JPH0346749B2 - - Google Patents

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JPH0346749B2
JPH0346749B2 JP13094087A JP13094087A JPH0346749B2 JP H0346749 B2 JPH0346749 B2 JP H0346749B2 JP 13094087 A JP13094087 A JP 13094087A JP 13094087 A JP13094087 A JP 13094087A JP H0346749 B2 JPH0346749 B2 JP H0346749B2
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JP
Japan
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compressor
refrigerant
chamber
working chamber
evaporator
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JP13094087A
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Inventor
Hiroyuki Hayashi
Masahito Yokoyama
Teruyuki Hotsuta
Kazuhiko Nakagawa
Shuji Nakada
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0346749B2 publication Critical patent/JPH0346749B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冷凍サイクル制御方法に関し、特に自
動車用の空調装置の冷凍サイクルに関する。ま
た、本発明の冷凍サイクルは圧縮機に作動室と吸
入室とを連通するバイパス孔を設け、圧縮機の吐
出容量を可変するようにした冷凍サイクルに関す
る。
〔従来の技術及びその問題点〕
従来より圧縮機にバイパス孔を設け、圧縮機の
吐出容量を冷凍サイクルに要求される能力に応じ
て可変するようにした冷凍サイクルはすでに考案
されている。また自動車用の空調装置において、
このような可変容量圧縮機を用いた冷凍サイクル
にあつては、起動時の負荷低減を図るため、常に
圧縮機を小容量にすることも考案されている。
しかしながら、このような可変容量圧縮機を備
えた冷凍サイクルにおいて、小容量にて起動させ
ると、所定状態においては騒音が発生されること
が、本発明者らの実験検討により初めて明らかに
された。すなわち、本発明者らの実験検討によれ
ば、冬期や秋期等の冷凍サイクルに要求される負
荷が小さな状態で、圧縮機を小容量とした状態で
起動させた場合には、特別な騒音の発生は認めら
れなかつたが、夏期等のように冷凍サイクルに要
求される負荷が大きな状態で、圧縮機を小容量と
して起動させれば騒音が発生することが認められ
た。
このような騒音の発生は、従来全く指摘されて
いなかつたものであり、本発明者らはこの騒音の
原因究明につき終始の検討を行つた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこのような実験検討結果に基づき案出
されたもので、可変容量圧縮機を備えた冷凍サイ
クルにおいて、圧縮機を小容量の状態で起動させ
る際においても、騒音が発生することがないよう
にした制御方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成および作動〕
本発明者らが、冷凍サイクルに用いられる各種
機器、即ち膨張弁、エバポレータ、冷媒配管等を
かえて検討したところ、騒音は起動後7秒程度ま
では生じないが、7秒経過以降において騒音が急
増することが確かめられた。
従つて、本願発明の制御方法においては、圧縮
機を大容量で駆動する必要がある状態で起動させ
