JPH035020Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は信号を記録又は再生するための磁気デ
イスク装置又はこれに類似のデイスク装置におけ
るリードスクリユ方式のヘツド移動機構に関する
ものである。

〔従来の技術〕

フロツピーデイスク装置のヘツド移動機構（ヘ
ツド位置決め機構）におけるリードスクリユは、
高い精度を有してヘツドの位置決めを行わなけれ
ばならない。もし、リードスクリユがその軸方向
に変位すると、ヘツドのデイスク半径方向位置が
変化し、ヘツドが所定トラツクから外れる。この
ため、第３図に示す如く、リードスクリユ１の溝
２にボール３を係合させ、ボール３と共にヘツド
キヤリツジ４をデイスク半径方向に移動させるよ
うに構成したボール・スクリユ方式において、リ
ードスクリユ１の先端をボール５を介して板バネ
６で押圧し、リードスクリユ１にこの軸方向の偏
倚力を付与する方式が既に知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の如き方式によれば、玉軸受７等のガタを
吸収することが出来る。しかし、ボール５が板バ
ネ６に接触しているために、板バネ６が摩耗し、
板バネ６による偏倚力が変化し、ガタの吸収が不
完全になることがあつた。また、ボール５と板バ
ネ６との摩擦が大きいと、リードスクリユの駆動
モータの負荷が大になる。そこで、本考案の目的
は、簡単な構成であり且つ摩耗が少ないリードス
クリユ機構を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上述の如き問題点を解決するために本考案に係
わるデイスク装置のヘツド移動機構は、リードス
クリユを支持するラジアル型玉軸受と、リードス
クリユからその半径方向に突出するＥリング等の
バネ係合部と、玉軸受の内輪又はこれに支持され
た平ワツシヤ等の部材とバネ係合部との間に配置
され且つリードスクリユに軸方向の偏倚力を与え
るように形成されたウエーブワツシヤ等のバネ部
材とを有する。

〔作用〕

本考案に係わるバネ部材は、リードスクリユと
共に回転するバネ係合部とリードスクリユと実質
的に一体に回転する玉軸受の内輪とに配されてい
るので、これ等と一体に回転する。従つて、バネ
部材又はこの係合部分の摩耗が実質的に生ぜず、
長期間に渡つてリードスクリユの軸方向のガタを
良好に吸収することが出来る。また、リードスク
リユの回転に伴うバネ部材の摩耗が生じないの
で、リードスクリユの駆動モータの負荷の増大が
抑えられる。

〔実施例〕

次に、第１図及び第２図を参照して本考案の実
施例に係わる磁気デイスク装置について述べる。
第１図において、１０は磁気デイスク、１１はデ
イスク回転台、１２は回転台１１に直結されたデ
イスクモータである。記録又は再生時には、デイ
スク１０は回転台１１とモータ１２とから成るデ
イスク回転機構によつて回転される。１３は信号
変換用磁気ヘツドであり、ヘツドキヤリツジ１４
に支持されている。キヤリツジ１４はガイド棒１
５によつてデイスク１０の半径方向に案内され、
且つこのアーム部１４ａに支持されたボール２６
によりリードスクリユ１６の溝１７に係合してい
る。従つて、リードスクリユ１６が回転すると、
キヤリツジ１４はデイスク１０の半径方向に変位
する。

リードスクリユ１６は一対のラジアル型玉軸受
１８，１９で支持され、この一端部はステツピン
グモータ２０に結合されている。玉軸受１９は、
内輪２１と外輪２２と鋼球２３とベアリングカツ
プ２４とから成り、内輪２１とスクリユ１６の他
端部１６ａとはスクリユ１６の軸方向の変位を許
すように係合され、外輪２２はベアリングカツプ
２４に固着され、ベアリングカツプ２４はフーレ
ム２５に固着されている。

リードスクリユ１６には溝２７が設けられ、こ
こにバネ係合部材としてＥリング２８が係合され
ている。２９は平ワツシヤであり、内輪２１に接
するように配置されている。３０はバネ部材とし
てのウエーブワツシヤであり、第２図に示すよう
な形状を有して平ワツシヤ２９とＥリング２８と
の間に配置されている。従つて、ウエーブワツシ
ヤ３０はリードスクリユ１６に対して第１図で右
方向の偏倚力を与え、一方、内輪２１に左方向の
偏倚力を与え、一対の玉軸受１８，１９の軸方向
のガタを吸収する。ウエーブワツシヤ３０はリー
ドスクリユ１６と共に回転するＥリング２８とリ
ードスクリユ１６と共に回転する軸受内輪２１と
の間にあり、リードスクリユ１６と内輪２１とは
実質的に一体に回転するので、ウエーブワツシヤ
３０とＥリング２８及び平ワツシヤ２９との間に
滑りが実質的に発生しない。このため、バネ部材
としてのウエーブワツシヤ３０、係合部としての
Ｅリング２８及び平ワツシヤ２９に摩耗が生じな
い。この結果、長期間に渡つて安定的に軸方向の
偏倚力をスクリユ１６に与えることが出来る。ま
たステツピングモータ２０の負荷となるような摩
擦がウエーブワツシヤ３０に生じないので、ステ
ツピングモータ２０の負荷の増大が抑えられる。

本考案は上述の実施例に限定されるものではな
く、更に変形可能なものである。例えば、ボー
ル・スクリユ方式に限らず、ニードル・スクリユ
方式又はネジ穴にスクリユ１６を螺合させる方式
等にも適用可能である。また、スクリユ１６の先
端を軸受１９よりも第１図で左側に突出させ、こ
の突出した側にウエーブワツシヤ３０及びこの係
合部を移してもよい。磁気デイスク装置に限るこ
となく、光学ヘツドで記録又は再生する光デイス
ク装置にも適用可能である。また、Ｅリング２８
の代りにリードスクリユ１６に一定の鍔状部を設
け、これをバネ係合部としてもよい。

〔考案の効果〕

上述から明らかな如く本考案によれば、バネ部
材がリードスクリユ等の回転部分と共に回転する
ので、その摩耗が発生せず、偏倚力を安定的に加
えることが出来る。従つて、長期間使用してもヘ
ツド１３のトラツクずれの少ないデイスク装置を
提供することが出来る。また、極めて簡単な構成
で軸方向の偏倚力を与えることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わる磁気デイスク
の一部切欠き平面図、第２図はウエーブワツシヤ
の側面図、第３図は従来のリードスクリユ機構を
示す一部切欠き正面図である。 １０……磁気デイスク、１３……ヘツド、１４
……キヤリツジ、１６……リードスクリユ、１
８，１９……玉軸受、２０……ステツピングモー
タ、２１……内輪、２８……Ｅリング、２９……
平ワツシヤ、３０……ウエーブワツシヤ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録媒体デイスクの半径方向に記録又は再生用
   のヘツドを移動させるための機構であり、 前記ヘツドを支持するキヤリツジと、 回転運動によつて前記キヤリツジをデイスク半
   径方向に移動させるように前記キヤリツジに係合
   されたリードスクリユと、 該リードスクリユの一端部に結合されたモータ
   と、 前記リードスクリユの軸方向の変位を許す状態
   で前記リードスクリユを支持するラジアル型玉軸
   受と、 前記リードスクリユからその半径方向に突出す
   るバネ係合部と、 前記玉軸受の内輪又はこれに支持された部材と
   前記バネ係合部との間に配置され且つ前記リード
   スクリユにその軸方向の偏倚力を与えるように形
   成されたバネ部材と を有するヘツド移動機構。