、特に好
ましくは45〜65重量%である。
さらにまた銅化合物の使用量は、芳香族ハライ
ド1モルに対して銅原子として好ましくは、0.01
〜0.4グラム−原子、特に好ましくは0.02〜0.2グ
ラム−原子である。触媒として使用する銅化合物
としては、銅酸化物、銅水酸化物、銅ハロゲン化
物などを挙げることができ、特に酸化第一銅、酸
化第二銅、水酸化第二銅、ハロゲン化第一銅、ハ
ロゲン化第二銅が好ましく、銅とアルカリ土類金
属の混合水酸化物、混合酸化物または混合ハロゲ
ン化物なども好ましい触媒となる。銅化合物にカ
ルシウムなどのアルカリ土類金属が含まれる場合
の含有量は、銅1グラム原子に対して10グラム原
子以下が好ましく、特に、0.1〜5グラム原子が
好ましい。
芳香族ハライドとアンモニアとの反応温度は、
好ましくは170〜250℃、特に好ましくは200〜
240°であり、反応時間は通常2〜40時間である。
反応を連続的に行う場合は2基以上の反応器を直
列に結合するのがよく、反応溶液の反応器内での
滞留時間が目的とする反応時間となるようにす
る。
このようにして生成する芳香族アミンとして
は、クロルアニリン、フエニレンジアミン、クロ
ルフエニレンジアミン、トリアミノベンゼンなど
を例示することができる。
反応終了後、得られた反応生成液を好ましくは
20〜80℃、特に好ましくは30〜70℃に冷却し、必
要に応じて反応系を常圧に戻すことによつて反応
生成液中のアンモニアをガスとして除去し、以下
の工程の操作時の圧力を低減させることができる
が、常圧における反応生成液中のアンモニアを除
去する必要はない。
本発明の回収方法では、まず前記アミノ化法な
どにより得られる芳香族アミンを含む水溶液また
は水性懸濁液を抽料とし、テトラヒドロフランを
抽剤として芳香族アミンを抽出する。
抽出に際しては、抽料中にアンモニアおよび/
または電解質が存在することが好ましく、抽出液
と抽剤との層分離性を高めることができる。
かかるアンモニアは、抽料中に存在する未応の
アンモニアをそのまま存在させることよつて利用
してもよく、新たにアンモニアを混合してもよ
い。またかかる電解質とは、水溶性であり芳香族
アミンと反応しない電解質である。このような電
解質としては、前記アミノ化法の反応において副
生する塩化アンモニウムなどのハロゲン化アンモ
ニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナ
トリウム、臭化カリウムなどのアルカリ金属ハロ
ゲン化物、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩
化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのアルカ
リ土類金属ハロゲン化物、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、硫酸
ナトリウムなどのアルカリ金属硫酸塩の他に塩化
銅、塩化鉄などの水溶性のハロゲン化金属塩、硫
酸銅などの水溶性の金属硫酸塩を例示することが
できる。抽料中の反応で副生した電解質が存在す
る場合は、新たに電解質を混合する必要はない。
抽料中のアンモニアおよび/または電解質の量
は、好ましくは抽料中の水100重量部に対し5重
量部以上、特に7重量部以上、50重量部以下であ
る。前記アミノ化法によつて得られる反応生成液
を抽料とする場合は、通常は新たにアンモニアお
よび/または電解質を加えなくても抽料中にこの
範囲内のアンモニアおよび/または電解質が存在
する。
抽料として使用されるテトラヒドロフラン中に
は水が含まれていてもよいが、大量に含有される
場合は、抽料中のアンモニアおよび/または電解
質の濃度を下げ、また実質的な抽剤の量を下げる
恐れがあるので、抽出時の層分離性が悪くならな
い範囲内、一般内には水の含有量として0〜20重
量%であることが好ましい。またテトラヒドロフ
ラン中には、プロパノール、ブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノールなどの主鎖の炭素数が3〜
6のアルコール、アニリン、アニリン誘導体、プ
ロピルエーテル、ブチルエーテルなどの他の有機
溶媒が30重量%以上程度含有されていてもよい。
抽出時の抽剤/抽料比は抽料中の芳香族アミ
ン、アンモニア、電解質などの種類および量によ