る時には、2〜7秒程度の間のみ小容量で圧縮機
を駆動させ、その後圧縮機を大容量とするという
制御方法を採用する。即ち、本願発明の制御方法
によれば、圧縮機を小容量で起動させる状態で
は、7秒以上に渡つて小容量運転を継続させない
ようにする。
従つて、本発明の制御方法によれば、起動時小
容量とすることにより、圧縮機の起動負荷低減を
図ることができると共に、騒音が発生するという
本願発明者らが見出した問題を確実に除去するこ
とができる。
〔実施例〕
以下本発明の制御方法を図に基づいて説明す
る。
第1図は冷凍サイクルの概略を示すもので、図
中100はシヤフトであり、フロントハウジング
103内に軸受104を介して、回転自在に支持
されている。またシヤフト100の端部はロータ
102と連結し、従つて、ロータ102はシヤフ
ト100の回転を受け、ハウジング101内で回
転自在に支持される。
ロータ102にはベーン溝105が貫通形成さ
れており、このベーン溝内にベーン106が摺動
自在に配置されている。このベーン106はその
両端がハウジング101の内面に周接するよう構
成されている。
ハウジング101内面、ロータ102外面及び
ベーン106側面により、作動室107が形成さ
れ、この作動室107の容積はロータ102の回
転に伴い増減する。フロントハウジング108内
には吸入室109が形成されており、この吸入室
109は吸入口110を介して作動室107と連
通している。また吸入口110は作動室107が
容積増大する吸入工程においては、吸入室109
内の冷媒が吸入口110を介して作動室107に
吸入される。また、作動室107の容積が最も減
少した部位には、吐出口111が開口しており、
作動室内で圧縮された冷媒がこの吐出口111よ
り吐出室112に吐出される。
フロントエンドプレート103のうち作動室1
07の容積が減少している部位には、バイパス孔
113が開口しており、このバイパス孔113を
介して、作動室107が吸入室109と連通す
る。なお、このバイパス孔113の開口位置は、
作動室107の容積が最大容量時の17%に減少す
る部位に開口している。
フロントサイドプレート103中にはバイパス
孔113と直交する方向に中溝114が形成され
ている。また、中溝114内にはバイパス弁11
5が摺動自在に配置されている。このバイパス弁
115の移動により、バイパス孔113が開閉制
御される。中溝114のうちバイパス弁115の
一方側にはスプリング116が配置され、このス
プリング116により、バイパス弁115はバイ
パス孔113を開く方向に付勢される。
中溝114の他方側には制御圧室117が形成
されている。従つて、バイパス弁115は、この
制御圧室117の圧力と、スプリング116の圧
力バランスによりその変位が制御される。
制御圧室117には制御手段200によつて、
制御された圧縮機吐出側の高圧が供給される。即
ち、圧縮機のうちロータ102の側方で、かつ吐
出口111の近傍となる部位より導圧通路201
が伸び、この導圧通路201は制御手段200の
高圧導入口202に連通する。一方制御手段20
0には吸入室109と連通する低圧導入口203
が開口しており、この低圧導入口203と高圧導
入口202との間は弁体204によつて導通され
る。また、弁体204は電磁ソレノイド205の
ムービングコア206に連結されており、従つて
コイル207の励磁、非励磁によりその位置が制
御される。このように高圧通路201により導入
された圧力は、その一部が制御手段200を介し
て吸入室109側へ逃がされることにより、圧力
の制御がなされる。そして、制御後の圧力が、信
号圧として信号圧供給通路209より制御圧室1
17に導入される。
フロントハウジング108のバブル130上に
は電磁クラツチ300(第2図図示)が配置され
ており、この電磁クラツチ300を介て自動車走
行用エンジンの回転駆動力がシヤフト100に伝
達される。また、フロントハウジング108とシ
ヤフト100との間には軸封装置131が配置さ
れており、圧縮機内部の冷媒及び潤滑油がシヤフ
ト100に沿つて、外方に漏出するのが防止され
る。
