JPH0350063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電球用の緩衝包装体に関し、電球を
緩衝性良好にて確実に包装保護できるものを得よ
うとしている。

従来より、電球の包装としては、段ボール製の
筒状体の中に電球を挿入しているものであり、緩
衝性に劣り、落下により電球が割れ易く、店頭に
おける陳列用としてはあまり好ましくないほか、
取扱い時における僅かな外圧によつても電球が割
れることが多く、取扱上不便なものであつた。

このため、一部において、発泡シートを「コ」
の字形に折り畳んで電球を挾装し、これを外箱に
収納することも提案されているが、落下等の衝撃
で外箱とともに「コ」の字形に折り畳んだ発泡シ
ートが拡開し、挾装された電球がずれて割れるお
それがある。かかる不都合を防止するには折り畳
み端部の開口側を、拡開しないようテープ止めす
る必要があり、包装作業が面倒となるほかコスト
アツプにもなる。

そこで、この考案においては折り畳み端部を外
箱のフラツプで押え込み可能として上記拡開によ
る電球の収納ずれを防止し、電球を確実且つ緩衝
性良好に包装できるようにしたものであり、その
構成としては、全体が合成樹脂の発泡シートにて
一体形成されてあり、中央の底部片両側に起立自
在な主体片を連成し、それぞれの主体片には、そ
の起立時において電球を挾装できる凹凸状の収納
部が形成されてあり、さらに上記各主体片の端部
には、この主体片を底部片から起立させた状態
で、底部片に対して反対向きに折曲したフラツプ
片がそれぞれ連成されていることを特徴とするも
のである。

次いでこの考案の実施態様について図を参照し
ながら以下に例示する。

第１図は、この考案に係る緩衝包装体を示す斜
視図であり、図中１はその全体を示しており、発
泡ポリスチレンシート等の合成樹脂の発泡シート
から真空成形等のシートを成形手段にて一体に成
形された長方形板状をなしている。

上記緩衝包装体１の中央には、比較的幅の狭い
細長形状の底部片１０が形成されてあり、この底
部片１１の両側には、比較的幅の広い四角状の主
体片２０が上方に起立自在となるようＶ字状の折
曲溝４０を介して一体に連成されてあり、さらに
上記主体片２０の端部には、底部片１０と同様な
細幅のフラツプ片３０が、上記主体片２０の起立
方向と反対方向に折曲できるよう裏面側に形成さ
れたＶ字状の折曲溝４０′を介して一体に連成さ
れている。

そして上記緩衝包装体１は、主体片２０，２０
を垂直に起立して「コ」の字状となすと共に、フ
ラツプ片３０，３０を外方に折曲して水平状にな
して組立使用されるものである（第２図参照）。

次に底部片１０において、その中央部分に膨出
形成された突出部１１は、緩衝包装体１を組立て
て電球ａを収納したときに、電球ａのねじ込み部
端部ｂに対して当接する部分であり、その端部ｂ
を緩衝性良好に受け止めるものである。

また、主体片２０において、２１は凹凸状の収
納部であつて、両主体片２０，２０を起立させた
ときに相互に対向し合うように形成されており、
この収納凹部２１によつて電球ａは緩衝性良好に
挟持されることになる。即ち、収納部２１として
は、截頭円錐状にて深く凹入形成された収納凹部
２１ｃと、両側を高く中間を低く膨出形成された
収納凸部２１ｄとからなるもので、収納凹部２１
ｃは電球ａのガラス球面部ｃを挾装する部分であ
り、ガラス球面部ｃの横側部側に緩衝用の隙間Ｓ
を構成できるようになつており、一方収納凸部２
１ｄは、膨出面中間の段部ｅにて電球ａのねじ込
み部分を一部囲繞して確実に保持できるようにな
つている。