つて適宜変更されるが、通常0.5〜5(重量比)で
ある。
また抽出は、連続向流液々抽出の採用が効率面
から好ましいが、回分抽出法も採用することがで
きる。抽料中にアンモニアおよび/または電解質
が5重量部以上存在する場合の抽出温度は、一般
的には10〜100℃であるが、アンモニアおよび/
または電解質の存在量が5重量部未満の場合の抽
出温度は、抽出液と抽残液との層分離性の面から
50〜100℃が好ましい。
抽出で得られた抽料液からは、蒸溜、昌析、そ
の他の手段によつて抽剤および目的とする芳香族
アミンを分離回収する。抽料液を蒸溜、昌析など
で処理する場合、抽出液中に少量溶解しているハ
ロゲン化アンモニウムなどの電解質が工程上でト
ラブルの原因となることがある。例えば蒸溜によ
つて抽出液から抽剤を除去しようとした場合、加
熱によつてハロゲン化アンモニウムが分解し、共
存する芳香族アミンと反応して、アンモニアと芳
香族アミンのハロゲン化水素塩とになるが、この
芳香族アミンのハロゲン化水素塩は加熱によつて
蒸溜器内の下部に付着して粘着固化し、蒸溜器内
の閉塞を来し易い。
このため本発明では、かくて抽出で得られた抽
料液から抽剤を蒸溜などの手段によつて除去し芳
香族アミンを分離するに先立ち、アンモニア水、
好ましくは10重量%以上の濃度のアンモニア水、
特に好ましくは10〜40重量%の濃度のアンモニア
水で洗浄することによつて、抽出液中のハロゲン
化アンモニウムなどの電解質量を大幅に減少させ
るか、実質的に皆無にする。
なお、かかるアンモニア水の濃度が10重量%未
満の場合は、洗浄時の抽料液とアンモニア水との
層分離性が悪化する傾向がある。またアンモニア
水は、可溶な範囲のテトラヒドロフランを含有し
ていてもよい。
かかる洗浄操作は、ミキサー/セトラー型など
の回分式抽出器を使用することもできるが、好ま
しくは連続抽出器、特に好ましくは連続向流液々
抽出器の使用か望まれる。また洗浄時のアンモニ
ア水/抽出液の重量比は、好ましくは0.05〜0.5
であり、洗浄温度は、好ましくは10〜100℃、特
に好ましくは40〜90℃である。
抽料液を洗浄したアンモニア水には、ハロゲン
化アンモニウムなどの電解質とともに、ある程度
の量の芳香族アミンが含まれているが、これを前
記抽出工程へ戻し、抽料と同様に扱い抽剤のテト
ラヒドロフランにより芳香族アミンを再度抽出す
ることによつて芳香族アミンの回収率を高めるこ
とができる。
かかる芳香族アミンの回収方法の具体例につい
て示すと、例えば向流液々抽出塔に組合わせた場
合は、抽料は中殺、抽剤は塔底部、アンモニア水
は塔上部に各々供給し、抽料、抽剤、アンモニア
水の供給比を重量比で1:0.5〜5:0.025〜2.5と
し、抽料液を塔頂から、また抽残液を塔底から得
ることができる。
かくてアンモニア水による洗浄を経た抽出液
は、蒸溜操作によりテトラヒドロフランおよび水
を分離することにより粗芳香族アミンを得ること
ができる。
このようにして得らえる粗芳香族アミンには、
ハロゲン化アンモニウムなどの電解質の含有量が
少なく実質的に皆無であり、再結晶法(昌析法)
または精留法の何れの方法においても円滑に高純
度の芳香族アミンを容易に得ることができる。特
に精留法においては、蒸溜残渣が少なくかつ残渣
を蒸溜条件下で流動性を有し、蒸溜の実施が容易
である。
アンモニア水による洗浄を行わないために抽出
液中にハロゲン化アンモニウムなどの電解質が含
まれる場合は、精留中に例えば塩化アンモニウム
が分解し、アンモニアガスが発生してフラツデイ
ングを生ずるとともに、発生する塩化水素は、芳
香族アミン塩酸塩をつくり、さらに芳香族アミン
を縮重合反応を引き起こして重質物の増加をもた
らす。
一方、抽出で得られた抽残液には、アルカリ金
属水酸化分および/またはアルカリ土類金属水酸
化物を加えて銅酸化物および/または銅水酸化物
を主体とする銅化合物を析出せしめることによ
り、抽残液中の銅化合物を分離することができ
る。
抽出後の抽残液には、銅イオンの他にハロゲン
化アンモニウム、アンモニア、抽剤などが含ま
れ、さらには抽出し残した芳香族アミンや未反応
原料が少量含まれる。従つて必要に応じて共沸蒸
溜、水蒸気蒸溜などの方法によつて抽剤、芳香族
アミン、未反応原料などを除去する。その後この
抽残液を充分撹拌しながら水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物およ