圧縮機の吐出室112より吐出された高温高圧
の冷媒は、コンデンサ400に導入される。そし
てこのコンデンサ400内で冷却風と熱交換して
凝縮する。凝縮後の液冷媒は高温高圧のまま膨張
弁500に流入し、この膨張弁500で低温低圧
の霧状に断熱膨張する。膨張弁は第3図に示すよ
うに、エバポレータ600出口側に位置する感温
筒501からの信号に基づいて、絞り部502の
絞り量を制御するものである。
即ち、感温筒501中には冷媒が封入されてお
り、エバポレータ600出口側の温度に応じて、
その内部圧力が変化する。この圧力は膨張弁50
0のダイヤフラム503に印加され、従つて、ダ
イヤフラム503は冷媒圧力に応じて第3図中上
下方向に変位する。このダイヤフラム503の移
動がシヤフトを介し、弁体504に伝達され、弁
体と絞り部502との間の間隔が可変する。この
間隔の変化に応じて膨張弁500における絞り量
が変化する。
エバポレータ600は第4図に示すように、冷
媒通路部601とその端部に配置されたタンク部
602とを備える。また、冷媒通路部601の間
にはコルゲートフイン603が配置され、冷媒と
空気との間の熱交換を促進する。タンク部602
の一端側には、膨張弁500からの冷媒を導入す
る入口パイプ604が連通しており、タンク部他
端側には熱交換後の冷媒を導出する出口パイプ6
05が連通している。なお、上述の感温筒501
はこの出口パイプの保持部606上に位置され
る。
この出口パイプ606と圧縮機の吸入室とは第
2図に示すような冷媒配管701,702を介し
て連通される。配管700及び701は共にアル
ミニウム合金よりなり、その内径は14mm程度とな
つている。また、配管702は可動性に富むゴム
材料よりなり、その内径は12mm程度となつてい
る。ここで、エバポレータ600はクーラケース
630内に配置され、かつクーラーケース630
は自動車の車室に配置される。一方、圧縮機30
0は自動車のエンジンルーム中に配置される。従
つて、冷媒配管700,701,702はエンジ
ンルームから自動車車室に抜けて伸びており、そ
の全長は2m程度となつている。
次に上記構成よりなる冷凍サイクルの作動につ
いて説明します。制御手段200にはコントロー
ラ700からの電気信号が印加され、コイル20
7の励磁、非励磁が切替られる。コイル207が
励磁した状態では弁体204が第1図中右方向に
変位し、高圧導入口202と低圧導入口203と
が連通する。従つて、高圧通路201内の冷媒は
制御手段200を介して、吸入室109側に逃が
されるため、信号圧供給通路209内の圧力が低
下する。即ち、制御圧室117には比較的低い圧
力が供給されることとなる。この場合には、スプ
リング116の付勢力が制御圧室117内の圧力
に勝りバイパス弁115は第1図中上方向に変位
する。従つて、バイパス孔113が開かれ、作動
室107と吸入室109とが連通する。この状態
では、作動室107はバイパス孔113を経過し
た後でなければ、圧縮を開始しないことになり、
圧縮機の吐出容量が17%にまで低下する。
コントローラ700からの電気信号が出力され
ず、コイル207が励磁しない状態では、弁体2
04は高圧導入口202と低圧導入口203とを
遮断する。この状態では、高圧通路201からの
圧力は吸入室109側には流されず、その結果、
制御圧室117内の圧力が上昇する。この制御圧
室117の圧力上昇に伴い、バイパス弁115は
スプリング116の付勢力に打ち勝ち第1図下方
向に変位する。この変位により、バイパス孔11
3が閉じられる。その結果、吸入口110より吸
入された冷媒は全量圧縮吐出され、圧縮機は100
%容量となる。
一方、コントローラ700からの電気信号は、
電磁クラツチ300にも伝達され、この電気信号
に基づき電磁クラツチ300が動力の伝達遮断を
行う。電磁クラツチが動力遮断状態となつた場合
には、圧縮機には自動車走行用エンジンからの回
転駆動力が伝達されず、従つて、圧縮機の吐出容
量は0%となる。このようにして、圧縮機はその
吐出容量が0%、17%、100%の3段階に切換え
ることになる。
ここで、圧縮機の吐出容量として小容量時に17