さらに主体片２０の余隙部分には、長手方向に
沿つてリブ２２が膨出形成されており、全体的な
強度アツプと、より優れた緩衝性が得られるよう
に配慮されている。

そして上記緩衝包装体１は、前述したごとく、
主体片２０を垂直に起立させると共にフラツプ片
３０を水平状に折曲して組立て、主体片２０の収
納部２１間に電球ａを挾装した後、例えば厚紙等
にて形成された角形の外箱Ｈ内に挿入して使用す
るものであるが（第３図参照）、この外箱Ｈとし
ては、緩衝包装体１のフラツプ片３０に対して当
接可能なフラツプｈ１が形成されていると共に、
蓋ｈ２を閉じたときに上記フラツプｈ１を介して
フラツプ片３０を多少押し込みできるように形成
されているもので、フラツプ片３０には、上記フ
ラツプｈ１による押圧にて第３図矢符Ｚ方向への
移動力が作用することになる。従つてフラツプ片
３０により主体片２０，２０を相互に引き寄せで
きることになり、例えば落下による衝撃にて外箱
途中部分ｈ３が瞬間的に拡開した場合においても
緩衝包装体１は上端が上記したごとくフラツプ片
３０により引き寄せられているのでその拡開が妨
げられ、収納した電球ａを確実に保持し続けて収
納ずれによる電球割れを防止できることになる。

次に上記緩衝包装体１を形成する合成樹脂シー
トとしては、従来より包装材料として用いられて
いる各種合成樹脂の発泡シートが使用できるが、
特に好適なものとしては、例えばブタジエンを含
有する高重合度発泡ポリスチレンシートがあり、
また発泡ポリスチレンシート等の比較的硬質の発
泡シートと発泡ポリスチレンシート、発泡ポリプ
ロピレンシートのごときポリオレフイン系発泡シ
ート等による比較的軟質の発泡シートとが、
EVAをバインダーとして介して積層された複層
シートが、剛性と柔軟性とを兼ね備えたものとし
て好適である。なお上記のような複層シートを使
用する場合には柔軟なシート側を電球ａに当接す
る側の面として実施するものとする。

また、第４図に示す実施例は、主体片２０とし
て起立時において中央側の対向隙間Ｒが細幅にな
るよう湾曲形成されているもので、この実施例に
よれば、落下による緩衝によつて瞬間的に主体片
２０の中央部が内方へ引き寄せられるので、電球
ａは締付けられて一層確実に保護されることな
る。

以上のごとく構成されたこの考案による電球用
の緩衝包装体１によれば、底部片１０の両側に収
納部２１を形成した主体片２０が起立自在に連成
されているので、主体片２０を起立させることに
よつて簡単に電球ａを挾装できると共に、合成樹
脂の発泡シートにて形成されている点と相まつて
非常に緩衝性良好に電球ａを包装でき落下等の衝
撃に対しても確実に電球を保護できることにな
る。

また、主体片２０の端部には、この主体片を底
部片から起立させた状態で、底部片に対して反対
向きに折曲したフラツプ片がそれぞれ連成されて
いるので、落下による衝撃によつて外箱が瞬間的
に幅方向に拡開した場合にも緩衝包装体１は拡開
することなく電球を強固に保持し続けることがで
き、収納ずれによる電球割れを確実に防止できる
ことになる。

また、緩衝包装体１自体としても、一枚のシー
ト状物に底部片１０、主体片２０、フラツプ片３
０を連成したものであるから、その製造はシート
成形方法で容易に成形できると共に製造コストも
安く済み、さらに運搬、保管も嵩ばることなく行
ない易いものである。

従つて、この考案によれば、電球を緩衝性良好
にて確実に包装保護できると共に包装作業も非常
に簡易であり、しかも製造も容易安価である等、
種々優れた実用的効果を奏するものを提供できる
ことになる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施態様を例示するものであ
り、第１図は緩衝包装体の組立前の状態を示す斜
視図、第２図は上記緩衝包装体を組立た状態を示
す斜視図、第３図は外箱に収納した状態を示す断
面図、第４図は変更例を示す正面図である。 １…緩衝包装体、１０…底部片、２０…主体
片、２１…収納部、２２…リブ、３０…フラツプ
片、ａ…電球、Ｈ…外箱、ｈ１…外箱のフラツ
プ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 全体が合成樹脂の発泡シートにて一体形成さ
   れてあり、中央の底部片両側に起立自在な主体
   片を連成し、それぞれの主体片には、その起立
   時において電球を挟装できる凹凸状の収納部が
   形成されてあり、さらに上記各主体片の端部に
   は、この主体片を底部片から起立させた状態
   で、底部片に対して反対向きに折曲したフラツ
   プ片がそれぞれ連成されていることを特徴とす
   る電球用の緩衝包装体。 ２ 主体片にリブが膨出形成されている上記実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の電球用の緩衝
   包装体。 ３ 主体片は、起立時において中央側対向〓間が
   細幅になるよう湾曲形成されている上記実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の電球用の緩衝包
   装体。