び/または水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属水酸化物、好ましくは
アルカリ金属水酸化物を加えて抽残液中の銅化合
物を銅酸化物および/または銅水酸化物を主体と
する銅化物として析出せしめる。
この銅化合物の析出工程において、アルカリ金
属水酸化物、またはアルカリ金属水酸化物とアル
カリ土類金属水酸化物を併用する場合には、これ
らを添加後充分撹拌して好ましくはPH10以上、特
に好ましくはPH12以上の塩基性とし、温度を好ま
しくは50℃以上、特に好ましくは沸騰させること
により、銅化合物は大部分が銅酸化物として析出
し、同時に液中に含有されていたハロゲン化アン
モニウムが分解してアンモニアが発生する。
析出した銅化合物は、濾過などによつて容易に
分離、回収することができる。そしてこの回収し
た銅化合物は、銅酸化物、銅水酸化物および銅ハ
ロゲン化物とほぼ同様の触媒活性を有し、そのま
まアミノ化法における触媒として再使用すること
ができる。
銅化合物の析出工程において、主としてアルカ
リ土類金属水酸化物を使用するときは、これらを
好ましくは抽残液中にアンモニウムイオン1グラ
ムイオンに対して1モル当量添加し、PHを5.5〜
9.5、特に好ましくは6.0〜7.0とする。この場合、
加熱撹拌しただけでは銅化合物の析出が不十分な
場合がある。このときには、液中へ空気、窒素ガ
ス、その他の非反応性の非凝縮性ガスを通じるこ
とによつて、または蒸溜によつて抽残液中のアン
モニアを除去し、銅化合物の析出を促進させる。
この場合、銅化合物は、アルカリ土類金属水酸化
物と共沈するので、純度の高い銅化合物を得るこ
とはできない。しかし、触媒としてはアルカリ土
類金属が含有されていることは一向さしつかえな
く、その含有率さえ注意して好ましい範囲に入つ
ていればむしろこの回収した銅化合物を触媒とし
て再使用することにより反応速度が高まることが
ある。
なおアルカリ金属水酸化物を使用する場合、ま
たはアルカリ金属水酸化物とアルカリ土類金属酸
化物を併用する場合にも、銅化合物の析出を促進
させるために非凝縮性ガスを通じてもよい。析出
し銅化合物を分離した後の瀘液には、極めて微量
の銅化合物しか含有されないので、通常の脱水処
理、例えば活性汚泥処理、活性炭処理などによつ
て容易に処理することができる。なお前記アミノ
化法による反応生成液を抽料とする場合におい
て、反応生成液中に存在する触媒である銅化合物
を回収するに際しては、抽出に先立つてアルカリ
金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水
酸化物を多量に加えることによつて銅化合物を析
出させ濾過し、回収することもできる。この場合
は瀘液が抽料となり、抽料中にさらにアルカリ金
属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物
が存在することになる。しかしこの方法は、析出
する銅化合物がコロイド状となり濾過により分離
することが容易でないという問題を有する。
以上のように本発明の回収方法は、芳香族アミ
ンを含有する水溶液または水性懸濁液を抽料とし
てテトラヒドロフランを主成分とする新規な抽剤
で抽出することにより、抽出時の層分離性が優れ
かつ芳香族アミンに対する分配率が高く、また抽
出液をアンモニア水で洗浄することによつて抽出
液中のハロゲン化アンモニウムなどの電解質の大
部分を除去することができ、芳香族アミンの回収
方法として極めて有効である。
また抽出後、抽出液中の抽剤であるテトラドロ
フランの除去も重質物の生成が殆ど無しに蒸溜で
極めて容易にできるという利点を有する回収方法
である。さらに本発明の回収方法によつて得られ
た抽出液からテトラヒドロフランを留去した後、
精留によつて得られる芳香族アミン、特にフエニ
レンジアミンは、空気中に保存しても黒変などの
着色を起こし難いという特徴を有するものであ
る。
なお、本発明の回収方法における抽料として
は、主としてアミノ化法によつて得られた反応生
成液について詳述したが、これに限定されるもの
ではないことは云うまでもないことである。
以下実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明
する。
