JPH0348396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンシールドタイプドアクローザの取
付装置に関する。

上述ドアクローザは、扉の上端面と、閉扉時に
あつて扉上端面と対向する扉取付用枠の上枠とに
ドアクローザ本体とアームのガイドレールを夫々
固定し、該アーム端とドアクローザ本体のピニオ
ン軸を嵌合固定することにより扉への取り付けを
行うのであるが、かゝるドアクローザにあつては
扉取り付け時に予めピニオン軸を開扉角度に相当
する角度に回転してドアクローザ本体に閉扉力を
蓄勢させておく必要がある。

従来上述ドアクローザの取付手段は、ドアクロ
ーザ本体とアームのガイドレールを夫々扉上端面
と上枠に固定し、次いでアームの一端をガイドレ
ールに係嵌した後、アーム他端とピニオン軸を嵌
合させるものであつたから、ドアクローザ本体に
閉扉力を蓄勢するのに扉を開き、ピニオン軸を特
殊なスパナ等の工具を用いて開扉角度に相当する
角度だけ回転させ、次いで工具を外しアームを嵌
合させている。

しかし、このようなドアクローザ取付手段で
は、ピニオン軸を一定の回転角度に回転保持し得
ない為、開扉角度が定まらず多角形状ピニオン軸
と、アームの多角形状孔との嵌合が行い難かつた
り、又ピニオン軸はドアクローザ内のスプリング
力によつて回転付勢されることによつても嵌合を
困難にしている。従つて、従来はドアクローザの
取り付けは煩雑な作業となつて多くの時間を費
し、かつその取り付けに熟練を要するものであつ
た。

本考案は上述従来の事情に鑑みて検討の結果、
適切に形成したホルダーを用いて予めピニオン軸
を開扉角度に回転止めしておき、かゝる状態で扉
と上枠に夫々ドアクローザ本体とアームのガイド
レールを取り付け、アームの一端をガイドレール
に係嵌し、次いでアーム他端とピニオン軸を嵌合
した後、ホルダーを抜き取るよう構成したことに
よつて、上記ピニオン軸とアームとの嵌合を容易
にし、もつてドアクローザの取り付けを、一定し
た閉扉力蓄勢のもとに容易な操作によつて簡単、
かつ確実に、しかも短時間に行い得るようにした
ドアクローザの取付装置を提供するのが、その目
的である。

以下本考案を図示の一実施例に基づいて詳述す
れば、第１図ないし第４図に示したようにドアク
ローザ本体１は、そのシリンダー２内に嵌合した
図示しないピストンのラツクとシリンダー２側部
に軸支したピニオンを噛合し、シリンダー２内に
あつて、ピストンにはスプリングが弾撥付勢され
ていて、ピニオン軸３を回転することによりピス
トンはスプリングを圧縮することによつて閉扉力
が蓄勢されるよう形成されているもので、その構
成は公知のものと同様であるから詳細な説明は省
略する。

上記ドアクローザ本体１のピニオン軸３は図示
のようにシリンダー２から側方へ突出されてい
て、その突出端は横断面多角形状つまり図示例で
は四角形に形成されていて、アーム４の一端には
ピニオン軸３に対応する正方形の孔４ａが貫設し
てあり、相互に脱着自在に、かつ軸回り方向に固
定されるよう嵌合される。

又上記アーム４の他端には図示しない摺動子が
軸支され、該摺動子は扉取付用枠５の上枠５ａに
固定される図示しないガイドレールにスライド自
在に係嵌されるようになつている。

又、上記ドアクローザ本体１は、上記扉取付枠
５の竪枠５ｂに図示しない蝶番にて開閉自在に枢
着された扉６の上端面６ａにネジ９…にて固定さ
れる。

本案装置は上記ドアクローザ本体１を扉６に固
定する前に予めピニオン軸３を開扉角度θまで回
転させて、当該ドアクローザ本体１に閉扉力を蓄
勢させておき、この状態でドアクローザ本体１を
扉６に、ガイドレールは上枠５ａに夫々固定する
もので、上記ピニオン軸３は、今だガイドレール
に係嵌させてない上記アーム４により回転して、
その回転された状態でホルダー７によりピニオン
軸３を回転止めするように設けられている。

上記ホルダー７は平板部７ａと垂直板部７ｂと
から側面略〓形状に屈曲形成されていて、その水
平板部７ａの前端中央部には、前端に開口する平
面矩形状のピニオン軸回転止溝７ｃが、上記ピニ
オン軸３の横断面形状（四角形）に対応した形状
及び寸法を有してピニオン軸３と係脱自在に係合
可能に設けられている。

又、上記水平板部７ａの基端よりにはドライバ
ー等を差し込む孔７ｄを設けておくと、後述する
ようにして抜き取りを容易に行うことができて都
合がよい。

更に上記ホルダー７はドアクローザ本体１上に
脱着自在に、かつ非回転状態に保持されるよう、
上記ドアクローザ本体１のシリンダー２外壁面に
は突起８がドアクローザ本体１の長手方向（扉の
幅方向）と略直角配置に突設してあつて、これに
垂直板部７ｂ下端が掛止されるようにしてある。

