JPH0348985Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の目的 この考案は、ビルデイング屋上面に施工した防
水層上に敷設し、その上を歩行できるようにする
ことは勿論、断熱、防音をも兼備したブロツクの
改良に関するものである。

産業上の利用分野及び従来の技術 ビルデイング屋上面、即ち陸屋根の防水、防
音、断熱の施工に当たつては、通常コンクリート
打ちした上にコールタール、寒冷紗による防水層
を形成し、その上に断熱材を敷設し、さらにその
上にビニールシート等の防水幕を施し、その上に
再びコンクリートを流し又はタイルを張るなどし
て陸屋根上を歩行できるようにしているものであ
る。

考案が解決しようとする問題点 このように陸屋根上を歩行できるようにするた
めの従来の陸屋根施工法は、いつたん下層部分が
ある程度固化乾燥してからでないと次の工程が施
行できないから、多大の日数を要するのみなら
ず、何回も陸屋根上を往復せねばならず、またそ
の間、降雨があればそれに対処する施策も考慮し
なければならない、という多くの困難があつた。

問題点を解決するための手段 この考案は、このような従来の陸屋根施工上の
欠点を改善するための断熱防音ブロツクに関し、
即ち、該ブロツクはコンクリート、セラミツク等
の重量のある硬質の正方形板材の裏面に数個の脚
片を前記板材と一体に突設形成し、該脚片を埋没
させる厚みで前記板材の裏面に、該板材の正方形
と同等の平面形で発泡スチロール樹脂、強化発泡
スチレン樹脂等の発泡合成樹脂材を成形接着し、
これら板材と発泡合成樹脂材との接合体における
一組の相対する側面にパツキング材を貼着して、
該パツキング材の外側面に突隆条を形成すると共
に、前記板材における他の一組の相対する側面
に、前記突隆条が嵌合する溝を形成したことを特
徴とするもので、かくして該ブロツクを防水施工
した陸屋根上に、その発泡合成樹脂材を下側にし
て敷き並べるだけで防音、断熱は勿論、敷設した
ブロツク上の歩行も可能とする短時間で敷設施工
できる勝れた陸屋根敷設用ブロツクとすることが
できたのである。

実施例 添付図面に示す実施例において、断熱ブロツク
１はコンクリート、セラミツク等の硬質材による
表面板材１０と、該表面板材１０の裏面に発泡ス
チロール樹脂、強化発泡スチレン樹脂の如き断熱
用発泡合成樹脂材２０を接着してできている。

表面板材１０は持ち運べる程度の大きさ、例え
ばコンクリート製のもので１辺が30cm程度の正方
形をなし、厚みは３cm程度が好適であるが、セラ
ミツクその他のものの場合は、その重量との関係
で適宜大きさが設計される。

表面板材１０は裏側に第２図の如く数個の脚片
１１，１１…が表面板材１０と一体にして突設さ
れる。該脚片１１はその長さが５〜６cm程度のも
ので、該脚片１１を埋設させる厚み（例えば７
cm）をもつて表面板材１０の裏面に発泡合成樹脂
材２０が接着される。この発泡合成樹脂材２０の
平面形は、表面板材１０の正方形と同形となして
ある。

以上の構成の断熱防音ブロツク１を、陸屋根の
防水層を施工した上に第３図の如く発泡合成樹脂
材２０を下側にして敷き並べ、その並んだ各ブロ
ツク１の目地３に、ブロツク１が寒暖の影響で膨
張、収縮するのに対応できるパツキング材３０
（第３図右方部分図参照）を埋め込み敷設すると
きは、断熱用発泡合成樹脂材２０がコンクリート
１０面に作用する高温を遮断してその下側にある
防水層を保護するのみならず、室内への高温伝播
を遮断し、目地３に詰めたパツキング材３０と共
に雨水の浸透を阻止し、また敷設したブロツク１
上を直ちに歩行でき、その歩行音は勿論その他の
高温を発泡合成樹脂材２０は陸屋根下側の室内へ
の音の伝播を阻止するなど、その敷設施工の簡単
な勝れた断熱防音ブロツクとすることができたの
である。

ところで敷設したブロツク１の目地３にパツキ
ング材３０を埋め込むということは、なかなか面
倒であるし、十分な防水ができないおそれがあ
る。そこでブロツク１に、その左右対称の側面全
面又は少なくとも上半部を覆う程度の大きさのパ
ツキング材３１、例えば軟弾性に富むゴム又は同
効質の材質のパツキング材３１を貼り、特に該パ
ツキング材３１の、表面板材１０の側面に当たる
部分には、該側面の厚みの約1/3の厚さにおいて
パツキング材３１と同効質材による突隆条３２を
外側に向けて突設し、前記表面板材１０の他の側
面には該突隆条３２がやゝ堅く嵌る程度の溝１２
を形成し、このようにして一つのブロツク１の溝
１２に他のブロツク１の突隆条３２を嵌め込むよ
うにしてブロツク１を敷設すると、その目地には
同時にパツキング材３１が挾着され、さらに溝１
２への突隆条３２の嵌り込みによつてその防水性
は一段と向上することができ、一段と勝れた断熱
防音ブロツクとすることができたのである。

考案の効果 このように本考案に係る断熱防音ブロツクは、
陸屋根の防水層上に発泡合成樹脂材を下側にして
敷き並べるだけで、短時間で敷設施行することが
でき、これによつて陸屋根の防音性及び断熱性を
高め、敷設したブロツク上の歩行も可能にするも
のである。また、パツキング材に突設した突隆条
を隣接するブロツクの溝に嵌合させながら各ブロ
ツクを敷設することにより、その敷設と同時に目
地に自動的にパツキング材を挾着することがで
き、しかも、溝への突隆条の嵌合によつて防水性
が一段と向上するから、敷設を簡単且つ効果的に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の断熱防音ブロツクの斜視
図、第２図は同コンクリート製表面板材を発泡合
成樹脂材から引はがした態様の一部破断した斜視
図、第３図は同施工態様の平面図である。 １は断熱防音ブロツク、１０は表面板材、１１
は脚片、１２は溝、２０は発泡合成樹脂材、３は
目地、３１はパツキング材、３２は突隆条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート、セラミツク等の重量のある硬質
   の正方形板材の裏面に数個の脚片を前記板材と一
   体に突設形成し、該脚片を埋没させる厚みで前記
   板材の裏面に、該板材の正方形と同等の平面形で
   発泡スチロール樹脂、強化発泡スチレン樹脂等の
   発泡合成樹脂材を成形接着し、これら板材と発泡
   合成樹脂材との接合体における一組の相対する側
   面にパツキング材を貼着して、該パツキング材の
   外側面に突隆条を形成すると共に、前記板材にお
   ける他の一組の相対する側面に、前記突隆条が嵌
   合する溝を形成したことを特徴とする陸屋根敷設
   用断熱防音ブロツク。