%としたのは、圧縮機起動トルクを100%起動時
の半分にするためである。即ち、第5図に示すよ
うに、17%容量で圧縮機を起動させる時に必要と
される起動トルクは、100%容量時で圧縮機を起
動するきに必要されるトルクの半分となるように
設定されている。このように吐出容量を設定する
ことにより、圧縮機の起動時の回転トルクを変動
を抑えることができると共に、圧縮機の吐出容量
を17%から100%に切換える時の回転トルク変動
も小さなものとすることができる。
そして、この圧縮機の容量はエバポレータ60
0下流の空気温度の変動によつて制御される。即
ち、空気温度が3℃以上の状態である時には、圧
縮機に冷凍作用が不要となり、その状態では電磁
クラツチ300が動力伝達を遮断し、圧縮機の容
量は0%となる。
空気温度が4℃以上となると、圧縮機は17%の
小容量で作動する。そして、空気温度が5℃以上
になり、冷房能力が必要とされる状態の時には、
バイパス弁115がバイパス孔113を閉じ、圧
縮機は100%の容量で作動する。
ここで、圧縮機の作動、不作動の切換温度及び
17%、100%の切換温度近傍時で切換えが、頻繁
に行われることがないよう、設定温度には1℃程
度の差がもたされている。
即ち、圧縮機100%運転状態から17%の小容量
状態へ切換える温度は、上述の切換温度(5℃)
より1℃低い4℃とする。また、圧縮機を17%の
小容量から0%に切換える温度は3℃とする。
ここで、圧縮機が起動される状態では、起動ト
ルクの変動を小さくするため、圧縮機に要求され
る能力にかかわらず、常に小容量で起動開始する
ようにする。
ところが、第6図に示すように、高負荷時に圧
縮機を小容量で起動させた場合には、7秒程度経
過後に大きな騒音が発生することが認められた。
この騒音レベルは、例えば10秒経過時の騒音時
と、5秒経過時の騒音時との差が10デシベル程度
となつており、かなり耳障りなものとなる。な
お、この第6図図示実験データは、圧縮機として
最大吐出容量140c.c.のものを17%の小容量状態で
起動したものであり、また、この場合における配
管は上述の第2図に示したゴム性配管702及び
アルミニウム性配管701,700の組合せより
なるもので、その長さは約2mである。またエバ
ポレータ600としては、第4図図示形状のもの
を用い、その容量は820c.c.程度となつており、ま
た、内部の通路部601は幅が9cm程度、厚さが
3mm程度のものとなつている。また、エバポレー
タ600の全体形状は高さが25cm、幅が24cmとな
つている。更に、膨張弁としては第3図図示形状
のものを用い、感温筒501からの応答性を示す
時定数は10〜16秒程度のものを用いている。
次に、本発明者らが冷凍サイクルを構成する各
機器を異ならせて同様に小容量起動時における騒
音レベルを測定した。第7図、第8図、第9図は
この騒音レベルの変化を示すものである。第7図
は、冷凍サイクルの構成として圧縮機エバポレー
タ600及び膨張弁500は第6図図示実験デー
タのものと同じものを用い、配管701,702
の長くしたものを用いた。即ち、この第7図図示
実験データにおける配管はその全長が300cm程度
のものとなつている。この第7図に示すように配
管の長さを異ならせても、やはり7秒程度経過後
から騒音レベルの上昇が認められる。そして、10
秒経過時の騒音レベルと5秒経過時の騒音レベル
との差は5.5デシベル程度認められた。
第8図図示実験データは膨張弁500の時定数
を変位させた冷凍サイクルにおいて調べた実験結
果である。即ち、第8図図示実験データにおいて
は、圧縮機、配管701,702、エバポレータ
600は上述の第6図図示実験データのものと同
様のものを使用している。そして、膨張弁500
として時定数が35秒程度のものを使用している。
なお、時定数とは感温筒501のある温度変化に
応じて、弁体504が実際にある一定量作動する
までの時間遅れを示すもので、膨張弁500の応
答性を示す。
この第8図に示すように、時定数を大きくした
膨張弁500を用いた冷凍サイクルであつても、
8秒経過後程度から騒音レベルが大きくなつてい