又ドアクローザ本体１の外壁面に溝部（図示し
ない）を設けて上記ホルダー７を係嵌するように
してもよく、更にはホルダー７の横幅をドアクロ
ーザ本体１のそれと同一幅に形成し、ドアクロー
ザ本体１を扉６の上端面６ａに設けた凹部６ｂに
第３図が示した如く嵌合して固定し、かゝる状態
でアーム４にて所定角度回転されたピニオン軸３
とホルダー７の回転止溝７ｃを係嵌し、当該ホル
ダー７を上記凹部６ｂに嵌合することによつてホ
ルダー７の回転が阻止されるようにしてもよい。

而して上記構成において、これを用いてドアク
ローザを取り付ける時は、図示例によると、扉６
及び上枠５ａに対するドアクローザ本体１及びガ
イドレールの取り付けに先だつて、ピニオン軸３
にアーム４の孔４ａを嵌合し、当該アーム４によ
りピニオン軸３を予め開扉角度θ、例えば約90度
に第１図に示した如く回転させて、ドアクローザ
本体１に閉扉力を蓄勢させ、この状態でピニオン
軸３とホルダー７の回転止溝７ｃを第２図ないし
第４図に示した如く係嵌し、当該ホルダー７を突
起８等に掛止して回転を阻止する。

次いでピニオン軸３からアーム４を抜き取る
と、ピニオン軸３は蓄勢された閉扉力により第１
図、第２図において反時計回り方向に回転力を受
けるが、上記ホルダー７と係嵌されていて当該ホ
ルダー７はドアクローザ本体１上に非回転に保持
されていることによつて、ピニオン軸３は反転す
ることなく回転された状態に保持される。

かゝる状態とした後、ドアクローザ本体１及び
ガイドレールを扉６及び上枠５ａに夫々ビスにて
固定し、該ガイドレールにアーム４の一端をスラ
イド可能に係嵌し、次いでアーム４他端の孔４ａ
とピニオン軸３を嵌合して軸回り方向に固定した
ならば、必要に応じてピニオン軸３端部に図示し
ない抜け止めネジを螺着する。

こゝで、上記ピニオン軸３はホルダー７によつ
て所定の回転角度に保持されているのでアーム４
との嵌合は容易となる。

次いで、ホルダー７をピニオン軸３から抜き取
ることでドアクローザの取り付けは完了する。

上記ホルダー７を抜き取ると、ピニオン軸３の
拘束は解かれるので、蓄勢されている閉扉力によ
つてピニオン軸３が回転されるので、扉６は自動
で閉じる。

又ホルダー７の抜き取りに際して、孔７ｄにド
ライバー等の工具を差し込み、その先端を突起８
に当接し、当該突起８を支点として工具を第２
図、第３図において左方向へ回転させることによ
り、“テコ”の原理によつて容易に抜き取ること
ができる。

尚、１０，１１はドアクローザの閉扉速度調整
用ネジである。

以上説明したように本考案に係るコンシールド
タイプドアクローザの取付装置によれば、扉６及
び上枠５ａへのドアクローザ本体１及びガイドレ
ールの取り付けに先だつて、アーム４等により予
めピニオン軸３を開扉角度に相当する角度θに回
転させた後、ホルダー７によりピニオン軸３を回
転角度に係合固定せしめて閉扉力を蓄勢させてお
き、かゝる状態で扉６及び上枠５ａにドアクロー
ザ本体１及びガイドレールを夫々取り付け、次い
でガイドレールにアーム４の一端を係嵌すると共
に、その他端とピニオン軸３を嵌合した後、ホル
ダー７を抜き取るよう構成したものであるから、
ピニオン軸３を予め所望角度に回転して固定させ
ておくことができるので、当該ピニオン軸３とア
ーム４との嵌合を容易、かつ確実ならしめること
ができ、又ピニオン軸３とアーム４を嵌合後ホル
ダー７は抜き取ればよいから、ドアクローザの取
り付けを所望閉扉力値に保持した状態で容易な操
作によつて簡単、かつ短時間に、しかも熟練を要
することなく何人にも行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案に係るコンシール
ドタイプドアクローザの取付装置を夫々示したも
ので、第１図はそのピニオン軸をアームによつて
開扉角度に回転した状態の平面図、第２図、第３
図はそのホルダーによりピニオン軸を回転止めし
た状態の平面図と側面図、第４図はそのドアクロ
ーザ取り付け途中の状態を示す斜視図である。 １……ドアクローザ本体、３……ピニオン軸、
４……アーム、５……扉取付用枠、５ａ……上
枠、６……扉、６ａ……扉の上端面、７……ホル
ダー、７ｃ……ピニオン軸回転止溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉６の上端面６ａに固定されるドアクローザ本
   体１の多角形状ピニオン軸３を係脱自在に係合保
   持するピニオン軸回転止溝７ｃを一側端に有し、
   予めピニオン軸を開扉角度に相当する回転角度に
   回転止め可能なよう、上記ドアクローザ本体上に
   脱着自在にかつ非回転に係合保持可能に設けたホ
   ルダー７を備えたことを特徴とするコンシールド
   タイプドアクローザの取付装置。