実施例 電磁式回転撹拌機を装備した内容積3のステ
ンレス製オートクレーブにp−ジクロルベンゼン
450g、40重量%アンモニア水1125g、酸化第二
銅21gを充填して210℃に昇温し、5時間反応さ
せた。
反応後オートクレーブを60℃まで冷却し、撹拌
しつつバルブを少しづつ開けて過剰のアンモニア
ガスを放出した。オートクレーブの内圧を常圧ま
で下げた後、反応液の一部をとつて分析したとこ
ろ、反応率は99.8%、選択率はp−フエニレンジ
アミン92.0g、p−クロルアニリン4.0%、アニ
リン0.8%であつた。この液に水330c.c.を加え、別
容器に移して保存した。ここまでの操作を5回行
い、5回分の反応生成液を混合した。なお、反応
生成液に水を加えた理由は、p−フエニレンジア
ミンの濃度が濃く、析出し易いためである。
この液に含有されるp−フエレルンジアミン
は、16.5重量%、塩化アンモニウムは、17.0重量
%であつた。
次に内径15mm、有効高さ2mの上下振動式向流
液々抽出装置を使用して、反応生成液1Kgに対し
て水分を6重量%含有するテトラヒドロフラン
1.3Kgおよび14重量%アンモニア水0.3Kgを供給し
て、抽出と洗浄を行つた。即ち、抽出装置の塔上
部よりアンモニア水、塔上部から1/3の位置に抽
料および塔下部より抽剤のテトラヒドロフランを
供給した。
抽出装置の塔頂より得られた洗浄ずみの抽出液
に含まれるp−フエニレンジアミンは、供給量の
99.8%であり、塩化アンモニウムの抽出率は、
1.2%であつた。
次いで得られた抽出液を蒸溜してテトラヒドロ
フランおよび水を除き、さらに40Torrにて精留
することにより精製したp−フエニレンジアミン
を得た。このp−フエニレンジアミンを室温で乾
燥空気中に30日間放置したが、全く変色を起こさ
なかつた。またp−フエニレンジアミン精留後の
残渣は少なく、その残渣も100℃以上で流動性を
有し、後処理が容易であつた。
一方、抽出装置の塔底より得られた抽残液は、
蒸溜器にかけてテトラヒドロフランを留去させ、
その後に50重量%の水酸化ナトリウムを滴下して
抽残液のPHを12.5にした。この抽残液を再度沸騰
させると、多量のアンモニアガスが発生し、黒色
の酸化銅が析出沈澱した。アンモニアガスの発生
が終了した後、抽残液に空気の吹込管を入れ、90
℃にてバブリングを30分間行い放冷した。この液
を濾過することにより、99%の回収率で抽残液中
の銅分が酸化銅として回収された。
比較例 14重量%アンモニア水に替えて、20重量%食塩
水を使用した他は、実施例と同様に抽出、洗浄ま
での実験を行つた。抽出装置の塔頂より得られた
洗浄ずみの抽出液に含まれるp−フエニレンジア
ミンは供給量の99.9%であり、塩化アンモニウム
の抽出率は2.1%であつた。
得られた抽出液を蒸溜してテトラヒドロフラン
および水を除き、さらに40Torrにて精留するこ
とによりp−フエニレンジアミンを得た。p−フ
エニレンジアミン精留後の残渣はかなり多く、
100℃以上でも流動性を持たなかつた。この残渣
を分析したどころ、主として食塩およびフエニレ
ンジアミン塩酸塩、p−フエニレンジアミンの縮
合物からなる重質物であつた。また、精留器の缶
部および塔下部は、付着物が多く汚れ、とくに缶
部の付着物は伝熱に問題を生じた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 芳香族アミンを含む水溶液または水性懸濁液
    から芳香族ジアミンを回収するに際し、該水溶液
    または水性懸濁液中にアンモニアおよび/または
    電解質を存在させ、テトラヒドロフランを主成分
    とする抽剤を用いて抽出した後、得られた抽出液
    をアンモニア水で洗浄することを特徴とする芳香
    族アミンの回収方法。
JP8415284A 1984-04-27 1984-04-27 芳香族アミンの回収方法 Granted JPS60228446A (ja)

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JPS51101928A (en) * 1975-03-06 1976-09-08 Teijin Ltd pp fuenirenjiaminnoseizoho

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