る。そして、13秒経過時の騒音レベルと5秒経過
時の騒音レベルとの間には、8.5デシベル程度の
差が認められた。
第9図図示結果は、エバポレータ600の使用
を換えた冷凍サイクルにおけるデータを示す。即
ち、第9図図示データを示す冷凍サイクルにおい
ては、エバポレータ600はその大きさが縦が23
cm、高さが24cm全体の冷媒封入容量が850c.c.程度
のものとなつている。更に、このエバポレータで
は通路部が幅が11cm、厚さが3.6mm程度のもので
ある。
この第9図より明らかなように、起動後4秒程
度経過後から騒音レベルの上昇が認められる。そ
して、10秒経過時における騒音レベルと、起動後
3秒経過時における騒音レベルとの間には、4.5
デシベル程度の差が認められる。
上述の実験結果から明らかなように、小容量状
態で圧縮機を起動した場合に、起動後4〜6秒程
度の間は騒音レベルが低く、その後騒音レベルが
急に上昇することが確かめられる。
この騒音レベル変動につき、本発明者らの検討
結果によれば、この騒音はバイパスポート113
を通過する冷媒の脈動が、冷媒配管700,70
1,702を介し、エバポレータ600に伝わり
このエバポレータ内できようめいして生じるもの
であると認められる。
即ち、圧縮機停止時においては、膨張弁500
のダイヤフラム503、下面側の冷媒通路部51
0における冷媒圧力が十分高くなつており、この
冷媒圧力を受けて、ダイヤフラム503が第3図
中上方向に変位している。従つて、圧縮機起動時
においては、弁体504が常に絞り部502を絞
つており、膨張弁500がほとんど閉じられた状
態で圧縮機が起動することになる。そのため、当
初はコンデンサ400から冷媒の供給を受けるこ
となく、エバポレータ600内の冷媒が圧縮機側
に吸引されることになる。
ここで、起動当初においては、エバポレータ6
00内に液冷媒が溜まつているため、この液冷媒
が存在する間においては、上述したバイパス孔1
13を通過する冷媒の脈動に起因する圧力変動が
エバポレータ600に伝わりにくくなつている。
従つて、起動当初におけるエバポレータ600で
の騒音レベルは低くなつている。しかし、起動後
4〜6秒経過して、エバポレータ600内におけ
る液冷媒がなくなつてくれば、バイパス孔113
に起因する脈動がそのままエバポレータ600に
従い、エバポレータ600にて共鳴して騒音が発
生すると認められる。
なお、起動時にエバポレータ600内の液冷媒
が圧縮機側に吸入された後、エバポレータ600
内の液冷媒が減少していき、その状態を感温筒5
01が検出して、膨張弁500は絞り部502を
開くように作動する。しかしながら、感温筒50
1が冷媒状態を検知してから、実際に弁体504
が絞り部502を開くまでには、所定の時間遅れ
を生じるので、この時間遅れの間においてはエバ
ポレータ600において騒音が発生してしまう。
上述した第6図から第9図図示実験は、冷凍サ
イクルが高負荷状態におかれた場合におけるデー
タである。即ち、この高負荷状態とは、圧縮機が
起動する前にサイクル内の冷媒の圧力が6Kg/cm2
程度以上となつている状態である。この状態は、
夏期等の特に冷房負荷が高い状態に相当する。
冷凍サイクルが低負荷状態におかれた場合に、
圧縮機を小容量で移動した際の実験データを第1
0図に示す。この第10図に示すように、圧縮機
を小容量で起動したとしても、冷凍サイクルが低
負荷状態であれば、吸入側圧力が低い為に、バイ
パス孔からの脈動レベルが低い為、エバポレータ
600において特に騒音は発生しない。即ち、第
10図に示すように起動後5秒経過時における騒
音レベルと10秒経過時における騒音レベルとの差
は1デシベル程度しかない。
なお、第10図図示実験データは、第6図図示
データに係わる冷凍サイクルと同様の機器からな
る。即ち、圧縮機冷媒配管700,701,70
2、エバポレータ600及び膨張弁500とも第
6図図示実験データのものと同様のものを使用し
ている。そして、この冷凍サイクルの低負荷状態
とは、圧縮機が停止している状態において、サイ
クル内の冷媒圧力が4Kg/cm2程度となつている状
態である。
この第10図図示実験データ及び第6図図示実
験データより明らかなように、圧縮機が小容量で
起動した際に、エバポレータ600における騒音
が問題となるのは、冷凍サイクルの高熱負荷時の
みである。従つて、このような高熱負荷時におい
ては、4〜6秒経過後に圧縮機の容量を100%容
量まで増大させることが、冷凍サイクルの制御上
からも望まれるのである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本願発明の冷凍サイクル
においては、冷凍サイクルが高熱負荷時で、圧縮
機に高容量が必要とされる状態で圧縮機が起動す
る際、圧縮機を小容量として起動をさせる。即
ち、圧縮機が常に小容量で起動されることにな
り、起動時の負荷軽減が図れる。しかも、本願発
明では、この起動時小容量とする時間を7秒以下
の時間としている。従つて、本来であれば、エバ
ポレータにおいて騒音が発生する状態であるにも
かかわらず、本願発明によれば、起動時の騒音が
完全に防止することができる。そのため、本願発
明によれば、起動負荷の低減を図りつつ、かつエ
バポレータの騒音低減を維持することができると
いう優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる冷凍サイクルを示す構
成図、第2図は第1図図示冷媒配管部を示す斜視
図、第3図は第1図図示膨張弁を示す断面図、第
4図は第1図図示エバポレータを示す正面図、第
5図は圧縮機起動トルクを示す説明図、第6図乃
至第10図は、それぞれ起動時のエバポレータに
おける騒音レベルを示す実験データである。 100……シヤフト、101……ハウジング、
102……ロータ、105……ベーン溝、106
……ベーン、107……作動室、109……吸入
室、111……吐出口、112……吐出室、11
3……バイパス孔、115……バイパス弁、20
0……制御手段、400……コンデンサ、500
……膨張弁、501……感温筒、600……エバ
ポレータ、700……コントローラ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハウジング内に回転自在に配設されたシヤフ
    トと、前記ハウジング内に形成され前記シヤフト
    の回転を受けて容積変動する作動室と、前記作動
    室に吸入孔を介して連通し冷媒を作動室内に吸入
    させる吸入室と、前記作動室に吐出口を介して連
    通し、作動室で圧縮された冷媒が吐出される吐出
    室と、前記作動室の圧縮途中の部位と前記吸入室
    とを連通し、前記作動室内の冷媒を前記吸入室側
    にバイパスするバイパス孔と、このバイパス孔の
    開閉を行うバイパス弁と、このバイパス弁の作動
    を電気的に制御する制御手段とを備えた圧縮機
    と、 自動車走行用エンジンからの回転力を前記圧縮
    機の前記シヤフトに伝達する電磁クラツチと、 前記圧縮機の前記吐出室と連通し、冷媒の凝縮
    を行うコンデンサと、 前記圧縮機の前記吸入室に冷媒配管を介して連
    通するエバポレータと、 前記コンデンサの下流側に配置され、前記コン
    デンサで凝縮された液冷媒の減圧膨張を行い、か
    つその弁開度を前記エバポレータ出口側の冷媒状
    態において可変調整される膨張弁と、 冷凍サイクルの運転状態に応じて前記制御手段
    の作動室信号を制御するコントローラとを備え、 前記コントローラは前記圧縮機が最大容量で運
    転開始する場合、前記電磁クラツチに動力伝達
    ONの信号を出力すると同時もしくは出力する以
    前に、前記制御手段に前記バイパス孔を開とする
    信号を出力し、2〜7秒経過後に、前記制御手段
    に前記バイパス孔を閉とする信号を出力する冷凍
    サイクル制御方法。
JP13094087A 1987-05-27 1987-05-27 冷凍サイクル制御方法 Granted JPS63294466A (ja)

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